Windows 10のアップデートが行われた場合や、Windows 7/8.1などからWindows 10にアップグレードした際に、停止コード「Inaccessible Boot Device」というBSOD(ブルースクリーン)エラーが発生することがあります。
特にPC起動時にエラーが発生するとWindows 10が起動できなくなるため、困ってしまう方も多いと思います。
この記事では、Windows10のPCで「Inaccessible Boot Device」のエラーが発生した時の対処法を紹介します。
この記事の内容
「Inaccessible Boot Device」エラーの原因
「Inaccessible Boot Device」のBSODエラーは、Windows10がブートデバイスにアクセスできなくなったり、ブートプロセス中にアクセスが失われた場合に発生します。
このBSODエラーが発生するタイミングとしては、PC起動時とWindowsの起動中に発生するケースがあります。
エラーが発生する原因として、主に次のことが考えられます。
- Windows 10のアップデートファイルにバグがあった
- ブートデバイスへのアクセスが不安定になっている(物理的な破損も含む)
- デバイスドライバにエラーや不具合が発生している
上記のようにWindowsアップデートか、ハードディスク関連の問題が原因となります。
原因ごとの対処方法を紹介していくので、順に対処を行ってBSODエラーが解決できないか試して下さい。
対処1: Windowsの更新パッケージをアンインストールする
Windowsのアップデートを行った直後にエラーが発生するようになった場合は、更新パッケージに問題があることが考えられます。
そのため、最後にインストールした更新パッケージをアンインストールすると解決できる可能性があります。
PC起動時に毎回エラーが発生して起動できない場合は、次の手順で更新パッケージをアンインストールします。
- Windows回復環境を起動します。
- Windows回復環境の起動方法は、『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法4つ』を参考にして下さい。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」の順にクリックします。
- コマンドプロンプトが起動したら次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
dism /image:C:\ /get-packages
- 日付を確認して最後にインストールした「更新パッケージのID」を控えます。
- 以下のコマンドを入力して更新パッケージをアンインストールします。
dism.exe /image:c:\ /remove-package /PackageName:パッケージID
- パッケージIDには、先程確認した「更新パッケージのID」を入力して下さい。
- 「操作は正常に完了しました」と表示されれば、アンインストールは完了です。
- 「Y」キーを入力してPCを再起動します。
PCを再起動して正常に起動したら、アンインストールしたパッケージが原因だったと考えられます。
上記の手順を行っても修正されない場合は、次に進みましょう。
対処2: ドライブの物理的な接続状況を確認する
マザーボードとブートデバイス(SSDやHDD)の接続に問題があり、Inaccessible Boot Deviceエラーが発生することがあります。
接続の問題はケーブルの接続不良だけでなく、端子の故障も考えられます。
そのため、まずPCケースのフタを開けて、PC内のシステムドライブとして利用しているSSDやHDDのマザーボードとの接続状況を確認します。
- SATAケーブルで接続するタイプの場合
- SSD/HDD側のSATA端子とマザーボード側のSATA端子を接続し直して下さい。
- 端子やケーブルが故障していることも考えられるため、別のSATAケーブルを利用して、別の端子に接続し直してみることをおすすめします。
- PCI-ExpressやM.2接続のSSDを使っている場合
- SSDをスロットから抜いて再度接続し直して下さい。
- マザーボードのスロットにしっかり置くまで接続できているか確認して下さい。
接続状況に問題がないことを確認したら、電源を投入してエラーが発生するかをチェックしましょう。引き続きエラーが発生する場合は次に進みます。
対処3: インストールを保留している更新パッケージを削除する
保留中の更新パッケージがInaccessible Boot Deviceエラーの原因になっていることがあります。
これから紹介する方法でチェックし、一度保留中の更新パッケージを削除してみましょう。
- Windows回復環境を起動します。
- Windows回復環境の起動方法は、『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法4つ』を参考にして下さい。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」の順にクリックします。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
reg load HKLM\temp c:\windows\system32\config\software reg delete "HKLM\temp\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Component Based Servicing\SessionsPending"/v Exclusive reg unload HKLM\temp
- 続いて以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
dism /image:C:\ /get-packages
- 表示されるリストからステータスが「保留中」になっている更新パッケージをチェックし、IDをメモします。
- 以下のコマンドを利用して保留中の更新パッケージを削除します。
dism.exe /image:c:\ /remove-package /PackageName:パッケージID
- 「操作は正常に完了しました」と表示されれば、アンインストールは完了です。
- 再起動の確認メッセージが出たら「N」キーを押して、保留中の更新パッケージが全て削除できるまで操作を繰り返します。
- 全て削除できたら「Y」キーを入力してPCを再起動します。
PCを再起動してBSoDエラーが解決しているか、再発しないかを確認して下さい。上記の手順を試しても解決しない場合は次に進みます。
対処4: チェックディスクを実行する
ドライブのファイルシステムに問題があり、BSODエラーが発生しているケースが考えられます。
Windowsにはドライブのファイルシステムのエラーを修復できるチェックディスクというツールが搭載されています。
ドライブのエラーによってInaccessible Boot Deviceが発生することがあるため、一度これを実行してみましょう。具体的な手順は次の通りです。
- Windows回復環境を起動します。
- Windows回復環境の起動方法は、『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法4つ』を参考にして下さい。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」の順にクリックします。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
chkdsk c: /r
- 表示される指示にしたがってプロセスを進めます。
チェックディスクには長時間かかることがあるため、時間に余裕を持って行いましょう。ドライブの状態によっては数時間~1日程度かかる可能性があります。
チェックディスクが完了したら正常に起動するかどうかを確認しましょう。
対処5: ブート領域を再構築する
PCのブート領域が破損しており、PC起動時にBSODエラーが発生するケースがあります。
次の手順でブート領域の再構築を試して、問題が解決しないか確認して下さい。
- Windows回復環境を起動します。
- Windows回復環境の起動方法は、『Windows10が起動しない時の回復環境(Windows RE)の実行方法4つ』を参考にして下さい。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」の順にクリックします。
- 次のコマンドを一行ずつ入力してEnterキーを押します。
bootrec /fixmbr bootrec /fixboot bootrec /rebuildbcd
- 全てのコマンドを実行できたら、コマンドプロンプトを閉じてPCを再起動します。
PCが起動できたら、BSODエラーが解決したか確認して下さい。
対処6: SATAコントローラモードを「AHCI」に変更する
UEFI/BIOS上で設定するSATAコントローラモードが「IDE」に設定されている場合にエラーが発生することがあります。
SATAコントローラモードは、デフォルトで「AHCI」になっている項目です。しかし、何らかの理由で「IDE」モードになっているケースがあります。
そのため、UEFI/BIOSでSATAコントローラモードも確認して「AHCI」に変更することでBSoDエラーが解決する可能性があります。具体的な手順は次の通りです。
- 電源ボタンを押してPCを起動します。
- PCの起動画面で「UEFI/BIOS起動キー」を押してUEFI/BIOSを起動します。
- 起動キーはマザーボードによって異なることがあるため、正確なキーはマニュアルで確認してください。
- UEFI画面に表示されている「Advanced」をクリックします。
- 「SATA Configuration」をクリックします。
- 「SATA Mode Selection」を「AHCI」に変更します。
- 保存して終了し、再起動します。
対処7: ドライバーを再インストールする
AHCIコントローラーのドライバーが破損しており、BSODエラーが発生するケースがあります。
Windowsが一時的に起動できる場合は、AHCIコントローラードライバーの更新を試して下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「IDE ATA/ATAPIコントローラー」のツリーを展開します。
- 「標準SATA AHCIコントローラー」を右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」をクリックします。
- ドライバーのアップデートが開始します。
ドライバーの更新が完了したら、BSODエラーが解決したか確認して下さい。
ドライバーが最新だった場合は、次の対処方法に進みます。
対処8: トラブルシューティングツールを実行する
Windowsが起動した後にBSODエラーが発生する場合は、ブルースクリーンのトラブルシューティングツールを実行することで問題を修復できる可能性があります。
ブルースクリーンのトラブルシューティングツールを実行するには、次の手順で操作します。
- ブルースクリーンが出た後にPCを再起動します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」を選択します。
- 左ペインで「トラブルシューティング」をクリックします。
- 右ペインで「その他の問題の検出と解決」の項目にある「ブルースクリーン」をクリックします。
- 「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
- 案内に従ってブルースクリーンの問題を修復します。
BSODエラーの原因が見つかった場合は、自動的に問題が修復されます。問題が修復された場合は、症状が改善したか確認して下さい。
対処9: BIOSを更新する
稀にPCのBIOSが破損していたり、バージョンが古く不具合があることが原因で、BSODエラーが発生するケースがあります。
そのため、PCのBIOSのバージョンを確認して、最新のBIOSにアップデートできないか試して下さい。
PCの最新のBIOSは、メーカーページからダウンロードすることができます。また、現在のBIOSのバージョンは、BIOSの画面から確認することができます。
BIOSの起動方法やアップデート方法は、メーカーのよって異なるため、メーカーのマニュアルページを参考にして下さい。
対処10: Windowsを初期化する
ここまでの対処法を試しても「Inaccessible Boot Device」のBSODエラーが解決しない場合は、Windowsの再インストール・初期化を検討してみてください。
ドライブ内をリセットすることで、BSODエラーが解決できる可能性があります。
ただし、初期化には時間がかかり、Cドライブ内のファイルが全て失われてしまうため、事前にバックアップを取るようにして下さい。
Windowsの初期化手順については、次のページを参考にしてください。
対処11: ハードディスクを交換する
Windowsの初期化を行ってもBSODエラーが解決しない場合は、システムドライブとして利用しているHDD/SSDが物理的に故障していることが考えられます。
そのため、ハードディスクの交換かPCの買い替えを検討して下さい。
ハードディスクの交換は、ソフトウェアを使ってクローンすることで簡単に交換することができます。
5年以上前の古いPCの場合は、ハードディスク以外のハードの劣化も考えられるため、素直に買い替えをすることをおすすめします。
この記事を公開してくださり、ありがとうございました。
BIOSを初期設定に戻したところ、起動しなくなり、困っておりました。
対処6に書かれている通り、SATAコントロールモードがIDEになっていました。AHCIに変更したら、すんなり元通りになりました。