WindowsのPCを起動する際に「C:\ごみ箱が壊れています。このドライブのごみ箱を空にしますか」や「アクセスが拒否されました。」のエラーが表示されることがあります。
このエラーは、C:やD:の内部ドライブだけでなく、E:などの外部ハードディスクのドライブでも発生することがあります。
本記事では、Windows11/10で「ごみ箱が壊れています」エラーが出た時の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
「ごみ箱が壊れています」エラーの原因
Windowsで使用する各ドライブには$Recycle.binという名前のごみ箱用のシステムフォルダが存在しています。ドライブで削除したファイルは削除すると完全に消去されず、このごみ箱フォルダに一時的に格納されます。
このごみ箱のシステムフォルダが破損していたり、アクセスできない状況になっていると「ごみ箱が壊れています」エラーが表示されます。
「ごみ箱が壊れています」エラーは、Windowsのシステムドライブだけでなく、内部ドライブ(Dドライブなど)や外付けハードディスクのドライブでも発生することがあります。エラーが発生する具体的な原因は、以下のとおりです。
- ごみ箱フォルダの破損: ごみ箱のシステムフォルダまたは関連するファイルが何らかの理由で破損すると、エラーが表示されることがあります。
- ファイルシステムのエラー: ハードドライブのファイルシステムに問題があると、ごみ箱のファイルが正しく読み取られない場合があります。
- ごみ箱フォルダのアクセス権の問題: ごみ箱のシステムフォルダのアクセス権に問題があることが原因で、エラーが発生することがあります。
- ごみ箱の最大サイズを超過している: ごみ箱内のファイルが最大サイズを超過したことが原因で、エラーが発生することがあります。
- Windowsのアップデートの不具合: Windowsのアップデートによるシステムの変更後に設定やファイルが影響を受けることがあり、それが原因でごみ箱が正常に機能しなくなることがあります。
ごみ箱の破損のメッセージが表示されるとウィルスを疑う方がいるかもしれませんが、基本的に上記の原因によってエラーが表示されます。
ごみ箱の破損エラーが発生した場合は、以降に紹介する対処方法を順に試してみてください。
対処1: ドライブのごみ箱を空にする
「ごみ箱が壊れています」のエラーダイアログが表示された場合は、まずドライブ内のごみ箱を空にしてエラーが解決しないか確認してみてください。
ドライブ内のごみ箱を空にするには、「X:\のごみ箱が壊れています。このドライブのごみ箱を空にしますか?」のダイアログで「はい」をクリックしてください。通常であればごみ箱が空になると、エラーが表示されなくなります。
ダイアログで「はい」を選択してごみ箱を空にしても、ごみ箱の破損エラーが再度表示されたり、「はい」の選択肢が押せない場合は、次の対処に進んでください。
対処2: コマンドでごみ箱をリセットする
ごみ箱のシステムフォルダが破損していることが原因で「ごみ箱が壊れています」エラーが表示されているケースが考えられます。
そのため、コマンドでエラーの出るドライブのごみ箱をリセットすることで問題が解決する可能性があります。ただし、この方法でごみ箱をリセットすると、ごみ箱内のファイルが消える点に注意してください。
コマンドでドライブのごみ箱をリセットするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- または、「Windowsマーク」をクリックしてから「cmd」と入力して、検索結果から「コマンドプロンプト」を「管理者として実行」します。
- コマンドラインが表示されたら、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
rd /s /q C:$Recycle.bin
- Cドライブ以外でエラーが発生している場合は、「C:\」の部分をそのドライブに書き換えてください。(例: rd /s /q D:\$Recycle.binなど)
- コマンドを実行できたら、コマンドラインを閉じてPCを再起動します。
以上の手順で、ドライブのごみ箱フォルダをリセットすることができます。リセットを行なってPCが再起動したら、エラーが発生しなくなったことを確認してください。
対処3: ごみ箱フォルダの名前を変更して削除する
エクスプローラーでごみ箱のシステムフォルダの名前を変更して削除することで、ドライブのごみ箱をリセットすることもできます。
ドライブのごみ箱フォルダの名前を変更して削除するには、以下の手順で操作してください。
- エクスプローラーを開きます。
- 左メニューで「PC」を選択します。
- デバイスとドライブで、ごみ箱の破損エラーが発生するドライブ(C:など)を開きます。
- エクスプローラーの上部メニューで、「3点アイコン」→「オプション」を選択します。
- 「表示」タブを開きます。
- 「隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する」オプションを選択します。
- 「保護されたオペーレーティングシステムファイルを表示しない(推奨)」のチェックを外します。
- 確認ダイアログが表示されたら「はい」をクリックします。
- 「適用」をクリックしてから「OK」をクリックします。
- 「$Recycle.Bin」を右クリックして「名前の変更」を選択します。
- 適当な名前(Recycle2など)に変更します。
- 名前を変更した「ごみ箱フォルダ」を選択して、Shiftキーを押しながらDelキーを押します。
- 削除の確認ダイアログが表示されたら「はい」をクリックします。
- PCを再起動して、エクスプローラーのオプション設定を元に戻します。
削除した$Recycle.Binは自動的に再生成されます。PCを再起動できたら、「ごみ箱が壊れています」エラーが解決したか確認してください。
対処4: システムファイルを修復する
ゴミ箱を含むシステムファイルが破損していることが原因で、「ごみ箱が壊れています」エラーが発生するケースが考えられます。
そのため、システムファイルチェッカーを実行して、システムファイルを修復することで問題が解決する可能性があります。システムファイルを修復するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが開いたら、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
- システムファイルの問題が検出され自動で修復されます。コマンドの処理が完了するまで待ちます。
システムファイルの修復が完了したら、PCを再起動してごみ箱の破損エラーが解決したか確認してください。
対処5: ディスクエラーを修復する
ドライブのファイルシステムが破損していることが原因で、ごみ箱にアクセスができず「ごみ箱が壊れています」エラーが発生するケースが考えられます。
そのため、ファイルシステムのディスクエラーを修復することで、エラーが解決する可能性があります。ドライブのファイルシステムを修復するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellが起動したら、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
chkdsk c: /f
- c:には、ごみ箱の破損エラーが出るドライブを指定してください。
- システムドライブを指定した場合は、再起動時にチェックをスケジュールするか聞かれるため「y」を入力してEnterキーを押します。
- PCを再起動します。
- PCを再起動すると、起動時に自動的にスキャンと修復が実行されます。完了するまで待ちます。
ドライブのファイルシステムを修復できたら、ごみ箱の破損エラーが解決したか確認してください。
対処6: 所有者を置き換える
ドライブのごみ箱フォルダの所有権に問題があることが原因で、「ごみ箱が壊れています」エラーが発生するケースが考えられます。
そのため、ごみ箱フォルダの所有者を変更して元に戻すことで、エラーが解決する可能性があります。ごみ箱フォルダの所有者を変更するには、以下の手順で操作してください。
- エクスプローラーを開きます。
- 左メニューで「PC」を選択します。
- デバイスとドライブで、ごみ箱の破損エラーが発生するドライブ(C:など)を開きます。
- エクスプローラーの上部メニューで、「3点アイコン」→「オプション」を選択します。
- 「表示」タブを開きます。
- 「隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する」オプションを選択します。
- 「保護されたオペーレーティングシステムファイルを表示しない(推奨)」のチェックを外します。
- 確認ダイアログが表示されたら「はい」をクリックします。
- 「適用」をクリックしてから「OK」をクリックします。
- 「$Recycle.Bin」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「セキュリティ」タブを開きます。
- 「詳細設定」をクリックします。
- 所有者のユーザー名を確認して、「変更」をクリックします。
- 「Administrator」と入力して「名前の確認」をクリックして「OK」をクリックします。
- 「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェックを入れて「適用」をクリックしてから「OK」をクリックします。
- 再度「詳細設定」をクリックします。
- 所有者の「変更」をクリックします。
- 確認した所有者の元のユーザー名を入力して「名前の確認」をクリックして「OK」をクリックします。
- 「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェックを入れて「適用」をクリックしてから「OK」をクリックします。
ごみ箱フォルダの所有者を変更して元に戻せたら、ごみ箱の破損エラーが解決したか確認してください。
対処7: ごみ箱の機能を再度有効化する
ごみ箱の機能に一時的な問題が起きていることが原因で、「ごみ箱が壊れています」エラーが発生するケースが考えられます。
そのため、ごみ箱の機能を一度無効化してから再度有効化することで、エラーが解決する可能性があります。ごみ箱の機能を再度有効化するには、以下の手順で操作します。
- デスクトップの何もない場所を右クリックして「個人用設定」を選択します。
- 「テーマ」を選択します。
- 関連設定の「デスクトップアイコンの設定」をクリックします。
- 「ごみ箱」のチェックを外して、「適用」をクリックしてから「OK」をクリックします。
- 関連設定の「デスクトップアイコンの設定」を再度クリックします。
- 「ごみ箱」にチェックを入れて、「適用」をクリックしてから「OK」をクリックします。
ごみ箱の機能を再度有効化できたら、ごみ箱の破損エラーが解決したか確認してください。
「ごみ箱が壊れています」が押せない/起動しない場合
PC起動時に真っ暗な画面に「ごみ箱が壊れています」エラーが表示されたまま、「はい」の選択肢を押せずWindowsを起動できない場合があります。
「ごみ箱が壊れています」エラーが出てPCを起動できない場合は、Windows回復環境を立ち上げてから対処を行なってください。Windows回復環境からごみ箱を修復するには、以下の手順で操作してください。
- PCの電源が切れるまで「電源ボタン」を押し続けます。
- 「電源ボタン」を押してPCの電源を入れます。
- 起動画面が表示されたら、PCの電源が切れるまで「電源ボタン」を押し続けます。同じ手順で起動時の強制終了を2回以上繰り返します。
- 3回目に「電源ボタン」を押してPCを起動すると、自動修復の画面が表示されます。
- 「詳細オプション」をクリックします。
- 「トラブルシューティング」をクリックします。
- 「詳細オプション」をクリックします。
- 「コマンドプロンプト」をクリックします。
- 以下のコマンドラインから実行できる対処方法を行います。
コマンドラインから対処を実行できたら、PCを再起動してごみ箱の破損エラーが解決してWindowsが起動するようになったか確認してください。