Windows10の動作が重い時にタスクマネージャーを確認すると「MRT.exe」のCPUの負担が高い場合があります。
しかし、通常MRT.exeは自分でインストールすることは少ないため、一体何のプログラムなのか分からない場合やウイルスではないか不安に感じる方も多いと思います。
本記事では、「MRT.exe」の概要とCPUリソースを占有してPCが重い時の対処方法について紹介します。削除方法やウィルスかどうか確認する方法についても併せて紹介するので、参考にしてみてください。
この記事の内容
MRT.exeとは
MRT.exeとは、Microsoftが開発した無料のウイルス/マルウェア駆除ツールの実行ファイルです。正式な名称は、Microsoft Windows 悪意のあるソフトウェアの削除ツール(Microsoft Windows Malicious Software Removal Tool)です。
このツールは、WindowsUpdateによってバックグラウンドで毎月の第2火曜日に更新・実行され、ウィルスやマルウェアの感染をスキャンし、感染したファイルを検出すると自動的に削除を試みます。
Windowsセキュリティ(Windows Defender)のように事前にウィルス感染を防ぐセキュリティ機能を持っているわけではなく、感染したファイルの検出と削除を定期的に実行します。
MRT.exeは基本的に無害なプログラムですが、ウィルススキャンなどの処理によってCPUの負担が一時的に高くなることがあります。
MRT.exeが重い時の対処法
MRT.exeのCPUへの負担は、通常であればプロセスの処理が完了すればCPUの負担は自然に落ち着きます。
しかし、異常に負担が高い状態が続く場合は、プログラムに何らかの問題が起きているケースが考えられます。MRT.exeの負担が高い状態が続きPCの動作が重い場合は、次の対処法を試してみてください。
対処1: MRT.exeのタスクを手動で終了する
MRT.exeの処理に一時的な問題が発生していることが原因で、CPUの負担が異常に高いケースが考えられます。
そのため、手動でMRT.exeのタスクを強制終了して問題が解決しないか確認してください。タスクを終了する手順は次のとおりです。
- 「Windowsマーク」を右クリックし「タスクマネージャー」を選択して起動します。
- 詳細表示になっていることを確認し、「詳細」タブをクリックします。
- 簡易表示の場合は、左下の「詳細」をクリックしてください。
- タスクの一覧リストで「MRT.exe」を探して右クリックして「タスクの終了」をクリックします。
以上の手順でMRT.exeを強制的に終了することができます。「パフォーマンス」タブをクリックしてCPU使用率を確認してください。
ただし、上記の方法で解決してもPCの再起動後にMRT.exeの負担が再度高くなる場合があります。症状が再発する場合は、次の対処を試してください。
対処2: Windows Updateを実行する
WindowsのシステムやMRT.exeの不具合が原因で、MRT.exeが異常に重くなるケースが考えられます。
MRT.exeは、WindowsUpdate経由で最新版に更新されます。そのため、WindowsUpdateを実行してWindowsを最新の状態に更新することで問題が解決する可能性があります。
WindowsUpdateは通常自動で実行されますが、再起動などの処理が必要で更新が保留中になっている場合があります。そのため、次の手順でWindowsUpdateを実行してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- Windowsが最新の状態になったことを確認します。
- 「再起動」や「ダウンロード」のボタンが表示されている場合は、クリックして更新プログラムを適用してください。
Windows Updateを実行してWindowsが最新の状態になったら、MRT.exeの負担が改善したか確認してください。
対処3: DIMSコマンドとシステムファイルチェッカーを実行する
Windowsのシステムファイルの破損などが原因で、MRT.exeの負担が高くなるケースが考えられます。
そのため、システムファイルの修復ツールを実行して、MRT.exeの問題が解決しないか試してみてください。システムファイルの修復ツールを実行するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を起動します。
- 次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- コマンドの処理が完了するまでしばらく待ちます。
- 続いて次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
sfc /scannow
- 検証と修復のプロセスが完了したらWindows PowerShellを終了して完了です。
システムファイルの修復が完了したら一度PCを再起動して、MRT.exeの負担が改善したか確認してください。
対処4: MRT.exeを手動で削除する
MRT.exeはWindows10で標準でインストールされるプログラムですが、Windowsの動作に必要なシステムファイルではないため削除することもできます。
そのため、ここまでの対処方法でMRT.exeの負担が改善しない場合は、プログラムの削除を検討してください。
ただし、サードパーティのセキュリティソフトをインストールしていない場合は、削除するとセキュリティリスクが高まる点に注意してください。
MRT.exeを手動で削除するには、次の手順で操作します。
- MRT.exeのタスクを終了しておきます。タスクの終了方法は『対処1: MRT.exeのタスクを手動で終了する』と同様の手順です。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を選択し起動します。
- 以下のディレクトリにアクセスします。
C:\Windows\System32
- 「System32」フォルダ内の「MRT.exe」を右クリックして「削除」を選択します。
以上の手順でMRT.exeを削除することができます。MRT.exeを削除するとタスクが実行されることがなくなります。
削除後にMRT.exeが必要になった場合は、次のMicrosoftの公式ページから再インストールすることができます。
MRT.exeがウイルスか確認する方法
MRT.exeを削除したはずなのにタスクマネージャー上でプロセスが動作している場合は、MRT.exeに偽装した不正プログラムがインストールされている恐れがあります。
MRT.exeが偽物の悪質なプログラムであるかは、以下の手順で確認することができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックし「タスクマネージャー」を選択して起動します。
- 詳細表示になっていることを確認し、「詳細」タブをクリックします。
- タスクの一覧リストで「MRT.exe」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「デジタル署名」タブを開いて、署名者名が「Microsoft Windows」になっていることを確認して、プロパティを閉じます。
- 他の署名者になっている場合は、偽装したプログラムであると判断できます。
- タスクの一覧リストで再度「MRT.exe」を右クリックして「ファイルの場所を開く」を選択します。
- 「MRT.exe」の実行ファイルがあるフォルダが表示されます。アドレスバーのパスが「C:\Windows\System32」内になっているか確認します。
- 「MRT.exe」が別のフォルダにある場合は、偽装したプログラムであると判断できます。
MRT.exeが偽装したプログラムであった場合は、セキュリティソフトでフルスキャンを実行してファイルの削除を行なってください。
削除ができない場合は、『Malwarebytes』などの検出率が高いセキュリティソフトでスキャンを実行して、ファイルの削除を試みてください。