iPhoneをバックアップする手段の1つにiTunesを利用する方法があります。大量のデータを保存する際に適していますが、保存したデータを復元する時、エラーが出て復元できないケースがあります。
本記事では、iTunesでiPhoneをバックアップから復元できない時の対処法を紹介します。
復元に使用するPCは、Windows、Mac両方を想定した内容になっています。
この記事の内容
対処1: 使用している端末を再起動する
使用しているPCとiPhoneの動作が不安定になっており、iTunesからの復元ができないケースがあります。
そのため動作を安定させるために、まず使用している各端末を再起動させて下さい。
- iPhone: モデルによって再起動の手順が変わるので、『iPhone を再起動する - Apple』のページをご参照ください。
- Windows: スタートメニューから電源マークを選択し、表示された項目から「再起動」を選択します。
- Mac: 「Appleマーク」をクリックして「システム終了」→「再起動」を選択します。
再起動が完了したら、再度iPhoneとPCを接続してバックアップの復元ができないか試して下さい。
対処2: iTunesを最新のバージョンにする
iTunesが最新のバージョンでないとバックアップの復元時にエラーが発生するケースがあります。
PCのiTunesが最新になっているか確認して、古いバージョンの場合は最新版に更新して下さい。
iTunesのアップデート方法については、以下のページをご参照ください。
対処3: OSを最新にアップデートする
iPhoneとPC(Windows/Mac)のOSのバージョンが古いと、正常に復元ができない場合があります。
特に復元先のiPhoneのiOSのバージョンがバックアップよりも古いと、復元ができないケースが多いです。
また、WindowsやMacのOSのバージョンが古いとiTunesの動作に問題が出る場合があるため、念のため最新にしておくことをおすすめします。
各端末のOSのアップデート方法については、以下のページをご参照ください。
対処4: iOSを更新してバックアップを再作成する
バックアップを作成したiPhoneのiOSのバージョンが古すぎる場合も、次のエラーが表示され復元が失敗してしまいます。
「このiPhoneのソフトウェアが古すぎるため、バックアップ"○○"はこのiPhoneの復元には使用できません」
上記のエラーを解消するには、復元もとのiPhoneのiOSを最新バージョンに更新してから再度バックアップを作成する必要があります。
最新のiOSにアップデートした状態でiPhoneのバックアップを作成するには、次の手順で操作します。
- 復元もとのiPhoneのiOSを最新バージョンに更新します。
- iOSの更新は、「設定」アプリ→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」からできます。
- 「お使いのソフトウェアは最新です。」の表示が出るまでアップデートを行って下さい。
- 復元もとのiPhoneをiTunesと接続してバックアップを作成します。
- バックアップの作成方法は、『iPhone、iPad、iPod touch をバックアップする方法 - Apple』を参考にして下さい。
最新のiOSの状態でバックアップが作成できたら、復元先のiPhoneでiOSの最新とリセットを行います。
- 復元先のiPhoneの初期設定時、「Appとデータ」の画面で「新しいiPhoneとして設定」を選択し、iOSを最新の状態に更新しておきます。
- 復元先のiPhoneで「設定」アプリ→「一般」→「リセット」を開きます。
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップして、iPhoneをリセットします。
- iPhoneのリセットは必須ではありません。しかし、復元できないその他の原因を取り除くために、念のためリセットすることをおすすめします。
以上の手順で、バックアップと復元先のiOSバージョンが揃います。バージョンが揃ったら、改めて作成したバックアップからiPhoneの復元を試してみて下さい。
対処5: Lightningケーブルを交換する
iPhoneとPCを接続するLightningケーブルが断線しているか破損していると復元ができません。
特にサードパーティのケーブルは、耐久テストが実施されていない場合も多く、内部のケーブルが数ヶ月で断線してしまうケースもあります。
ケーブルの劣化が疑われる場合は、Apple純正のケーブルか、MFi認定されたケーブルに交換することで正常に復元できる可能性があります。
iTunesでデータの復元を行う際は、できるだけ新しいApple純正のLightningケーブルを使うことをおすすめします。
対処6: 接続しているUSBポートを確認する
iPhoneを接続しているPCのUSBポートに次の問題があり、復元が失敗することがあります。
- USBポート自体が破損している
- 復元の処理に必要な電力がUSBポートから供給できていない
上記の問題を回避するためにも、別のUSBポートや別のPCのUSBポートを使ってiPhoneを復元ができないか試してみて下さい。
対処7: 「iPhoneを探す」設定を無効にする
復元先のiPhoneの「iPhoneを探す」の設定が有効になっていると、iTunesでiPhoneを復元することができません。
そのため復元時は「iPhoneを探す」の設定を無効にした状態で、復元を試して下さい。
「iPhoneを探す」を無効にするには、次の手順で操作します。
- 「設定」アプリを開きます。
- 一番上の「自分の名前(AppleID)」をタップします。
- 「探す」をタップします。
- 「iPhoneを探す」のスイッチを「オフ」にします。
- AppleIDのパスワードを入力して「オフにする」をタップします。
対処8: iPhoneの空き容量を確保する
iPhoneの復元を行う際に、iTunesで「iPhoneで十分な空き領域が使用できないため、iPhoneを復元できませんでした」というエラーが発生する場合があります。
上記のエラーは、バックアップのデータ量が復元先のiPhoneの空き容量を上回ったため、復元できない時に発生するエラーです。
特に、大きいストレージ容量のiPhoneから容量の少ないiPhoneに機種変更をした際に出るケースが多いです。
容量の問題を解消するには、復元もとのiPhoneで不要なデータやアプリの削除を行ってから改めてバックアップを取り、再度復元を行う必要があります。
iPhoneのストレージの使用量を減らす方法は、次のページで詳しく解説しています。
また作成したiPhoneのバックアップデータは、PC内の「Backup」フォルダに保存されます。このフォルダの情報をPCから見ることで、バックアップデータのサイズを確認することができます。
「Backup」フォルダは次のファイルパスの場所にあります。
- Windowsの場合
C:\Users\(ユーザ名)\AppData\Roaming\Apple Computer\MobileSync\Backup\
- 「Backup」フォルダを右クリック→「プロパティ」から確認できます。
- Macの場合
~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/
- 「Backup」フォルダを右クリック→「情報を見る」→「一般情報のサイズ」から確認できます。
フォルダのサイズと復元先のiPhoneのストレージを確認して、保存するデータサイズを調整してから復元を行って下さい。
対処9: エラー番号から原因を特定する
iPhoneの復元が失敗した時に表示される「エラー内容と番号」を確認することで、復元できない原因を特定できる場合があります。
次のApple公式ページで、表示されたエラーの内容・番号の詳細な内容を調べることができます。
上記のページと照らし合わせて、Appleから案内されている対処がないか確認してみて下さい。
対処10: リカバリーモードで復元する
すべての対処法を実践しても復元できない場合は、復元先のiPhoneをリカバリーモードで復元してみて下さい。
リカバリーモードは強制的に初期化を行う方法なので、必ず事前にバックアップを確実に取ってから行ってください。
リカバリーモードで復元する方法については、次ページを参考にして下さい。
復元先のiPhoneをリカバリーモードで復元できたら、再度のバックアップから復元を試して下さい。
対処11: iCloudを使って復元する
iPhoneの復元は、iCloud経由のバックアップから復元することもできます。
そのため、iTunesでどうやっても復元ができない場合は、iCloudによる復元を試してみて下さい。
iCloudバックアップからiPhoneを復元する手順は、次のApple公式ページを参考にして下さい。
iCloudによる復元が失敗する場合は、『iCloudバックアップが失敗・できない時の対処法 – iPhone/iPad』を参考にして下さい。