Windows10またはWindows11搭載PCを利用していると、スリープ状態が勝手に解除されて復帰するという現象が発生することがあります。
スリープにしていたのに突然Windowsが起動すると、ウィルスが原因ではないかと驚く方も多いと思います。
今回は、Windows10/11でスリープ/休止状態が勝手に復帰する原因と対処法について紹介します。
この記事の内容
スリープ状態が勝手に復帰する主な原因
- マウスやキーボードによって起動している
- スリープ解除タイマーが有効になっている
- インストールされているアプリケーションが影響している
- ネットワークアダプタが影響している
- マザーボードのドライバが影響している
- 自動メンテナンスが実行されている
- WindowsUpdateによってスリープが解除されている
上記のように、スリープ状態が勝手に復帰する場合、デバイス、Windowsのサービス、アプリケーションが原因として考えられます。
時刻が決まって「3:00」に解除される場合は、Windows Updateが原因になっていることが考えられます。Windows Updateの自動更新はデフォルトで「3:00」に設定されているため、更新のためにPCが起動することがあります。
いずれの場合でも、1つずつ対処していけば解決できることが多いため、順に紹介する対処法を試してみて下さい。
イベントビューアで原因を探る
スリープ状態が勝手に復帰される原因を知りたい場合、イベントビューアを利用するのがオススメです。
これを見るだけで何が原因になっているかわかることも多いため、ぜひチェックしてみてください。
具体的なチェック方法は次の通りです。画像も参考にしつつ操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「イベントビューア」をクリックします。
- 「Windows Logs」をクリックします。
- 「System」をクリックします。
- 「Find」をクリックします。
- 検索窓に「Power-Troubleshooter」と入力して検索します。
- 結果をチェックします。
結果をクリックすると、何が原因でスリープが解除されたかが表示されることがあります。これが表示されている場合は原因がすぐわかるので対処も簡単といえるでしょう。
ただし、この段階で「不明」と表示されている場合は1つずつチェックしていかなければなりません。これから紹介する対処法を試すことをオススメします。
対処1: 周辺機器でスリープが解除しない設定する
Windowsのスリープ設定によっては、マウスやキーボードが操作されるとスリープが解除されます。これが有効になっていると、何らかの拍子にマウスが動いた際に解除されてしまうでしょう。
これが原因である場合は以下のように設定します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「キーボード」と「マウスとそのほかのポインティングデバイス」のツリーをそれぞれ展開します。
- 使用している「キーボード」、「マウス」のデバイスを右クリックして「プロパティ」を開きます。
- 「電源の管理」タブをクリックします。
- 「このデバイスでコンピュータのスタンバイ状態を解除できるようにする」のチェックを外します。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
- キーボード、マウスの両方に設定を行って下さい。
これでマウスが動いてもスリープが解除されないようになるでしょう。キーボード入力でも解除されないようにするためには、キーボードドライバでも同じ設定を行います。
ただし、キーボード入力でスリープ解除は便利に使えることも多いので、利用シーンに応じて設定してください。
また、マウスドライバが複数表示されているときは全てのドライバで同じ設定を行ってください。さらに、マウスを抜き差しした際に設定がもとに戻ってしまうことがあるので、すでに設定している場合でも一度チェックしてみましょう。
対処2: スリープ解除タイマーを無効にする
スリープ解除タイマーが有効になっていることによってスリープが解除される場合、これを無効にすれば解除されないようになります。無効化する手順は以下の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を起動します。
- 「コントロールパネル」と入力してEnterを押します。
- 「電源オプション」を開きます。
- 有効化されている電源プランの「プラン設定の変更」をクリックします。
- 「詳細な電源設定の変更」をクリックします。
- リストから「スリープ」を探してクリックします。
- 「スリープ解除タイマーの許可」の設定を無効にします。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
これでスリープ解除タイマーが無効になるため、これが原因になっている場合はスリープ中に勝手に解除されないようになります。スリープ解除タイマーとは、特定した日の特定した時間に勝手に解除されるので、これに該当する場合は疑ってみてください。
対処3: ネットワークアダプタの設定を見直す
Realtek PCIe GbE Family Controllerなどの一部のネットワークアダプタでは、アダプタの設定が原因でスリープや休止状態が解除されるケースがあります。
そのため、ネットワークアダプタの設定に勝手にスリープを解除する設定が有効になっている場合は無効に変更してください。具体的には次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」をクリックします。
- 「ネットワークアダプタ」のツリーを展開します。
- 表示された「ネットワークアダプタ名」を右クリックして「プロパティ」を開きます。
- 「電源の管理」タブを開いて、「このデバイスでコンピュータのスタンバイ状態を解除できるようにする」のチェックを外します。
- 「詳細設定」タブを開いて、次の設定がある場合は無効にします。
- 「Wake on Magic Packet」: 無効にする
- 「Wake on Pattern Match」: 無効にする
基本的に電力削減関連のオプションとWale on LAN(WoL)関連の設定を無効化すると覚えておきましょう。ネットワークアダプタが原因になっていることが多いので、必ずチェックすることをオススメします。
対処4: マザーボードのドライバを更新する
マウスやスリープ解除タイマー、ネットワークアダプタの設定に問題がないのにスリープ状態が勝手に解除される場合、マザーボードのドライバが影響していることがあります。
そのため、まずはマザーボードメーカーの公式サイトにアクセスし、PCに搭載しているマザーボードのドライバをチェックしてみましょう。もし、最新のドライバが公開されている場合はダウンロードしてインストールしましょう。
ASUS製のものなの、一部のマザーボードメーカーはドライバアップデートツールを提供しているので、使っているマザボにこれがある場合はぜひ活用してみてください。
対処5: 影響しているアプリの設定変更/アンインストール
インストールしているアプリケーションの影響でPCのスリープ状態が勝手に解除されているケースがあります。マカフィーなどの常駐するアプリケーションが原因で、スリープが解除されることが多いようです。
スリープを解除しているアプリケーションを見つけるには次の操作を行います。
- 「Windowsマーク」をクリックします。
- 「Windowsシステムツール」→「コマンドプロンプト」を起動します。
- 次のコマンドを入力してエンターキーで実行します。
$ powercfg /waketimers
- スリープを解除するアプリケーションの一覧が表示されます。
アプリケーションが見つかった場合は、自動処理される設定項目(自動アップデート等)があれば無効にするようにして下さい。
設定で改善しない場合は、アプリケーションを停止しておくか、アンインストールを検討して下さい。
対処6: 自動メンテナンスを止める
自動メンテナンスが有効になっていることによってスリープ状態が勝手に解除されることがあります。
ここまでの対処法を試しても改善されない場合、これが原因になっていることがあるので、一度チェックしてみましょう。もし、有効になっている場合は以下の手順でOFFにします。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を起動します。
- 「control」と入力してEnterキーを押します。
- 「システムとセキュリティ」をクリックします。
- 「セキュリティとメンテナンス」をクリックします。
- 「メンテナンス」タブを展開します。
- 自動メンテナンス欄にある「メンテナンス設定の変更」をクリックします。
- 「スケジュールされたメンテナンスによるコンピュータのスリープ解除を許可する」のチェックを外します。
- 「OK」をクリックして設定完了です。
これで自動メンテナンスによるスリープ解除が無効になりました。これが原因になっていた場合、この設定を行うことによって解除されなくなるので、一度様子を見てください。
対処7: Windows Updateの電源管理を無効にする
Windows Updateの電源管理設定で、最新のアップデートがある場合、自動でPCのスリープを解除してアップデートを実行する機能があります。
そのため、Windows Updateの電源管理の設定を無効にすることで、スリープが勝手に解除される症状を防げる可能性があります。
Windows Updateの電源管理の設定を変更するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- 左ツリーを「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」の順に展開して「Windows Update」をクリックします。
- 右ペインで「WindowsUpdateの電源管理を有効にして、システムのスリープ状態が自動的に解除され、スケジュールされた更新がインストールされるようにする」をダブルクリックします。
- オプションを「無効にする」に変更して「OK」をクリックします。
- PCを再起動して設定を反映します。
以上でWindows Updateの電源管理機能を無効にすることができます。スリープが勝手に解除されなくなったか確認して下さい。
対処8: Windowsの自動アップデートタスクを止める
WindowsUpdate関連のタスクである、UpdateOrchestratorが原因で勝手に起動してしまうケースがあります。
イベントビュワー等でUpdateOrchestratorのタスクが原因だった場合は、次の手順で無効化します。
- 「Windowsマーク」→「Windows管理ツール」→「タスクスケジューラ」を起動します。
- 左ツリーを「タスクスケジューラライブラリ」→「Microsoft」→「Windows」→「UpdateOrchestrator」の順に展開します。
- 「Reboot」タスクをダブルクリックします。
- プロパティが開くので「条件」タブをクリックします。
- 「タスクを実行するためにスリープを解除する」のチェックを外して「OK」をクリックします。
UpdateOrchestrator内の他のタスクが原因でスリープが復帰してしまうケースもMicrosoftコミュニティに報告されています。
改善しない場合は、UpdateOrchestrator内の他のタスクも「タスクを実行するためにスリープを解除する」のチェックを外すことをおすすめします。
対処9: 更新プログラムの確認を停止する
Windows10では、OSの更新プログラムの確認をバックグランドで行なっています。
この更新プログラムの確認をする「UvoSvc」サービスが原因でスリープが頻繁に復帰してしまうケースがあります。
停止は推奨されませんが、UvoSvcサービスは次の手順で停止することができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御の画面が出たら「はい」をクリックします。
- 次のコマンドを入力してエンターキーで実行します。
$ sc stop "UsoSvc" $ sc config "UsoSvc" start= disabled
- UsoSvcサービスが停止します。
上記の手順で、更新プログラムの確認処理が停止します。スリープ解除が改善しないか確認して下さい。
更新プログラムの確認の機能を元の設定に戻したい場合は、次のコマンドでオンに戻せます。
$ sc config UsoSvc start= auto $ sc start UsoSvc
対処10: Windowsの自動再起動を無効にする
Windowsのデフォルト設定では、システムエラーが発生した際にPCが自動的に再起動する仕組みになっています。
そのため、PCの休止中やスリープ中にシステムエラーが発生して、Windowsが復帰しているケースが考えられます。
次の手順でWindowsの自動再起動を無効にして症状が改善しないか確認してみて下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- 右ペインで関連設定の「システム情報」をクリックします。
- 左ペインで「システムの詳細設定」をクリックします。
- 「起動と回復」の項目にある「設定」をクリックします。
- 「システムエラー」の項目にある「自動的に再起動する」のチェックを外します。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
対処11: レジストリを変更する
ここまでの対処で改善しない場合は、Windowsのレジストリに問題が発生していることが考えられます。
次の手順でレジストリを修正することで、スリープ復帰の問題が解決する可能性があります。*レジストリの変更は、Windowsに重大なエラーが起きる場合があるため慎重に行なって下さい。
- 「Windowsキー」+「Rキー」を同時押しします。
- 「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
- 左のツリーを「HKEY_LOCAL_MACHINE」→「SOFTWARE」→「Microsoft」→「Windows NT」→「CurrentVersion」→「Winlogon」に順に展開します。
- 「Winlogon」内にある「PowerdownAfterShutdown」をダブルクリックします。
- 値が「1」になっていることを確認して「OK」をクリックします。
値を変更した場合は、PCを再起動して復帰のトラブルが解消しないか確認して下さい。
PCでテレビの録画環境を構築しようとチューナーを買って、必要なソフトウエアのインストールと設定を行いました。
しかし休止状態にしてもすぐに起動してしまい、録画予約時間までを休止状態にできず悩んでいました。
原因はBuffalo製のルーターで、ネットワーク監視のために何らかのパケットが送信され、その度に起動してしまうものと思われます。
ですがWake On LANを使いたいのでLANによるスタンバイ解除は無効にできません。
一応LANが原因で起動してしまうのかを確認するためドライバーの設定を開いたところ、希望が見えました。
「MagicPacketでのみ、コンピューターのスタンバイ状態を解除する」という項目があり、それを有効にしました。
これにより、Wake On LANを諦めることなく休止状態にできるようになりました。
ご参考に。
なお搭載されているネットワークデバイスは「Intel(R) I211 Gigabit Network Connection」です。
ネットワークドライバーによってはWake On LANを有効にした状態で対応できるんですね。貴重な情報ありがとうございます。
別のPCも休止状態からすぐに復帰してしまうので確認したところ、Realtek製のネットワークデバイスですが同じ設定項目がありました。
これによりこのPCも休止できるようになりました。
OSはどちらも64bit版のWindows10です。
WiFi中継機、劣化摩耗のため交換更新後、現ページの状況により、シャットダウン以外に止められない状況でしたが、当該ページのネットワークアダプターの設定を記載通りに実施してみると、更新前と同じく休止状態&スリープできるようになりました。
以下、参考までに機器環境は
PC本体は自作機「ASRock B450M Pro4がマザーボード」。
BUFFALO製 WSR-1166DHP3 親機
BUFFALO製 WEX-1166DHPS 中継機
BUFFALO製 WEX-733DHP 中継機「劣化交換して、現在上記中継機を使用」
BUFFALO製 WSR-1166DHP3 親機←5G送受信が主→BUFFALO製 WEX-1166DHPS 中継機←有線接続→PC自作機「マザーボードにLANオンボード」で使用する「上記処置前」と休止状態&スリープが使用できませんでした。
一方で、完全にWiFiで使用すると
BUFFALO製 WSR-1166DHP3 親機←2G送受信が主→BUFFALO製 WEX-733DHP 中継機 または、BUFFALO製 WEX-1166DHPS 中継機←5G送受信が主→PC自作機「ELECOM製 WiFiアダプター」で、完全WiFiでは、休止状態&スリープが使用出来る状況でした。
BUFFALO製 WEX-1166DHPS 中継機を使用することで、どうにか親機からの5G送受信が、ギリギリ実運用「高画質でも動画鑑賞OKが基準」に使用できるレベル。
それぞれの機器が送受信する電波の調子が悪いときには、親機と中継機の使用周波数帯を変更等あり。
なおELECOMのアダプターは、5Gと2Gのそれぞれ専用機「867=5G、300と150は2G用」を使用しています。
マウス製デスクトップがスリープ直後にロック画面まで起動してしまう現象が何を試しても全く改善しなかったんですが、こちらのサイト様のお陰で解消いたしました。
感謝感激です。結局のところの原因は
対処3: ネットワークアダプタの設定を見直す
「Wake on Magic Packet」: 無効にする
「Wake on Pattern Match」: 無効にする
これでありました。本当にありがとうございました!