iPhone/iPadの標準ブラウザであるSafariには「プライベートブラウズ」という機能があります。
プライベートブラウズは、インターネットでWebサイトを閲覧する際に閲覧履歴などの個人情報を守ることができます。
本記事では、Safariのプライベートブラウズとは何なのか、使い方を解説します。また、プライベートブラウズ機能を使おうとしても切り替えボタンがない時の対処法も紹介します。
この記事の内容
プライベートブラウズとは
プライベートブラウズとは、履歴を残さずにウェブサイトを閲覧するための機能です。
Safariのプライベートブラウズ機能を使うことで、iPhone/iPad内に検索履歴・閲覧履歴が残らないため、他人にインターネットの利用履歴が流出してしまうのを防ぐことができます。
Safariでプライベートブラウズ機能を有効にすると、iPhone/iPadが具体的には以下の状態になります。
プライベートブラウズ時のそれぞれの状態について詳しく見ていきましょう。
検索履歴や閲覧履歴が残らない
プライベートブラウズ機能を有効にしている間は検索したワードや閲覧したページが履歴に残らなくなります。
履歴は前に見たページをもう1度開きたい時などにとても便利ですが、逆に履歴を残したくない場面もあります。
そのような時にプライベートブラウズ機能をオンにしておけば履歴を残さず安心してウェブ検索やウェブサイトの閲覧ができます。
閲覧履歴を残したくないだけなら後から履歴を消す方法もあります。しかし、履歴を削除するだけではバックアップから復元できてしまう場合もあります。
プライベートブラウズ機能を使えば履歴を消す手間も、復元されてしまう心配もありません。
パスワードが保存されない
Safariには、入力したパスワードを保存し自動入力してくれる機能があります。
パスワードの入力機能は毎度パスワードを入力する手間がなくなるのでとても便利ですが、アカウント情報を残しておくと自分以外の人でもアカウントを使えてしまいます。
そういったパスワードなどのアカウント情報を端末に残したくない場合は、プライベートブラウズを活用するとiPhone/iPadにログイン情報を残さずにウェブサービスを利用することができます。
ウェブサイトから検索履歴を追跡されない
最近のウェブサイトは、トラッキングCookieという技術を使って、ユーザーの検索履歴や行動履歴を記録しているケースが多いです。
また、ユーザーの履歴に基づいてページ内のコンテンツや広告を変えているウェブサイトも増えています。例えば以下のケースです。
- ネットショッピングを利用したら同じような商品の広告がよく表示されるようになった
- 自分と他人とでウェブ検索の結果が違う
こういった履歴情報を取られることは主に企業のマーケティングに利用されるだけなので基本的には無害です。ただし、履歴情報を勝手に取られたくない場合は、プライベートブラウズ機能を有効にしておけば履歴の追跡を防ぐことができます。
また、Safariの設定からクッキーの利用を無効にすることで履歴の追跡を防ぐこともできますが、ログイン認証が必要なサイトを見る事ができなくなってしまいます。
プライベートブラウズではクッキーは無効にせず後で自動削除するため、ログイン認証が必要なサイトでも問題なく利用することができます。
プライベートブラウズを有効にする方法
プライベートブラウズ機能を有効にするには以下の手順で操作を行います。
- Safariアプリを起動します。
- 右下にある「タブ(四角アイコン)」をタップします。
- 下部中央の「N個のタブ(またはスタートページ)」をタップして、「プライベート」を選択します。
- iOS14以前の場合は、左下の「プライベート」の文字をタップします。
- プライベートブラウズ機能が有効になります。
下にある「+」アイコンをタップし、通常どおりウェブ検索を行うかウェブサイトを開けばプライベートブラウズ状態で閲覧を行うことができます。
プライベートブラウズを解除する場合は、右下の「タブアイコン」をタップして、「N個のタブ(またはスタートページ)」→「プライベート」の順にタップしてください。
現在のタブがプライベートブラウズか判断するには、アドレスバーの色を確認してください。白色は通常の状態で、黒色はプライベートブラウズの状態です。
注意!プライベートブラウズでも履歴が残る?
Safariのプライベートブラウズの状態でも、ページを開いているとログイン状態などの一部の情報が保持されます。
プライベートブラウズ中に閲覧したサイト情報や入力した内容が完全に削除されるのはSafariを終了した時です。
そのため、ウェブサイトの閲覧が終わったら必ずプライベートブラウズ中に開いたタブをすべて閉じるか、Safariを完全終了させるようにしてください。
通常の履歴はそのまま残る
また、プライベートブラウズ機能は履歴を消す機能ではないので注意が必要です。
通常モードの間に記録された履歴は、プライベートブラウズ中も表示することができます。
もしSafariのすべての履歴を消したい場合は、以下の手順で履歴を消しましょう。
iPhone/iPadのSafari履歴削除手順
- 「設定」アプリを開きます。
- 「Safari」をタップします。
- 「履歴とWebサイトデータを消去」をタップします。
- 確認メッセージが出るので「履歴とデータを消去」をタップします。
以上で、すべての履歴を削除することができます。
「プライベート」ボタンがない時は
iOS15以降では、タブの一覧を表示して「プライベート」ボタンを押すのではなく、「N個のタブ(またはスタートページ)」をタップしてから「プライベート」を選択する必要がある点に注意してください。
通常の手順でプライベートブラウズを有効にしようとしてもできない場合は、以下の対処方法を試してみてください。
Webコンテンツの機能制限を確認
Safariのプライベートブラウズ機能は、スクリーンタイムでWebコンテンツの制限をしていると「プライベート」ボタンが消えて利用することができません。
次の手順で機能制限を確認して、制限を設定している場合は解除しましょう。
iOS12以降の場合
- 「設定」アプリを開いて「スクリーンタイム」をタップします。
- スクリーンタイムがオンになっている場合、「コンテンツとプライバシーの制限」をタップします。
- 「コンテンツの制限」→「Webコンテンツ」の順でタップします。
- Webコンテンツの項目が「無制限アクセス」にチェックを入れます。
Safariを再起動し、プライベートボタンが表示されるようになったか確認します。
iOS11以前の場合
- ホーム画面から「設定」アプリを起動します。
- 「一般」をタップします。
- 「機能制限」をタップします。
- パスコードを求められた場合は入力します。
- 下へスクロールし、「コンテンツの許可」グループにある「Webサイト」をタップします。
- 「アクセスを許可するWebサイト」から「すべてのWebサイト」にチェックを入れます。
Safariを再起動し、プライベートボタンが表示されるようになったか確認します。
それでも解決しない場合は?
機能制限がない状態で「プライベート」ボタンが表示されない場合は、iOSの不具合も考えられます。
「設定」アプリから「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開いてiOSのアップデートがないか確認しましょう。
iOSが最新の状態なのに不具合が解消しない場合は、iPhone/iPadの「すべての設定をリセット」をお試しください。
iPhone/iPadの設定をリセットする手順
iPhone/iPadの設定をリセットすると写真やアプリなどのデータが消えてしまうことはありませんが、画面ロックやWifiなどの各設定が初期状態に戻ってしまうため、再設定が必要になります。
- 「設定」アプリを起動します。
- 「一般」をタップします。
- 「リセット」をタップします。
- 「すべての設定をリセット」をタップします。
- [iPhone/iPadのパスコード]を入力します。
- 確認画面が表示されたら「すべての設定をリセット」をタップします。
リセットが完了したら、Safariを起動して「プライベート」ボタンが表示されないか確認しましょう。
ボタンがどの方法を使ってもでてきませんでした。
設定リセットやアップデートもしましたが、出てきません。
どうすればいいですか。
機種:iPad Air 2 iOS 12.2