macOSのクリップボード機能で歯がゆいのが、複数のコピー履歴を残せないこと。そんな時に便利なのが、オープンソースのクリップボード拡張アプリ「Clipy」です。
Clipyは、動作が軽くてシンプルな操作でクリップボードを管理できるのでおすすめです。
今回は、Macのクリップボード拡張ツール「Clipy」の基本的な使い方について解説します。
この記事の内容
「Clipy」でできること
クリップボードの拡張ツール「Clipy」で、できることは大きく2つです。
- 複数のクリップボードの履歴を残しておける機能
- スニペットという定型文を登録できる機能
使い方などは後述していますので、まずは具体的にどんな機能か説明します。
クリップボードの履歴が残る
クリップボードの履歴が「Clipy」のメイン機能になります。Clipyをインストールすると、コピーした履歴が残り、過去の履歴を選択して貼り付けることができます。
通常のコピーはクリップボードに保持できるのは1つだけで、新しくコピーすると古いデータは上書きされ消えてしまいます。
それが「Clipy」を使うことで、設定数(10や20、100など設定している任意の数)の分だけクリップボードの履歴を残しておけるようになります。
定型文を登録できる機能
あらかじめよく使う定型文を登録しておける機能です。登録した定型文は、簡単に貼り付けることができます。メインの機能ほど使う機会は多くはないかもしれませんが、あると便利な機能です。
メールの挨拶文や資料の雛形などを登録しておき、それをベースに実際の内容を書いていくというやり方できますので、使いこなせると大きな効率化に繋がります。
ダウンロードとインストール
では実際に「Clipy」をダウンロードしてから、インストールするまでのやり方を説明します。
- 『Clipyの公式サイト』にアクセスし、「Download」ボタンを押してください。この時、対象のOSバージョンに注意しましょう。
- 使用しているパソコンのOSバージョンが分からない時は、画面左上の「Appleロゴ」 → 「このMacについて」を見ると確認できます。
- ダウンロードが完了したら、Finderのダウンロードフォルダを確認してダウンロードしたファイルを開きます。
- 以下のウィンドウが表示されるので、左にあるClipyアイコンを右のアプリケーションフォルダにドラッグすると自動でインストールされます。
- Finderで「アプリケーション」フォルダを開いてClipyを起動します。
- 「Launchpad」からでも起動できます。
- 開こうとすると、「“Clipy.app”はインターネットからダウンロードされたアプリケーションです。開いてもよろしいですか?」ときかれますで、「開く」を選びましょう。
- App Store以外でダウンロードしたアプリケーション起動時に必ず表示される注意画面です。
- 次に、「システム起動時にClipyを起動しますか?」と聞かれるので、「起動する」を選択しましょう。
- ここで「起動しない」を選択すると、Clipyを使用する際にアプリケーションから起動する作業が毎回必要となり、少々面倒くさいです。
- 「Clipyは、アクセシビリティ機能を使用してこのコンピュータを制御することを求めています。」のメッセージが表示された場合は、「システム環境設定を開く」をクリックして、カギを解除→「Clipy」にチェックを入れましょう。
- 画面上のメニューバーにアイコンが表示されると、無事にイントール完了です。
「Clipy」のおすすめ初期設定
インストールが完了したら初期設定を確認しておきましょう。
- メニューバーから「環境設定」を選択します。
- 設定のウィンドウが立ち上がります。「一般」タブで次の2項目のチェックを入れます。
- 「ログイン時に起動」…
macOSログイン時に自動でClipyが起動します。 - 「メニュー項目選択後にCommand+Vを入力」…
履歴から貼り付ける際、履歴を選択後に貼り付け操作をする必要がありますが、この項目にチェックを入れると自動で貼り付けられます。
- 「ログイン時に起動」…
- 「メニュー」タブを選択して「重複した履歴を上書きする」にチェックを入れます。
- この項目にチェックを入れないと、同じ内容のクリップボードが複数履歴として残ります。
- 「対応形式」タブを選択して、全ての項目にチェックが入っていることを確認しましょう。
- Clipyが対応するクリップボードのデータ形式の指定です。
- 次に「ショートカット」タブを選択して、「履歴」のショートカットキーを好きなキーに設定しましょう。初期設定では[Control] + [Command] + [V]になっているので、変更しない方はそのままでOKです。
- ショートカットとは、登録したキーを押すことで、特定のコマンドを簡単に実行する機能です。
「Clipy」の使い方
最後に「Clipy」の基本的な使い方について説明します。
基本的な使い方は、Macのコピーペーストの操作と同じですが、クリップボードの履歴を確認できるようになります。
- コピーしたい文章などを「コピー」して、クリップボードに記憶します。
- 貼り付けしたい場所にカーソルを持っていき、「貼り付け」の代わりに先ほど設定した「履歴」のショートカットキーを推します。
- 履歴が表示されるので、[貼り付けたいデータ]を選択すると貼り付けができます。
- 履歴に複数の項目が保持されている時に、「貼り付け」を行うと最新のものが貼り付けされます。この時「コピー」を行わなくても、「履歴」から貼り付けを行うと貼り付けたものが最新のものになる点に注意しましょう。
定型文の登録の仕方
Clipyで定型文を登録するには、次の手順で操作します。
- 画面上の「Clipy」アイコンをクリックして、メニューから「スニペットを編集」を選択します。
- スニペット編集画面が立ち上がるので、「フォルダを追加」してその中に「スニペットを追加」していきます。
- この時、フォルダにショートカット設定しておくと「履歴」同様に簡単に登録した定型文を貼り付けることができます。
登録した定型文は、スニペットのショートカットキー、もしくは「Clipy」アイコン→「スニペット」から貼り付けることができます。
「Clipy」の使い方まとめ
- 「Clipy」には、「複数の項目をクリップボードに残しておける機能」と、「定型文を登録できる機能」がある。
- 「複数の項目をクリップボードに残しておける機能」は、ショートカットキーを登録してコピペと同じような使い方ができる。
- 「複数の項目をクリップボードに残しておける機能」は、最新のものが更新されていくので「貼り付け」する時には注意する。
- 「定型文を登録できる機能」は、あらかじめ登録した定型文を簡単に貼り付けできる。
Clipyは、MacbookやiMacなどMac環境を仕事や日常的に使う方にはとてもお勧めのツールなので、ぜひ一度使ってみて下さいね。