DVDの種類の中には2層式と呼ばれる容量の大きいものがあります。問題となるのはこのDVDを別のDVDへコピーしたい時で、コピー先のDVDが一般的な容量のものだと容量不足によりエラーとなってしまいます。
そんな時におすすめなのがDVDShrinkというフリーソフトを使う方法です。
今回は、Windows10のPCでファイルサイズの大きいDVDをDVDShrinkで圧縮コピーする方法について紹介します。
この記事の内容
DVDShrinkでできること
DVDShrinkはファイルの圧縮ができるリッピングソフトで、ほとんどオリジナルの状態を保ったまま大容量のDVDから一般的なサイズのDVDへコンテンツをコピーすることができます。
DVDShrinkでは、主に次のようなことができます。
DVDのリッピング
DVDの内容を別のDVDにコピーしたり、パソコン(ハードディスク)に保存したりすることができます。万が一に備えてバックアップを取りたい時や、DVDを複製したい時に便利です。
ファイルの圧縮
容量の大きいDVDは圧縮することでサイズを小さくすることができます。圧縮を行うと画質は若干劣化してしまうものの、容量の大きいDVDでも小容量のDVDにコピーできるようになります。
不要な部分のカット
たとえば「映画の外国語音声を取り除く」「コンテンツのうち必要な部分だけコピーする」など、元のDVDの不要な部分を取り除いてコピーすることもできます。必要な部分だけをコピーすることで、圧縮による画質劣化なくファイルサイズを小さくすることもできます。
DVD Shrinkはフリーソフトのため無料で使用できます。また、対応OSはWindows のみです。
1.必要なものを準備する
DVDShrinkを使用してDVDをコピーするには以下4点が必要です。
- ライティング可能な光学ドライブ
- DVDへの書き込みができる光学ドライブが必要です。もし光学ドライブを搭載していないパソコンを使用している場合は外付けのDVDドライブを用意してください。
- コピー元のDVD
- コピーガード等、複製を防ぐための保護技術がかかっているDVDはコピーできません。事前に1度ご確認ください。
- 空のDVD
- DVD-R、DVD+Rなどの書き込み可能な空DVDを用意してください。
- DVDShrink
- 次項の「DVDShrinkをダウンロードする」の内容を参考にソフトウェアをダウンロード・インストールしてください。
2.DVDShrinkをダウンロードする
残念ながらDVDShrinkの開発はすでに終了しているため、公式サイトからダウンロードすることはできません。2019年3月現在では、海外のダウンロードサイト『FileHippo.com』からソフトをダウンロードすることができます。
上のリンク先からDVDShrinkのダウンロードページにアクセスできます。「最新バージョンをダウンロードする」ボタンをクリックするとソフトをダウンロードすることができます。ダウンロードが完了したらダウンロードしたファイルを開き、表示される手順に従ってインストールを行ってください。
3.DVDを読み取る
インストールが完了したら、コピー元DVDの読み取りを行います。
- 光学ドライブにコピー元DVDをセットします。
- DVDShrinkを起動します。
- ウィンドウ左上にある「Open Disc」をクリックします。
- 光学ドライブを選択し、「OK」をクリックします。
- 処理が完了するまでしばらく待ちます。
*Windows10でDVDが読み込めない場合は、次のページも併せて参考にして下さい。
4.圧縮設定を行う
次のように設定を行ってください。
- ウィンドウ上部メニューバーにある、「Edit」→「Preferences」をクリックします。
- 設定ウィンドウが開きます。それぞれのタブで設定を行います。
- まず「Preferences」タブの設定を行います。「Target DVD size(目標のDVDサイズ)」の設定を「DVD-5 (4.7GB)」にします。そして「Automatically open VIDEO_TS subfolders(自動的にVIDEO_TSフォルダを開く)」にチェックを入れます。
- 「Preview」タブはデフォルトのままで問題ありません。
- 「Output Files」タブを開きます。「Remove macrovision protection」のチェックを外します。また、「Split VOB files into 1GB size chunks(VOBファイルを1GB単位で分割する)」のチェックを入れます。それ以外の項目はデフォルトのままにしておきます。
- 「Stream Selections」タブを開きます。左上から、「All Languages」「All Types」「All Languages」を指定します。
- 「File I/O」タブを開きます。「Enable overlapped I/O(非同期I/Oを有効にする)」「Read 32KB blocks(32KBブロックの読み込み)」「Check RPC2 drive region code when opening a DVD(DVDを開く際にRPC2ドライブのリージョンコードを確認する)」の3つの項目にチェックを入れます。
- 「Enable Burn with Nero(Neroを使用した書き込みを有効にする)」のチェックを外します。
- すべての設定を終えたら「OK」をクリックして元の画面に戻ります。
字幕や音声など、カットしたい部分があれば、ウィンドウ右側の「Compression Settings」にある該当項目のチェックを外してください。
5.リッピングを開始する
リッピングを行い、パソコンのハードディスクにISOイメージを作成します。
- ウィンドウ上部にある「Backup!」をクリックします。
- 「Select backup target」に「ISO Image File」を指定します。
- 必要であれば「Select target image file」の設定を変更してファイルの出力先フォルダを変更します。デフォルトのままでも問題ありません。
- 「OK」をクリックします。処理が開始されるので、完了までしばらく待ちます。
- 完了したら「OK」をクリックします。
6.DVDに書き込む
最後に先程作成したISOイメージを、コピー先DVDへ書き込みます。
- 光学ドライブにコピー先DVD(空のDVD)をセットします。
- エクスプローラー(Windowsキー+E)で先程作成したISOファイルがあるフォルダを開きます。保存先フォルダを変更していなければドキュメントフォルダに保存されます。
- ISOファイルのアイコンを右クリックし、「ディスクイメージの書き込み」を選択します。
- 「書き込み用ドライブ」に正しいドライブが指定されていることを確認します。
- 「書き込み」をクリックします。
- 「ディスクイメージはディスクに正常に書き込まれました」と表示されれば問題なく処理が完了しています。最後に「閉じる」をクリックします。
失敗してしまう場合はDVDライティングソフトを使用して書き込んでみてください。ライティングソフトはフリーソフトでも多数公開されている他、パソコンによっては購入時にインストールされていることもあります。
リッピングがうまくいかない時は?
- DVDShrinkの「Edit」→「Preferences」を開き、「File I/O」タブにある「Enable overlapped I/O」と「Read 32KB blocks」のチェックを外してみてください。
- パソコンのハードディスクに5GB以上の空き容量を確保してください。
- DVDをセットした後、普段使用しているメディアプレイヤーでDVDを数十秒程度再生してから再度リッピングしてみてください。
- DVDの種類によってはDVDShrinkでリッピングできないことがあります。
- DVDShrinkは開発が終了しているため、Windowsの今後のアップデートなどによりDVDShrinkが利用できなくなる可能性があります。