iPhone/iPadで撮影した動画(.mov)をWindows10のPCに転送して、再生しようとしても正常に再生できないケースがあります。.movは、QuickTimeのムービーファイルの形式です。
.movの動画ファイルの再生に失敗すると「このアイテムは、サポートされていないフォーマットでエンコードされています。」等のエラーが出ます。
今回は、Windows10で再生できないiPhoneの動画ファイル(.mov)を再生する方法について紹介します。
この記事の内容
対処1: 最新のMOV形式に対応したコーデックをインストールする
最新のiOSの.mov形式(バージョン2以降)の動画を再生するには、対応するコーデックをインストールする必要があります。
.mov形式に対応するコーデックは、幅広い動画形式に対応している「K-Lite Codec Pack Basic」をインストールすることをおすすめします。
K-Lite Codec Pack Basicのコーデックをインストールするには、次の手順で操作します。
- 『K-Lite Codec Pack Basicの配布サイト』にアクセスします。
- 「Server 1」「Server 2」「Server 3」のいずれかをクリックしてファイルをダウンロードします。
- ダウンロードした「K-Lite_Codec_Pack_XXX_Basic.exe」のファイルをダブルクリックします。
- インストールウィザードに従ってインストールを進めます。
- 途中でインストールするコーデックを選択するページが表示されたら「.mov」にチェックが入っていることを確認してください。
- インストールが完了したらウィザードを閉じます。
コーデックのインストールが完了したら、Windows Media Playerなどで.movの動画を開いて再生してみてください。
対処2: Windows Media Playerで再生する
再生しようとしているプレイヤーに問題があり、.movの動画ファイルを再生できないケースが考えられます。
最新の.mov形式に対応したコーデックがインストールできていれば、Windows Media Playerで.movの動画を正常に再生できます。
そのため、Windows Media Playerで.movの動画ファイルを再生できないか試してみてください。
Windows Media Playerで.movの動画ファイルを開くには、動画ファイルを右クリックして「プログラムから開く」→「Windows Media Player」を選択します。
Windows Media Playerが見つからない場合は、次の手順で最新版をインストールすることができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインで「オプション機能」をクリックします。
- 「機能の追加」をクリックします。
- 一覧で「Windows Media Player」にチェックを入れて「インストール」をクリックします。
- 最新のWindows Media Playerが自動でインストールされます。
Windows Media Playerががインストールできたら、.movの動画が再生できないか試してください。
対処3: iPhoneから動画を転送し直す
コーデックを入れても.movの動画が再生できない場合は、動画ファイル自体が破損しているケースが考えられます。
特に転送中にiPhoneを取り外したり、PCをシャットダウンした場合は、動画ファイルが破損していることが考えられます。
動画の破損が疑われる場合は、iPhoneから動画を再度転送し直して再生できないか試してください。
転送元の動画を削除してしまった場合は、サードパティ製のツールを使用した動画の修復を試してください。
対処4: 動画の形式を変換する
ここまでの方法を試しても.mov形式の動画が再生できない場合は、動画形式をMP4などの別の形式に変換することで正常に再生できる可能性があります。
ただし、動画形式を変換するにはサードパティ製のツールを使用する必要があります。簡単に動画形式を変換できる方法を2つ紹介します。
方法1: オンライン動画変換ツールで変換する
PCにサードパーティのツールをインストールしたくない場合は、オンライン上の動画変換ツールを使って変換することができます。
今回は、海外のオンライン上の動画変換ツール「CloudConvert」を使って.movファイルを.mp4に変換する手順を紹介します。
- 『convert MP4 to MOV - CloudConvert(英語)』にアクセスします。
- 「Select File」をクリックして「変換したい.movファイル」を選択します。
- 「Convert to」の右側のプルダウンをクリックして「MP4(変換後の拡張子)」を選択します。
- 「Convert」をクリックします。
- 動画のアップロードと変換が完了するまで待ちます。
- 変換が完了したら「Download」をクリックすると変換した動画ファイルをダウンロードできます。
変換した動画ファイルがダウンロードできたら、正常に再生できるようになったか確認してください。
方法2: 動画変換ソフトを使用して変換する
オンライン上に動画をアップロードすることが不安な場合や、容量が大きい場合は動画変換ソフトを使用した変換を試してください。
動画変換ソフトは、フリーソフトの「Any Video Converter Free」がおすすめです。具体的な変換手順は次の通りです。
- ブラウザで『Any Video Converter公式ページ』にアクセスします。
- ページ上部の「製品一覧」メニューで、「フリー動画変換」を選択します。
- 「ダウンロード」ボタンをクリックします。
- ダウンロードしたインストーラをダブルクリックし、画面に表示される手順に従ってインストールします。
- 「Any Video Converter」を起動します。
- 「ファイルを追加」ボタンをクリックし、「変換する.movの動画ファイル」を選択します。
- 右上のプロファイルアイコン(初期設定では「all」と書かれたアイコンが表示されます)をクリックして、「一般動画形式」の「Customized MP4 Movie(*.mp4)」を選択します。
- 変換後の動画ファイルを保存する「出力フォルダ(出力先)」を指定します。
- 「変換」ボタンをクリックして変換を実行します。
- 変換が完了したらMP4に変換した動画ファイルが表示されます。
動画が変換できたら動画が正常に再生できないか確認してください。
対処5: iPhoneのカメラ設定を互換性重視にする
iPhoneの設定を変更することで、撮影した動画ファイルを.mov形式ではなく、.mp4形式にすることができます。
.mp4形式は、多くのプレイヤーでサポートされているため互換性の問題で再生できないトラブルが起きにくいです。
そのため、.movの動画ファイルだけがPCでうまく再生できない場合は、予め撮影動画の形式を.mp4にしておくことで再生関連のトラブルを防げます。
iPhoneで撮影した動画を.mp4形式で保存するように設定するには、次の手順で操作します。
- 「設定」アプリを起動します。
- 下にスクロールして「カメラ」をタップします。
- 「フォーマット」をタップします。
- 「互換性重視」を選択します。
以上でiPhoneで撮影する動画ファイルが全てMP4形式で保存されます。設定を変更できたら、撮影した動画を転送して.mp4形式になっていることを確認してください。