Windows10のパソコンにて、電源を入れた時に「No bootable device - insert boot disk and press any key」や「No bootable device - Please restart system」というエラーメッセージが表示され、Windowsが起動しないトラブルが起きることがあります。
ハードディスクの物理故障のケースも多いですが、簡単な設定変更であっさり解決できる場合もあります。
本記事では、Windows10のPCで「No bootable device」のエラーが起きる原因と、解決するための対処法を紹介します。
エラーが起きた状況も考慮しながら、まずは問題の起きている場所を特定していきましょう。
この記事の内容
「No bootable device」の原因
「No bootable device」のエラーは、マザーボードによってエラーメッセージが多少異なります。
No bootable device - insert boot disk and press any key
No bootable device - Please restart system
No bootable devices found.
No boot device available
上記のエラーは、主にハードディスクからOSを読み込むことができない時に発生します。具体的には、次のような問題が起きていると考えられます。
- ハードディスクの接続に問題がある
- BIOSの設定が正しくない
- 起動順序に問題がある
- BCD/MBRが破損している
- CMOSの電池切れ
- OSのシステムファイルが破損している
- ハードディスクが故障している
ハードディスク(SSD)を交換した場合やOSを再インストールした場合など、思い当たる原因がある場合は、まずハードディスクの接続とBIOSの設定を見直して下さい。
逆に、特に心当たりはないのに急にエラーが現れるようになったのであれば、ハードディスクが故障していることが考えられます。
しかし、ハードディスクの故障以外が原因でエラーが表示されるケースもあるため、まずは紹介する対処法を試して原因の特定を行ってみてください。
対処1: ハードディスクが認識されているか確認する
次の手順でBIOS設定画面を開き、ハードディスクが認識されているかを確認してください。
- パソコンの電源を入れ、メーカーロゴが表示されたら「F1」「F2」「F10」「Delete」「Esc」のいずれかのキーを何度か押してBIOS設定画面を開きます。
- パソコンのメーカーによってBIOSを開くキーが異なります
- うまく開けない時はパソコンの製品マニュアルを参照し、BIOS設定画面の表示手順を確認してください。
- BIOS設定画面が表示されたら「Boot(起動)」「Advanced(詳細)」「Main(メイン)」タブを調べてハードディスクの情報が記載されているページを探します。
- ハードディスクの情報が表示されるか、SATAポートまたはIDEポートの詳細にハードディスク名が表示されれば、ハードディスクが問題なく認識されています。
- BIOS設定画面はパソコンの機種ごとに異なるため、もし情報が見つからない場合はパソコンのマニュアルを参照してください。
BIOS上のハードディスクの認識状況によって対処方法が異なります。
ハードディスクが認識されている場合
BIOSでハードディスクが認識できている場合は、ハードディスク本体に問題はないと思われます。
次の対処方法を参考にしながら、BIOSの各種設定の確認やOSの再インストールを試してみてください。
ハードディスクが認識されていない場合
- ハードディスクの取り外しが可能なタイプのパソコンであれば単純な接触不良が原因として考えられます。ハードディスクの接続ケーブルが緩んでいないか確認して下さい。
- 特にハードディスク交換などを行ったのであれば、基本的な交換の手順をもう一度確認してみてください。
- パソコンのメーカーや機種によってはハードウェア用の診断ツールが付属していることがあります。もし利用できるようであれば実行し、ハードディスクの状態を調べてみてください。
- 例えば、Dell製のパソコンであればパソコンの起動直後にF12キーを押すことで内蔵診断機能を起動できるようになります。
- その他のメーカーのパソコンにも同様の機能が備わっていることがあります。パソコンの製品マニュアルやメーカーのサポートページにて調べてみてください。
対処2: 起動順序を確認する
システムドライブの起動より先に他のデバイスが起動してしまい「no bootable device」のエラーが出ているケースがあります」。
次の手順で操作を行い、OSのインストールされているドライブが優先的に起動する設定になっているか確認してください。
- パソコンを起動し、BIOS設定画面に入ります。
- BIOS設定画面が開いたら、「Boot(起動)」タブを調べて起動順序の設定項目を選択します。
- 起動順序の設定項目は「Boot Priority Order」「Boot Device Priority」などの名称になっている場合が多いです。
- 最も優先度の高いドライブ(1番上の項目)に、OSがインストールされたハードディスクまたはSSDが設定されていることを確認します。
- 設定に問題があれば起動順序の変更を行って下さい。
- 設定を変更した場合は「Save and Exit(保存して終了)」を選択してからパソコンを再起動します。
接続しているデバイスが影響するケースもあるため、不要なデバイスをPCから全て取り外してから起動を試してみることをおすすめします。
対処3: ブートモードを切り替える
OSとBIOSのブートモードが一致しておらず、正常にOSを起動できないケースが考えられます。
このトラブルは正しい手順でOSをインストールしなかった時や、Windows UpdateやBIOSのアップデートの不具合が原因で発生することがあります。
ブートモードを切り替えて問題が解消されるか試してみてください。
ブートモードを切り替えるには次の手順で操作を行います。
- パソコンを起動し、BIOS設定画面に入ります。
- 「Boot(起動)」「Advanced(詳細)」タブを調べて、「Boot Mode(ブートモード)」の設定項目を探します。
- Boot Modeの項目が見つからない場合、異なる名称で表記されているかもしれません。機種によってはブートモードの設定は次のような表記になっていることがあります。
- CSM
- Boot Device Control
- Legacy Support
- UEFI/Legacy Boot
- Boot Modeの項目が見つからない場合、異なる名称で表記されているかもしれません。機種によってはブートモードの設定は次のような表記になっていることがあります。
- ブートモードを別のモードに切り替えます。
- 「Legacy(レガシー)」に設定されている場合は、「UEFI」に切り替えます。
- 「UEFI」に設定されている場合は、「Legacy」に切り替えます。
- ブートモードを「Legacy」に設定した場合は、「Secure Boot(セキュアブート)」を「Disabled(無効)」に変更します。
- CSMを「Enabled(有効)」にした場合も、「Secure Boot」を「Disabled(無効)」に変更してください。
- Secure Bootの項目は「Boot」タブか「Security」タブ内にある事が多いです。
- ブートモードを「UEFI」に変更した場合はSecure Bootの設定を変更する必要はありません。
- 「Save and Exit(保存して終了)」を選択し、パソコンを再起動します。
再起動ができたら正常にPCが起動しないか確認して下さい。
再起動しても問題が解決しない場合は、もう1度BIOS設定画面を開き、先程と同様の手順でBoot ModeとSecure Bootの設定を変更前の状態に戻してください。
対処4: BIOSの設定を初期化する
BIOSの設定の初期化を試してみてください。初期化を行うには、次の手順で操作します。
- パソコンを起動し、BIOSの設定画面に入ります。既にBIOS設定画面が開かれている場合はこの手順はスキップしてください。
- BIOS設定画面が表示されたら、「Load Default Settings(デフォルトの設定に戻す)」を実行します。
- この項目は多くの場合BIOS設定画面上のEXITタブ内にあるか、F9キー(または特定のファンクションキー)を押すことで実行できます。
- パソコンの機種により表記や操作方法が異なるため、マニュアルを参照しながら操作を行ってください。
- デフォルトの設定に戻したら「Save and Exit(保存して終了)」を選択してパソコンを再起動します。
対処5: CMOSの電池を交換する
PC内のマザーボードのボタン電池の残量が切れており、BIOS設定が初期化されて「no bootable device」のエラーが表示される場合があります。
BIOSで設定変更後に、一時的にWindowsは立ち上がるのに症状を繰り返す場合は、CMOSのボタン電池を新品に交換して下さい。
- CMOSのボタン電池を用意します。
- CMOSの電池は、CR-2032のボタン電池を使用していることが多いです。
- PCの電源類を全て取り外します。
- PCのケースを開けます。
- マザーボードにCMOSの表記のあるボタン電池を探します。
- 電池ホルダーのツメを押して、ボタン電池を取り外します。
- 新しいボタン電池をホルダーに取り付けます。
- 電源類を取り付けます。
CMOSの電池が交換できたら、再度PCを起動してBIOS設定を行って下さい。
電池を交換した状態であれば、BIOS設定が正常に保存され、エラーが再発することがなくなります。
対処6: BCD/MBRを修復する
BCDやMBRが破損していることが原因で、システムをブートできないケースがあります。
一度Windows回復環境を起動して、対象のドライブのBCD/MBRの修復を行ってみて下さい。
- インストールメディアを使ってWindows回復環境を起動します。
- Windows回復環境の起動方法は、『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法』を参考にしてください。
- 「トラブルシューティング」→「コマンドプロンプト」と進み、コマンドプロンプトを起動します。
- 次のコマンドを順に入力して1行ごとにEnterキーを押します。
- bootrec /fixmbr
- bootrec /fixboot
- bootrec /scanos
- bootrec /rebuildbcd
- すべてのコマンドが実行できたらコマンドプロンプトを閉じてPCを再起動します。
対処7: システムファイルの修復を実行する
Windowsのシステムファイルが破損していることが原因で、「no bootable device」のエラーが表示されるケースがあります。
そのため、次のページを参考にシステムファイルを修復できないか試してください。
システムファイルを修復するには、Windows回復環境を起動してから行なってください。
対処8: リカバリーを実行する
ここまでの対処で解決しない場合は、Windowsがハードディスクに正しくインストールされていないか、修復できないシステムファイルが原因で、「no bootable device」のエラーが発生していることが考えられます。
お使いのパソコンがメーカー製パソコンであれば、パソコンの製品マニュアルに従ってリカバリーを実行してみてください。ただしリカバリーを実行するとハードディスク内のデータが削除されてしまうのでご注意ください。
自作パソコン・BTOパソコン等、リカバリーメディアやリカバリー領域が用意されていないパソコンであれば、インストールメディアを作成してWindowsの再インストールを行ってください。
再インストールの詳しい手順や、インストールメディア作成ツールのダウンロードについては次のページを参考にしてください。
対処9: ハードディスクの交換・修理をする
リカバリーを試しても改善しない場合は、ハードディスクの故障が考えられます。
ハードディスクが故障している場合は、ハードディスク自体を交換するかパソコン本体を買い換えるしかありません。
自分でハードディスクを交換することが難しい場合は、メーカーの修理サービスへ診断と修理を依頼してください。
ただし5年以上前の古いPCの場合は、ハードディスクではなくマザーボードなどの別のパーツの劣化や故障が考えられるため、PCの買い替えを検討することをおすすめします。