Creators Update等のWindowsアップデートを行うと、画面がぼやけてディスプレイの解像度の設定が変わってしまうことがあります。
そんな時にWindowsの解像度設定を変更しようとしても、画面サイズに合う解像度がなかったり、グレーアウトしていて解像度を変更できず悩まれている方は多いと思います。
また、ディスプレイの最大解像度を設定しようとしても、希望の解像度が選択できないケースもあります。
本記事では、Windows10のディスプレイ解像度が変更できない時の原因と対処法を紹介します。
この記事の内容
ディスプレイ解像度の変更手順
まずWindows10でディスプレイ解像度を変更する基本手順をおさらいします。ディスプレイの解像度を変更するには以下の手順で操作します。
- デスクトップのなにもないところを右クリックして右クリックメニューを表示します。そしてメニューの中から「ディスプレイの設定」をクリックします。
- 「設定」ウィンドウが表示されます。
- 右ペインの「解像度」のセレクトボックスをクリックして変更したい解像度を選択します。
- 複数のディスプレイを使用している場合は、ディスプレイの配置で「対象のディスプレイ(「1」「2」など)」を選択してから変更してください。
- 画面を確認し、問題なく解像度が変更されていれば「変更の維持」ボタンをクリックします。
解像度が変更できない原因
通常であれば上記の変更手順で解像度を変更できるはずですが、解像度のセレクトボックスがグレーアウトしてしまっり、本来あるはずの解像度が選択できない状態になってしまうトラブルがあるようです。
解像度を変更できない原因としては次が考えられます。
- グラフィックボードがディスプレイの解像度に対応していない・・・ディスプレイの最大解像度を使用できるグラフィックボードを搭載していないことが考えられます。
- ディスプレイケーブルが解像度に対応していない・・・ディスプレイケーブルの最大解像度は規格によって異なります。
- ディスプレイ(グラフィック)ドライバーに異常がある・・・
『ディスプレイドライバーの更新』と『ディスプレイドライバーの再インストール』を行います。 - モニターの認識に問題がある・・・
モニターの接続に問題が起きており、認識ができていない場合は接続をリセットしてみます。 - OSのバグ・不具合・・・
Windowsが最新の状態になっているかアップデートをチェックします。
解像度が選べない、変更しても画面が正しく表示されないという場合にはこれから紹介する対処法をお試しください。
対処1: グラフィックボードの最大解像度を確認する
最近のほとんどのPCのグラフィックボードでは、フルHD(1920×1080)までの解像度に対応しています。
しかし、4KなどのフルHD以上の解像度のディスプレイを使用する場合、PCに搭載しているグラフィックボードがディスプレイの最大解像度に対応していないと、ディスプレイの最大解像度を選択することができません。
そのため、ディスプレイの最大解像度に設定を変更できない場合は、PCに搭載しているグラフィックボードを確認して、ディスプレイの最大解像度に対応していないか調べてみてください。
搭載しているグラフィックボードが分からない場合は、次の手順でグラフィックボードのモデル名を確認してください。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、右クリックメニューから「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが開いたら、テキスト入力欄に「dxdiag」と入力し、「OK」をクリックします。
- 「DirectX診断ツール」ウィンドウが開きます。
- 「ディスプレイ」タブを開いてチップの種類(グラフィックボード名)を確認します。
グラフィックボードのモデル名が分かったら、PCもしくはグラフィックボードのメーカーページで最大解像度を確認してください。
グラフィックボードがフルHD(1920×1080)以上の解像度に対応していない場合は、対応したグラフィックボードが必要になるため追加を検討してください。
対処2: 使用するディスプレイケーブルの最大解像度を確認する
グラフィックボードがディスプレイの解像度に対応しているのに、最大解像度に変更できない場合は、使用するディスプレイケーブルに問題があることが考えられます。
ディスプレイケーブルが対応する最大解像度は、それぞれ次の通りです。
- D-sub 15pin / DVI-I(アナログ): 2048×1536
- DVI-D(デュアルリンク) / DVI-I(デジタル): 2560×1600
- HDMI(バージョン2.0): 4096×2160
- DisplayPort: 4096×2160
*一部リフレッシュレートを下げると最大解像度を上げれる規格もあります。
使用しいるディスプレイケーブルがディスプレイの最大解像度に対応していない場合は、対応したディスプレイケーブルに変更して解像度設定を変更できないか確認してください。
対処3: ディスプレイのドライバーを更新する
グラフィックボードとディスプレイケーブルの最大解像度に問題がないのに解像度設定が変更できない場合は、ディスプレイドライバーに問題があることが考えられます。
ディスプレイのドライバーが古いと最新のWindowsで不具合が起きるケースがあります。
以下の手順でディスプレイのドライバーを最新の状態に更新します。
ディスプレイドライバーを自動更新する手順
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「デバイスマネージャ」を選択します。
- 「ディスプレイアダプター」の左にある矢印をクリックしてツリーを展開します。
- 「ディスプレイアダプター」の下に表示されたドライバー名を右クリックし、もし右クリックメニューの中に「デバイスを有効にする」の項目があればクリックします。
- ドライバーの更新を行います。もう1度ドライバー名を右クリックし、今度は「ドライバーの更新」をクリックします。
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」をクリックします。
- 自動でドライバーの更新が行われます。しばらく待ち、完了したら再度解像度の変更を試します。
ディスプレイドライバーを手動更新する手順
ディスプレイドライバーの自動検索がうまくいかない時は手動で更新を行います。
- 先ほどと同様にデバイスマネージャ上でディスプレイドライバー名を右クリックし、「ドライバーの更新」をクリックします。
- 「ドライバーの検索方法」画面が表示されたら「コンピュータを参照してドライバーソフトウェアを検索」をクリックします。
- 「コンピュータ上の利用可能なドライバーの一覧から選択します」をクリックします。
- 利用できるドライバーの一覧が表示されます。リストの中から最も新しいものをクリックで選択し、「次へ」をクリックします。
- インストールが始まります。しばらく待つと更新が完了します。
完了したら再度「基本的な解像度の変更手順」の操作で解像度の設定変更を試します。
対処4: ディスプレイドライバーを再インストールする
ディスプレイドライバーの更新を行っても問題が解決しない場合は、グラフィックドライバーの再インストールを試してください。
ディスプレイドライバーを調べる
まずパソコンのグラフィックカードのメーカーを調べます。
メーカー名を調べるには、デスクトップを右クリックして「ディスプレイ設定」を選択後、「ディスプレイの詳細設定」画面でグラフィックカード名を確認してください。
ディスプレイドライバー名からIntel、NVIDIA、AMDのどのメーカーのグラフィックカードか判断します。
グラフィックカードのメーカーによって再インストール手順が異なるので必ずチェックするようにして下さい。
ディスプレイドライバーをダウンロードする
グラフィックカードのメーカーサイトから最新のドライバーをダウンロードします。
また、パソコンメーカーの製品ページにも、グラフィックカード名やドライバーのダウンロード先が記載されている場合もあります。
ディスプレイドライバーをアンインストールする
続いてディスプレイドライバーのアンインストールを行います。
ディスプレイドライバーのアンインストール手順は次のとおりです。
- 「スタート」を開いて「設定(ギア)」マークをクリックします。
- 「アプリ」をクリックして一覧から「Intel/NVIDIA/AMDいずれか」のグラフィックドライバーを探します。
- ドライバーが見つかったら「アンインストール」→「アンインストール」を選択します。
- メッセージに従ってアンインストールを完了します。
アプリ一覧にディスプレイドライバーがない場合は?
環境によってはアプリの一覧にディスプレイドライバーが見つからない場合があります。
もし見つからない場合は、以下の手順でデバイスマネージャーから直接ディスプレイドライバーをアンインストールしましょう。
ディスプレイドライバーを直接アンインストールすると、画面が映らない等のトラブルが起きるケースもあるので、念のためシステムの復元ポイントを作成しておくことをおすすめします。
- 「スタート」を右クリック→「デバイスマネージャー」を起動します。
- 「ディスプレイアダプター」を開いて「Intel/NVIDIA/AMDいずれか」のグラフィックドライバーを探します。
- グラフィックドライバーを右クリックして「デバイスのアンインストール」をクリックします。
- 「このデバイスのドライバー ソフトウェアを削除します。」にチェックを入れて「アンインストール」をクリックします。
- ディスプレイドライバーのアンインストールが完了します。
- ドライバーのアンインストールが終わったらパソコンを再起動します。起動後はまだ適切な解像度を選択できません。
- ドライバーをアンインストールした時点で画面が真っ暗になった場合は、電源スイッチを1回だけ押して(長押ししない)Windowsを終了→パソコンの処理ランプが止まったら再度電源を入れて下さい。
*上記の方法で、画面が映らなくなった場合は、セーフモードでパソコンを起動してシステムを復元しましょう。
再起動が完了すると、Windowsの汎用ドライバーが自動でインストールされます。
ディスプレイドライバーをインストールする
最後に先程ダウンロードしたディスプレイドライバーをインストールします。
- [ダウンロードしたセットアップファイル]を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。
- 画面の指示に従いドライバーのインストールを行います。
インストール完了後はパソコンを再起動して、画面の解像度が変更できないか試してみましょう。
互換モードでインストールする
ドライバーがWinows10に対応していないような場合は、互換モードでインストールすることで動作するケースがあります。
もし、Windows10へアップデート後に画面を変更できなくなった場合は、互換モードでドライバーをインストールすることをおすすめします。
互換モードでドライバーをインストールするには以下の手順に従って下さい。
- ドライバーをインストールしたらセットアップファイルを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「互換性」タブを選択します。
- 「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックをいれます。
- ドロップダウンリストからWindows 7またはWindows 8を選択します。
- 「適用」をクリックした後、「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。
- セットアップファイルを右クリックし、「管理者として実行」を選択します。
- 画面の指示に従いドライバーのインストールを行います。
対処5: 専用設定アプリで設定を確認する
NVIDIA、AMDのグラフィックカードは専用の設定アプリが用意されています。
ディスプレイの解像度設定は、専用アプリの設定から変更できる場合があります。そのため、専用アプリの設定で希望の解像度に変更できないか確認してみてください。
操作はグラフィックカードの種類により異なりますので、グラフィックカードやパソコンのメーカーサイト等を参考に設定の調整を行ってください。
対処6: モニターのケーブルを挿し直す
デスクトップパソコンをお使いの場合は1度パソコンの電源を切り、モニターを接続し直してみてください。
ノートパソコンの場合でもパソコンの再起動で問題が解決できることがあります。
対処7: Windows OSを最新のバージョンに更新する
Windows10自体にバグがあり、設定の項目がおかしくなることが稀にあります。
Windows Updateの更新をチェックして、あれば最新版にアップデートします。
- 「スタート」ボタンをクリックし、歯車アイコンをクリックします。
- 「設定」ウィンドウが開きます。「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 「Windows Update」画面が開きます。「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- 更新プログラムがあれば自動で更新が始まります。
Windowsの更新が完了するとパソコンが再起動します。再起動後、解像度の変更ができるようになっていないか確認しましょう。