Windows10のパソコンを使用していると、「Bonjour」というアプリが勝手にインストールされているケースがあります。
また、タスクマネージャーを見るとバックグラウンドで「Bonjour(mDNSResponder.exe)」のプロセスが実行されている場合があります。
Bonjourは、Apple製のアプリケーションでウイルスやマルウェアなどの危険なプログラムではありません。
本記事では、Windows10にインストールされているBonjourの概要と無効やアンインストール、再インストール方法について解説します。
Bonjourとは
Bonjourは、Apple製のデバイスを自動的に検索して簡単に接続するためのアプリケーションで、AppleのmacOSやiOSに組み込まれています。
このアプリケーションの機能によって、同じネットワーク内にあるiPhone、iPad、Mac、Apple TVなどのAppleデバイスを検出して、面倒な接続設定なしで各デバイスが相互に接続することができます。
また、iTunesがインストールされている他のPCの音楽や写真のメディアライブラリの共有に使用されることもあります。
Windows版のBonjour(mDNSResponder.exe)も同様にApple製のデバイスを自動的に検索して接続するために使用されます。主にiTunesのアプリをインストールする際に同時にインストールされます。
Bonjourの必要性
Bonjourのアプリケーションは、主にiTunesやApple関連のサービスの一部の機能で使用されます。その他にもAdobe Creative SuiteやMicrosoft Messenger、Skype等のアプリケーションで使用される場合もあります。
WindowsでBonjourを削除すると、機能を使用するアプリケーションで「Bonjourサービスが無効になっています」などのエラーが表示されて機能が使用できない場合があります。
また、Bonjourのメモリの消費量は極めて小さく危険性のあるアプリではありません。
そのため、Apple製デバイスやAppleのサービスを利用している場合は、Bonjourをアンインストールしないことをおすすめします。
Apple製デバイスやAppleのサービスを利用していない場合は、基本的に無効化や削除しても問題ありません。
Bonjourを無効化する方法
Bonjourサービスのスタートアップの設定を変更することで、PC起動時にサービスが起動しないように設定できます。
スタートアップ設定で無効化することで、アプリケーションを削除せずに機能が必要な場合のみ起動することができます。
Bonjourサービスを無効化するには、次の手順で設定してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「services.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- サービス管理ウィンドウが開きます。サービスの一覧から「Bonjourサービス」の項目を探してダブルクリックします。
- 「全般」タブの中にある、「スタートアップの種類」の設定を「無効」に変更します。
- 「全般」タブ内の「サービスの状態」を確認します。「実行中」になっていれば「停止」ボタンをクリックしてBonjourサービスを停止します。
- 設定が終わったら「適用」ボタンをクリックして設定を保存します。
以上でBonjourサービスを無効化することができます。PCを再起動してBonjourのプロセスが実行されないことを確認してください。
Bonjourを有効に戻す場合は、同じ手順でサービス管理ウィンドウを開き、「スタートアップの種類」を「自動」に戻してください。
Bonjourをアンインストールする方法
Bonjourのアプリケーション本体は、通常のアプリケーションと同じ手順でアンインストールすることができます。
Bonjourを削除したい場合は、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 「アプリと機能」のリストから「Bonjour」の項目を探してクリックします。
- メニューが展開されるので、「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
- ウィザードが表示されたら、案内に従ってアンインストールを完了します。
アンインストールできない場合は
上記の方法でアンインストールできない場合は、コマンドプロンプトでBonjourサービスを停止してからアンインストールを行なってください。
コマンドプロンプトからBonjourサービスを削除するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」をクリックして「cmd」と入力します。
- 検索結果の一覧から「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- コマンドプロンプトが表示されたら、ウィンドウに以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
"C:\Program Files\Bonjour\mDNSResponder.exe" -remove
- 上記のコマンドを実行するとBonjourサービスが停止します。
- 続いてコマンドプロンプトに以下のコマンドを入力し、Enterキーで実行します。
regsvr32 /u "C:\Program Files\Bonjour\mdnsNSP.dll"
- 上記のコマンドはは、BonjourサービスのDLLファイルをシステムから削除します。
- コマンドの入力に成功したらコマンドプロンプトを閉じ、パソコンを再起動します。
PCが再起動できたらBonjourのアプリケーションが正常にアンインストールできたか確認してください。
Bonjourを再インストールする方法
Bonjourは、iTunesのインストーラーに付属して配布されていますが、単体のアプリケーションとしては配布されていません。
そのため、iTunensを再インストールすることで、Bonjourも同時にインストールすることができます。
ただし、iTunesを一旦アンインストールする必要があるため、iTunesの設定情報などが同時に削除されてしまいます。
iTunesの設定を削除したくない場合は、iTunesインストーラの中にあるBonjourインストーラーのみを手動で実行してインストールすることもできます。Bonjourを単体で再インストールするには、次の手順で操作してください。
- Bonjourのインストールの前に、『7-Zip』などの展開用のアプリをインストールしておきます。
- 7-Zipのインストールや使い方については、『7-Zipの使い方を徹底解説!圧縮・解凍から分割・結合まで』を参考にしてください。
- 『iTunesの公式ページ』にアクセスして、ページ下部にある「他のバージョンをお探しですか?: Windows」のリンクをクリックします。
- 「Get it from Microsoft」のリンクはストアアプリ版のiTunesのため、Bonjourのインストーラが入手できないのでご注意ください。
- 「今すぐWindows用のiTunesをダウンロード」ボタンをクリックしてダウンロードを開始します。
- Windows10が32ビットの場合は、「Windows32ビット版をお探しですか? ここからダウンロード」をクリックしてダウンロードします。
- iTunesのインストーラーファイル「iTunes64Setup.exe(32ビット版の場合はiTunesSetup.exe)」の保存先フォルダを開きます。
- 「iTunes64Setup.exe」を展開アプリのショートカットアイコン、もしくは実行ファイルにドラッグして展開します。
- 7-Zipを使う場合は、7-Zipのショートカットアイコン、もしくは「7ZFM.exe」にドラッグしてください。
- iTunesのインストーラーファイルを展開できたら、展開フォルダ内の「Bonjour.msi」ファイルをダブルクリックして起動します。
- Bonjourインストーラが起動します。「次へ」をクリックして進み、使用許諾に同意してBonjourをインストールします。
以上の手順で、iTunesの再インストールを行わずにBonjour単体で再インストールすることができます。