Windows10/11のPCの動作が重い時にタスクマネージャーを確認すると、「WaaSMedic Agent.exe」のCPUやメモリ、ディスクの使用率が異常に高いケースがあります。
このプロセスの名前はあまり聞き馴染みがなく、リソースの負担が高いことが多いため、ウィルスやマルウェアでないかと心配する方も多いと思います。
本記事では、WaaSMedic Agent.exeの概要と負担が重い時の対処と停止方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
WaaSMedicAgent.exeとは
WaaSMedicAgent.exe(WaasMedicSvc)は、Windows Updateが正常に実行されるように問題を修復するためのWindowsのサービスです。このサービスが実行されているかは、タスクマネージャーの「wusvcs」プロセスのグループ内の「Windows Update Medic Service」の項目で確認できます。
WaaSMedicAgentは、WindowsUpdateが失敗した際に問題を修復してアップデートを再開させる処理をバックグラウンドで実行するため、CPUやメモリ、ディスクの使用量が一時的に高まることがあります。このサービスのリソースの使用量が増えても、通常しばらく待てば使用量は落ち着きます。
WaaSMedicAgent.exeはウィルス?
WaaSMedicAgentは、CPUやメモリ、ディスクの使用量が高くなることが多いため、ウィルスとして疑われることがありますが正規のWindowsサービスです。
サービスがウィルスでないか心配な場合は、以下の手順で実行ファイルの場所がWindowsのシステムフォルダ内にあるか確認してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
- 「詳細」タブを開きます。
- タブが表示されない場合は、「詳細」をクリックしてください。
- 「WaasMedicAgent.exe」を右クリックして「ファイルの場所を開く」を選択します。
- Windowsのシステムフォルダ(C:\Windows\System32)内に実行ファイルがあるか確認します。
Windowsのシステムフォルダ外に実行ファイルがあるがある場合は、システムファイルになりすましたウィルスやマルウェアの恐れがあるため、セキュリティソフトのウィルススキャンを実行して駆除を行なってください。
WaaSMedicAgentが重い時の対処法
WaaSMedicAgentのサービスが実行されるとCPUやメモリ、ディスクの使用量が一時的に高まりますが、長くても1時間程度待てば使用量は落ち着きます。
1時間以上待ってもWaaSMedicAgentの負担が高いまま改善しない場合は、サービスになんらかの問題が起きていることが考えられます。WaaSMedicAgentが重い場合は、以下の対処方法を試してみてください。
対処1: WindowsUpdateを一時的に停止する
WaaSMedicAgentは、WindowsUpdateに関連したサービスです。そのため、WindowsUpdateを一時的に停止することで、WaaSMedicAgentの負担を回避することができます。
この方法は根本的な解決にはなりませんが、一時的にWaaSMedicAgentの負担を下げたい場合は有効な方法です。
WindowsUpdateを一時的に停止するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「Windows Update」を選択します。
- Windows10の場合は、「更新とセキュリティ」→「Windows Update」の順に選択してください。
- 「1週間一時停止する(または更新を7日間一時停止)」をクリックします。
以上の手順で、WindowsUpdateを一時的に停止することができます。WindowsUpdateを停止できたら、WaaSMedicAgentの負担が改善したか確認してください。
WindowsUpdateが再度実行された際に、WaaSMedicAgentの負担がしばらく待っても異常に高い状態の場合は、次の対処に進んでください。
対処2: 保留中の更新プログラムをインストールする
WindowsUpdateに保留中の更新プログラムがあることが原因で、WaaSMedicAgentのリソースの使用量が異常に高くなるケースが考えられます。
そのため、WindowsUpdateの保留中の更新プログラムを全て適用することで問題が解決する可能性があります。
WindowsUpdateの保留中の更新プログラムをインストールするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウが開いたら、左ペインの「WindowsUpdate」を選択します。
- Windows10の場合は、「更新とセキュリティ」をクリックしてください。
- 右ペインの「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- 「ダウンロード」や「インストール」が表示されたら、クリックしてアップデートを進めます。
WindowsUpdateのすべてのアップデートを適用できたら、WaaSMedicAgentの負担が改善したか確認してください。
WindowsUpdateのチェックやダウンロード、インストールを実行してもエラーで失敗する場合は、以下のページを参考に対処を行なってください。
WindowsUpdateの問題が解決したら、WaaSMedicAgentの負担が改善したか確認してください。
対処3: サードパーティのセキュリティソフトを停止する
サードパーティのセキュリティソフトの機能が原因で、WaaSMedicAgentの負担が異常に高くなるケースが考えられます。
そのため、サードパーティのセキュリティソフトをインストールしている場合は、機能を停止して問題が解決しないか確認してみてください。
サードパーティのセキュリティソフトを停止するには、セキュリティソフトの設定画面を開いて「停止」をクリックするか、タスクバー右側のタスクトレイでセキュリティソフトのアイコンを右クリックして「停止」を選択してください。
セキュリティソフトを停止して問題が解決した場合は、セキュリティソフトに原因があると判断できます。セキュリティソフトに原因がある場合は、セキュリティの例外設定にWaaSMedicAgent.exeを追加するか、別のセキュリティソフトに変更することを検討してください。
対処4: PCを再起動する
Windowsのシステムに一時的な不具合が発生していることが原因で、WaaSMedicAgentの負担が異常に高くなるケースが考えられます。
そのため、PCを一度再起動することで、問題が解決する可能性があります。PCを再起動するには、「Windowsマーク」→「電源アイコン」→「再起動」を選択してください。
PCを再起動できたら、WaaSMedicAgentの負担が改善したか確認してください。PCを再起動しても解決しない場合は、次の対処に進んでください。
対処5: ディスクのクリーンアップを実行する
システムディスクの容量が少なかったり、WindowsUpdateの一時ファイルに問題が起きていることが原因で、WaaSMedicAgentの負担が異常に高くなるケースが考えられます。
そのため、ディスクのクリーンアップを実行して不要なファイルを削除することで、問題が解決する可能性があります。ディスクのクリーンアップを実行するには、以下の手順で操作してください。
- 「エクスプローラー」を開きます。
- 左ペインで「PC」を選択します。
- 右ペインのデバイスとドライブ内にある「ローカルディスク(C:)」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- Windowsのインストール先が異なる場合は、別のディスクを選択してください。
- 「全般」タブの「ディスクのクリーンアップ」をクリックします。
- 「システムファイルのクリーンアップ」をクリックします。
- 「WindowsUpdateのクリーンアップ」とその他の不要な一時ファイルにチェックを入れて「OK」をクリックします。
- 確認ダイアログが表示されたら「ファイルの削除」をクリックします。
ディスクのクリーンアップを実行できたら、WaaSMedicAgentの負担の問題が解決したか確認してください。
対処6: システムファイルを修復する
WaaSMedicAgentを含めたシステムファイルの一部が破損していることが原因で、WaaSMedicAgentの負担が異常に高くなるケースが考えられます。
そのため、Windowsのシステムファイルを修復することで、問題が解決する可能性があります。システムファイルを修復するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows ターミナル(管理者)」を選択します。
- Windows10の場合は、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- ターミナルウィンドウが開いたら、次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- コマンドの実行が完了したら、続いて次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
- コマンドを実行するとシステムファイルチェッカーツールが実行され、問題のあるシステムファイルが見つかれば自動修復されます。
- 「検証100%が完了しました」のメッセージが表示されたら完了です。
システムファイルを修復できたら、PCを一度再起動してからWaaSMedicAgentの負担が改善したか確認してください。
WaaSMedicAgentの無効方法(非推奨)
すべての対処方法を試してもWaaSMedicAgentの負担が改善しない場合は、サービス自体を無効にすることもできます。
ただし、WaaSMedicAgentはWindowsUpdateに関連するサービスのため、無効にするとWindowsUpdateの処理に問題が起きる恐れがあります。
そのため、WaaSMedicAgentの負担をどうしても解決したい場合のみ無効化を検討してください。また、WindowsUpdateに問題が起きた場合は設定を元に戻してください。
WaaSMedicAgentを無効にするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
- レジストリエディタが起動したら、左ペインのツリーを展開して以下のキーにアクセスします。
コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WaaSMedicSvc
- 「WaaSMedicSvc」キーを右クリックして「エクスポート」を選択し、レジストリのバックアップを保存しておきます。
- 右ペインの「Start」の値をダブルクリックして開きます。
- 値のデータを「4」に変更して「OK」をクリックします。
- 設定を元に戻す場合は、「3」に変更してください。
- PCを再起動してレジストリを反映します。
以上の手順で、WaaSMedicAgentを無効にすることができます。PCが再起動したら、WaaSMedicAgentが実行されなくなったことを確認してください。