Macで画像(JPG、PNG)やPDFなどのファイルをダブルクリックすると、プレビュー.appが起動してファイルの内容を閲覧することができます。
しかし、ある時突然ファイルをダブルクリックしてもプレビューが開かず、内容が表示されないケースがあります。また、プレビューアプリが起動してもエラーや応答なしの状態で起動できない場合もあります。
本記事では、Macでファイルのプレビューが開かない/表示できない時の対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: プレビューアプリを強制終了する
プレビューアプリに一時的な問題が起きて動作が停止して、応答しない状態になっているケースが考えられます。
そのため、プレビューアプリを一度強制終了してから再度起動することで、問題が解決する可能性があります。
プレビューアプリを強制終了してから再度起動するには、以下の手順で操作してください。
- Appleメニュー(リンゴマーク)を開き、「強制終了」を選択します。
- 「アプリケーションの強制終了」ウィンドウが表示されたら、「プレビュー」の項目を選択し、右下の「強制終了」ボタンをクリックします。
- 通常の手順でFinderからファイルをダブルクリックしてプレビューアプリを起動します。
上記の手順で操作できたら、ファイルのプレビューが正常に開けるようになったか確認してください。解決しない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処2: Macを再起動する
プレビューアプリを強制終了しても開けない場合は、システムに一時的な問題が起きていることが考えられます。
そのため、Macを一度再起動してから、プレビューが正常に開けるようにならないか確認してください。Macを再起動するには、以下の手順で操作します。
- 上部メニューの「Appleマーク」をクリックして「再起動」を選択します。
- 確認ダイアログが表示されたら、「再起動」をクリックします。
Macを再起動できたら、通常の手順でファイルをダブルクリックしてプレビューが開けるか確認してください。解決しない場合は、次の対処方法を試してください。
対処3: macOSをアップデートする
macOSのバージョンが古いとプレビューアプリに不具合があることが原因で、ファイルのプレビューを開けない場合があります。
そのため、macOSのソフトウェアアップデートを実行して、システムが最新の状態になっているか確認してください。
macOSのソフトウェアアップデートを実行するには、以下の手順で操作します。
- 「Appleマーク」をクリックして、「このMacについて」を選択します。
- 「ソフトウェア・アップデート」ボタンをクリックします。
- アップデートのチェックが開始します。
- 「今すぐアップデート」または「今すぐアップグレード」ボタンが表示されたら、ボタンをクリックしてアップデートを実行してください。
- 「このMacは最新の状態です」と表示される場合は、既にシステムは最新版のため他の対処法を試してください。
macOSを最新バージョンにアップデートできたら、ファイルのプレビューを開けるようになったか確認してください。
対処4: 他のファイルをプレビューできるか試す
プレビューアプリではなく、開こうとしているファイルに問題があることが原因で、プレビューを正常に開けないケースが考えられます。
そのため、別の画像ファイルやPDFファイルを開いて、プレビューが正常に表示されるか確認してください。
プレビューのテストに使えるファイルがない場合は、以下の手順でテスト用のPDFファイルを作成して確認してください。
- Safariを起動し、適当なウェブサイトを開きます。
- 上部のメニューバーから「ファイル」を開き、「PDFとして書き出す」を選びます。
- 「保存先」を指定して「保存」ボタンをクリックします。
- PDFファイルが作成されたら、ダブルクリックでプレビューが開けるか確認します。
一部のファイルのみプレビューが開けない場合は、そのファイルが破損していることが考えられます。ブラウザや編集アプリを使ってファイルを作成し直すか、配布元からファイルを再ダウンロードしてプレビューが開けないか確認してください。
全てのファイルのプレビューが開けない場合は、プレビューアプリに問題があることが考えられるため、次の対処方法を試してください。
対処5: プレビューの設定を初期化する
プレビューアプリの設定データに問題が起きていることが原因で、ファイルのプレビューが正常に開かないケースが考えられます。
そのため、プレビューアプリの設定データを削除してリセットすることで、プレビューが開かない問題が解決する可能性があります。
プレビューアプリの設定データを削除して設定をリセットするには、以下の手順で操作します。
- 「Finder」を起動します。
- 上部のメニューバーより「移動」を開き、「フォルダへ移動」を選択します。
- 「フォルダの場所を入力」の欄に「~/ライブラリ/」と入力してから「移動」ボタンをクリックします。
- 「ライブラリ」フォルダが開いたら、以下の階層にあるプレビュー関連の設定ファイル/フォルダを全て削除、または別の場所(デスクトップ等)に移動します。
Containers/com.apple.quicklook.ui.helper Containers/com.apple.Preview Preferences/com.apple.Preview.SandboxedPersistentURLs.LSSharedFileList.plist Preferences/com.apple.Preview.LSSharedFileList.plist Saved Application State/com.apple.Preview.savedState
- macOSのバージョンによっては、上記のファイル/フォルダが存在しない場合があります。存在するファイル/フォルダを削除できれば問題ありません。
- 設定データを削除できたら、「Appleマーク」→「再起動」を選択してMacを再起動します。
以上の手順で、プレビューアプリの設定をリセットすることができます。リセット後にMacが再起動したら、ファイルのプレビューが開けるようになったか確認してください。
対処6: セーフモードで起動する
バックグラウンドで動作しているサードパーティのアプリが原因で、ファイルのプレビューが正常に開かないケースが考えられます。
そのため、Macをセーフモードで起動し、プレビューが開けるようにならないか試してみてください。Macをセーフモードで起動するには、以下の手順で操作します。
- Appleシリコン搭載Macの場合:
- 「Appleマーク」をクリックして「システム終了」を選択します。
- Macの電源が完全に切れたことを確認したら、「電源ボタン」を押し続けます。
- 起動オプションの画面が表示されたら「電源ボタン」を離します。
- 「Macintosh HD」を選択し、「shift」キーを押した状態で「セーフモードで続ける」をクリックします。
- IntelCPU搭載Macの場合:
- 「Appleマーク」をクリックして「システム終了」を選択します。
- Macの電源が完全に切れたことを確認したら、「電源ボタン」を押して直ぐに「shift」キーを押し続けます。
- ログイン画面が表示されたら「shift」キーを離します。
以上の手順でセーフモードの起動に成功すると、画面の右上に「セーフブート」と表示されます。
セーフモードで起動できたら、画像ファイルやPDFファイルを開いてプレビューアプリが正常に開くか確認してください。正常にプレビューを開けたら、「Appleマーク」をクリックして「再起動」を選択してセーフモードを終了します。
Macを通常起動した後でプレビューが開けなくなってしまう場合は、続けて以下の手順で不要なログイン項目のアプリを無効にしてください。
- 「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「ユーザーとアカウント」をクリックします。
- 右ペインで、「ログイン項目」タブを開きます。
- アプリの一覧から、不要なアプリのチェックを全て外します。
- 「Appleマーク」をクリックして「再起動」を選択して、Macを再起動します。
不要なログイン項目のアプリを無効にして再起動できたら、通常起動の状態でファイルのプレビューが開けるようになったか確認してください。
対処7: First Aidを実行する
ファイルやボリュームのアクセス権に異常があると、ファイルを開いてプレビューを表示する際にエラーが発生することがあります。
そのため、First Aidを使ってディスクのエラーを修復をして、プレビューが開けない問題が解決しないか確認してみてください。First Aidを実行するには、以下の手順で操作します。
- 「Finder」で「アプリケーション」フォルダを開き、「その他」→「ディスクユーティリティ」を起動します。
- ディスクユーティリティが起動したら、左のリストから「Macintosh HD(起動ボリューム)」を選択します。
- 中央上部にある「First Aid」ボタンをクリックし、確認ポップアップが表示されたら「実行」を選択します。
- プロセスが完了したら、「完了」をクリックします。
First Aidを実行してディスクを修復できたら、ファイルのプレビューが正常に開けるようになったか確認してください。
対処8: 別のアカウントを使用する
ログインしているアカウントの設定データが破損していることが原因で、ファイルのプレビューを表示できないケースが考えられます。
そのため、別のアカウントでログインして、ファイルのプレビューが開けないか確認してください。
別のアカウントが存在しない場合は、以下の手順で新しいアカウントを作成してからログインしてください。
- 「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「ユーザーとアカウント」をクリックします。
- 左下の「鍵マーク」をクリックして、パスワードを入力してロックを解除します。
- 左のユーザーリストの「+」をクリックします。
- 「新規アカウント」を「管理者」に変更し、必要なアカウント情報を入力して、「ユーザーを作成」をクリックします。
- 「Appleマーク」をクリックして「ログアウト」を選択します。
- 「作成したアカウント」を選択してログインします。
別のアカウントでファイルのプレビューが開ける場合は、ログインしていたアカウントの設定データが破損していることが考えられます。
アカウントの設定データの破損が考えられる場合は、新しいアカウントにデータを移行して使用することを検討してください。
対処9: プレビューアプリを再インストールする
ここまでの対処方法を試してもプレビューが開けない場合は、プレビューのアプリ自体が破損していることが考えられます。
そのため、プレビューアプリを再インストールして問題が解決しないか確認してください。
ただし、プレビューアプリはmacOSに組み込まれており、単体での再インストールができないため、macOSを再インストールする必要があります。
データや設定を残したままmacOSを再インストールしたい場合は、以下の手順で操作してください。
- 「Appleマーク」をクリックして「システム終了」を選択して、Macの電源を切ります。
- macOS復旧の画面を表示します。
- Appleシリコン搭載Macの場合:
- 「電源ボタン」を起動オプションが表示されるまで長押しします。
- 「オプション」を選択し、「続ける」をクリックします。
- ユーザーアカウントにログインします。
- IntelCPU搭載Macの場合:
- 「command + R」キーを押した状態で「電源ボタン」を1回押します。
- 復旧画面が表示されたら、「command + R」キーを離します。
- Appleシリコン搭載Macの場合:
- 復旧の画面が表示されたら、「macOS バージョン名(Big Sur)を再インストール」を選択して「続ける」をクリックします。
- 画面に表示される案内に従ってmacOSのインストールを完了します。
- インターネット接続のエラーが表示される場合は、右上のWi-FiアイコンからWi-Fiに接続してください。
macOSを再インストールできたら、ファイルを開いてプレビューが表示されるようになったか確認してください。