iTunesでCDの音楽データをインポートをしようとすると、読み込み時間が遅くなかなか終わらない、または途中で進捗が完全に止まってしまうといったトラブルが起きることがあります。
1度や2度ならまだしも、頻繁に発生するようであればiTunesアプリやCDドライブの異常を疑うべきでしょう。
本記事では、iTunesのCDのインポートが遅かったり、止まる時の原因と対処法を紹介します。対象の環境は、Windows・Mac両方のiTunesを想定しています。
この記事の内容
インポートに掛かる時間の目安
インポートにかかる時間は取り込む曲数やパソコンの性能にもよって変わります。
平均的なスペックのパソコンであれば3分~5分程度の長さの曲1曲につき1分以内、長くても2、3分程度でインポートできることがほとんどです。
これよりも極端に長い時間がかかるようであれば対処を考えたほうが良いでしょう。
対処1: iTunesをアップデートする
最初にiTunesのバージョンをご確認ください。
アプリのバージョンが古いままだと、CDのインポート以外にも様々な不具合の原因になりかねません。
今回のトラブルと直接関係がなかったとしてもアプリのバージョンは常に最新版に保つことをおすすめします。
iTunesを更新する具体的な手順については次のリンク先をご参照ください。
対処2: OSをアップデートする
iTunesアプリだけでなく、システムも最新のものに更新してください。
Macをシステムアップデートするには、次のリンク先にある「macOS Mojave 以降のアップグレードを入手する方法」の手順に従ってください。
Windowsのパソコンでシステムアップデートをするには、次のリンク先に記載されている手順に従ってください。
対処3: バックグラウンドアプリを終了する
パソコン・Macのメモリ使用量が多いとインポート中のエラーの原因になります。セキュリティソフトなど、バックグラウンドで動作しているアプリがあれば終了させてみてください。
バックグラウンドアプリを終了させても変化がなければ、Windowsであればタスクマネージャ、Macであればアクティビティモニターを使い、現在のメモリ使用状況をご確認ください。
Macの場合
- Finderで「アプリケーションフォルダ」を開きます。
- 「ユーティリティ」フォルダを開きます。
- 「アクティビティモニター」の項目を探し、ダブルクリックで起動します。
- アクティビティモニターウィンドウが開きます。「メモリ」タブをクリックして表示します。
- 画面下部にある「メモリプレッシャー」や「物理メモリ」に対する「使用済みメモリ」の割合を見て、メモリの使用状況を確認します。
- メモリ使用量が80%を超えているようであればメモリ不足が原因の可能性が高いです。
- メモリ不足を解消するには、メモリを大量消費しているアプリや、使用していないアプリを終了させます。
- アプリを終了するには「アクティビティモニター」内のリストから終了させるアプリをクリックで選択し、その後左上にあるバツボタンをクリックします。
終了させるべきアプリがわからない場合は、『セーフモード』でMacを起動してみてください。
Macをセーフモードで起動した後は、通常通りiTunesを使ってCDのインポートを行ってください。
Windowsの場合
- タスクバーにある「スタート」ボタンを右クリックし、「タスクマネージャ」を選択します。
- 「タスクマネージャ」ウィンドウが開きます。ウィンドウ左下にある「詳細」をクリックし、詳細表示に切り替えます。
- 「プロセス」タブ内にある「メモリ」の数値を確認します。
- もしメモリが80%を超えているようであればメモリ不足が原因の可能性が高いです。
- 「メモリ」の列を詳しく調べ、メモリを異常に消費しているアプリがないか調べてください。
- CDのインポートに必要のないアプリが起動していれば終了させます。アプリを終了させるにはアプリ名をクリックして選択し、右下の「タスクの終了」をクリックします。
アプリを終了させても良いかわからない場合は、『セーフブート』を試してみてください。
セーフブートでWindowsを起動した後、iTunesを起動し通常通りCDのインポートを行います。
対処4: iTunesをセーフモードで起動する
iTunesにインストールされているプラグインなどが原因かもしれません。iTunesをセーフモードで起動し、その状態でCDのインポートをしてみてください。
iTunesをセーフモードで起動するには次の手順で操作します。
- Windowsの場合
- 「Shift」キーと「Ctrl」キーを押しながら「iTunes」アプリアイコンをクリック(ダブルクリック)してアプリを起動します。
- 成功すると「iTunesはセーフモードで起動しています」というメッセージが表示されるので、「続ける」をクリックします。
- Macの場合
- キーボードの「Command」キーと「Option」キーを押しながら「iTunes」アプリをクリックして起動します。
- 成功すると「iTunesはセーフモードで起動しています」というメッセージが表示されるので、「続ける」をクリックします。
iTunesをセーフモードで起動した状態でCDのインポートが正常にできる場合は、iTunesのプラグインが原因として考えられます。iTunesのプラグインの削除をお試し下さい。
iTunesのプラグインを削除する
iTunesのプラグインフォルダの中に不要なプラグインや、原因と思われるプラグインがないか調べます。
プラグインがある場合は、該当のプラグインを削除して下さい。
Windowsの場合
次のフォルダの中を調べ、プラグインファイルがあればファイルを削除して下さい。
- 32bit版Windows:
C:\Program Files\iTunes\Plug-ins
- 64bit版Windows:
C:\Program Files(x86)\iTunes\Plug-ins
- あわせて、iTunesのプロファイルデータも確認して下さい。
C:\Users\(ユーザー名)\App Data\Roaming\Apple Computer\iTunes\iTunes Plug-ins
App Dataフォルダは隠しファイルのため、エクスプローラのオプションにて「隠しフォルダを表示する」機能をオンにしてください。
プラグインのフォルダ内が空、またはフォルダ自体が存在しない場合は操作の必要はありません。
Macの場合
Macの場合は、次のどちらかの方法でPlug-insフォルダを開いて、プラグインファイルを確認します。
- Finderを開き、「ホーム」→「ライブラリ」→「iTunes」→「iTunes Plug-ins」フォルダを開きます。
- Finderの上部メニューにある「移動」→「フォルダへ移動」を選択し、次のパスを入力してください。
~/Library/iTunes/iTunes Plug-ins/
プラグインがインストールされていればフォルダの中にファイルがあるはずですので、削除するものがあればゴミ箱へドラッグアンドドロップします。
フォルダが空、またはiTunes Plug-insフォルダが存在しない場合は操作の必要はありません。
対処5: iTunesを再インストールする(Windowsの場合)
Windowsパソコンの場合はiTunesを一旦アンインストールし、最新バージョンのiTunesをインストールし直すことで解決できる可能性があります。
Windows版のiTunesのアンインストールと再インストールの手順については、次のリンク先をご参照ください。
MacではiTunesをアンインストールすることはできません。システムに原因があると思われる場合はOSの再インストールを試してみてください。
対処6: CD本体・CDドライブの状態を調べる
CDの表面やCDドライブに物理的な問題が発生していないか調べてみてください。たとえば、次のような方法で問題の切り分けができます。
- CDの表面に傷や汚れがないか確認します。もし汚れが付着しているようであれば、乾いた布で拭き取ります。
- 取り外し可能なタイプのCDドライブであれば、他のパソコンに接続し、問題なく使えるか調べてみてください。
- iTunes以外の音楽プレイヤーでCDを再生し、問題なく再生されるか調べてみてください。
CDドライブ以外のパーツ、たとえばメモリやハードディスクの故障が原因になることもあります。自力での解決が難しければパソコンの修理サービスの利用もご検討ください。