Windows10/Windows11では設定を変更することで、PC起動時のサインイン画面を表示せずにパスワードなしで自動ログイン(サインイン)することができます。
自動ログインを設定することで、パスワードの入力を省略することができるため、自宅でしか利用しないPCなどに設定しておくと便利です。しかし、自動ログインの設定を行ってもログインができないケースがあります。
今回は、Windows10/11で自動ログイン/サインインができない時の対処方法について紹介します。設定方法が分からない場合も想定して、自動ログインの設定手順も併せて紹介します。
この記事の内容
自動ログイン/サインインの設定方法
Windows10/Windows11でパスワードの入力を省略して自動サインインする設定手順は、次のとおりです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「netplwiz」と入力して「OK」をクリックします。
- ユーザーアカウントの一覧が表示されます。自動サインインしたアカウントを選択します。
- 「ユーザーがこのコンピュータを使うには、ユーザー名とパスワードの入力が必要」のチェックを外して「OK」をクリックします。
- アカウントの「ユーザー名」と「パスワード」を入力して「OK」をクリックします。
設定が完了したらサインインの動作を確認するために、一度PCを再起動してみてください。パスワード入力画面が表示されることなくデスクトップが表示されたら自動サインインは成功です。
自動ログイン/サインインができない時の対処法
上記の手順で、Windowsの自動サインインを設定したのにも関わらず、サインイン画面が表示されてしまうケースがあります。
自動サインインができない場合は、次に紹介する対処法を順番に試してみてください。
対処1: WindowsHelloを無効にする
Windowsの設定でWindowsHelloのサインインが有効になっていると、自動的にサインインすることができません。
そのため、WindowsHelloの設定を確認して、有効になっている場合は無効にすることで問題が解決する可能性があります。WindowsHelloを無効にするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」をクリックして「設定」を選択します。
- 「アカウント」をクリックします。
- 「サインインオプション」をクリックします。
- 「MicrosoftアカウントにWindows Helloサインインを要求する」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- Windows11の場合は、「セキュリティ向上のため、このデバイスではMicrosoftアカウント用にWindowsHelloサインインのみを許可する(推奨)」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- サインインする方法に「顔認証(Windows Hello)」、「指紋認証(Windows Hello)」、「PIN(Windows Hello)」が設定されている場合は、それぞれ選択して「削除」をクリックします。
以上の手順で、WindowsHelloを無効にすることができます。設定を無効にできたら、再度パスワードなしで自動サインインができないか試してみてください。
対処2: サインインオプションの設定を変更する
自動サインインの設定を行っても、サインイン画面が表示されてしまう場合は、サインインインオプションの設定を「なし」に変更してみてください。
サインインオプションの設定は次の手順で変更できます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「アカウント」をクリックします。
- 左ペインで「サインインオプション」をクリックします。
- 「サインインを求める」のリストボックスをクリックして「なし」を選択します。
再度PCを再起動して自動でサインインできるか確認してください。
対処3: 公式ツール「Autologon」を使用する
Microsoftから提供されている公式ツール「Autologon」を使用することでも、自動ログインを設定することができます。
そのため、自動ログインがうまく設定できない場合は、次の手順でAutologonを使用してみてください。
- 『Autologon - Microsoft Docs』のページにアクセスします。
- 「Download Autologon」をクリックして、プログラムをダウンロードします。
- ダウンロードした「Autologon.zip」を右クリックして「すべて展開」を選択します。
- 展開先のフォルダを指定して「展開」をクリックします。
- 展開したフォルダを開いて「autologon.exe」を起動します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- ライセンス情報が表示されるので「Agree」をクリックします。
- 自動ログインするアカウントの「Username(ユーザー名)」と「Password(パスワード)」を入力して「Enable」をクリックします。
- 予めアカウントにパスワードを設定していないと、エラーが発生して自動ログインを設定できません。
対処4: レジストリを変更して設定する
Windowsのレジストリの値を変更することでも自動ログインを設定することができます。
ただし、レジストリの変更は、設定を間違えるとWindowsの動作に問題が起きるケースがあります。
そのため、ここまでの方法で自動ログインが設定できない場合に限って行ってください。
レジストリを変更して自動ログインを設定するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
- 左ペインのツリーを展開して次のレジストリキーを開きます。
コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
- アドレスバーにコピーすることでも移動できます。
- 左のツリーで「Winlogon」キーを選択していることを確認します。
- 右ペインで次のキーをそれぞれダブルクリックして、値のデータを変更して「OK」をクリックします。
- DefaultUserName: 自動ログインするアカウントの「ユーザー名」を入力します。
- DefaultPassword: 自動ログインするアカウントの「パスワード」を入力します。
- AutoAdminLogon: 「1」に変更します。
- レジストリエディタのウィンドウを閉じて、PCを再起動します。
PCを再起動すると、変更したレジストリ設定が反映されます。Windowsに自動ログインできたか確認してください。
対処5: アカウント情報を確認して自動サインインを再設定する
Windows起動時に「ユーザー名かパスワードが正しくありません」のエラーが出る場合は、設定時に間違ったアカウント情報を入力していることが考えられます。
同じPCで複数のアカウントを利用している場合は、自動ログインしたいアカウントの「ユーザー名」と「パスワード」を設定する必要があります。また、自動ログインの設定時に誤ったパスワードを入力しても設定できてしまいます。
そのため、アカウントのユーザー名とパスワードが正しいか確認してから、自動ログインの再設定を行ってください。特に自動サインインのパスワード設定に、アカウントのパスワードではなく誤ってPINを入力していないか確認してください。
アカウントのユーザー名とパスワードが正しいか確認するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」→「ユーザーアイコン」→「サインアウト」の順にクリックします。
- 画面左下でユーザー名を選択後、パスワードを入力してサインインできるか試してください。
- サインイン画面で「PIN(暗証番号)」の表示が出ている場合は、自動ログインの設定でパスワードではなく、誤ってPINを入力していることが考えられます。
- アカウントのパスワードを忘れた場合は『Windows10のPCでサインイン パスワードを忘れた時の対処法【確認できない】』を参考にしてください。
ユーザー名と正しいパスワードが確認できたら、再度自動ログインの設定を行ってください。自動ログインの再設定方法は、記事内の『自動ログイン/サインインの設定方法』と同様の手順です。