PCのUSBポートにUSBデバイスを接続した時に、「USBポートの電力サージ: 不明なUSBデバイスには、ポートで供給可能な電力よりも多くの電力が必要です」のエラー通知が表示されることがあります。
この通知は、PCにUSBデバイスを接続していない状態でも突然通知が表示されることがあり、通知が消えず繰り返し表示される場合もあります。
本記事では、Windows10でUSBポートの電力サージの通知が出る時の原因と対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
USBポートの電力サージの通知の原因
WindowsのUSBポートの電力サージの通知は、基本的に使用しているUSBデバイスの電力消費量がUSBポートの最大電力供給量を上回った際に表示されます。
USBポートの電力供給に問題が出る原因としては、主に次のことが考えられます。
- 接続しているUSBポートに対して、USBポートの電力供給量が不足している
- 接続しているUSBデバイスに問題が起きている
- USBコントローラードライバーに問題が起きている
- PCが帯電している
- USBデバイス、またはUSBケーブルが破損している
USBデバイスやUSBケーブルの故障も考えられますが、トラブルシューティングツールの実行、ドライバーの修復などで解決するケースも多いです。
上記の原因ごとの対処方法を紹介していくので、順にUSBポートの電力サージの通知を解決できないか試してみてください。
対処1: ハードウェアとデバイスのトラブルシューティングツールを実行する
PCに接続しているUSBデバイスのドライバーに問題が起きていることが原因で、USBポートの電力サージの通知が出るケースがあります。
Windows10には、USBデバイスの問題を自動的に検出して修正するトラブルシューティングツールが実装されており、このツールを実行することで問題を解決できる可能性があります。
そのため、以下の手順でトラブルシューティングツールを実行して通知が解決しないか確認してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
msdt.exe -id DeviceDiagnostic
- トラブルシューティングツールが起動したら、「次へ」をクリックします。
- 修正を提案された場合は、案内に従って設定を修正してください。。
- トラブルシューティングツールの実行が完了したら「閉じる」をクリックします。
トラブルシューティングツールでデバイスの問題を修正できたら、USBポートの電力サージの通知が出なくなったことを確認してください。
トラブルシューティングツールを実行しても問題が見つからなかったり、通知が解決しない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処2: USBコントローラードライバーを再インストールする
USBコントローラーのデバイスドライバーが破損していることが原因で、USBポートの電力サージの通知が出るケースが考えられます。
そのため、USBコントローラードライバーを再インストールすることで、通知の問題が解決する可能性があります。
USBコントローラードライバーを再インストールするには、以下の手順で操作を行ってください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーが起動したら、「ユニバーサルシリアルバスコントローラー」のツリーをクリックして展開します。
- ツリー内の一番上の「ドライバー名」を右クリックして「デバイスのアンインストール」をクリックします。
- ドライバー名は、「Universal Host Controller」などPCの機種によって異なります。
- 確認ダイアログが表示されたら、「アンインストール」をクリックします。
- ツリー内に表示されている全ての「USBコントローラードライバー」を同じ手順でアンインストールします。
- 全てのUSBコントローラードライバーをアンインストールできたら、PCを再起動します。
- PCが再起動すると、USBコントローラードライバーが自動でインストールされます。
上記の手順で、USBコントローラードライバーを再インストールできたら、USBポートの電力サージの通知が表示されなくなったことを確認してください。
対処3: PCを放電してから再起動する
PC内部に不要な電気が蓄積して帯電していることが原因で、USBポートの動作に問題が起きて、USBポートの電力サージの通知が出るケースがあります。
そのため、PCを放電してから再起動することで、USBポートの問題が解決する可能性があります。PCの放電を行うには、以下の方法を試してください。
- デスクトップPCの場合: PCをシャットダウンしてから電源ケーブルを抜き、その状態で3分程度待ちます。
- ノートPCの場合: PCをシャットダウンしてから、バッテリーを取り外して電源ケーブルを抜き、その状態で3分程度待ちます。
PCの放電ができたら、取り外した電源ケーブル・バッテリーを接続して、電源ボタンを押してPCを起動します。
PCが起動したら、USBポートの電力サージの通知が表示されなくなったことを確認してください。帯電が原因の場合は、この方法で問題が解決します。
対処4: USBデバイスを全て取り外して再度接続する
USBポートの電力サージの通知は、USBデバイスの電力需要に対してUSBポートの電力供給が不足した際に発生します。
そのため、PCに接続しているキーボード・マウス以外のUSBデバイスを全て取り外した状態で通知が出るか確認してください。
USBデバイスを取り外した状態で通知が発生しない場合は、USBデバイスを1つずつ接続して通知が出るデバイスを特定してください。
問題のUSBデバイスが見つかった場合は、以降の対処方法で通知が解決しないか確認してください。
対処5: PCのUSBポートに直接接続する
USBハブ経由でUSBデバイスを接続している場合、USBポートの電力供給が不足して電力サージの通知が表示されることが多いです。
そのため、PCのUSBポートにUSBデバイスを直接接続して、通知の問題が解決しないか確認してください。
また、電力供給能力の高いUSB3.0ポートに接続することで問題が解決する場合もあります。
対処6: セルフパワーUSBハブを使用する
PCのUSBポートにUSBデバイスを直接接続しても解決しない場合は、セルフパワータイプのUSBハブを使用することを検討してください。
セルフパワータイプのUSBハブは、外部電源から電力を供給するため、USBポートの電力不足の問題を解決することができます。
また、バスパワータイプのUSBハブを使用している場合も、セルフパワータイプのUSBハブに交換することで電源供給の問題を解決できます。
対処7: USBケーブルを交換する
USBデバイスのUSBケーブルが断線してショートしていることが原因で、USBポートの電力サージの通知が出るケースも考えられます。
特に100均などの安価なノーブランドのUSBケーブルは、耐久面に問題がある場合が多いです。
そのため、信頼できるメーカーの新しいUSBケーブルに交換して、電力サージの通知が解決しないか確認してください。
対処8: 電力サージの通知を非表示にする
PCやUSBデバイスの使用に問題がない場合は、USBポートの電力サージの通知を非表示にすることもできます。
ただし、この方法はUSBポートの問題を解決するわけではないため、応急処置として行ってください。
電力サージの通知を非表示にするには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「デバイス」をクリックします。
- 左ペインで「USB」をクリックします。
- 「USBデバイスへの接続に問題がある場合は通知する」のチェックを外します。
以上の手順で、電力サージの通知が表示されなくなります。別の対処法で問題が解決したら、設定を元に戻してください。
対処9: 通知が出るUSBデバイスを交換する
ここまでの対処法を試しても、特定のデバイスでUSBポートの電力サージの通知が出続ける場合は、接続しているUSBデバイス本体の故障が疑われます。
デバイスが故障しているか確認するには、USBデバイスを別のPCに接続して、同様の通知が出るか確認してください。
他のPCでも電力サージの通知が出る場合は、デバイスの故障が考えられるため、新しいUSBデバイスに交換することを検討してください。