Windows10でアプリやシステムの動作に問題が起きた場合や応答なしでフリーズした場合に、タスクマネージャーからプロセスを強制終了することがあると思います。
しかし、タスクマネージャーからプロセスを終了するために「タスクの終了」を実行しても強制終了ができないケースがあります。また、プロセスを終了しても、プロセスが勝手に起動してしまうケースもあります。
本記事では、タスクマネージャーでプロセスを強制終了できない時の対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
タスクマネージャーで強制終了できない原因
タスクマネージャーで特定のプロセスを強制終了できない場合は、主に次の原因が考えられます。
- タスクマネージャーや対象のプロセスに一時的な問題が起きている
- プロセスを終了する権限が不足している
- システムファイルが破損している
上記の問題が起きた場合は、別の強制終了の方法を試すことで正常に終了できるケースが多いです。
なお、Windowsのシステムに関連するプロセスは、PCの再起動が必要になったり、強制終了しても自動的に再起動する仕様になっている点に注意してください。以降はシステム以外のプロセスを終了できない場合の対処方法について順に紹介します。
対処1: ALT+F4キーを入力する
タスクマネージャーの動作に一時的な問題が起きていることが原因で、アプリケーションのプロセスを強制終了できないケースがあります。
そのため、「ALT + F4」のショートカットキーを入力してアプリケーションを直接終了できないか試してみてください。
- 終了したいアプリケーションのウィンドウをクリックして、アクティブな状態にします。
- 「ALT」キーを押しながら「F4」キーを入力します。
アプリケーションが正常に終了できた場合は、アプリケーションのウィンドウが消えます。ショートカットキーを入力しても、反応がない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処2: プロセスツリーを強制終了する
タスクマネージャーで終了できないプロセスがある場合は、プロセスツリーを強制終了することで、正常に終了できる場合があります。
そのため、次の手順でプロセスツリーの強制終了を試してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択して起動します。
- 「プロセス」タブで「終了できないプロセス」を右クリックして「詳細の表示」を選択します。
- 「プロセス」タブが見つからない場合は、「詳細」をクリックしてください。
- 「詳細」タブで「プロセスに対応するアプリケーション」がハイライトされます。
- 「ハイライトされたアプリケーション」を右クリックして「プロセスツリーの終了」を選択します。
「プロセス」タブでアプリケーションのプロセスが正常に終了できたか確認してください。
対処3: taskkillコマンドを実行する
コマンドラインツールからtaskkillコマンドを実行することで、終了できないプロセスを強制終了できる可能性があります。
そのため、次の手順でtaskkillコマンドを実行してプロセスを終了できないか試してみてください。
- コマンドを実行する前に、強制終了したいプロセスの名称を確認します。プロセス名を確認するには、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を起動します。
- 「詳細」タブを開きます。
- 現在実行中のプロセスリストが表示されます。強制終了したいプロセスの項目を探し、「名前」に表示されている内容を控えておきます。(例: chrome.exeやexplorer.exeなど)。
- プロセスの名称を確認できたら、「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが表示されたら、画面に以下のコマンドを入力し、エンターキーを押します。
taskkill /f /t /im "プロセス名"
- 最後尾の"プロセス名"の部分は、調べたプロセス名に置き換えてください。その他の部分はそのままコピーすれば問題ありません。
- プロセス名をダブルクオーテーションで囲う点と、半角スペースを正しい位置に入力する点に注意してください。
- コマンド例: Google Chromeを強制終了する場合の入力コマンドは「taskkill /f /t /im "chrome.exe"」となります。
- 「終了しました」と表示されれば強制終了は完了です。 PowerShellウィンドウを閉じて操作を終了します。
対処4: wmiコマンドを使って停止する
taskkillコマンドでプロセスを終了できない場合は、wmiコマンドを実行すると終了できるケースがあります。
wmiコマンドは、システムを管理したり、システムの情報を取得したりする時に使われるコマンドです。コマンドの機能の1つとしてプロセスを終了するコマンドがあるため、これを利用してプロセスを強制終了することができます。
wmiコマンドで強制終了を実行するには、次の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックし、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- 画面に次のコマンドを入力して、Enterキーで実行します。
wmic process where "name='プロセス名'" delete
- 「プロセス名」の部分は強制終了したいプロセス名に置き換えます。
- プロセス名をシングルクオーテーションで、「name=(プロセス名)」の部分全体をダブルクオーテーションで囲みます。
- コマンド例: Google Chromeを強制終了する場合の入力コマンドは「wmic process where "name='chrome.exe'" delete」となります。
対処5: pskillコマンドを実行する
taskkillコマンド、もしくはwmicコマンドでプロセスを強制終了できない場合は、より強力なpskillコマンドを実行するこで終了できる可能性があります。
ただし、pskillコマンドは、Windows標準のコマンドではないため、Microsoftの公式ページからコマンドラインツールをインストールする必要があります。
pskillコマンドをインストールして実行する手順は次のとおりです。
- 『PsKill - Windows Sysinternals | Microsoft Docs(英語)』のページにアクセスし、「Download PsTools」をクリックしてツールをダウンロードします。
- ダウンロードしたZIPファイルを右クリックして「すべて展開」を選択します。
- 展開ウィザードが表示されたら、「参照」をクリックして「環境パスの通ったフォルダ」を展開先に選択して「展開」をクリックします。
- 環境パスの通ったフォルダは、「C:\Windows」フォルダに展開すると確実です。
- PowerShellを起動します。「Windowsマーク」ボタンを右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択してください。
- PowerShellウィンドウが開いたら、次のコマンドを入力して、Enterキーで実行します。
pskill -t "プロセス名"
- 「プロセス名」の部分は強制終了したいプロセス名に置き換えてください。プロセス名は、タスクマネージャーの「詳細」タブ→「名前」の列で確認できます。
- コマンド例: Google Chromeを強制終了するコマンドは、「pskill -t "chrome.exe"」となります。
対処6: サインアウト/再起動する
Windowsからサインアウトすることで、サインインユーザーが起動しているアプリケーションタスクを全て終了することができます。
そのため、個別にプロセスを終了できない場合は、サインアウトを行なってから再度サインインし直してください。
サインアウトをするには、「Windowsマーク」を右クリックして「シャットダウンまたはサインアウト」→「サインアウト」を選択します。
プロセスが終了せずサインアウトができない場合は、PCの再起動を試してください。PCの再起動は、「Windowsマーク」を右クリックして「シャットダウンまたはサインアウト」→「再起動」を選択します。
対処7: サードパーティのソフトウェアを使用する
プロセスを強制終了できるサードパーティのソフトウェアを使用することで、問題のあるプロセスを強制終了できる場合があります。
プロセスを強制終了できるフリーソフトでは、「Process Explorer」と「Process Hacker」が評価が高くおすすめです。どちらもフリーソフトですので無料で使用することができます。
それぞれのソフトウェアを使用してプロセスを強制終了する手順は次の通りです。
Process Explorer
- 『Process Explorerの配布ページ』にアクセスし、「Download Process Explorer」をクリックしてProcess Explorerをダウンロードします。
- ダウンロードしたZIPファイルを右クリックして「すべて展開」します。
- 「procexp64.exe」の実行ファイルをダブルクリックして起動します。
- お使いのWindowsが32bitの場合は「procexp.exe」を起動してください。
- 利用規約が表示されるので「Agree」を選択して同意します。
- Process Explorerが起動すると、タスクマネージャに似たウィンドウが表示されます。
- 中央の一覧で強制終了したいプロセスを右クリックして「Kill Process」を選択します。
- 階層を持つプロセスの場合は、1番上の階層を右クリック→「Kill Process Tree」を選択してください。
Process Hacker
- 『Process Hackerの公式ページ』を開きます。
- 「Download Process Hacker」ボタンをクリックしてダウンロードページに移動します。
- 「Setup (Recommended)」の下にある「processhacker-(バージョン番号)-setup.exe」をクリックするとインストーラのダウンロードが始まります。
- ダウンロードしたインストーラを起動して、Process Hackerを案内に従ってインストールします。
- いくつかオプションが表示されますが、特にこだわりがなければ標準設定のままインストールすれば問題ありません。
- インストールが完了したら「Process Hacker」を起動します。
- 「Process」タブから終了したいアプリ名を探し、右クリック→「Terminate」を選択するとプロセスを強制終了することができます。
- 階層を持つプロセスの場合は1番上の階層を右クリックし、「Terminate tree」を実行してください。
対処8: バックグラウンドでの実行を無効にする
アプリケーションのバックグラウンドでの実行が許可されていることが原因で、特定のプロセスを強制終了しても起動してしまうケースがあります。
そのため、終了できないアプリケーションのバックグラウンドでの実行を無効にしてからタスクの終了を行なってください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「プライバシー」をクリックします。
- 左ペインで「バックグラウンドアプリ」をクリックします。
- 右ペインのアプリ一覧で、バックグラウンド処理が不要なアプリのスイッチを全て「オフ」にします。
アプリケーションのバックグラウンドでの実行を無効化できたら、再度タスクマネージャーから強制終了を行なって、プロセスが実行されないことを確認してください。
対処9: システムファイルを修復する
タスクマネージャーで全てのプロセスを強制終了ができない場合は、Windowsのシステムファイルに異常があることが考えられます。
上記の問題が起きている場合は、システムファイルの修復を試してみてください。システムファイルを修復するには、次の手順でシステムファイルチェッカーツールの実行を試してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。
- 次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- コマンドの実行が完了したら、続けて以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
sfc /scannow
- コマンドの実行が完了したらWindows PowerShellを閉じます。