Windows10でシステムトラブルが起きた時やパソコンの調子が悪い時、クリーンインストールで問題が解消できるケースは非常に多いです。
しかしクリーンインストールの実行中にエラーが発生してしまったり、ロゴの画面で途中で止まってしまったりしてクリーンインストールが正常に完了しないことがあります。
本記事では、Windows10のクリーンインストールができない・途中で止まる時の具体的な対処方法を紹介します。
この記事の内容
対処1: 不要な外部デバイスを取り外す
パソコンに接続されている外部デバイスやメディアがトラブルの原因になることがあります。
プリンター・外付けハードディスク・光学ドライブ内のCD/DVD・スピーカー・ヘッドホン・その他USBデバイスなど、取り外せるデバイスをすべて取り外してからクリーンインストールを再度実行してみてください。
また、クリーンインストールに使用するUSBフラッシュメモリや、USBポートに問題がないことも確認して下さい。
対処2: インストールメディアを再作成する
Windows10のインストールメディアに問題があるケースが考えられます。
正しい手順で作成したつもりでも再作成することで問題が解決することもあるため、一度インストールメディアを作り直してみてください。
最新のメディア作成ツールは、次のMicrosoftの公式ページからダウンロードすることができます。
Windows10のインストールメディアをUSBメモリで作成する方法については、次のページを参考にして下さい。
対処3: ハードディスクの空き容量を確認する
システムドライブ(多くの場合「ローカルディスク(C:)」と表記されています)に十分な空き容量があることをご確認ください。
Windows10のクリーンインストールを行う場合、32ビット版Windowsでは16GB、64ビット版Windowsでは20GB以上の領域が必要です。
ハードディスクの空き容量は、次の手順で確認できます。
- タスクバーにある「エクスプローラ」アイコン(黄色のフォルダアイコン)をクリックしてエクスプローラウィンドウを開きます。
- ウィンドウ左側のリストにある「PC」の項目をクリックします。
- PCに接続されているハードディスクの容量が表示されます。システムドライブの空き容量が十分にあるか確認して下さい。
対処4: インストールの種類を確認する
Windowsのインストールの種類の選択を間違えると正常にクリーンインストールすることができません。
クリーンインストール時に表示される「インストールの種類を選択する」の画面で、「カスタム: Windowsのみをインストールする(詳細設定)」を選択していることを確認して下さい。
インストールメディアをUSBブートしている状態で「アップグレード:Windowsをインストールし、ファイル、設定、アプリを引き継ぐ」を選択した場合、インストールが失敗してしまいます。
対処5: ドライブのパーティションを削除する
Windowsをインストールする先のドライブに複数のパーティションが存在していると、Windowsのクリーンインストールが失敗します。
クリーンインストールする前に、必ずインストール先のドライブにある既存のパーティションを全て削除してからインストールを開始して下さい。
クリーンインストールを開始する前の「Windowsのインストール場所を選択する」の画面で、次の操作を行っているか確認して下さい。
- ドライブ一覧のインストール先のドライブに、複数のパーティションがあるか確認します。
- インストール先のドライブは、通常であれば「ドライブ0」です。
- 複数のパーティションが表示されている場合は、パーティションをそれぞれ選択して「削除」をクリックします。
- Windowsをインストールしないドライブはパーティションを削除する必要はありません。
- インストール先のドライブに、「割り当てられていない領域」だけが残った状態になっていることを確認します。
- インストール先がドライブ0の場合は、「ドライブ0 割り当てられていない領域」が表示されます。
インストール先のドライブのパーティションが全て削除できたら、案内に従ってクリーンインストールを行って下さい。
対処6: BIOS/UEFIをアップデートする
PCのBIOS/UEFIのバージョンが古いことが原因で、Windowsのクリーンインストール時に問題が発生することがあります。
パソコンまたはマザーボードのメーカーサイトにBIOSの更新ファイルが配布されているか確認してみて下さい。
もし新しいバージョンが提供されている場合は、記載されている手順に従ってBIOS/UEFIのアップデートを実行してください。
対処7: セキュアブートを無効にする
BIOS/UEFIのセキュアブート機能が影響して、クリーンインストールが失敗するケースがあります。
PCのBIOS/UEFIの設定を開き、セキュアブートを無効にしてからクリーンインストールを実行してみて下さい。
方法1: PC起動時にBIOSを開いて設定する
ほとんどの機種では、PC起動時の画面でファンクションキーを押すことで、BIOS設定を開くことができます。
事前にパソコンのマニュアルを参考にしてBIOSの起動方法を確認して下さい。
- PC起動時の画面でファンクションキーを押してBIOS設定画面を表示します。
- ファンクションキーは、「F1」「F2」「F10」キーである場合が多いです。
- 多くの機種では、PC起動時画面にBIOSのキーが表示されます。
- BIOSの設定画面が表示されたら、「セキュアブート」の項目を探し、「有効」になっていれば「無効」にします。
- 画面の表示はパソコンやマザーボードの機種により異なります。「セキュリティ」「ブート」「認証」タブ内で見つかることが多いです。
- 設定を保存し、パソコンを再起動します。
方法2: WindowsからUEFIを開いて設定する
PCがUEFIを搭載している場合は、次の手順でUEFIを開いてセキュアブートを無効にすることができます。
- 「スタート」メニューから「設定」画面を開きます。
- 「Windowsの設定」画面が表示されたら、「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左側のサイドメニューにある「回復」をクリックします。
- 「回復」画面が表示されたら、「今すぐ再起動」ボタンをクリックします。
- すぐに再起動が行われ、しばらくすると「オプションの選択」画面が表示されます。マウスまたはキーボードを使って操作を行い、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「UEFIファームウェアの設定」へと進みます。
- 「再起動」ボタンを選択します。しばらくするとBIOSの設定画面が表示されます。
- BIOSの設定画面が表示されたら、「セキュアブート」の項目を探し、「無効」にします。
- 設定を保存し、パソコンを再起動します。
セキュアブートが無効にできたら、再度Windowsのクリーンインストールを試してみて下さい。
クリーンインストールが無事完了したらセキュアブートは再度有効に戻して構いません。
対処8: Windowsのリセット機能を使って初期化する
クリーンインストールがうまくできない場合、Windowsのリセット機能「このPCを初期状態に戻す」を使うことで問題なく初期化できる可能性があります。
「このPCを初期状態に戻す」の機能を使ってPCを初期化する手順については、次のページで詳しく解説しています。併せて参考にして下さい。
解決しない時は
ここまでの対処方法でWindows10をクリーンインストールできない場合は、次の対処方法ができないか検討して下さい。
- リカバリー領域を使った初期化を試す
- メーカー製パソコンの場合は、リカバリー領域を使ってリカバリーを行ってみてください。
- リカバリーの手順はメーカーや機種により異なるため、製品マニュアルやメーカーサイトの情報を参照してください。
- ハードディスクを交換する・PCの買い替えを検討する
- 購入から5年以上経過した古いPCを使用している場合は、ハードディスクの劣化・故障が考えられます。
- PCの動作が普段から不安定だった場合は、ハードディスクの交換やPCの買い替えを検討して下さい。
- Windowsをダウングレードする
- Windows7など、古いバージョンのWindowsからWindows10にアップグレードしたパソコンの場合、Windows10のクリーンインストールが失敗してしまうケースがあります。
- Windows10にしてから動作が不安定になる場合は、元のバージョンのWindowsに戻すことを検討して下さい。