IPアドレスを固定できない/勝手に変わる時の対処法 – Windows10

Ipアドレスを固定できない Windows

WindowsのPCでIPアドレスを固定しようと設定しても、「IP設定を保存できません。1つまたは複数の設定を確認して、やり直してください。」のエラーが出て設定ができないケースがあります。

また、固定IPアドレスを設定できても、PCを再起動すると自動取得の設定に切り替わっていたり、「169.254.XXX.XXX」の形式のアドレスが割り当てられてしまう場合があります。

本記事では、Windows PCのIPアドレスを固定できない、または勝手に変わる時の対処法について詳しく紹介します。対処内容はWindows10の環境を想定しています。

対処1: 固定したIPアドレスの設定を確認する

Windowsの設定から固定ipアドレスを設定

単純にIPアドレスを固定するネットワーク設定が正しくできないケースが考えられます。

そのため、まずIPアドレスを固定する設定に問題がないか確認してください。IPアドレスを固定するには、以下の手順で設定します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ネットワーク接続」を選択します。
  2. 右ペインで、「インターネットに接続されています」の下に表示される、「プロパティ」ボタンをクリックします。
    • 現在ネットワークに繋がっていない場合は、ウィンドウ左側のリストから「イーサネット」または「Wi-Fi」をクリックし、ネットワークアダプターの一覧から「固定IPアドレスを設定するアダプター」を選択してください。
  3. ネットワークアダプターの設定画面が表示されたら、「プロパティ」の下に表示される「IPv4アドレス」、「IPv4 DNSサーバー」の情報を控えておきます。
  4. 「IP設定」の下の「編集」をクリックします。
  5. 「IP設定の編集」と表示されたら、設定を「手動」に変更します。
  6. 「IPv4」のスイッチを「オン」に切り替えます。
  7. 設定入力欄が表示されるので、それぞれ入力します。
    • IPアドレス: 固定するIPアドレスを入力します。固定するIPアドレスは、控えたIPv4アドレスの最後のホストアドレス部(192.168.1.XXX)を任意の数値(1~254)に変更した形式で入力します。
    • サブネットプレフィックスの長さ: サブネットマスクが「255.255.255.0」の場合は「24」に設定します。「255.255.0.0」の場合は「16」、「255.0.0.0」の場合は「8」に設定します。
    • ゲートウェイ: ルーターのIPアドレス(192.168.XXX.1等)を入力します。ほとんどの場合、DNSサーバーのIPアドレスと同じです。
    • 優先DNS: 控えたDNSサーバーのIPアドレス(192.168.XXX.1等)を入力します。
    • 代替DNS: 必要に応じて代替DNSサーバーのIPアドレスを入力します。ない場合は、空白で問題ありません。
  8. 「保存」をクリックし、設定を保存します。

以上の手順で、IPアドレスを固定化することができます。上記の手順で正しい設定を行なってもエラーが発生したり、再起動後に設定が変わってしまう場合は、以降の対処方法を試してください。

対処2: アダプターのプロパティから設定する

アダプターのプロパティで静的なIPアドレスを割り当てる

Windowsの設定ウィンドウからIPアドレスを設定しようとすると「IP設定を保存できません」のエラーが発生する場合は、アダプターのプロパティから設定するとエラーを回避できることがあります。

アダプターのプロパティから固定IPアドレスを設定するには、以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ネットワーク接続」を選択します。
  2. 右ペインで、「ネットワークの詳細設定」の「アダプターのオプションを変更する」をクリックします。
  3. ネットワークアダプターの一覧が表示されたら、「インターネット接続に利用しているアダプター」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
    • 無線の場合は「Wi-Fi」、有線の場合は「イーサネット」を選択してください。
  4. プロパティウィンドウが表示されたら、中央のリストから「インターネットプロトコルバージョン4 (TCP/IPv4)」の項目をダブルクリックします。
  5. 「インターネットプロトコルバージョン4 (TCP/IPv4)のプロパティ」ウィンドウが表示されます。「次のIPアドレスを使う」のオプションを選択します。
  6. 固定IPアドレスに使用する「IPアドレス」「サブネットマスク」「デフォルトゲートウェイ」の値をそれぞれ入力します。
  7. 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」のオプションを選択し、「優先DNSサーバー」「代替DNSサーバー」の値をそれぞれ入力します。
  8. すべての項目を入力したら「OK」をクリックし、設定を終了します。

正常に設定できたら、IPアドレスが設定した値に変更されたか確認してください。設定を変更してもIPアドレスを固定できない場合は、次の対処に進んでください。

対処3: コマンドで固定IPアドレスを設定する

コマンドで固定ipアドレスを設定

設定ウィンドウやアダプターのプロパティウィンドウからIPアドレスを固定できない場合は、コマンドを使うと正常に設定できる可能性があります。

PowerShellまたはコマンドプロンプトでコマンドを使ってIPアドレスを固定するには、以下の手順を参考に操作してください。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
    • コマンドプロンプトを使用する場合は、「Windowsマーク」をクリックして「cmd」と入力し、検索結果から「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
  2. ネットワークアダプターの情報を確認するために、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
    netsh interface ip show config
  3. 「インターフェイスの構成」に書かれた文字列をメモします。
    • 複数のアダプターの情報が表示される場合は、名前や各種設定値を参考に「インターネット接続に使用するアダプター」の情報を探してください。
    • 有線接続であれば「Ethernet」、無線接続であれば「Wi-Fi」「Wireless」等の文字が名前に含まれていることが多いです。
  4. 設定する固定IPアドレスの情報を指定したnetshコマンドを入力して、Enterキーで実行します。
    netsh interface ip set address name= "イーサネット" static 192.168.11.30 255.255.255.0 192.168.11.1
    • 「name=」の後ろにある「イーサネット」の文字を、確認した「インターフェイスの構成」の文字列に置き換えてください。文字列はダブルクォーテーションマークで囲います。
    • コマンドの3つの数字には、左から「IPアドレス」「サブネットマスク」「デフォルトゲートウェイ」の値を入力してください。
  5. DNSサーバーの情報を指定したnetshコマンドを入力して、Enterキーで実行します。
    netsh interface ip set dns name="イーサネット" static 192.168.11.1
    • 「name=」の後ろの部分は、確認した「インターフェイスの構成」の文字列に置き換えてください。
    • コマンドの最後の数字には、「DNSサーバーアドレス」の値を入力してください。
  6. 代替DNSサーバーを設定する場合は、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行してください。
    netsh interface ip set dns name="イーサネット" static 192.168.11.2 index=2
  7. コマンドが実行できたら、PowerShell/コマンドプロンプトを閉じます。

以上の手順で、コマンドを使ってIPアドレスを固定に設定することができます。コマンドを実行できたら、、固定IPアドレスが設定できたか確認してください。

対処4: IPアドレスを再取得する

現在設定されているIPアドレスに問題があることが原因で、エラーで固定IPアドレスを設定できないケースが考えられます。

上記の問題は、IPアドレスを再取得することで問題が解決する可能性があります。WindowsPCのIPアドレスを再取得するには、以下の手順で操作してください。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
    • コマンドプロンプトを使用する場合は、「Windowsマーク」をクリックして「cmd」と入力し、検索結果から「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
  2. PowerShellウィンドウが表示されたら、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
    ipconfig /release
  3. 続いて、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
    ipconfig /renew
  4. しばらく待ち、接続情報が表示されたらPowerShellウィンドウを閉じます。

以上の手順で、IPアドレスを再取得することができます。再取得が完了したら、IPアドレスの固定設定を再度やり直してみてください。

対処5: DNSキャッシュとWinsockをリセットする

Dnsキャッシュをリセット

IPアドレスの再取得を行なっても、エラーで固定IPアドレスを設定できない場合は、DNSキャッシュとWinsockをリセットすることで問題が解決する可能性があります。

DNSキャッシュのクリアと、Winsockカタログのリセットを行うには、以下の手順で操作を行ってください。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
    • コマンドプロンプトを使用する場合は、「Windowsマーク」をクリックして「cmd」と入力し、検索結果から「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
  2. 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
    ipconfig /flushdns
  3. 続いて以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。これでDNSキャッシュが削除され再登録されます。
    ipconfig /registerdns
  4. 次に、Wisockカタログのリセットする以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
    netsh winsock reset
  5. コマンドの実行が完了したらPowerShellウィンドウを閉じて、パソコンを再起動します。

以上の手順で、DNSキャッシュとWinsockをリセットすることができます。PCが再起動したら、再度固定IPアドレスの設定を試してみてください。

対処6: 別のIPアドレスに変更する

固定ipアドレスを変更する

IPアドレスを固定しても「169.254.XXX.XXX」の形式のIPアドレスに勝手に変更されてしまう場合は、固定しているIPアドレスがネットワーク上の他のデバイスと重複していることが考えられます。

IPアドレスが別のデバイスと重複すると、固定したIPアドレスが使用されず自動構成の「169.254.XXX.XXX」のIPアドレスが使用されてしまいます。

IPアドレスの重複が考えられる場合は、PCの固定するIPアドレスを変更するか、重複しているデバイスのIPアドレスを変更してください。

Windows PCの固定するIPアドレスを変更する場合は、以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ネットワーク接続」を選択します。
  2. 右ペインで、「ネットワークの詳細設定」の「アダプターのオプションを変更する」をクリックします。
  3. ネットワークアダプターの一覧が表示されたら、「インターネット接続に利用しているアダプター」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
  4. プロパティウィンドウが表示されたら、中央のリストから「インターネットプロトコルバージョン4 (TCP/IPv4)」の項目をダブルクリックします。
  5. 「IPアドレス」を「重複しない別の値」に変更します。
    • : 「192.168.1.11」の場合は「192.168.1.101」など
    • 補足: 「192.168.1.1~100」はDHCPの自動割り当てによって重複する恐れがあるため、100番以降を使用することをおすすめします。
  6. IPアドレスを変更できたら「OK」をクリックし、設定を終了します。

固定するIPアドレスを変更できたら、IPアドレスが設定した値に変更されたか確認してください。

対処7: VPNクライアントをアンインストールする

Vpnアプリケーションをアンインストール

VPNクライアントなどのネットワーク関連のアプリケーションが原因で、IPアドレスの固定設定が勝手に変更されるケースがあります。

特にPCを再起動すると勝手に自動取得に切り替わったり、他の設定に変更されてしまう場合は、インストールしているサードパーティのアプリケーションが原因として考えられます。

上記の問題が考えられる場合は、インストールしているVPNクライアントなどのアプリケーションをアンインストールして問題が解決しないか確認してください。

対処8: ネットワークドライバーを再インストールする

ネットワークドライバーに問題が起きていることが原因で、固定IPアドレスの設定が反映されないケースがあります。

そのため、ネットワークドライバーを再インストールして問題が解決しないか試してください。ネットワークドライバーを再インストールには、以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
  2. デバイスマネージャーが開いたら、「ネットワークアダプター」のツリーを展開します。
  3. 「ネットワークドライバー名」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
    • 有線接続であれば「Ethernet」、無線接続であれば「Wi-Fi」「Wireless」等の文字が名前に含まれていることが多いです。
  4. ネットワークドライバーをアンインストールできたら、PCを再起動します。
  5. PCが再起動すると、自動でネットワークドライバーが再インストールされます。

ネットワークドライバーを再インストールできたら、IPアドレスの固定設定をやり直して問題が解決したか確認してください。

対処9: PCとネットワーク機器を再起動する

ルーターを再起動する

ネットワーク機器に問題が起きていることが原因で、IPアドレスの固定設定を行なっても正常に反映されないケースがあります。

そのため、ここまでの対処を行なっても問題が解決しない場合は、PCと全てのネットワーク機器を一度再起動してみてください。

PCと全てのネットワーク機器を再起動する具体的な手順は、以下の通りです。

  1. PCをシャットダウンして電源ケーブルを抜きます。
    • バッテリーを搭載したノートパソコンの場合は、バッテリーも取り外してください。
  2. ネットワーク機器(ONU、ルーター、ハブ)の電源ケーブルを抜きます。
  3. そのまま10分前後待ちます。
  4. ネットワーク機器(ONU、ルーター、ハブ)の電源ケーブルを繋いで電源を入れます。
  5. PCに電源ケーブルを繋いで起動します。
    • バッテリーも取り外した場合は、バッテリーを取り付けてください。

上記の手順でPCと全てのネットワーク機器を再起動できたら、再度IPアドレスの固定設定を行って、設定が反映されるようになったか確認してください。

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