Windows10に不具合が発生した際や動作が重くなった時に、回復オプション内にある「このPCを初期状態に戻す」を利用するケースがあると思います。
しかし、PCの初期化を実行しても「PCを初期状態に戻すときに問題が発生しました。変更は行われませんでした。」のエラーが表示されてリセットできない場合があります。
本記事では、Windows10のPCを初期化する際に「PCを初期状態に戻すときに問題が発生しました」エラーが発生して初期化できない時の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: システムファイルチェッカーとDISMコマンドを実行する
Windowsのシステムファイルが破損していることが原因で、PCを初期状態に戻す際に「PCを初期状態に戻すときに問題が発生しました」のエラーが発生することが考えられます。
そのため、Windowsのシステムファイルを修復することで、初期化が失敗する問題を解決できる可能性があります。
システムファイルを修復するには、システムファイルチェッカーとDISMコマンドを実行します。具体的な手順は以下の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
sfc /scannow
- コマンドの実行が完了したら、続けて次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- コマンドの実行が完了したらウィンドウを閉じます。
- システムファイルを修復できたら、PCを再起動します。
PCを再起動できたら、再度「PCを初期状態に戻す」を実行してみてください。エラーが再発する場合は、次の対処法に進んでください。
対処2: ReAgentc.exeの無効/有効を切り替える
Windowsのリカバリで使用するReAgentc.exeに問題が起きていることが原因で、「PCを初期状態に戻すときに問題が発生しました」のエラーが発生することがあります。
そのため、ReAgentc.exeを一度無効にしてから再度有効化することで、PCを正常に初期状態に戻せる可能性があります。
ReAgentc.exeの無効/有効を切り替えるには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」をクリックして起動します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行し、ReAgentc.exeを無効にします。
reagentc /disable
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行し、ReAgentc.exeを有効に戻します。
reagentc /enable
- コマンドが実行できたら、Windows PowerShellを閉じてPCを再起動します。
ReAgentc.exeの無効/有効を切り替えてPCを再起動できたら、再度「PCを初期状態に戻す」を実行してみてください。
対処3: Windowsを最新の状態にアップデートする
Windowsのバージョンが古く不具合があることが原因で、「PCを初期状態に戻すときに問題が発生しました」のエラーが発生することがあります。
そのため、新しい更新プログラムがある場合は、全て適用してからPCの初期化を実行してみてください。
Windowsを最新の状態にアップデートするには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- 新しい更新プログラムが見つかった場合は、自動でインストールされます。
- 「再起動」や「ダウンロード」のボタンが表示されている場合は、クリックして更新プログラムを適用してください。
- Windowsが最新の状態になったことを確認します。
上記の手順で全ての更新プログラムを適用できたら、再度PCの初期化を実行してエラーが解決したことを確認してください。
対処4: システムドライブの空き容量を確保する
初期化を実行するシステムドライブ(C:)の空き容量が不足していることが原因で、「PCを初期状態に戻すときに問題が発生しました」のエラーが発生することがあります。
Windows10を初期状態に戻すには、最低でも32bit版で16GB、64bit版で20GBの空き容量が必要です。
そのため、システムドライブの空き容量を確認して不足している場合は、不要なファイル、アプリの削除を行なってください。
システムドライブの空き容量を確認するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「システム」を選択します。
- 左ペインで「記憶域」をクリックします。
- 右ペインでシステムドライブ(ローカルディスクC:)の空き容量を確認します。
- 空き容量が少ない場合は、「表示するカテゴリを増やす」をクリックすることで消費量の多いカテゴリを判断することができます。
空き容量が少ない場合は、不要なファイルやアプリを削除するなどして空き容量を確保してください。空き容量を確保したら、再度初期化を実行してエラーが発生しないか試してみてください。
対処5: 「すべて削除する」オプションを選択する
初期化を実行する際に「個人用ファイルを保持する」のオプションを選択してエラーが発生している場合は、「すべて削除する」のオプションを選択することでエラーが解決する可能性があります。
ただし、「すべて削除する」のオプションを選択するとドライブ内のデータが消去されてしまうため、予め必要なデータのバックアップを取ってから行なってください。
「すべて削除する」のオプションを選択して初期化する場合は、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定が開いたら、「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「回復」をクリックします。
- 右ペインで「このPCを初期状態に戻す」の「開始する」をクリックします。
- 削除オプションが表示されるので「すべて削除する」をクリックします。
- 「Windowsがインストールされているドライブのみ」をクリックします。
- 「ファイルを削除してドライブのクリーニングを実行する」をクリックします。
以降は画面の指示に従って初期化を進めて、エラーが発生せずに初期化できるか確認してください。
対処6: システムを復元する
システムに修復できない問題が起きていることが原因で、初期化実行時に「PCを初期状態に戻すときに問題が発生しました」のエラーが発生しているケースが考えられます。
そのため、システムを以前の状態に戻すことでエラーが解決する可能性があります。
システムを以前の状態に戻すには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「システム」を選択します。
- 右ペインの関連設定で「システムの保護」をクリックします。
- 「システムの復元」をクリックします。
- システムの復元ウィンドウが表示されたら、「推奨される復元」を選択して「次へ」をクリックします。
- 「推奨される復元」が表示されない場合は、「別の復元ポイントを選択する」を選択して「次へ」をクリックし、復元する日付を選択してください。
- 案内に従って操作を進めて、システムの復元を完了します。
システムを以前の状態に復元できたら、再度初期化を実行してエラーが発生しないか確認してください。
対処7: システムとソフトウェアのレジストリハイブをリネームする
システムまたはソフトウェアのレジストリハイブが破損していることが原因で、「PCを初期状態に戻すときに問題が発生しました」のエラーが発生することがあります。
上記の問題は、システムとソフトウェアのレジストリハイブのファイル名を変更することで回避できます。
システムとソフトウェアのレジストリハイブのファイル名を変更するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」をクリックします。
- 「電源マーク」をクリックし、「Shiftキー」を押しながら「再起動」をクリックします。
- オプションの選択画面が表示されたら「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」の順にクリックします。
- 「管理者アカウント」を選択して、パスワードを入力して「続行」をクリックします。
- 以下のコマンドを順に入力してEnterキーでそれぞれ実行します。
cd %windir%\system32\config ren system system.001 ren software software.001
- すべてのコマンドを実行したら、「exit」と入力してEnterキーを押します。
レジストリハイブをリネームしてオプションの選択画面に戻ったら、「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」の順にクリックし初期化を実行してみてください。
対処8: Windows10をクリーンインストールする
ここまでの対処法を試してもPCの初期化時に「PCを初期状態に戻すときに問題が発生しました」のエラーが発生する場合は、Windows10をクリーンインストールすることを検討してください。
クリーンインストールを行うことで、現状のシステムの状態に左右されずにPCを初期化することができます。ただし、Windowsのインストールメディアを作成する等の若干の手間が掛かかります。
Windows10のクリーンインストールを行うには、以下の手順で操作します。
手順1: インストールメディアを作成する
まずUSBメモリを用意してWindows10のインストールメディアを作成します。
- PCに容量が8GB以上のUSBメモリを接続します。
- 『Microsoftのダウンロードページ』にアクセスします。
- 「ツールを今すぐダウンロード」をクリックします。
- ダウンロードした「MediaCreationTool.exe」をダブルクリックして起動します。
- ライセンス条項が表示されたら、確認して「同意する」をクリックします。
- 「別のPCのインストールメディアを作成する(USBフラッシュドライブ、DVD、またはISOファイル)」のオプションを選択して「次へ」をクリックします。
- 適切な言語とエディション、アーキテクチャが選択されていることを確認して「次へ」をクリックします。
- 言語やエディションなどに問題がある場合は、「このPCにおすすめのオプションを使う」のチェックを外して「次へ」をクリックし、適切な言語とエディション、アーキテクチャを選択して「次へ」をクリックします。
- 「USBフラッシュドライブ」のオプションを選択して「次へ」をクリックします。
- 「インストールするUSBドライブ」を選択して「次へ」をクリックします。
- 一覧にUSBメモリが表示されない場合は、「ドライブの一覧を更新する」をクリックしてください。
- インストールメディアの作成が開始します。完了するまで待ちます。
- インストールメディアの作成が完了したら「完了」をクリックします。
手順2: クリーンインストールを実行する
インストールメディアが作成できたら、メディアを使って以下の手順でクリーンインストールを実行します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を選択します。
- 左ペインで「インストールメディアのUSBメモリ」を右クリックして「開く」を選択します。
- 「setup」をダブルクリックして実行します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。/li>
- 「重要な更新プログラムをインストールします」の画面が表示されたら「今は実行しない」を選択して「次へ」をクリックします。
- ライセンス条項が表示されるので、確認して「同意する」をクリックします。
- 「インストールする準備ができました」の画面が表示されたら、「引き継ぐものを変更」をクリックします。
- 引き継ぐ項目で「何もしない」を選択して「次へ」をクリックします。
- 「インストール」をクリックすると、Windows10のクリーンインストールが開始します。インストールが完了するまで待ちます。
以上の手順で、Windows10をクリーンインストールすることができます。クリーンインストールが完了するとPCが完全に初期状態に戻ります。