Windows10でアプリケーション/プログラムの実行時に「このアプリはシステム管理者によってブロックされています。詳しくは、システム管理者に問い合わせてください。」というエラーが表示されるケースがあります。
上記のエラーは、アプリケーションの実行だけでなく、アプリケーションのインストール時に発生してインストールができないケースもあります。
今回は、Windows10で「このアプリはシステム管理者によってブロックされています」の対処法を解説します。
この記事の内容
エラーが出る原因
アプリケーションの実行やインストール時に「このアプリはシステム管理者によってブロックされています」のエラーが発生する場合、主に次のような原因が考えられます。
- 管理者権限のないアカウントでアプリケーションを実行している
- セキュリティソフトがアプリケーションの実行が制限されている
- SmartScreen機能が特定のプログラムの実行が制限されている
- ファイルもしくはディレクトリ関連のエラー
- グループポリシーの設定でアプリケーションの実行が制限されている
上記のとおり、アカウントの権限がなかったり、セキュリティ関連の機能によって実行が制限されていることが考えられます。
原因ごとの対処方法を紹介していくので、順にエラーが解決できないか試してみてください。
対処1: コマンドプロンプト(管理者権限)から起動する
Windowsに標準ユーザーのアカウントでサインインしていることが原因で、アプリケーションの実行時に「このアプリはシステム管理者によってブロックされています」のエラーが表示されるケースがあります。
一時的にエラーを取り除きたい場合は、管理者権限のコマンドプロンプトから実行できないか試してみてください。詳しい手順は次の通りです。
- エクスプローラーで「アプリケーションの実行ファイル(.exe)」を表示します。
- 既にインストール済みのアプリケーションの場合は、「ショートカット」を右クリックして「ファイルの場所を開く」を選択すると実行ファイルの場所が表示されます。
- 「アプリケーションの実行ファイル(.exe)」を「Shift」キーを押しながら右クリックして「パスのコピー」を選択します。
- 「Windowsマーク」をクリックして「cmd」と入力します。
- 検索結果の一覧で「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- コマンドプロンプトの画面を右クリックしてパスを貼り付けて、Enterキーで実行します。
以上の手順で、アプリケーションを管理者権限でコマンドプロンプトから実行することができます。正常にアプリケーションが起動したか確認してください。
上記の操作は、エラーの出るアプリケーションで毎回行う必要があります。根本的にエラーを解決したい場合は、次の対処を試してください。
対処2: 管理者権限を持つアカウントでサインインする
管理者権限を持つアカウントでWindowsにサインインすることで、「このアプリはシステム管理者によってブロックされています」のエラーを解決できる可能性があります。
そのため、管理者アカウントにサインインして、アプリケーションが実行できないか確認してください、管理者アカウントでサインインするには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして、「シャットダウンまたはサインアウト」→「サインアウト」の順に選択します。
- Windowsのサインイン画面が表示されます。
- 左下のアカウント一覧で「管理者のアカウント名」を選択します。
- 管理者アカウントが見つからない場合は、管理者アカウントを有効にするか、新しい管理者アカウントを追加する必要があります。そのため、次の対処に進んでください。
- 「パスワード」や「PIN」を入力してサインインします。
管理者アカウントでサインインできたら、エラーの出たアプリケーションが起動できるか確認してください。
対処3: 非表示の管理者アカウントを有効化する
全てのWindowsには非表示の管理者アカウントが存在します。そのため、管理者アカウントが作成できない場合は、非表示の管理者アカウントを有効にしてサインインしてください。
ただし、非表示の管理者アカウントは通常無効にしておくことが推奨されるため、アプリケーションの実行ができたら無効に戻すことをおすすめします。
非表示の管理者アカウントの有効/無効を切り替えるには、Windows PowerShellからコマンドを実行する必要があります。具体的な手順は次のとおりです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。
- 次のコマンドを入力してEnterキーで実行し、非表示の管理者アカウントを有効にします。
net user administrator /active:yes
- Windowsからサインアウトして、「有効にした管理者アカウント」を選択してサインインします。
- サインインの手順は『対処2: 管理者権限を持つアカウントでサインインする』と同様です。
- アプリケーションのインストールや実行を試します。
- アプリケーションが実行できたら、サインアウトして「通常のアカウント」でサインインします。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- 次のコマンドを入力してEnterキーで実行し、非表示の管理者アカウントを無効にします。
net user administrator /active:no
対処4: 管理者アカウントに変更する
特定のアカウントでのみ「このアプリはシステム管理者によってブロックされています」のエラーが出る場合は、対象のアカウントの権限を管理者に変更することを検討してください。
既存のアカウントの種類を管理者に変更したい場合は、次の手順で変更することができます。
- Windowsに管理者アカウントでサインインします。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「Windowsの設定」が開きます。「アカウント」を選択します。
- 左ペインから「家族とその他のユーザー」を選択します。
- 右ペインで「アカウントを選択し、「アカウントの種類の変更」をクリックします。
- アカウントの種類を「管理者」に変更します。
- 「OK」をクリックすると変更完了です。
アカウントを管理者に変更できたら、サインインしてアプリケーションが正常に実行できるか試してください。
対処5: 別の管理者アカウントを作成する
管理者アカウントがない場合は、管理者アカウントを新しく作成することでもエラーを解決できます。
管理者アカウントを作成して追加するには、次の手順で操作してください。
- Windowsに管理者アカウントでサインインします。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「Windowsの設定」が開きます。「アカウント」を選択します。
- 左ペインから「家族とその他のユーザー」を選択します。
- 右ペインからにある「その他のユーザーをこのPCに追加」をクリックします。
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」を選択します。
- 「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」を選択します。
- ユーザー名とパスワードを入力して「次へ」をクリックします。
- 再び「家族とその他のユーザー」ページを開きます。
- 作成したアカウントを選択し、「アカウントの種類の変更」をクリックします。
- アカウントの種類を「管理者」に変更します。
- 「OK」をクリックすると変更完了です。
以上の手順で、新しい管理者アカウントを作成することができます。
新たな管理者アカウントしたら、一旦サインアウトしてそのアカウントでサインインしてください。その状態でプログラムのインストールや実行ができるか試してください。
対処6: セキュリティソフトを一時的に停止する
セキュリティソフトによってWindowsのセキュリティ関連のポリシー設定が変更されて、「このアプリはシステム管理者によってブロックされています」のエラーが発生するケースがあります。
サードパーティ製のセキュリティソフトをインストールしている場合は、一旦セキュリティ機能を停止した状態で、アプリケーションを実行できないか試してみてください。
セキュリティソフトの停止でもエラーが解決しない場合は、セキュリティソフトのアンインストールも試してみてください。
停止、もしくはアンインストールでアプリケーションを正常に実行できる場合は、セキュリティソフトに問題があると判断できます。
セキュリティソフトに原因がある場合は、対象のアプリケーションをセキュリティの除外設定に追加するか、別のソフトウェアの使用を検討してください。
対処7: SmartScreenを無効にする
SmartScreen関連の設定が有効になっていることが原因で、「このアプリはシステム管理者によってブロックされています」のエラーが発生することがあります。
SmartScreenは、Windowsを保護するためのセキュリティ機能ですが、不要な場合は機能を無効化することもできます。
ただし、PCのセキュリティリスクが高まるため、アプリケーションのインストール時のみなど一時的に無効化することをおすすめします。
SmartScreenを無効に設定するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「Windowsの設定」が開いたら「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインから「Windowsセキュリティ」を選択します。
- 右ペインの「Windowsセキュリティを開く」をクリックします。
- 「アプリとブラウザコントロール」を選択します。
- 「評価ベースの保護設定」をクリックします。
- 次の全ての項目のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- アプリとファイルの確認
- Microsoft EdgeのSmartScreen
- 望ましくない可能性のあるアプリのブロック
- Microsoft StoreアプリのSmartScreen
- ウィンドウを閉じて設定完了です。
上記の手順でSmartScreenを無効にできたら、プログラムのインストール・実行ができるかを試してみてください。
対処8: 管理者承認モードのグループポリシーを無効にする
Windowsの環境によってはグループポリシーの「管理者承認モードで全ての管理者を実行する」が有効になっていることが原因で、「このアプリはシステム管理者によってブロックされています」のエラーが出るケースがあります。
そのため、上記のグループポリシーを無効にすることで、エラーを解決できる可能性があります。グループポリシーを変更するには、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「gpedit.msc」と入力してEnterキーを押し、グループポリシーエディタを開きます。
- 左ペインで以下の順にツリーを展開します。
- コンピュータの構成 > Windowsの設定 > セキュリティの設定 > ローカルポリシー > セキュリティオプション
- 右ペインのポリシー一覧から「ユーザーアカウント制御: 管理者承認モードですべての管理者を実行する」を探し、ダブルクリックします。
- 「無効」オプションを選択して「OK」をクリックします。
- ポリシーを反映するためにPCを再起動します。
ポリシーを無効化してPCを再起動できたら、アプリケーションが正常に実行できるようになったか確認してください。
対処9: レジストリを編集する
「管理者承認モードで全ての管理者を実行する」のグループポリシーは、レジストリから設定を無効にすることもできます。
Windows Homeエディションの場合は、グループポリシーを変更することができないため、レジストリの変更を試してください。
レジストリを変更するには次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「regedit」と入力してEnterを押し、レジストリエディタを起動します。
- 以下のレジストリキーにアクセスします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
- 右ペインにある「EnableLUA」をダブルクリックします。
- 値のデータを「0」に変更して「OK」をクリックします。
- レジストリを反映するためにPCを再起動します。
PCが再起動できたら、アプリケーション実行時のエラーが解決したか確認してください。