DVD/CD、USBメモリ、SDカード、外付けHDDやNAS、共有フォルダを開こうとすると、突然「ディレクトリ名が無効です」というエラーが表示されて、ファイルが開けないケースがあります。
「ディレクトリ名が無効です」のエラーは、参照するディレクトリが見つからない際に表示されます。しかし、具体的な解決方法が分からない方も多いと思います。
本記事では、Windows10で「ディレクトリ名が無効です」のエラーが表示された時の対処法を紹介します。
この記事の内容
対処1: デバイスの再接続を試す
USBの外付けデバイスの場合
USBメモリや外付けのHDD、光学ドライブなどのデバイスでエラーが表示される場合は、使用しているUSBポートに問題が起きているケースがあります。
使用しているポートに問題が起きていると、データの読み込みが正常に行われず、エラーメッセージが表示されます。
そのため、一度デバイスを接続しているUSBケーブルを抜いて再度接続してみて下さい。
再度接続で問題が解決しない場合は、PC側の別のUSBポートに接続してデバイスを開けないか確認して下さい。
内蔵デバイスの場合
PCに内蔵されているDVD/CDの光学ドライブでエラーが出る場合は、システム上のデバイスの接続に問題が起きており、デバイスを認識できていないケースが考えられます。
そのため、Windows上でデバイスを一旦無効にして再接続することでエラーが解決する可能性があります。
次の手順で、デバイスマネージャーからデバイスの再接続を試して下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- 対象のデバイスのツリーを展開します。
- DVD/CDの光学ドライブの場合は、「DVD/CD-ROM ドライブ」のツリーを展開します。
- 「対象のデバイス名」を右クリックして「デバイスを無効にする」を選択します。
- 再度「対象のデバイス名」を右クリックして「デバイスを有効にする」を選択します。
以上で内蔵デバイスを再接続することができます。再接続ができたら、デバイスを正常に開けないか確認して下さい。
対処2: PCとデバイスを再起動する
PC、もしくはデバイスに一時的な問題が起きており、正常にデバイスを認識できていないケースがあります。
そのため、PCを再起動してからデバイスにアクセスできないか確認して下さい。また、デバイスに独立した電源がある場合はデバイス側の再起動も行います。
USBで接続するタイプのデバイスの場合は、USBケーブルを取り外してから再起動を行って下さい。再起動ができたら、再度USBを接続してエラーが出ないか確認します。
対処3: 他のPCからデバイスにアクセスしてみる
USBで接続する外付けのデバイスの場合は、他のPCにデバイスを接続して開けないか試して下さい。
他のPCに接続することで、エラーの原因がPC側かデバイス側にあるのか判断することができます。
- 他のPCでデバイスが開けない場合(USBデバイス)
- デバイスのファイルシステムの破損や物理的な破損が考えられます。次のページの対処を試して下さい。
- 他のPCでデバイスが開けない場合(共有フォルダ/NAS)
- ネットワークドライブが開けない場合は、ネットワークドライブ側の設定に問題があることが考えられます。次のページの対処を参考にして下さい。
他のPCでデバイスを正常に開ける場合は、対象のPCに問題があることが考えられます。次の対処方法に進んで下さい。
対処4: Windowsアップデートを確認する
デバイスドライバーが古いことが原因で、デバイスを開くことができずエラーが表示される場合があります。
古いデバイスドライバーは、Windowsアップデートの際に最新のデバイスドライバーがインストールされることで修正されます。
通常Windowsアップデートはバックグラウンドで実行されますが、PCを再起動しないと適用できない更新もあります。
そのため、長期間PCを再起動していない場合は、Windows Updateで適用する更新が残っていないか確認して下さい。
対処5: ドライバーを再インストールする
インストールされているデバイスドライバー自体が破損しており、デバイスにアクセスする際にエラーが出るケースがあります。
Windowsアップデートで問題が解決しない場合は、デバイスドライバーの再インストールを試してデバイスを開くことができないか確認して下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- 対象のデバイスのツリーを展開します。
- USBデバイスの場合は、「ディスクドライブ」と「ユニバーサルシリアルバスコントローラー」のツリーをそれぞれ展開します。
- 内蔵のDVD/CDの光学ドライブの場合は、「DVD/CD-ROM ドライブ」のツリーを展開します。
- 「対象のデバイス名」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
- USBデバイスの場合は、次の2つのデバイスのアンインストールを行って下さい。
- 「ディスクドライブ」ツリー内の「デバイス名」
- 「ユニバーサルシリアルバスコントローラー」ツリー内の「USB root Hub」
- USBデバイスの場合は、次の2つのデバイスのアンインストールを行って下さい。
- デバイスの表示が消えたら、PCを再起動します。
PCを再起動すると自動でデバイスドライバーがインストールされます。デバイスが開けないか確認して下さい。
対処6: デバイスを直接開く
アプリ起動時やショートカットからデバイスを開くタイミングで「ディレクトリ名が無効です」のエラーが発生する場合、デバイスのドライブ文字やパスが変更されていることが考えられます。
そのため、エクスプローラから直接デバイス開いてみて下さい。
- タスクバーの「フォルダ」アイコンをクリックしてエクスプローラを起動します。
- 左ペインで「PC」、もしくは「コンピュータ名」をクリックします。
- 「デバイスとドライブ」に表示される「デバイス」をダブルクリックします。
- 共有フォルダ、NASの場合は「ネットワーク」から開いて下さい。
- デバイスが正常に開けるか確認します。
上記の手順で直接開くと正常に開ける場合は、ショートカットやアプリの参照先のパス設定に問題があることが考えられます。
- ショートカットに問題がある場合は、エラーが表示される古いショートカットを削除して、新しいデバイスへのショートカットを作成して下さい。
- アプリ起動時にエラーが出る場合は、アプリの設定で使用しているディレクトリの参照先を正しいパスで設定して下さい。
対処7: 一時ファイルのTempフォルダを再作成・設定する
アプリケーションなどで「ディレクトリ名が無効です」と表示される場合、一時ファイルが保存されるTempフォルダが無くなっているケースが考えられます。
一時ファイルが保存されるフォルダは、Tempというフォルダ名でWindowsフォルダ内とユーザーフォルダ内にあります。
上記のTempフォルダがシステムやアプリから参照できないと、「ディレクトリ名が無効です」のエラーが表示される場合があります。
そのため、Tempフォルダを手動で再作成して環境変数に再設定して下さい。
1.Tempフォルダの再作成
Tempフォルダを再作成する手順は以下の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「WindowsPowershell(管理者)」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が出たら「はい」をクリックします。
- 画面が立ち上がったら次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
md c:\windows\temp
- 続けて次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
md c:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\temp
- (ユーザー名)は、Windowsのユーザー名を入力して下さい。
2.環境変数を設定する
Tempフォルダを作成できたら、Windowsの環境変数で正しく参照できているか確認します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「システム」を選択します。
- 右ペインで「システム情報」をクリックします。
- 左ペインで「システムの詳細設定」をクリックします。
- 「環境変数」をクリックします。
- 以下の4つの値が作成したディレクトリパスと一致していることを確認して下さい。
- 「ユーザー環境変数」の「TEMP」と「TMP」の値
c:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\temp
- 「システム環境変数」の「TEMP」と「TMP」の値
c:\windows\temp
- 「ユーザー環境変数」の「TEMP」と「TMP」の値
- パスが異なる場合は、ダブルクリックして編集します。
- 編集が完了したら「OK」をクリックして設定を保存します。
Tempフォルダの再作成と環境変数の設定の確認ができたら、改めて該当デバイスとの接続を試してみて下さい。
対処8: ドライブ文字を変更する
接続したデバイスのドライブ文字が競合していることが原因で、デバイスにアクセスできずエラーが発生するケースがあります。
次の手順で、接続しているデバイスのドライブ文字を変更してエラーが解決しないか確認して下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ディスクの管理」を選択します。
- 「デバイス」のボリュームを右クリックして「ドライブ文字とパスの変更」を選択します。
- ドライブレターを選択して「変更」をクリックします。
- 他のドライブと重複しないアルファベット(LやM等)を入力して「OK」をクリックします。
ドライブレターが変更できたら、デバイスが正常に開けないか確認して下さい。
対処9: 「Sambaクライアント」を有効化する
NASや共有フォルダなどのネットワークデバイスにアクセスした際にエラーが表示される場合は、Sambaクライアントの機能が原因になっていることが考えられます。
Windows Updateを行った際に、Sambaクライアントが無効になっている場合があります。
次の手順で、Sambaクライアントが有効になっているか確認して下さい。
- タスクバーの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力し、検索結果からコントロールパネルを選択します。
- 「プログラム」を選択します。
- 「Windowsの機能の有効化または無効化」を選択します。
- 「SMB1.0/CIFSクライアント」のチェックを入れて有効化します。
- 「OK」をクリックします。
- PCを再起動させます。
PCの再起動後、改めてNASにアクセスし、エラーメッセージが出なければ問題ありません。
対処10: ユーザーアカウント制御を無効にする
特定のアプリケーションのインストールのタイミングで「ディレクトリ名が無効です」のエラーが出る場合、ユーザーアカウント制御が原因として考えられます。
そのため、ユーザーアカウント制御を無効にしてからインストールを試して下さい。
ユーザーアカウント制御を無効にするには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「UserAccountControlSettings」と入力して「OK」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御の設定画面が出るので、スライダーを一番下(通知しない)までスライドします。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
ユーザーアカウント制御を無効にできたら、アプリケーションのインストールを再度試して下さい。
対処11: 交換・修理を検討する
ここまでの対処法を行っても「ディレクトリ名が無効です」のエラーメッセージが出る場合、該当デバイスが故障していることが考えられます。
保証期間内であればメーカーや家電量販店に連絡して、修理やデバイスの交換を依頼して下さい。
またデバイス内に大切なデータがある場合は、データの取り出しも同時に依頼することをおすすめします。
保証期間が切れている古いデバイスの場合は、新しいデバイスに買い替えることを検討して下さい。