Windows11および10には、PC上でLinuxディストリビューションを簡単に実行できる「Windows Subsystem for Linux(またはLinux用Windowsサブシステム)」の機能が用意されています。この機能が不要になった場合は削除できますが、通常のアンインストール方法では削除できないことがあります。
本記事では、WSL(Windows Subsystem for Linux)のアンインストール/削除方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
手順1: Linuxディストリビューションの登録を解除する
まず、WindowsにインストールされているLinuxディストリビューションを確認して登録を解除します。Linuxディストリビューションの登録を解除するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示された場合は、「はい」をクリックします。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
wsl -l -v
- インストールされているLinuxディストリビューションが一覧で表示されます。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行して、Linuxディストリビューションの登録を解除します。
wsl --unregister ディストリビューション名
- ディストリビューション名には、UbuntuやDebianなどインストールされているLinuxディストリビューションの名前を入力してください。
- インストールされている全てのLinuxディストリビューションの登録を解除できたら、PowerShellを閉じます。
手順2: Linuxディストリビューションをアンインストールする
続いてインストールされているLinuxディストリビューションをアンインストールします。アンインストール方法は、通常のアプリと同様の手順で行います。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「アプリ」を選択します。
- 「インストールされているアプリ」を選択します。
- アプリ一覧から「Linuxディストリビューション名(UbuntuやDebianなど)」を探して、右側の「3点マーク」をクリックして「アンインストール」を選択します。
- 確認ポップアップが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- ウィザードが表示された場合は、案内に従ってアンインストールを行います。
以上の手順で、Linuxディストリビューションをアンインストールできます。
手順3: WSLコンポーネントをアンインストールする
WSLコンポーネントと関連するアプリをアンインストールします。インストールされているアプリから、WSLコンポーネントと関連アプリを探してアンインストールしてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「アプリ」を選択します。
- 「インストールされているアプリ」を選択します。
- アプリ一覧から「Windows Subsystem for Linux(またはLinux用Windowsサブシステム)」を探して、右側の「3点マーク」をクリックして「アンインストール」を選択します。
- Windows Subsystem for Linux UpdateやWindows Subsystem for Linux WSLg Previewなどの関連アプリを全てアンインストールしてください。
- 確認ポップアップが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- ウィザードが表示された場合は、案内に従ってアンインストールを行います。
手順4: WSLの機能を無効化してアンインストールする
最後にWindowsの機能で有効化されているWSLの機能を無効化します。WSLの機能を無効化してアンインストールするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「システム」を選択します。
- 「オプション機能」を選択します。
- 関連設定の「Windowsのその他の機能」をクリックします。
- 「Linux用Windowsサブシステム」と「仮想マシンプラットフォーム」のチェックを外します。
- 「OK」をクリックします。
- PCを再起動します。
PCを再起動できたら、WSL(Windows Subsystem for Linux)が完全にアンインストールされたことを確認してください。
WSLをアンインストールできない場合
WSL(Windows Subsystem for Linux)をアンインストールできない場合は、以下の対処方法を試してみてください。
対処1: コマンドでWSLを無効化する
WSLの機能が正常に無効になっていないことが原因で、アンインストールができないケースが考えられます。そのため、コマンドでWSLを強制的に無効化することで問題が解決する可能性があります。
コマンドでWSLを無効化するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示された場合は、「はい」をクリックします。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
Disable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName Microsoft-Windows-Subsystem-Linux
- コマンドが実行できたら、ウィンドウを閉じます。
コマンドを実行してWSLを無効化できたら、正常にアンインストールができるようになったか確認してください。
対処2: システムファイルを修復する
システムファイルの一部が破損していることが原因で、WSLのアンインストールが失敗するケースが考えられます。
そのため、システムファイルを修復することで、問題が解決する可能性があります。システムファイルを修復するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが開いたら、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
- システムファイルの問題が検出され自動で修復されます。コマンドの処理が完了するまで待ちます。
- 続いて、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- 進捗のゲージが100%になったら、PowerShellウィンドウを閉じます。
システムファイルを修復できたら、再度WSLがアンインストールできないか試してみてください。
対処3: セーフモードで起動する
Windowsのバックグラウンドで起動しているサービスやアプリが原因で、WSLが正常にアンインストールできないケースが考えられます。
そのため、Windowsをセーフモードで起動して、その状態でアンインストールができないか試してみてください。セーフモードで起動するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」をクリックして「電源アイコン」をクリックします。
- 「Shiftキー」を入力したまま「再起動」をクリックします。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」の順にクリックします。
- 「再起動」をクリックして、「4(セーフモードを有効にする)」の数字キー、またはファンクションキーを入力します。
Windowsをセーフモードで起動できたら、WSLのアンインストールができるか確認してください。正常にアンインストールできたら、PCを再起動してセーフモードを解除します。