GoogleChromeまたはMicrosoftEdgeでウェブサイトにアクセスしようとすると「このウェブページにアクセスできません: ERR_NAME_NOT_RESOLVED」のエラーが発生してページを表示できない場合があります。
このエラーは、特定のウェブサイトのみで発生する場合がありますが、複数のサイトで頻発する場合もあります。
本記事では、Chrome/EdgeのERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーの原因と対処法について詳しく紹介します。対処内容は、WindowsのPCとMacを想定しています。
この記事の内容
ERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーの原因
「ERR_NAME_NOT_RESOLVED」エラーは、ウェブサイトにアクセスしようとした際にDNSのアドレスを名前解決できない際に発生します。このエラーは、主に次のような原因で発生します。
- DNSの問題: ドメイン名システム(DNS)がウェブサイトのドメイン名をIPアドレスに解決できない場合にエラーが発生します。
- インターネット接続の問題: インターネット接続が不安定または利用できない場合、ウェブサイトにアクセスできずエラーが発生することがあります。
- ブラウザのキャッシュやCookieの問題: ChromeのキャッシュやCookieに問題がある場合、ウェブページの読み込みが正常に行われずエラーが表示されることがあります。
- セキュリティソフトによるブロック: インストールしているセキュリティソフトがウェブページの読み込みをブロックしてエラーが発生することがあります。
- ホストファイルの問題: ホストファイルにウェブサイトのドメイン名が誤って記述されている場合、ERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生することがあります。
- 不適切なプロキシ設定: プロキシ設定が正しくない場合、ウェブページの読み込みに失敗しエラーが表示されることがあります。
特定のウェブサイトのみエラーが発生する場合は、そのサイトのDNS設定に問題があることが考えられます。ウェブサイト側のDNS設定に問題がある場合は対処できませんが、DNSに設定に問題がない場合は基本的にユーザー側で解決できます。
このエラーの対処方法について紹介していくので、順に解決できないか試してみてください。
対処1: PCとルーターを再起動する
PCまたはルーターに一時的な不具合が発生していることが原因で、ChromeまたはEdgeでERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、最初にPCとルーターの再起動を試してみてください。PCとルーターを再起動することで、一時的なネットワークの問題が解決されることがあります。PCとルーターを再起動するには、以下の手順で操作します。
- PCをシャットダウンします。
- Windowsの場合: 「Windowsマーク」をクリックして「電源」→「シャットダウン」の順に選択します。
- Macの場合: 「Appleマーク」をクリックして「システム終了」を選択します。
- ルーターの電源を切り、数分待ってから再度電源を入れます。電源ボタンがない場合は、電源アダプタを抜き差しして再起動してください。
- PCの電源ボタンを押して電源を入れます。
PCとルーターを再起動できたら、Chrome/Edgeを開いて正常にウェブサイトにアクセスできるようになったか確認してください。
対処2: Cookieとキャッシュを削除する
Chrome/EdgeのCookieまたはキャッシュに問題が起きていることが原因で、ウェブサイトにアクセスする際にERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、Chrome/EdgeのCookieとキャッシュを削除することで、問題が解決する可能性があります。ただし、Cookieを削除すると、ウェブサイトのログイン情報が消去されるため、再ログインが必要になる点に注意してください。
Chrome/EdgeのCookieとキャッシュを削除するには、以下の手順で操作してください。
- Chromeの場合:
- Chromeを開いて、右上の「3点アイコン」をクリックして「設定」を選択します。
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリックし、「閲覧履歴データの消去」を選択します。
- 「キャッシュされた画像やファイル」と「Cookieと他のサイトデータ」にチェックを入れ、「データを削除」をクリックします。
- Edgeの場合:
- Edgeを開いて、右上の「メニュー(3点アイコン)」→「履歴」→「履歴データをクリア」の順にクリックします。
- 時間の範囲を「すべての期間」に変更して、「閲覧履歴」、「ダウンロードの履歴」、「Cookieおよびその他のサイトデータ」、「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れます。
- 「今すぐクリア」をクリックします。
Chrome/EdgeのCookieとキャッシュを削除できたら、ウェブサイトにアクセスしてページが正常に表示されるようになったか確認してください。
対処3: DNSキャッシュをクリアする
PCのDNSキャッシュに問題があることが原因で、ChromeまたはEdgeでERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生することがあります。
そのため、DNSキャッシュをクリアすることで、エラーが解決する可能性があります。DNSキャッシュをクリアするには、以下の手順で操作します。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows ターミナル(管理者)」を選択します。
- Windows10の場合は、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーで実行します。
ipconfig /flushdns
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows ターミナル(管理者)」を選択します。
- Macの場合:
- Finderで「アプリケーション」→「ユーティリティ」フォルダを開きます。
- 「ターミナル」をダブルクリックして起動します。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
sudo killall -HUP mDNSResponder
以上の手順で、DNSキャッシュを削除することができます。DNSキャッシュを削除できたら、ChromeまたはEdgeでウェブサイトにアクセスしてエラーが解決したことを確認してください。
対処4: ネットワーク情報をリセットする
PCがネットワークに接続する際に必要なIPアドレスなどの情報に問題があることが原因で、ChromeまたはEdgeでERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、ネットワーク情報をリセットすることで、エラーが解決する可能性があります。ネットワーク情報をリセットするには、以下の手順で操作してください。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows ターミナル(管理者)」を選択します。
- Windows10の場合は、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- 以下のコマンドを1行ずつ入力してそれぞれEnterキーで実行します。
netsh winsock reset netsh int ip reset ipconfig /release ipconfig /renew
- 全てのコマンドを実行できたら、ターミナルを閉じてPCを再起動します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows ターミナル(管理者)」を選択します。
- Macの場合:
- 「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「ネットワーク」をクリックします。
- 現在接続中のWi-Fi(またはブリッジ接続)を選択して、右側の「詳細」をクリックします。
- 「TCP/IP」タブを開いて、「DHCPリースを更新」をクリックします。
ネットワーク情報をリセットできたら、ChromeまたはEdgeを開いてウェブサイトに正常にアクセスできるようになったか確認してください。
対処5: ページのプリロードを無効化する
ChromeまたはEdgeのページの読み込みを高速化するページプリロード機能が原因で、ERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生することがあります。
そのため、ChromeまたはEdgeのプリロードを無効にすることで、エラーが解決する可能性があります。ページのプリロードを無効化するには、以下の手順で操作してください。
- Chromeの場合:
- Chromeを開いて、右上の「3点アイコン」をクリックして「設定」を選択します。
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリックし、「Cookieとその他のサイトデータ」を選択します。
- 「ページをプリロードして、閲覧と検索をすばやく行えるようにする」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- Edgeの場合:
- Edgeを開いて、右上の「メニュー(3点アイコン)」→「設定」の順にクリックします。
- 左メニューで「Cookieとサイトのアクセス許可」を選択して、「Cookieとサイトデータの管理と削除」をクリックします。
- 「ページをプリロードして閲覧と検索を高速化する」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
ChromeまたはEdgeの設定を変更できたら、ウェブサイトがエラーが出ずに正常に表示されるようになったか確認してください。
対処6: セキュリティソフトの機能を無効化する
サードパーティのセキュリティソフトの機能が原因で、ウェブサイトへのアクセスがブロックされERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、セキュリティソフトの機能を一時的に無効化することで、エラーが解決する可能性があります。セキュリテリティソフトの機能を無効にする手順はソフトウェアによって異なりますが、一般的には以下の手順で無効化できます。
- Windowsの場合:
- タスクバー右側のタスクトレイ上で「セキュリティソフトのアイコン」を右クリックします。
- アイコンが見つからない場合は、上矢印をクリックして探してください。
- 「終了」や「停止」などのメニューを選択します。
- タスクバー右側のタスクトレイ上で「セキュリティソフトのアイコン」を右クリックします。
- Macの場合:
- 上部のメニューバー右側で「セキュリティソフトのアイコン」をクリックします。
- 「終了」や「停止」などのメニューを選択します。
セキュリティソフトの機能を停止できたら、ChromeまたはEdgeでウェブサイトにアクセスして、エラーが解決するか確認してください。問題が解決した場合、セキュリティソフトに問題があるため設定の見直しを行うか、別のセキュリティソフトの使用を検討してください。
対処7: DNSサーバーを変更する
PCが接続しているDNSサーバーに問題が起きていることが原因で、ChromeまたはEdgeでERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生することがあります。
そのため、パブリックDNSなどの別のDNSサーバーに変更することで、エラーが解決する可能性があります。DNSサーバーを変更するには、以下の手順で操作します。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ネットワーク接続」を選択します。
- 右ペインで、「アダプターのオプションを変更する」をクリックします。
- ネットワーク接続の画面が表示されたら、「接続しているネットワーク(イーサネット、またはWiFi)」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 項目の一覧から「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択して、「プロパティ」をクリックします。
- IPv6を使用している場合は、「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」の設定を変更してください。
- 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択して、以下のGoogleのパブリックDNSの値を入力して「OK」をクリックします。
- 優先DNS: 8.8.8.8
- 代替DNS: 8.8.4.4
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
- Macの場合:
- システム環境設定を開き、「ネットワーク」をクリックします。
- 接続中のネットワークを選択した状態で、「詳細」をクリックします。
- 上部に表示されるタブの中から「DNS」をクリックします。
- 左下にある「+」ボタンをクリックします。
- DNSサーバのリストにGoogleのパブリックDNSの値「8.8.8.8」と「8.8.4.4」を入力して追加します。
- 「OK」ボタンをクリックします。
DNSサーバーをパブリックDNSに変更できたら、ChromeまたはEdgeを開いてウェブサイトが正常に表示されるようになったか確認してください。
対処8: 別のインターネット接続を使用する
PCが接続しているWi-Fiなどのネットワークに問題があることが原因で、ChromeまたはEdgeでERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、別のネットワーク(Wi-Fiやテザリングの使用)に接続して、エラーが解決するか確認してください。
接続するネットワークを変更してエラーが解決した場合は、そのネットワークに問題が起きていると判断できます。ネットワークに問題が起きている場合は、ネットワークの管理者に問題について問い合わせてみてください。
対処9: ファイアウォールの設定をリセットする
PCのファイアウォールの設定に問題があることが原因で、ChromeまたはEdgeでERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、PCでファイアウォールを有効にしている場合は、ファイアウォールの設定をリセットすることでエラーが解決する可能性があります。ファイアウォールの設定をリセットするには、以下の手順で操作してください。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」をクリックして「firewall」と入力します。
- 検索結果の「Windows Defenderファイアウォール」をクリックします。
- 左メニューの「既定値に戻す」をクリックします。
- 「既定値に戻す」をクリックします。
- Macの場合:
- Finderを開いて、上部の「移動」をクリックします。
- 「option」キーを押しながら「ライブラリ」を選択します。
- 「Preferences」フォルダを開いて、「com.apple.alf.plist」を右クリックして「ゴミ箱に入れる」を選択します。
- Macを再起動します。
ファイアウォールの設定をリセットできたら、ChromeまたはEdgeを開いてエラーが解決したことを確認してください。
対処10: Hostsファイルを編集する
PCのHostsファイルに誤った記述があることが原因で、ChromeまたはEdgeでERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生することがあります。
そのため、Hostsファイルを確認して、問題がある場合は編集してください。Hostsファイルを確認して編集するには、以下の手順で操作します。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」を入力して「notepad」と入力します。
- 検索結果でメモ帳の「管理者として実行」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「」
- 「ファイル」→「開く」を選択します。
- 「C:\Windows\System32\drivers\etc」のフォルダにある「hosts」ファイルを開きます。
- 「hosts」ファイルが見つからない場合は、種類を「すべてのファイル」に変更してください。
- ウェブサイトのドメイン名に関連する不適切なエントリがある場合は、それを削除またはコメントアウト(行の先頭に「#」を付ける)します。
- 「ファイル」→「保存」を選択します。
- Macの場合:
- Finderを開いて、上部の「移動」をクリックして「フォルダへ移動」を選択します。
- 以下のパスを入力してEnterキーで移動します。
/private/etc
- 「hosts」ファイルを右クリックして「このアプリケーションで開く」→「テキストエディット」を選択します。
- ウェブサイトのドメイン名に関連する不適切なエントリがある場合は、削除またはコメントアウト(行の先頭に「#」を付ける)します。
- 書き込み権限がないポップアップが表示されたら「複製」をクリックします。
- 編集が完了したら「ファイル」→「保存」を選択します。
- 保存場所(デスクトップなど)を指定して、ファイル名を「hosts(.txtは消去)」にして「拡張子が未指定の場合は、".txt"を使用」のチェックを外してから「保存」をクリックします。
- 保存した「hosts」ファイルを/private/etcにドラッグして上書きします。
Hostsファイルを変更できたら、PCを再起動してからChromeまたはEdgeでウェブサイトを開きエラーが解決したか確認してください。
対処11: プロキシ設定を無効にする
プロキシ設定に問題があることが原因で、ChromeまたはEdgeでERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生することがあります。
そのため、プロキシ設定を有効にしている場合は無効にしてエラーが解決しないか確認してください。プロキシ設定を無効にするには、以下の手順で操作します。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「ネットワークとインターネット」を選択します。
- 「プロキシ」を選択します。
- 「プロキシサーバーを使う」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- Macの場合:
- 「Appleマーク」→「システム環境設定」の順にクリックします。
- 「ネットワーク」をクリックして開きます。
- 接続中のネットワークを選択した状態で、「詳細」をクリックします。
- 「プロキシ」タブを開きます。
- 構成するプロトコルの一覧で、全てのチェックボックスのチェックを外して「OK」をクリックします。
プロキシ設定を無効にできたら、ChromeまたはEdgeでウェブサイトが正常に開けるようになったか確認してください。
対処12: ドメインのDNSSECを無効にする
ChromeまたはEdgeでアクセスしようとしているウェブサイトのドメインのDNSSEC設定が原因で、ERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーが発生することがあります。
このDNSSECの設定はドメイン管理者でないと設定を変更できません。ドメイン管理者である場合は、ドメインのDNSSECを無効にすることができます。無効にする手順はDNSプロバイダーによって異なりますが、一般的には以下の通りです。
- ドメインのDNSプロバイダーにログインします。
- ドメインのDNS設定ページにアクセスし、「DNSSEC」の設定を無効に変更します。
- 変更が反映されるまで数時間待ちます。
ドメインのDNSSECを無効にできたら、数時間待ってからウェブサイトにアクセスしてエラーが解決したことを確認してください。