インターネット接続に関するトラブルのうち、少し特殊なケースとして「Wi-Fiのダウンロードだけが極端に遅い」というパターンがあります。
インターネットの接続トラブルは機器の故障や接続設定の間違いが原因で発生することも多いですが、アップロードが問題なくできているのであればおそらく原因は別にあると思われます。
今回は、パソコンやスマホでWi-Fiのダウンロードだけが極端に遅い時の対処方法について紹介します。
Wi-Fiのダウンロード速度が遅い原因を見つける
Wi-Fiのダウンロード速度が遅い場合、多くの原因が考えられます。
そのため、まず有線接続したPCを使って、Wi-Fiのダウンロード速度を比較することをおすすめします。
次のようにWi-Fiと有線接続のスピードを比較することで原因を切り分けることができます。
- 有線接続はダウンロード速度が早い → 端末、Wi-Fiルーターに問題がある
- 有線接続もダウンロード速度が遅い → プロバイダ、回線に問題がある
上記のように原因を切り分けた上で、該当する対処法を試してください。
Wi-Fiのみダウンロードが遅い時の対処法
まず、有線に比べ極端にダウンロードが遅い場合の対処方法を紹介します。
*Wi-Fiは有線に比べ接続が不安定なので、ダウンロード速度はある程度遅くなることをあらかじめ理解しておきましょう。
対処1: Wi-Fiの再接続と再起動を試す
まずはWi-Fiを一時的に「オフ」→「オン」に切り替え、再接続して症状が改善しないか試してみてください。
Wi-Fiの再接続で改善しない場合は、デバイス(スマホ・パソコンなど)とルーター両方の再起動を試してみてください。
対処2: 別のデバイスでの動作を調べる
再起動で解決しなければ、次に原因がデバイス本体とネットワーク機器どちらにあるのかを調べます。
可能であればスマホやパソコンなど複数のデバイスをWi-Fiに接続し、それぞれのデバイスでインターネット接続速度を確認してみてください。
対処3: Windowsの場合はトラブルシューティングツールを活用する
WindowsのパソコンでWi-Fi接続のトラブルが発生した場合はトラブルシューティングツールを活用してみてください。
問題が簡単に解決できる可能性があり、また解決できなくてもエラー内容から問題の詳しい情報が得られる場合があります。
- スタートボタンをクリックし、歯車アイコン(設定)をクリックします。
- 設定ウィンドウが表示されたら「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左側のメニューから「トラブルシューティング」を選びます。
- 「ネットワークアダプター」をクリックします。クリックするとボタンが表示されるので、「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
- トラブルシューティングツールが実行されます。問題が検出され、ツールによる修復が可能な場合は自動で行われます。
対処4: 原因と思われるアプリ・プログラムを削除する
常駐アプリやバックグラウンドで起動しているプログラムを確認し、原因と思われるアプリ・プログラムがあれば動作を停止させます。または不要なアプリであればアンインストールしてください。
セキュリティソフト・セキュリティアプリを使用している場合はファイアウォールや各種フィルター機能の設定をご確認ください。
対処5: OS・ドライバーをアップデートする
デバイスのOSやドライバーを最新版にアップデートしてください。
- iPhone/iPad:
「設定」から「ソフトウェアアップデート」を行ってください。 - Android:
「設定」から「ソフトウェアアップデート」を行ってください。 - Mac:
アップルメニューから「ソフトウェアアップデート」を行ってください。 - Windows10:
「設定」→「更新とセキュリティ」から最新のWindows Updateを適用してください。また「デバイスマネージャー」からネットワークドライバーを最新版に更新してください。
対処6: IPアドレスを再取得する
IPアドレスを取得し直すことで問題が解決できることがあります。IPアドレスの再取得方法はOSによって異なります。
- iPhone/iPad:
「設定」→「Wi-Fi」から現在接続しているWi-Fiをタップして接続情報を表示します。その後画面の下にある「リースを更新」をタップします。 - Android:
「設定」からWi-Fi機能をオフにし、その後オンに戻します。 - Mac:
「システム環境設定」→「ネットワーク設定」→「Wi-Fi」→「詳細」とクリックして進み、「TCP/IP」タブにある「DHCPリースを更新」ボタンをクリックします。 - Windows:
スタートメニューを右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。PowerShellウィンドウが表示されたら、ipconfig /releaseと入力してエンターキーを押してIPアドレスを解放します。処理が完了したら、ipconfig /renewと入力してエンターキーを押し、IPアドレスを再取得します。
対処7: 接続帯域を変更する(2.4GHz/5GHz)
5GHzに対応しているルーターを使用しているのであれば、各デバイスの接続帯域を2.5GHzから5GHzに、またはその逆に変更してみてください。
5GHzに対応しているか、また接続帯域の変更方法はルーターの機種によって異なるため、詳しくはお使いのルーターの操作マニュアルをご確認ください。
対処8: Wi-Fiルーターの設定変更を試す
ここまでの対処で問題が解決しない場合は、Wi-Fiルーターに問題があることが考えられます。
ルーターの問題を解決するには、次のページを参考にルーターの設定変更やファームウェアの更新を行ってみてください。
Wi-Fiルーターが原因であることは分かっているのに、どうしても解決しない場合はルーター自体に問題があることが考えられます。
特にWi-Fiルーターが古い場合は、新しいルーターの買い替えを検討して下さい。
Wi-Fi・有線共にダウンロードが遅い時の対処法
対処1: ゲートウェイのルーターを確認する
Wi-Fiだけでなく有線でもダウンロード速度が遅い場合は、大元のホームゲートウェイに使っているルーターに問題があるケースが考えられます。
ホームゲートウェイのルーターをしばらくの間放置している場合は、次の対処で速度が改善する可能性があります。
- ファームウェアを手動で更新をしてみる。
- NTTからレンタルしているルーターをお使いの場合は、『PR-500MI - NTT西日本』を参考にして下さい。
- 他の機種のルーターをお使いの場合はマニュアルを参考にして下さい。
- ルーターが古い場合(5年以上前)は買い替えを検討する。
対処2: 時間を空ける
家庭用のインターネット回線は、基本的に共用回線であるため、インターネットを使うユーザーが極端に増えると速度が低下していきます。
特に夜の時間帯は、家にいる人が多くなるため、回線速度が低下しやすい傾向があります。
そのため、時間帯を変えて回線速度が速くならないか確認して下さい。時間帯による速度低下があまりにも多い場合は、回線やプロバイダの見直しを検討しましょう。
対処3: 回線・プロバイダを変更する
Wi-Fi・有線の両方でダウンロード速度が上がらない場合は、使用しているインターネット回線・プロバイダに原因があることが考えられます。
回線
ダウンロードの速度に最も影響を与えるのは回線です。
ADSLやケーブルテレビを使用している場合は、まず光回線への乗り換えを検討しましょう。
プロバイダ(ISP)
プロバイダは、回線スピードとは直接的に関係はありませんが、通信規制などを行なっているプロバイダも中にはあります。
プロバイダで通信規制を行なっていないか調べ、通信規制が厳しくないプロバイダに変更することを検討しましょう。