Windows10/Windows11でWindows Updateを実行しようとすると、「更新プログラムをダウンロードしています」の処理が0%から進まないケースがあります。
一時的に通信や処理が混雑している場合であれば時間を空けることでダウンロードが進行することもありますが、どれだけ待っても更新プログラムのダウンロードが終わらないケースもあります。
本記事では、WindowsUpdateで「更新プログラムをダウンロードしています」の表示のまま進まない時の原因と対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
更新プログラムのダウンロードが進まない原因
WindowsUpdateの更新プログラムのダウンロードが進まない場合は、主に次の原因が考えられます。
- WindowsUpdateと関連サービスに一時的な問題が起きている
- WindowsUpdateの一時ファイルに問題が起きている
- ファイアウォールによってダウンロードの通信が遮断されている
- システムドライブの空き容量が不足している
- Cドライブの空き容量が少ないと必要なデータをダウンロードできないことがあります。十分な容量を確保してからダウンロードをやり直してみてください。
- インターネットの通信状況に問題が起きている
- インターネットの接続状態が不安定であるとダウンロード中にエラーが起きることがあります。通信が不安定な場合は、有線接続に切り替えるか、ルーターの再起動を試してください。
基本的にWindowsUpdateの関連サービス、もしくは関連ファイルに問題が起きていることが考えられます。
原因ごとの対処方法を紹介していくので、正常に更新プログラムがダウンロードできるようにならないか確認していってください。
PCの容量やインターネットの通信状況などの基本的な事項については、対処の前に事前に問題がないか確認しておいてください。
対処1: パソコンを再起動する
Windowsのシステムの一時的な不具合が原因で、「更新プログラムをダウンロードしています」の処理がフリーズしてしまうケースがあります。
上記の問題を解決できる最も簡単な方法は、PCを一度再起動してからWindowsUpdateをやり直すことです。
単純な方法ですがアップデートが進まない際に有効な方法ですので、試していない場合は一度再起動を行なってみてください。
PCの再起動後も「更新プログラムをダウンロードしています」の処理が止まってしまう場合は、次の対処に進んでください。
対処2: トラブルシューティングツールを実行する
「更新プログラムをダウンロードしています」の処理が止まる場合は、WindowsUpdateに問題が起きていることが考えられます。
PCの再起動で解決しない場合は、Windowsに搭載されているトラブルシューティングツールを実行して、Windows Updateに関する問題の診断と修復を試してみてください。
WindowsUpdateのトラブルシューティングツールを実行するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- Windows11の場合は、「システム」をクリックします。
- 「トラブルシューティングツール」をクリックします。
- ウィンドウ右側の「追加のトラブルシューティングツール」をクリックします。
- Windows11の場合は、「その他のトラブルシューティングツール」をクリックします。
- 一覧から「Windows Update」の項目を選択して、「トラブルシューティングツールの実行」ボタンをクリックします。
- ツールが実行され、診断と修復が行われます。問題が見つかった場合は、その場で自動的に修復されます。
- 操作が完了したら「トラブルシューティングツールを終了する」をクリックしてツールを閉じます。
トラブルシューティングツールによって問題が修正できた場合は、そのままウィンドウ左側にある「Windows Update」をクリックし、「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックして、更新プログラムがダウンロードできるようになったか試してください。
対処3: Windows Updateに関するサービスを再起動する
Windows Updateに関連するサービスに問題が起きていることが原因で、「更新プログラムをダウンロードしています」の処理が止まってしまうケースがあります。
そのため、関連サービスである「Windows Update Service」と「Background Intelligent Transfer Service」の2つのサービスを再起動してみてください。サービスの再起動を行うには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「services.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- サービス管理ツールが起動します。中央のリストの中から「Windows Update」の項目を探してダブルクリックします。
- プロパティウィンドウが表示されます。「スタートアップの種類」の設定を「自動」に設定します。
- 「サービスの状態」を確認します。サービスが「実行中」であれば、「停止」→「開始」の順にクリックしてサービスを再起動します。
- 既に停止している場合は、次の手順に進んでください。
- 「OK」ボタンをクリックしてプロパティウィンドウを閉じます。
- サービス管理ツールのメインウィンドウに戻ります。続いて、「Background Intelligent Transfer Service」の項目を探してダブルクリックします。
- 同様の操作で、「スタートアップの種類」を「自動」に設定し、「停止」→「開始」の順にクリックしてサービスを再起動します。
サービスを再起動できたら、サービス管理ツールを終了し、Windows Updateが正常に実行できるか確認してください。
対処4: SoftwareDistributionフォルダをクリアする
Windows Updateの一時ファイルに問題が起きていることが原因で、「更新プログラムをダウンロードしています」の処理が止まるケースがあります。
Windows Updateを実行すると、アップデートに必要な一時ファイルがSoftwareDistributionという名前のフォルダに保存されます。
そのため、SoftwareDistributionフォルダを空にすることで問題が解決できる可能性があります。一時ファイルを削除するには、以下の手順で操作を行ってください。
- まずWindows Updateに関するサービスを停止させます。「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択し、「services.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- サービスウィンドウが開いたら、一覧から「Windows Update」をダブルクリックしてプロパティウィンドウを開きます。
- 「停止」ボタンをクリックしてサービスを停止します。停止できたら「OK」ボタンをクリックしてプロパティウィンドウを閉じます。
- 続いて「Background Intelligent Transfer Service」をダブルクリックし、「停止」ボタンをクリックしてサービスを停止し「OK」をクリックします。
- サービスが停止できたら、エクスプローラーで以下のパスにあるフォルダを開きます。
C:\Windows\SoftwareDistribution
- 「SoftwareDistribution」フォルダ内のすべてのファイルとフォルダを選択し、右クリックして「削除」します。
- 一時ファイルを削除すると今までに適用されたWindows Updateの履歴情報が削除されます。
- 一般的な家庭のパソコンであれば問題になることは少ないですが、気になるようであれば削除する前に他のフォルダにコピーしてバックアップを作成してください。
- フォルダ内を空にできたら、サービス管理ツールを起動します。
- 停止した「Windows Update」と「Background Intelligent Transfer Service」のプロパティウィンドウを開き、「開始」ボタンをクリックしてサービスを起動します。
以上で、Windows Updateの一時ファイルを削除することができます。サービスが起動できたら、Windows Updateが正常に実行できるか確認してください。
対処5: セキュリティソフト/ファイアウォールを無効化する
セキュリティソフトのファイアウォール機能によってWindows Updateの通信が遮断されており、「更新プログラムをダウンロードしています」の処理が進まないケースが考えられます。
そのため、セキュリティソフトのファイアウォールを一時的に無効化し、ダウンロードが正常に開始しないか試してみてください。
サードパーティ製のセキュリティソフト(Norton, Avast等)を使用している場合は、ソフトのマニュアルを参照し、指定された方法でセキュリティソフトの動作を停止させてください。
Windows標準のWindows Defenderを使用している場合は、以下の手順でファイアウォールを停止させてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックし、「設定」を開きます。
- 「更新とセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」→「ファイアウォールとネットワーク保護」の順にクリックして進みます。
- Windows11の場合は、「プライバシーとセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」→「ファイアウォールとネットワーク保護」の順にクリックしてください。
- 「プライベートネットワーク」をクリックします。
- 「Windows Defenderファイアウォール」のスイッチをクリックして「オフ」に切り替えます。
- ユーザーアカウント制御画面が表示されたら、「はい」を選択して操作を続行してください。
- 左上にある矢印ボタンをクリックして1つ前の画面に戻ります。
- 「パブリックネットワーク」をクリックし、同様の操作で「Windows Defenderファイアウォール」をオフにします。
セキュリティソフトのファイアウォールを無効化できたら、再度WindowsUpdateで更新プログラムのダウンロードができるか確認してください。
アップデートが正常に完了したら、セキュリティソフトのファイアウォールの設定を有効の状態に戻してください。
対処6: スタンドアロンインストーラーを使って手動でアップデートする
ここまでの対処方法を試しても、WindowsUpdate経由で更新プログラムをダウンロードできない場合は、手動でのアップデートを行なってみてください。
更新プログラムを手動でアップデートするには、Microsoft Updateカタログからスタンドアロンインストーラーをダウンロードしてインストールします。
Microsoft Updateカタログから更新プログラムをインストールするには、次の手順で操作します。
- 「設定」→「更新とセキュリティ」の画面を開き、問題を起きている「Windows Updateの名前」と「番号(KB...)」を確認します。
- Microsoft Edgeで以下のページを開きます。
- 右上にある検索ボックス(検索の開始...)に、調べた更新プログラム名または番号を入力して検索を実行します。
- 検索結果が表示されたら、一覧から調べた更新プログラム名と一致するインストーラーを探します。
- 「製品」の分類は「Windows 10」または「Windows 11」のインストーラーを選択してください。
- 右側の「ダウンロード」ボタンをクリックし、インストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードが完了したらインストーラーをダブルクリックで実行します。
- 「インストールしますか?」と確認メッセージが表示されたら、「はい」を選択してインストールを開始します。
- インストールが完了したら「今すぐ再起動」ボタンをクリックして再起動します。
以上の手順で、更新プログラムを手動でインストールすることができます。問題が解決した場合は、その後のWindowsUpdateでインストールが正常にできるか様子をみてください。
全ての対処方法を試しても解決しない場合は、次のページの対処方法も併せて参考にしてください。