Windows10のパソコンを使用していると、突然「UsoClient.exe」という名前の黒いコマンドプロンプトの画面が一瞬だけ表示されることがあります。
開くタイミングは不定期で、プログラム名は「嘘クライアント」とも読めるため、ウイルスではないかと不審に感じる方も多いと思います。
本記事では、Windows10で一瞬表示される「UsoClient.exe」の概要と危険性や停止方法について解説します。
この記事の内容
UsoClient.exeとは
UsoClient.exeは、Windows Updateのチェックや自動更新をするためのプログラムです。「USO」は「Update Session Orchestrator」を意味します。
UsoClient.exeは、標準設定で22時間ごとに自動起動し、Windows Updateのチェックを行います。
一瞬だけ表示される黒い画面はこの22時間ごとのチェックと同じタイミングで開きます。Windows Updateのチェックを行っているだけですので、特に害はありません。放置しても問題ありません。
ウイルスの危険性は?
UsoClient.exeはウイルスではなく、Windows Updateの関連プログラムのため無害なプログラムです。
しかし、UsoClient.exeに擬態した同名のウイルスやマルウェアが存在します。
そのため、ウイルス感染が不安な場合は、念のため次の手順でUsoClient.exeがWindowsの正式なプログラムであるか判断してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を開きます。
- タスクマネージャーウィンドウ左下の「詳細」をクリックして詳細表示に切り替えます。
- 「詳細」タブ内の一覧から、「UsoClient.exe」の項目を右クリックして、「プロパティ」を選択します。
- 「プロパティ」ウィンドウが表示されたら、「場所」のパスが「C:\Windows\System32」であることを確認します。
上記の手順で、正しいパスが表示されていればウイルスではないと判断できます。
ただし、「C:\Windows\System32」以外のパスが表示されている場合は、悪質なプログラムの疑いがあります。
ウイルスの疑いがある場合
ウイルスの疑いがある場合は、使用しているセキュリティソフトでウイルススキャンを実行してください。標準のWindowsセキュリティでスキャンを実行するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」をクリックします。
- 「Windowsの設定」が開きます。「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左メニューの「Windowsセキュリティ」をクリックして開きます。
- 画面右上の「Windowsセキュリティを開く」ボタンをクリックします。
- 「ウイルスと脅威の防止」をクリックします。
- 「スキャンのオプション」をクリックします。
- 「フルスキャン」オプションを選択して「今すぐスキャン」をクリックします。
- スキャンが完了したら結果を確認します。「検疫済みの脅威」リストが表示された場合は「削除」ボタンをクリックしてウイルスを削除します。
UsoClient.exeは停止/無効にできる?
UsoClient.exeの黒い画面の表示が気になる場合は、Windowsの設定を変更することで無効にすることができます。
ただし、UsoClient.exeはWindows Updateの自動チェックを行う機能を持つため、無効にすると自動チェックが行われなくなってしまいます。
そのため、無効にする場合は定期的に手動でWindows Updateをチェックする必要がある点に注意してください。
UsoClient.exeの無効/停止にする方法
UsoClient.exeを自動実行しないようにするには、以下のいずれかの方法で設定できます。
方法1: タスクスケジューラから無効化する
UsoClient.exeを実行するタスクを無効にすることで、プログラムの実行を無効化することができます。タスクを無効化するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」をクリックして、アプリ一覧から「Windows管理ツール」→「タスクスケジューラ」の順に選択します。
- タスクスケジューラが開いたら、ウィンドウ左に表示されているフォルダツリーを以下の順に展開します。
- 「タスクスケジューラライブラリ」→「Microsoft」→「Windows」→「UpdateOrchestrator」
- 左ツリーで「UpdateOrchestrator」を選択していることを確認します。
- ウィンドウ中央上に表示されているタスク一覧で、「Schedule Scan」の項目を右クリックして「無効」を選択します。
- タスクスケジューラを閉じて、パソコンを再起動します。
方法2: グループポリシーエディターから無効化する
UsoClient.exeの実行は、グループポリシーを変更することでも無効にすることができます。
グループポリシーは、Windows10 Pro以上のエディションで設定することができます。設定手順は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウに「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- グループポリシーエディターが開いたら、ウィンドウ左側のツリーを次の順に展開して、「Windows Update」を選択します。
- 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「Windows Update」
- 右ペインのポリシーの一覧で、「スケジュールされた自動更新のインストールで、ログオンしているユーザーが いる場合には自動的に再起動しない」の項目を右クリックして「編集」を選択します。
- 「有効」のオプションを選択して「OK」をクリックします。
- グループポリシーエディターを終了し、パソコンを再起動します。
方法3: レジストリエディタから無効化する
Windows10 Homeエディションの場合は、レジストリの設定を変更してUsoClient.exeの実行を無効化することができます。
レジストリエディタを使って無効化する場合は、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 表示されるウィンドウ内に「regedit」と入力し、「OK」をクリックします。
- ウィンドウ左のフォルダツリーを辿り、以下のキーまで辿ります。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows
- 「Windows」キーを展開して、ツリー下に「WindowsUpdate」キーがあるか確認します。
- キーがない場合は次の手順に、キーがある場合は手順7に進んでください。
- 「Windows」フォルダを右クリックして、「新規」→「キー」を選択します。
- 新しいキーが作成されたら、「新しいキー」の名前を「WindowsUpdate」に変更します。
- 間違えて名前を確定してしまった場合は、新しいキーを右クリックし、「名前の変更」を選択すると名前の再設定ができるようになります。
- 「WindowsUpdate」キーを右クリックして「新規」→「キー」を選択します。
- 「WindowsUpdate」フォルダ下に作られた「新しいキー」の名前を「AU」に変更します。
- すでに「AU」キーが存在している場合はこの手順をスキップしてください。
- 「AU」フォルダを右クリックし、「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択します。
- ウィンドウ右側に「新しい値」が作成されます。「新しい値」の名前を「NoAutoRebootWithLoggedOnUsers」に変更します。
- 名前を変更したら、「NoAutoRebootWithLoggedOnUsers」を右クリックして「修正」を選択します。
- 「値のデータ」を「1」に変更し、「OK」をクリックします。
- こレジストリエディタを終了し、パソコンを再起動します。
以上のいずれかの方法でUsoClient.exeの起動を停止することができます。
自動実行を元に戻したい場合は、設定を元に戻してください。レジストリで設定した場合は、「NoAutoRebootWithLoggedOnUsers」の値を「0」もしくは削除することで元の設定に戻ります。