AndroidやiPhoneを使用しようとすると、通知に「Sim1がプロビジョニングされていません」や、「プロビジョニングされていないSIMです」のエラーメッセージが表示されることがあります。
プロビジョニングの問題は、スマホの機種変更や通信キャリアの乗り換え(MNP)直後に発生することが多いです。
本記事では、Android/iPhoneで「プロビジョニングされていないSIM」のエラーが出る原因と対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
プロビジョニングされていないSIMの意味は?
通信事業において「プロビジョニング」とは、SIMカードに契約情報等を書き込んで、契約者がSIMカードを利用できる状態にすることを指します。
プロビジョニングの手続きはユーザーではなく、基本的にキャリアやMVNOのオペレーターが行います。
プロビジョニングされていないSIMは、SIMカードが未契約の状態、もしくは利用できない状態であることを意味します。
SIMがプロビジョニングされていない場合は、通話やSMS、モバイル回線の通信を利用することができません。
SIMがプロビジョニングされない原因
SIMカードの手続きが正常に完了しているはずなのに、プロビジョニングのエラーが表示される場合は、次の原因が考えられます。
- SIMカードの初期設定が完了していない
- SIMカードの接触不良
- SIMカードのカードスロットが破損している
- SIMカード自体が破損している
- 通信キャリア側のサーバーエラー、契約の期限切れ
契約内容によっては、ユーザーがSIMカードを受け取った後に必要な設定を行わないと手続きが完了しない場合があります。
以降は、手続きが完了しているはずなのにSIMがプロビジョニングされない場合の対処方法を紹介していきます。
対処1: 機種変更直後の場合は正しく初期設定する
キャリアやMVNOによってはSIMカードを受け取った時点ですべての設定が完了していないケースがあります。
特にインターネット上で申し込みし、郵送でカードを受け取るタイプの格安SIMでは、受け取り後に初期設定・APN設定・アクティベーションと呼ばれる操作が必要になることが多いです。
設定方法はキャリア・MVNOによって異なります。公式ガイドやサポート情報を参考にしながら、正しい方法で初期設定をしてください。
また、MNPを利用する場合は、SIMカード到着後にAPN設定に加えて「MNP開通手続き(もしくはMNP転入手続き)」をする必要があります。公式のサポート情報を参考に、こちらの手続きも忘れず行うようにしてください。
対処2: 機内モードのオン/オフを切り替える
SIMカードの初期設定の手続きを完了させるには、設定後にスマートフォンをネットワークの接続に成功させる必要があります。
そのため、スマホの機内モードがオンになっていると、ネットワークに接続できずSIMカードの初期設定が完了しません。
スマホの機内モードがオンになっている場合は、オフにしてネットワークに接続してください。また、既にオフになっている場合は、何度かオン・オフを切り替えると接続できるようになることがあります。
機内モードの設定を変更するには、次の手順で操作します。
- Androidの場合: 画面を上端から下方向にスワイプしてクイックメニューを表示し、「機内モード(飛行機アイコン)」をタップして解除します。
- iPhoneの場合: 画面の右上端から下方向(ホームボタン搭載モデルは下端から上方向)にスワイプしてコントロールセンターを表示し、「機内モード(飛行機アイコン)」をタップして解除します。
スマホの機内モードを解除した場合は、そのままの状態でしばらく待ちプロビジョニングの問題が解決するか確認してください。
対処3: 端末を再起動する/時間を空けて再起動する
機内モードのオン/オフで解決しない場合は、スマホ本体を再起動することでプロビジョニングの問題が解決することが多いです。
そのため、スマホの電源ボタンを長押しして、「再起動」もしくは電源をオフにしてから再度起動してみてください。
また、MNPの開通手続きには通常10分~数時間程度の時間が掛かります。事業者によっては夕方以降に申し込みをすると、手続きの完了が翌日になることもあります。
そのため、MNPの開通手続きを行なった場合は、しばらく待ってから電波の届きやすい場所で端末を再起動してみてください。
対処4: SIMカードをセットし直す
SIMカードがスロットに正しくセットできていないことが原因で、プロビジョニングされていないSIMの表示が出る場合があります。
そのため、スマホからSIMカードを一度抜いて、向きや位置を確認してから再度装着してみてください。
また、カードやスロットに汚れやホコリが付着しているとSIMカードの認識に問題が起きる場合もあります。汚れやホコリが付着している場合は、柔らかい布を使って掃除してください。
対処5: APNのプロファイルを削除する
古いAPNの構成プロファイルの設定が原因で、プロビジョニングされていないSIMの表示が出る場合があります。
そのため、設定されているAPNのプロファイルを確認して、不要なプロファイルがある場合は削除してください。APNのプロファイルを削除するには、次の手順で操作します。
- Androidの場合:
- 「設定」を開きます。
- 「ネットワークとインターネット」の「モバイルネットワーク」をタップします。
- 「アクセスポイント名」をタップします。
- 項目が見つからない場合は「詳細設定」をタップしてください。
- APN設定の一覧が表示されます。「不要なAPN設定」をタップして編集画面を開きます。
- 右上の「3点マーク」→「APNを削除」をタップします。
- iPhoneの場合:
- 「設定」を開きます。
- 「一般」をタップします。
- 「プロファイルとデバイス管理」をタップします。
- APN構成プロファイル一覧が表示されます。「不要なAPNプロファイル」をタップします。
- 「プロファイルを削除」をタップします。
- 「パスコード」を入力します。
不要なAPNの構成プロファイルを削除できたら、プロビジョニングされていないSIMの問題が解決したか確認してください。
対処6: 別のスマホを使用する
SIMカードは一度認証の手続きに成功すれば、その後別のスマホでも使用できるようになります。
そのため、手元に複数のスマホがある場合は、別のスマホにSIMカードをセットして認証ができないか試してみてください。正常に認証ができたら、SIMカードを元のスマホに戻します。
SIMカードを元のスマホに戻すとプロビジョニングのエラーが再発する場合は、スマホのネットワーク設定に問題があるか、スマホのカードスロットが故障していることが考えられます。問題が解決しない場合は、続けて次の対処を試してください。
対処7: モバイルネットワークの設定を変更する
通信キャリアによってはモバイルネットワークの設定を変更することで、プロビジョニングされていないSIMの問題が解決する可能性があります。
そのため、次の手順でモバイルネットワークの設定を確認して変更してみてください。
- Androidの場合:
- 「設定」を開きます。
- 「ネットワークとインターネット」の「モバイルネットワーク」をタップします。
- 「優先ネットワークの種類」を「4G(推奨)」などの別の設定に変更します。
- 「ネットワークを自動的に選択」のスイッチをタップして「オフ」にします。
- 項目が見つからない場合は「詳細設定」をタップしてください。
- 「アクセスポイント名」をタップして、「SIMカードのキャリア名」を選択します。
- iPhoneの場合:
- 「設定」を開きます。
- 「モバイル通信」をタップします。
- 「ネットワーク選択」をタップします。
- 「自動」のスイッチをタップして「オフ」にします。
- 一覧から「SIMカードのキャリア名」を選択します。
モバイルネットワークの設定が変更できたら、スマホを再起動してプロビジョニングの問題が解決したか確認してください。
対処8: SIMカードを別のスロットにセットする
スマホのSIMカードのスロットに問題があることが原因で、プロビジョニングされていないSIMの表示が出るケースが考えられます。
特に特定のスマホでのみSIMカードが機能しない場合は、カードスロット自体が破損していることが考えられます。
そのため、スマホに複数のスロットがある場合は、別のスロットにSIMカードを刺して問題が解決しないか確認してみてください。
対処9: キャリア/MVNOに問題を問い合わせる
ここまでの対処方法を試してもプロビジョニングされていないSIMの表示が解決しない場合は、契約先のキャリア(またはMVNO)側に問題があることが考えられます。
そのため、契約先キャリアのサポートセンターに連絡して、SIMカードがプロビジョニングされていない問題について問い合わせてみてください。
キャリア側に問題がない場合でも、問題を解決するための設定方法などを案内してもらえる場合があります。