Windows10でファイルまたはフォルダを削除しようとすると、「項目が見つかりません: この項目は見つかりませんでした」というエラーが表示されて削除ができないことがあります。
このエラーメッセージは、エクスプローラー上ではファイル/フォルダを確認できるにも関わらず、システムがファイル/フォルダを検出できない際に発生します。
本記事では、Windows10でファイル/フォルダの削除時に「この項目は見つかりませんでした」エラーが発生する時の対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: エクスプローラーを更新する
既に削除されたファイル/フォルダを削除しようとしていることが原因で、削除時に「この項目は見つかりませんでした」のエラーが発生するケースがあります。
上記の問題は、エクスプローラーの情報を更新するだけで解決できます。エクスプローラーの情報を更新するには、以下の手順で操作してください。
- エクスプローラー、またはデスクトップの何もない場所を右クリックします。
- 表示されたメニューから「最新の情報に更新」をを選択します。
エクスプローラーを更新できたら、削除できなかったファイル/フォルダが表示されなくなったことを確認してください。最新の情報に更新しても、ファイル/フォルダが残っている場合は、次の対処に進んでください。
対処2: 圧縮ファイルにShiftキーを押しながらドラッグする
圧縮ファイルの機能を利用して、「この項目は見つかりませんでした」のエラーが出るファイル/フォルダを移動することで問題が解決する可能性があります。
圧縮ファイルの機能でファイル/フォルダを移動するには、以下の手順で操作してください。
- エクスプローラーを起動して、「エラーで削除できないファイル/フォルダ」があるディレクトリに移動します。
- エクスプローラーの何もない場所を右クリックして「新規作成」→「圧縮(zip形式)フォルダー」を選択します。
- 「新しい圧縮された(ZIP)フォルダー.zip」が作成されます。
- 「エラーで削除できないファイル/フォルダ」をShiftキーを押しながら「作成した圧縮ファイル」にドラッグします。
以上の手順で、削除できなかったファイル/フォルダが圧縮ファイル内に移動します。移動ができたら、圧縮ファイルを通常の手順で削除してください。
対処3: コマンドラインツールを使って強制的に削除する
ここまでの方法を行っても「この項目は見つかりませんでした」のエラーで削除できない場合は、コマンドラインツールからの削除を試してください。
コマンドラインツールから操作することで、エラーが出るファイル/フォルダを強制的に削除できる可能性があります。
PowerShellを使ってファイル/フォルダを強制的に削除するには以下の手順で操作します。
- エクスプローラーを起動して、「エラーで削除できないファイル/フォルダ」があるディレクトリに移動します。
- 「エラーで削除できないファイル/フォルダ」をShiftキーを押しながら右クリックして「パスのコピー」を選択します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが開いたら、以下のコマンドを入力してEnterキーを押して削除を実行します。
Remove-Item "ファイルまたはフォルダパス" -Force
- コピーしたパスは、画面を右クリック(またはCtrl+V)して貼り付けることができます。
- 例: ダウンロードフォルダ内のファイル「test.doc」が削除できない場合は以下のように入力します。
Remove-Item "C:\Users\user\Downloads\test.doc" -Force
- コマンドプロンプトを使って削除する場合は、代わりに以下のコマンドを実行してください。
del /f "ファイルまたはフォルダパス"
削除コマンドが実行できたら、エクスプローラーでファイル/フォルダが削除できたか確認してください。
対処4: コマンドでリネームしてから削除する
ファイルまたはフォルダの名前に特定の記号(スラッシュ・ピリオド・コロン等)が含まれていると、削除時に「この項目は見つかりませんでした」のエラーが発生することがあります。
ファイル/フォルダ名の問題が考えられる場合は、コマンドで名前をリネームしてから削除を行ってみてください。具体的な手順は以下の通りです。
- 「エラーで削除できないファイル/フォルダ」をShiftキーを押しながら右クリックして「パスのコピー」を選択します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellが起動したら、以下のようにコマンドを入力してEnterキーで実行します。
Rename-Item "ファイルまたはフォルダパス" "変更後の名前" -Force
- コピーしたパスは、画面を右クリック(またはCtrl+V)して貼り付けることができます。
- 変更後の名前は、ダブルクオーテーションで囲って特殊記号を含まない任意の名前("newfile"等)を入力します。
- 例: ダウンロードフォルダ内のファイル「test.doc」の名前を「newfile」に変更する場合は以下のように入力します。
Rename-Item "C:\Users\user\Downloads\test.doc" "newfile" -Force
- コマンドプロンプトを使う場合は、代わりに以下のコマンドを実行してください。
ren "ファイルまたはフォルダパス" "変更後の名前"
コマンドを実行できたら、エクスプローラーでファイル/フォルダ名が変更されたことを確認してください。
名前を変更できたら、通常の手順で削除を試してみてください。通常の手順で削除できない場合は、『対処3: コマンドラインツールを使って強制的に削除する』を再度試してください。
対処5: コマンドで親フォルダごと強制削除する
コマンドによる削除、名前変更を行ってもエラーが出るファイル/フォルダを削除できない場合は、親階層のフォルダごと削除すると削除できる可能性があります。
ただし、親フォルダの中に入っているファイルはこの後の操作で全て削除される点に注意してください。削除したくないファイルが含まれている場合は、他の対処方法を試してください。
親フォルダは通常の手順で削除してもエラーが発生するため、以下のようにコマンドラインツールを使ってフォルダを削除してください。
- 「エラーで削除できないファイル/フォルダ」の1つ上の階層のフォルダをShiftキーを押しながら右クリックして「パスのコピー」を選択します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellが起動したら、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
Remove-Item "フォルダパス" -Recurse -Force
- コピーしたパスは、画面を右クリック(またはCtrl+V)して貼り付けることができます。
- コマンドプロンプトを使う場合は、以下のコマンドを使用してください。
rmdir /s "ファイルまたはフォルダパス"
- コマンドを実行すると確認メッセージが表示されます。コマンドプロンプトに「y」と入力し、Enterキーを押して承認してください。
コマンドが実行できたら、エクスプローラーで指定した親フォルダと、その中にあるファイルがまとめて削除されたことを確認してください。
対処6: セーフモードで削除する
特定のアプリケーションがファイルやフォルダを使用していることが原因で、削除時に「この項目は見つかりませんでした」のエラーが発生することがあります。
そのため、パソコンをセーフモードで起動することで、ファイル/フォルダを削除できる可能性があります。
パソコンをセーフモードで起動する方法については、以下のページを参照してください。
パソコンをセーフモードで起動できたら、通常の手順でファイル/フォルダの削除を試してみてください。セーフモードを終了するには、通常通りの方法で「シャットダウン」または「再起動」を実行してください。
対処7: サードパーティのアプリを使って削除する
ここまでの方法を試してもエラーの出るファイル/フォルダを削除できない場合は、サードパーティのアプリを使用することで削除できる可能性があります。
例として、「WinRAR」と「Wise Force Deleter」を使った削除方法を紹介します。
WinRARを使って削除する
ファイルの圧縮・解凍ソフトとしてWinRARをインストールしている場合は、WinRARの機能を使用してファイル/フォルダを削除できる場合があります。
WinRARの機能を使用してエラーの出るファイル/フォルダを削除するには、以下の手順で操作します。
- 「エラーの出るファイル/フォルダ」を右クリックして「書庫に圧縮」を選択します。
- 書庫名とパラメータのダイアログが表示されたら、圧縮オプションの「圧縮した後にファイルを削除する」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
以上の手順で、エラーの出るファイル/フォルダが削除されて圧縮ファイルが作成されます。作成された圧縮ファイルは通常の手順で削除してください。
Wise Force Deleterを使って削除する
Wise Force Deleterは、ファイル/フォルダを強制削除できるフリーソフトです。削除成功率が高く、日本語にも対応しているためおすすめです。
Wise Force Deleterを使って、エラーの出るファイル/フォルダを削除するには以下の手順で操作します。
- 『Wise Force Deleter』の公式ページにアクセスして「Free Download」からインストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードが完了したらインストーラーをダブルクリックで実行します。
- 指示に従ってインストールを行います。特別な理由がなければ標準設定のまま進めれば問題ありません。
- インストールが完了したら「Wise Force Deleter」アプリを起動します。
- ウィンドウ下部にある「ファイルの追加」または「フォルダの追加」ボタンをクリックし、削除したいファイル・フォルダを選択します。
- フォルダを追加した場合は、「フォルダの中身も一緒に削除しますがよろしいですか?」の確認メッセージが表示されたら「はい」を選択します。
- 右下にある「ロック解除&削除」をクリックするとファイルとフォルダが削除されます。
以上の手順で、Wise Force Deleterを使ってファイル/フォルダを強制的に削除することができます。
対処8: チェックディスクを実行する
ここまでの方法を試しても「この項目は見つかりませんでした」のエラーの出るファイル/フォルダを削除できない場合は、ハードディスクのファイルシステムが破損しているケースが少なからず考えられます。
そのため、Windowsに標準で備わっているチェックディスクを実行して、ハードディスクのチェックと修復を試みてください。
チェックディスクを実行するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellが起動したら、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
chkdsk c: /f
- 「C:」の部分は対象のドライブ文字を指定します。他のドライブをチェックする場合はドライブ文字を置き換えて実行してださい。
- Cドライブ(システムドライブ)をチェックする場合は確認メッセージが表示されます。画面に「y」を入力し、Enterキーを押して承認してください。承認後、パソコンを再起動するとチェックが実行されます。
- ファイルシステムの問題が見つかった場合は自動で修復されます。
チェックディスクによってファイルシステムを修復できたら、再度エラーのファイル/フォルダの削除をやり直してみてください。
WinRARを使って削除する でいけました。
ありがとうございます。