macOSでアプリをインストールしたり開こうとすると、「開発元を検証できないため開けません」や「AppStoreからダウンロードされたものでないため開けません」のエラーが表示されるケースがあります。
この開発元の未検証エラーが出るアプリは、デフォルトの設定ではアプリを開いたりインストールすることができません。
本記事では、Macで「開発元を検証できないため開けません」エラーが出た時の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
「開発元を検証できないため開けません」エラーの原因
macOSには、アプリのインストールや起動を制限する「ゲートキーパー」というセキュリティ機能が搭載されています。この機能は、ユーザーが意図せずMacにマルウェアなどの悪意のあるアプリをインストールしないために実装されています。
「開発元を検証できないため開けません」や「AppStoreからダウンロードされたものでないため開けません」の警告エラーは、Appleによって署名されていない非正規のアプリを開こうとした際に表示されます。このエラーは、インターネットからダウンロードしたサードパーティのアプリを開く際に発生します。
エラーが出るアプリを使用またはインストールするには、署名された最新バージョンのアプリを探すか、アプリをセキュリティの例外として登録する必要があります。具体的な対処方法について紹介していきます。
対処1: AppStoreからアプリをダウンロードする
古いバージョンのアプリをインストールしようとしていることが原因で、「開発元を検証できないため開けません」エラーが発生するケースが考えられます。
インターネット経由でダウンロードしたアプリはバージョンが古い場合があるため、AppStoreで最新版が提供されていないか探してみてください。
AppStoreでアプリの最新バージョンが提供されている場合は、アプリを正常にインストールできるか試してみてください。AppStoreからアプリをインストールするには、以下の手順で操作します。
- Launchpadを開いて「AppStore」を起動します。
- または、Finderで「アプリケーション」フォルダを開いて「AppStore」をダブルクリックして起動します。
- 左上の検索ボックスに「アプリ名」を入力してEnterキーを押します。
- 検索結果でアプリを探して「入手」をクリックします。
AppStoreに最新バージョンのアプリが存在しない場合は、次の対処に進んでください。
対処2: セキュリティ設定の例外に登録して開く
「開発元を検証できないため開けません」エラーが発生するアプリをセキュリティ設定の例外に登録することで、正常にインストールして開くことができます。
ただし、アプリをセキュリティの例外として登録するため、確実に信用できるアプリであることを確認してください。
アプリが信用できる開発元から提供されている場合は、以下の手順でセキュリティ設定の例外に登録して開くことができます。
- Finderでアプリまたはインストーラーを探します。
- 「Control」キーを押しながらアプリをクリックし、「開く」を選択します。
- 確認ポップアップが表示されたら「開く」をクリックします。
以上の手順で、アプリまたはインストーラーをセキュリティ設定の例外に登録して開くことができます。
対処3: セキュリティとプライバシー設定を変更する
Macのセキュリティとプライバシー設定を変更することで、「開発元を検証できないため開けません」エラーが出るアプリをインストールすることができます。
ただし、この方法もアプリをセキュリティの例外としてインストールするため、確実に信用できるアプリであることを確認してから行なってください。
セキュリティとプライバシー設定を変更してアプリをインストールするには、以下の手順で操作します。
- 「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「セキュリティとプライバシー」をクリックします。
- 「一般」タブを開いていることを確認して、左下の「鍵アイコン」をクリックします。
- 「TouchID」または「パスワード」を入力してロックを解除します。
- 「ダウンロードしたアプリケーションの実行許可:」の項目で、「AppStoreと確認済みの開発元からアプリケーションを許可」を選択します。
- 左下の「鍵アイコン」をクリックしてロックを掛けます。
- セキュリティとプライバシーのウィンドウを開いたまま、Finderでアプリのインストーラーを開きます。
- セキュリティとプライバシーに表示される「このまま開く」ボタンをクリックします。
以上の手順で、アプリをセキュリティの例外としてインストールすることができます。アプリをインストールできたら、正常に開けるか確認してください。
対処4: Safari経由でアプリをダウンロードする
ChromeやFirefoxなどのサードパーティのブラウザを使用してアプリをダウンロードすると、「開発元を検証できないため開けません」エラーが発生するケースがあります。
そのため、Macの標準ブラウザであるSafariでアプリをダウンロードし直することで、エラーが解決する場合があります。具体的な手順は以下の通りです。
- サードパーティのブラウザでダウンロードしたアプリを削除します。
- 「Appleマーク」→「再起動」を選択して、Macを再起動します。
- Safariを起動してアプリをダウンロードし直します。
Safariでアプリをダウンロードできたら、アプリを開いて正常にインストールできるか確認してください。
対処5: インターネットに接続する
Macのインターネット接続に問題が起きていると、アプリをインストールしたり開く際に「開発元を検証できないため開けません」エラーが出る場合があります。
そのため、Macがインターネットに正常に接続できていることを確認してください。インターネット接続に問題がある場合は、以下の方法を試してみてください。
- Macを再起動する
- Wi-Fiの電波が良好な場所に移動する
- ルーターを再起動する
Macのインターネット接続の問題を解決できたら、再度アプリをインストールまたは開けるようになったか確認してください。
対処6: 代替アプリを使用する
新しいバージョンが提供されていないアプリで「開発元を検証できないため開けません」エラーが出ている場合は、代替アプリを使用することも検討してください。
AppStore経由で提供されているアプリはAppleの審査を通過しているため、マルウェアなどの危険性がインターネットから入手するアプリに比べて圧倒的に低いです。
特に開発元が信頼できるか不明なアプリでエラーが出ている場合は、無理に開かずAppStoreで代替アプリを探すことをおすすめします。
対処7: ゲートキーパーを無効にする(非推奨)
Macのセキュリティ機能であるゲートキーパーを無効にすることで、「開発元を検証できないため開けません」エラーが出るアプリを開くことができます。
ただし、ゲートキーパーを無効にすると全てのアプリがインストールおよび開ける状態になってしまうため、セキュリティのリスクが増す点に注意してください。
Macのゲートキーパーを無効にするには、以下の手順で操作します。
- Finderを開いて、「アプリケーション」→「ユーティリティ」フォルダを開きます。
- 「ターミナル」をダブルクリックして開きます。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
sudo spctl --master-disable
- 補足: 上記のコマンドで変更した設定は、以下のコマンドで元に戻すことができます。
sudo spctl --master-enable
- 補足: 上記のコマンドで変更した設定は、以下のコマンドで元に戻すことができます。
- Macのパスワードを入力してEnterキーを押します。
- ターミナルを閉じて、「Appleマーク」をクリックして「システム環境設定」を選択します。
- 「セキュリティとプライバシー」をクリックします。
- 「一般」タブを開いていることを確認して、左下の「鍵アイコン」をクリックします。
- 「TouchID」または「パスワード」を入力してロックを解除します。
- 「ダウンロードしたアプリケーションの実行許可:」の項目で、「すべてのアプリケーションを許可」を選択します。
- 左下の「鍵アイコン」をクリックしてロックを掛けます。
以上の手順で、Macのゲートキーパーを無効にすることができます。設定を変更できたら、アプリを開いてエラーが表示されなくなったことを確認してください。