「一部の設定は組織によって管理されています」の解除/対処法 – Windows10

Windows10でシステムの設定を変更しようとすると、「一部の設定は組織によって管理されています」というメッセージが表示されることがあります。

このメッセージは、設定ウィンドウの更新とセキュリティ(WindowsUpdate)、プライバシー、アカウント(サインインオプション)、またはロック画面などに表示される場合が多いです。

本記事では、Windows10で「一部の設定は組織によって管理されています」のメッセージが表示される原因と、メッセージの表示を解除する方法について詳しく紹介します。

「一部の設定は組織によって管理されています」の原因

「一部の設定は組織によって管理されています」のメッセージは、グループポリシーによってシステムの設定が制御されており、ユーザーが設定を変更できない状態であることを意味します。

このメッセージが表示される原因としては、主にローカルグループポリシーの設定が変更されていることが考えられます。また、Windowsの不具合によって表示されるケースも稀れにあります。

グループポリシーで設定を管理すること自体に問題はないので、メッセージが表示されていても動作に問題がなければ気にする必要はありません。

ただし、メッセージが表示されると一部のシステム設定が変更できなくなったり、WindowsUpdateなどの一部の機能が実行できなくなる場合があります。

Windowsの動作に問題がある場合は、関連する設定を見直すことをおすすめします。続いては、メッセージを解除して問題を解決するための対処方法を紹介していきます。

対処1: 診断データの送信設定を変更する

Windows診断データの送信に関する設定を変更することで、「一部の設定は組織によって管理されています」の問題が解消できる可能性があります。

この方法は、システムの「プライバシー」設定画面にメッセージが表示される場合に特に有効です。設定を変更するには、以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
  2. Windowsの設定で「プライバシー」をクリックします。
  3. 左のメニューから、「診断&フィードバック」をクリックします。
  4. 右ペインの「診断データ」の設定で、「オプションの診断データ」に選択します。

上記の設定が変更できたら、メッセージが表示されなくなったか確認してください。

この方法で解決しない場合や、設定の変更自体ができない場合は、次のいずれかの方法で診断データの送信に関するローカルグループポリシーの設定を変更してみてください。

補足: ローカルグループポリシーエディター機能はWindows10 Pro以上でのみ使用できます。Windows10 Homeを使用している場合は、レジストリエディターを使う方法で設定してください。

方法1: ローカルグループポリシーエディターから設定する

  1. 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを表示して、「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
  2. ウィンドウ左側のツリーを使って、以下のパスまでたどります。
    ローカルコンピューターポリシー\コンピューターの構成\管理用テンプレート\Windowsコンポーネント\データの収集とプレビュービルド
  3. ウィンドウ右側のリストから「利用統計情報の許可」の項目を探してダブルクリックします。
  4. 「利用統計情報の許可」ウィンドウが表示されます。左上のオプションで、「有効」を選択します。
  5. ウィンドウ左下にあるドロップダウンメニューの設定を「任意」に変更します。
  6. 「適用」ボタンをクリックして設定を保存します。
  7. グループポリシーエディターを終了し、パソコンを再起動します。

方法2: レジストリエディターから設定する

  1. 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開き、「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
  2. ウィンドウ左側のツリーを展開して、以下のキーに移動します。
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\DataCollection
  3. 「DataCollection」キーを右クリックし、「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択します。
  4. ウィンドウ右側に「新しい値」が作成されます。「新しい値」を右クリックし、「名前の変更」を選択します。名前が編集可能状態になったら、「新しい値」を「AllowTelemetry」という名前に書き換えてください。
  5. 「AllowTelemetry」をダブルクリックします。
  6. 編集ウィンドウが開きます。「値のデータ」を「3」に変更します。
  7. 「表記」の設定で、「16進数」を指定します。
  8. 「OK」をクリックします。
  9. レジストリエディターを終了し、パソコンを再起動します。

PCが再起動してポリシーを反映できたら、「一部の設定は組織によって管理されています」の表示が消えたことを確認してください。

対処2: 保留中のWindows Updateを適用する

Windows Updateのバグや不具合によって、「一部の設定は組織によって管理されています」のメッセージが表示されることがあります。

そのため、Windows Updateを確認して、保留中の更新がある場合は全て適用してみてください。Windows Updateを実行するには、次の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
  2. 「更新とセキュリティ」をクリックします。
  3. 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
  4. Windowsが最新の状態になったことを確認します。
    • 「再起動」や「ダウンロード」のボタンが表示されている場合は、クリックして更新プログラムを適用してください。
    • 再起動を行なった場合は、再起動に再度更新プログラムがないか確認してください。

Windowsが最新の状態にアップデートできたら、メッセージの問題が解決したか確認します。アップデート後も解決しない場合は、次の対処方法に進んでください。

対処3: Windows Updateの自動構成設定を初期化する

Windowsアップデートのポリシー設定をカスタマイズしていたり無効にしていると、Windows Updateの設定画面に、「一部の設定は組織によって管理されています」のメッセージが表示されることがあります。

そのため、Windows Updateのポリシー設定を元に戻すことで問題が解決できる可能性があります。

Windows Updateのポリシー設定は、ローカルグループポリシーエディター、またはレジストリエディターを使って設定します。

方法1: ローカルグループポリシーエディターから設定する

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが表示されるので、「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
  3. ローカルグループポリシーエディターが表示されたら、ウィンドウ左側にあるツリーを使って、以下の階層まで進みます。
    ローカルコンピューターポリシー\コンピューターの構成\管理用テンプレート\Windowsコンポーネント\Windows Update
  4. ウィンドウ右側のリストから、「自動更新を構成する」の項目を探してダブルクリックします。
  5. 「自動更新を構成する」ポリシーの設定画面が表示されます。左上にある「未構成」のオプションを選択して「適用」ボタンをクリックします。
  6. ローカルグループポリシーエディターを閉じ、パソコンを再起動します。

方法2: レジストリエディターから設定する

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが表示されるので、「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
  3. レジストリエディターが開いたら、ウィンドウ左側にあるツリーを展開して以下のキーに移動します。
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate\

    上記パスに「WindowsUpdate」フォルダが存在しない場合は、Windows Updateに関するポリシーは設定されていないため、操作は不要です。他の対処法を試してください。

  4. 「WindowsUpdate」キーを展開します。
  5. 「WindowsUpdate」ツリーの下に「AU」キーがあれば、「AU」フォルダを右クリックし、「削除」を選択します。
    • 「AU」キーがない場合は操作不要です
  6. レジストリエディターを閉じ、パソコンを再起動します。

以上の手順でWindows Updateの自動更新に関するポリシーが初期化されます。PC再起動後にメッセージが消えたことを確認してください。

対処4: グループポリシーからPINによるサインインを有効にする

「一部の設定は組織によって管理されています」のメッセージが表示されて、Windows HelloやPINの設定ができなくなるケースがあります。

上記の問題が起きている場合は、ローカルグループポリシーエディターまたはレジストリエディターから、PINを使ったサインインを有効に設定してみてください。

方法1: ローカルグループポリシーエディターから設定する

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが表示されるので、「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
  3. 左のツリーを使って以下のパスまでたどります。
    ローカルコンピューターポリシー\コンピューターの構成\管理用テンプレート\システム\ログオン
  4. 右側のリストから「便利なPINを使用したサインインをオンにする」の項目を探してダブルクリックします。
  5. 左上のオプションで「有効」を選択します。
  6. 「適用」ボタンをクリックします。
  7. グループポリシーエディターを閉じ、パソコンを再起動します。

方法2: レジストリエディターから設定する

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが表示されるので、「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
  3. 左のツリーを展開して、以下のキーに移動します。
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\System
  4. 「System」キーを右クリックし、「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択します。
  5. ウィンドウ右側に「新しい値」が作成されます。「新しい値」を右クリックして「名前の変更」を選択し、「新しい値」を「AllowDomainPINLogon」という名前に変更します。
  6. 「AllowDomainPINLogon」をダブルクリックします。
  7. 編集ウィンドウが表示されたら、「値のデータ」の数値を「1」に変更します。
  8. 表記の設定が「16進数」になっていることを確認し、「OK」をクリックします。
  9. レジストリエディターを終了し、パソコンを再起動します。

対処5: ロック画面の無効化を解除する

「一部の設定は組織によって管理されています」が表示されて、ロック画面の設定が変更できなくなってしまっている場合は、グループポリシーによってロック画面の機能が無効化されていることが考えられます。

上記の問題が起きている場合は、ロック画面の表示に関するポリシーを初期化してください。グループポリシーエディター、レジストリエディタで初期化する方法は、それぞれ次のとおりです。

方法1: ローカルグループポリシーエディターから設定する

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが表示されるので、「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
  3. 左のツリーを展開して、次のポリシーに移動します。
    ローカルコンピューターポリシー\コンピューターの構成\管理用テンプレート\コントロールパネル\個人用設定
  4. 右のリストより、「ロック画面を表示しない」の項目を探してダブルクリックします。
  5. 左上のオプションで「未構成」を選択して「適用」ボタンをクリックします。
  6. グループポリシーエディターを終了して、パソコンを再起動します。

方法2: レジストリエディターから設定する

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが表示されるので、「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
  3. レジストリエディターが開いたら、左のツリーを展開して以下のキーに移動します。
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Personalization
    • 「Personalization」キーが存在していなければ、この対処法を試す必要はありません。
  4. 「Personalization」キーを選択したら、ウィンドウ右側のリストを確認し、「NoLockScreen」という項目を探します。
    • 該当項目があれば「NoLockScreen」を右クリックし、「削除」を選択してリストから削除してください。これでロック画面の無効化が解除されます。
  5. レジストリエディターを終了してパソコンを再起動します。

対処6: サードパーティのセキュリティソフトをアンインストールする

サードパーティ製のセキュリティソフトの機能が原因で、「一部の設定は組織によって管理されています」のメッセージが表示される場合があります。

そのため、サードパーティ製のセキュリティソフトをアンインストールして問題が解決しないか確認してみてください。アンインストールを行うには、次の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
  2. 右ペインのアプリ一覧で「セキュリティソフト」を選択します。
  3. 「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
  4. ウィザードに従ってアンインストールを完了します。
  5. PCを再起動します。

セキュリティソフトをアンインストールしてPCが再起動できたら、「一部の設定は組織によって管理されています」のメッセージの表示が消えたか確認してください。

対処7: システムを復元する

WindowsUpdateが原因で「一部の設定は組織によって管理されています」のメッセージが表示されることがあります。

アップデート後にメッセージが表示されるようになった場合は、Windowsを以前の状態に戻すことで問題が解決する可能性があります。

システムの復元を実行する方法については、次のページで解説しているので併せて参考にしてください。

コメント

  1. なし より:

    くそ役に立った。ありがとうございます。

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