パソコンを使用していると、フォルダに「Thumbs.db」というファイルが作成されることがあります。ファイルサイズも小さいため、普段は気にする必要がありません。
しかし、Thumbs.dbが原因でファイルやフォルダの移動や削除の操作ができない問題が発生することがあります。問題が起きた場合、「エクスプローラーによってファイルは開かれているため、操作を完了できません。」のエラーが表示されます。
本記事では、Windows10のThumbs.dbの概要と削除する方法について紹介します。また、削除できない時の対処方法についても併せて紹介します。
この記事の内容
Thumbs.dbとは
Thumbs.dbは、Windowsのエクスプローラーで使われる、サムネイル画像の表示を高速化するためのキャッシュファイルです。
ファイルエクスプローラーでは、画像や動画が保存されているフォルダを開くと、エクスプローラー上でそれぞれのファイルの中身を小さなサムネイル画像として確認できる機能があります。
この機能はWindowsの初期設定で有効になっているため、普段から画像ファイルの整理等に活用しているという方も多いでしょう。
Thumbs.dbはこの機能で使われるファイルの1つで、過去に表示したサムネイル情報を保持しておくことで次回以降のサムネイル表示を高速化する役割があります。
Thumbs.dbを削除しても問題ない?
Thumbs.dbは、サムネイル表示のための一時ファイルですので削除しても問題ありません。
ただし、削除した直後はエクスプローラー上でサムネイル画像を表示する際に少し動作がもたつくようになることがあります。
しかし、Thumbs.dbはエクスプローラーの使用中に自動で再生成されるので、しばらく使い続けていれば削除後も元の速度でサムネイルが表示されるようになります。
Thumbs.dbの削除方法
Thumbs.dbは隠しファイルになっており、システムファイルとして扱われるため、通常のファイルと同じように削除しようとするとエラーで削除できない事があります。
Thumbs.dbを削除するには、ディスククリーンアップツールを使う方法が最も簡単かつ確実です。
ディスククリーンアップツールを使ってThumbs.dbを削除するには、次の手順で操作を行ってください。
- ファイルエクスプローラー(タスクバーにある、黄色のフォルダアイコン)を開きます。
- ウィンドウ左側のリストにある「PC」をクリックします。
- 中央に表示される「デバイスとドライブ」の中にある「ローカルディスク (C:)」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「ローカルディスクのプロパティ」ウィンドウが開いたら、「全般」タブを開き、ウィンドウ中央付近にある「ディスクのクリーンアップ」ボタンをクリックします。
- 「ディスククリーンアップ」ウィンドウが開いたら、「システムファイルのクリーンアップ」ボタンをクリックします。
- ディスクのスキャンが行われるので、そのまましばらく待ちます。
- スキャンが完了したら、「削除するファイル」リストの中にある「縮小表示」にチェックを入れます。
- その他の設定はThumbs.dbとは関係がないので任意です。
- 不要なキャッシュファイルを削除することでディスクの空き領域が増えるため、チェックを入れて一緒に削除してしまっても良いです。
- 削除したくない場合は「縮小表示」以外の項目のチェックを外してください。
- その他の設定はThumbs.dbとは関係がないので任意です。
- 「OK」をクリックします。確認画面が表示されるので、「ファイルの削除」をクリックしてクリーンアップを実行します。
以上でディスク内のThumbs.dbを全て削除することができます。
Thumbs.dbが削除できない時の対処法
ディスクのクリーンアップを実行してもThumbs.dbを削除できない場合は、次に紹介する方法を参考に対処してください。
対処1: エクスプローラーを再起動する
エクスプローラーに異常が起きているとThumbs.dbが削除できないケースがあります。
そのため、エクスプローラーを再起動することでエラーが解消されて削除できるようになることがあります。
エクスプローラーを再起動するには、次の手順で操作してみてください。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「タスクマネージャー」を選択します。
- タスクマネージャーが起動します。
- 簡易表示になっている場合は、ウィンドウ左下にある「詳細」ボタンをクリックして詳細表示に切り替えます。
- 「プロセス」タブ内のリストから、「エクスプローラー」の項目を探してクリックで選択します。
- 右下にある「再開」ボタンをクリックしてエクスプローラーを再起動します。
- 再起動するとパソコンの画面が乱れることがありますが、エクスプローラーの再起動が終われば直るため、そのまましばらく待ってください。
- タスクマネージャーを終了し、Thumbs.dbファイルを直接削除するか、ディスククリーンアップを実行してThumbs.dbの削除をもう1度試してみてください。
対処2: コマンドプロンプトから削除する
削除できないThumbs.dbは、管理者権限で起動したコマンドプロンプトから削除コマンドを実行することで削除できることがあります。
そのため、一部のThumbs.dbが削除できない場合は、次の手順でコマンドプロンプトを使ってThumbs.dbの削除を試してみてください。
- 「スタート」ボタンをクリックしてアプリ一覧を表示します。アプリ一覧の「Windowsシステムツール」→「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- コマンドプロンプトが起動します。
- Thumbs.dbがネットワークドライブに保存されている場合は、cdコマンドを使ってカレントディレクトリをThumbs.dbの保存先に変更してください。
- コマンドプロンプトに次のコマンドを入力し、エンターキーを押します。
del /ah /s /q thumbs.db
- しばらくするとThumbs.dbの削除が完了します。コマンドの実行が終わったらコマンドプロンプトを終了します。
対処2: サムネイルを無効化してクリーンアップを実行する
Thumbs.dbは自動作成されるファイルのため、一度削除してもすぐに再生成されてしまいます。
削除したThumbs.dbが再度生成されないようにするには、Windowのサムネイルの設定を変更する必要があります。
そのため、Thumbs.dbファイルの作成を無効化してから、削除するか、ディスククリーンアップを実行してみてください。
Thumbs.dbが自動作成されること自体を止めたい場合は、次の『Thumbs.dbの作成を無効化する方法』を参考にしてください。
Thumbs.dbの作成を無効化する方法
Thumbs.dbが必要ない場合は、自動生成される機能を無効化することもできます。
Thumbs.dbの生成を無効にするには、次のいずれかの方法で設定します。
方法1: エクスプローラーのサムネイルの設定を変更する
エクスプローラーのサムネイル表示設定をオフにすることで、Thumbs.dbの生成を無効することができます。
エクスプローラーのサムネイルの表示機能を無効化するには、次の手順で操作します。
- ファイルエクスプローラを開きます。
- エクスプローラウィンドウ上部にある「表示」タブを開きます。
- タブのすぐ下に表示されるリボンを調べ、「オプション」ボタンをクリックして開きます。
- フォルダーオプションウィンドウが開きます。「表示」タブを開きます。
- 「詳細設定」のリストで次の項目にそれぞれチェックを入れます。
- 「縮小版にファイルアイコンを表示する」
- 「常にアイコンを表示し、縮小版は表示しない」
- リストの上にある「フォルダーの適用」ボタンをクリックしてすべてのフォルダに設定を反映させます。確認画面が表示されたら、「はい」をクリックします。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
以上でエクスプローラーのサムネイル表示の無効になるため、Thumbs.dbが生成されなくなります。
方法2: グループポリシーでThumbs.dbを無効化する
Thumbs.dbの生成は、グループポリシーの設定からも無効化することができます。
Thumbs.dbファイルがローカルのハードディスクではなく、ネットワークドライブに保存されている場合は、グループポリシーによる設定変更が必要なケースがあります。
グループポリシーエディタを使ってThumbs.dbの作成を無効化するには、次の手順で操作します。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウにgpedit.mscと入力し、「OK」をクリックします。
- ローカルグループポリシーエディターが起動します。ウィンドウ左にあるツリーをたどり、「ローカルコンピューターポリシー」→「ユーザーの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「エクスプローラー」をクリックして選択します。
- ウィンドウ右側の「設定」リストを調べ、「非表示のthumbs.dbファイルで縮小表示のキャッシュを無効にする」の項目をダブルクリックします。
- ポリシーの設定ウィンドウが開くので、左上の「有効」をオンにします。
- 右下にある「適用」ボタンをクリックして設定を保存したら、すべてのウィンドウを閉じます。
方法3: レジストリでThumbs.dbを無効化する
グループポリシーエディタが使用できない場合は、レジストリ値を変更してThumbs.dbの生成を無効化することもできます。
Thumbs.dbの生成を無効化するには、次の手順でレジストリエディタを操作します。
- 「スタート」ボタンを右クリック→「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウに「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
- レジストリエディターが起動したら、ウィンドウ左側のツリーを使って次のキーまでたどります。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Windows
- 「Windows」キーを右クリックし、「新規」→「キー」を選択します。新しいキーが作成されるので、キーの名前を「Explorer」にします。
- 既にWindowsキーのツリー下にExplorerキーが存在している場合は、この手順をスキップしてください。
- 作成した「Explorer」キーを右クリックし、今度は「新規」→「DWORD (32ビット)値」を選択します。
- ウィンドウ右側のペインに「新しい値」が作成されます。「新しい値」の名前を「DisableThumbsDBOnNetworkFolders」に変更します。
- 間違った名前で値の名前を確定してしまった場合は、値の名前部分を右クリック→「名前の変更」を選択すると再設定できます
- 作成した「DisableThumbsDBOnNetworkFolders」の名前部分をダブルクリックします。
- 「DWORD (32ビット)値の編集」ウィンドウが開きます。「値のデータ」を「1」に変更し、「OK」をクリックします。
- レジストリエディターを終了し、パソコンを再起動します。