アプリケーションを正しく起動できませんでした(0xc0000142)の対処法 – Windows10

Windows10のPCでアプリケーションを起動しようとすると「アプリケーションを正しく起動できませんでした(0xc0000142)」のエラーが発生することがあります。

上記のエラーは、Microsoft Officeのアプリケーションを起動する際に発生することが多いです。エラーが発生するとアプリケーションが起動できない状態になるため対処が必要です。

本記事では、Windows10で「アプリケーションを正しく起動できませんでした(0xc0000142)」のエラーが発生する原因と対処法について詳しく紹介します。

0xc0000142エラーが発生する原因

「アプリケーションを正しく起動できませんでした(0xc0000142)」のエラーは、アプリケーションの動作に必要なDLLの読み込みが失敗した際に発生します。

DLLの読み込みが失敗する原因としては、主に次のことが考えられます。

  • バックグラウンドでアプリケーションの動作が停止している
  • セキュリティソフトなどの他のアプリケーションの機能が干渉している
  • アプリケーションの互換性に問題がある
  • アプリケーションのプログラム、関連ファイルが破損している
  • Microsoft Visual C++ランタイムが破損している
  • グラフィックドライバーに問題がある
  • システムファイルが破損・欠損している
  • Windowsのユーザーアカウントのプロファイルが破損している

上記のとおり0xc0000142のエラーは、多くの原因が考えられるため、問題の特定が難しいトラブルです。

エラーが解決する可能性の高い対処方法から順に紹介していくので、アプリケーションが正常に起動できないか試していってください。

対処1: タスクマネージャーでアプリケーションを強制終了する

アプリケーションが完全に終了できていないことが原因で、アプリケーションの起動時に0xc0000142のエラーが発生するケースがあります。

特にWordやExcelなどのMicrosoft Officeのアプリケーションでこの問題が発生しやすいです。

そのため、タスクマネージャーでエラーが出るアプリケーションが起動しているか確認し、起動している場合は強制終了してください。強制終了する手順は次のとおりです。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
  2. タスクマネージャーが起動したら、詳細表示になっていることを確認します。
    • 簡易表示の場合は左下の「詳細」をクリックして詳細表示に切り替えてください。
  3. 「プロセス」タブの一覧に「エラーが発生するアプリケーション」がある場合は選択します。
  4. 右下の「タスクの終了」をクリックします。

アプリケーションが強制終了できたら、再度アプリケーションの起動を試してみてください。この方法で起動しない場合は、次の対処方法に進んでください。

対処2: Windowsをクリーンブートする

インストールしている他のアプリケーションが原因で、特定のアプリケーションの起動時に0xc0000142のエラーが発生することがあります。

特にサードパーティのセキュリティソフトの機能が干渉して、アプリケーションの起動を妨げているケースが考えられます。

そのため、Windowsをクリーンブートして、アプリケーションが正常に起動できないか確認してみてください。

補足: Windowsをクリーンブートすることで、サードパーティのアプリケーション・サービスを無効化した状態でWindowsを起動できます。

Windowsをクリーブートするには、次の手順で操作してください。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
  2. 「msconfig」と入力して「OK」をクリックします。
  3. 「システム構成」ウィンドウが表示されたら「全般」タブを開いていることを確認します。
  4. 「スタートアップのオプションを選択」を選択して、「スタートアップの項目を読み込む」のチェックを外します。
  5. 「サービス」タブをクリックします。
  6. 「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックを入れます。
  7. 「全て無効」をクリックします。
  8. システム構成の「OK」をクリックします。
  9. PCを再起動します。

以上の手順でWindowsをクリーンブートの状態で起動できます。クリーンブートできたら、エラーが出たアプリケーションが正常に起動するか確認してください。

クリーンブートの状態でも0xc0000142のエラーが出る場合は、他のアプリケーションが原因ではないため、クリーンブートの設定を元に戻して次の対処方法に進んでください。

クリーンブートの状態でアプリケーションが正常に起動する場合

クリーンブートの状態でアプリケーションが起動できる場合は、インストールしているアプリケーションが0xc0000142のエラーを引き起こしていると判断できます。

エラーを引き起こしているアプリケーションを特定するには、次の手順で操作します。

  1. 同様の手順で「システム構成」ウィンドウを表示して、クリーンブートの設定を元に戻します。
  2. 「システム構成」ウィンドウの「スタートアップ」タブを開いて「タスクマネージャーを開く」をクリックします。
  3. スタートアップに登録されているアプリケーション一覧が表示されます。
  4. 「原因として疑われるアプリケーション」を右クリックして「無効化」を選択します。
  5. PCを再起動して、エラーが出たアプリケーションが正常に起動するか確認します。
    • エラーが解決しない場合は、原因のアプリケーションが特定できるまで同様の手順で他のアプリケーションのスタートアップを無効化してください。

原因のアプリケーションが特定できたら、スタートアップを無効化した状態のままにするか、アンインストールを行うことを検討してください。

対処3: 互換モードでアプリケーションを起動する

アプリケーションを互換モードで管理者権限で起動すると、0xc0000142のエラーが解決する可能性があります。

また、互換性のトラブルシューティングを実行することでエラーが解決する場合もあります。

そのため、次の手順で互換性のトラブルシューティングの実行と互換モード、管理者権限の設定を行なってみてください。

  1. 「エラーが出るアプリケーションアイコン」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
  2. 「互換性」タブをクリックします。
  3. 「互換性のトラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
  4. 「推奨設定を使用する」を選択します。
  5. 「プログラムのテスト」をクリックします。
  6. テストと修復が完了したら「次へ」をクリックします。
  7. 「このプログラムのこの設定を保存します」を選択します。
  8. トラブルシューティングが完了したらウィザードを閉じます。
  9. 互換モードの「互換性モードでこのプログラムを実行する」にチェックを入れて、アプリケーションが対応している「以前のWindowsのバージョン」を選択します。
    • Windowsのバージョンが分からない場合は、「Windows8」や「Windows7」を選択してみてください。
  10. 設定の「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れます。
  11. 「OK」をクリックして設定を保存します。

互換モード、管理者権限の設定を変更できたら、アプリケーションが正常に起動できるようになったか確認してください。

対処4: レジストリの値を変更する

レジストリエディタでLoadAppInit_DLLsの設定を無効化することで、0xc0000142のエラーが解決できる可能性があります。

ただし、レジストリの変更を行うとWindowsの動作に問題が出るケースがあるため、バックアップを作成することをおすすめします。

LoadAppInit_DLLsの設定を無効化するには、次の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を開きます。
  2. 「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
  3. レジストリエディタが開いたら、左ペインのツリーを展開して次のレジストリキーにアクセスします。
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
    • アドレスバーにコピーして直接アクセスすることもできます。
  4. 「Windows」キーを選択した状態で、右ペインで「LoadAppInit_DLLs」をダブルクリックします。
  5. 値のデータを「1」から「0」に変更して「OK」をクリックします。
  6. PCを再起動してレジストリの設定を反映します。

再起動が完了したら、再度アプリケーションが正常に起動できるか確認してみてください。

0xc0000142エラーが解決しない場合は、レジストリのを元に戻すか、レジストリのバックアップを復元して次の対処方法に進んでください。

対処5: アプリケーションを修復する

アプリケーションのプログラムや関連ファイルが破損していることが原因で、起動時に0xc0000142のエラーが発生することがあります。

そのため、アプリケーションの修復を実行してエラーが解決できないか確認してください。

ただし、アプリケーションによって修復方法が異なったり、修復機能がない場合があります。修復できない場合は、次の『対処6: アプリケーションを更新/再インストールする』に進んでください。

Microsoft Officeのアプリケーションを修復する場合は、次の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
  2. 右ペインのアプリ一覧で「エラーが出るOfficeアプリケーション」を選択します。
  3. 「変更」をクリックします。
  4. ポップアップが表示されたら「オンライン修復」を選択して「修復」をクリックします。
  5. 修復が開始するので完了するまで待ちます。

アプリケーションを修復することができたら、念のためPCを再起動してからアプリケーションの起動を試してください。

対処6: アプリケーションを更新/再インストールする

アプリケーションに不具合があったり、プログラムに問題があることが原因で、起動時に0xc0000142のエラーが発生することがあります。

そのため、アプリケーションのバージョンが古い場合は、アップデートを実行して最新のバージョンに更新してください。

アプリケーションが最新のバージョンでもエラーが発生する場合は、次の手順でアプリケーションの再インストールを行なってください。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
  2. 右ペインのアプリ一覧で「エラーが出るアプリケーション」を選択します。
  3. 「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
  4. ウィザードの案内に従ってアンインストールを完了します。
  5. アプリケーションの公式ページから最新のインストーラーをダウンロードします。
  6. インストーラーを実行して案内に従って通常の手順でインストールします。

アプリケーションの再インストールが完了したら、正常に起動するか確認してください。再インストールでエラーが解決しない場合は、次の対処に進んでください。

対処7: Microsoft Visual C++ランタイムを再インストールする

Microsoft Visual C++ランタイムが破損していることが原因で、アプリケーションの起動時に0xc0000142のエラーが発生するケースがあります。

そのため、Microsoft Visual C++ランタイムを再インストールすることでエラーが解決する可能性があります。

Microsoft Visual C++ランタイムを再インストールするには、次の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
  2. 右ペインで「プログラムと機能」をクリックします。
  3. アプリケーションの一覧で「Microsoft Visual C++ ~」を右クリックして「アンインストール」を選択します。
    • 複数のバージョンの「Microsoft Visual C++」がある場合は、全てアンインストールします。
    • 再インストールを行うため、インストール済みの「Microsoft Visual C++」のバージョンを控えておいてください。
  4. アンインストールが完了したら、『最新のサポートされるVisual C++のダウンロード - Microsoft』のページにアクセスします。
  5. アンインストールした「Microsoft Visual C++」と同じバージョンのインストーラーをダウンロードします。
  6. インストーラーファイルをダブルクリックして案内に従って全てインストールします。

Microsoft Visual C++ランタイムのインストールが完了したら、再度アプリケーションの起動を試してみてください。

対処8: グラフィックドライバーを更新する

グラフィックドライバーに問題があることが原因で、アプリケーションの起動時に0xc0000142のエラーが発生することがあります。

そのため、グラフィックドライバーを最新のバージョンにアップデートしてエラーが解決しないか確認してください。グラフィックドライバーを更新するには、次の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
  2. 「ディスプレイアダプター」のツリーをクリックして展開します。
  3. 「グラフィックドライバー名」を右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
  4. 「ドライバーを自動的に検索」をクリックします。
  5. 最新のドライバーが自動的に検索されてインストールされます。

グラフィックドライバーを最新に更新できたら、PCを再起動してからアプリケーションが正常に起動するか確認してください。

対処9: コマンドプロンプトでDLLを再登録する

Windowsのシステムフォルダ内のDLLを再登録することで、0xc0000142のエラーが解決する可能性があります。

システムフォルダ内のDLLを再登録するには、次の手順でコマンドプロンプトで操作します。

  1. 「Windowsマーク」をクリックして「cmd」と入力します。
  2. 検索結果の一覧で「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
  3. コマンドプロンプトに次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
    for %i in (%windir%\system32\*.dll) do regsvr32.exe/s %i
  4. コマンドが実行できたら、続けて次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
    for %i in (%windir%\system32\*.ocx) do regsvr32.exe/s %i
  5. コマンドの実行が完了したらPCを再起動します。

PCが再起動できたら、アプリケーションが起動できるようになったか確認してください。

対処10: システムファイルを修復する

システムファイルのDLLが破損/欠損していることが原因で、0xc0000142のエラーが発生しているケースが考えられます。

そのため、システムファイルの修復を実行してエラーが解決できないか試してみてください。システムファイルの修復は以下の手順で操作します。

  1. 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を起動します。
  2. 次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
    DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
  3. コマンドの処理が完了するまでしばらく待ちます。
  4. 続いて次のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
    sfc /scannow
  5. 検証と修復のプロセスが完了したらWindows PowerShellを終了して完了です。

システムファイルの修復が完了したらPCを再起動してください。再起動後アプリケーションが正常に起動できるか確認してください。

対処11: ユーザープロファイルを修復する

Windowsアカウントのユーザープロファイルの破損が原因で、0xc0000142のエラーが発生することがMicrosoftコミュニティに報告されています。

そのため、ユーザープロファイルを修復することでアプリケーションが正常に起動できる可能性があります。

ユーザープロファイルを修復する方法については、次のページを参考にしてください。

プロファイルの修復が困難な場合は、新しいアカウントを作成することをおすすめします。アカウントを作成した場合は、アカウントにサインインしてアプリケーションの起動を試してください。

コメント

  1. sagarifujitk より:

    有難う御座いました。対処11に挑戦してみます。

  2. 寿司 より:

    ありがとうございます。
    大変助かりました!

  3. やな より:

    対処1で解決できました!本当にありがとうございます!

  4. ささ より:

    対処3で解決しました!ありがとうございました。

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