3Dゲームなどの特定のアプリケーションを起動しようとすると、「コンピューターに d3dx9_43.dll がないため、プログラムを開始できません。」というエラーメッセージが出てしまい、アプリが起動できないことがあります。
エラーメッセージには「プログラムを再インストールしてみてください」と表示されるケースが多いですが、実際にはゲームを再インストールしても解決できない場合があります。
本記事では、Windows10で「d3dx9_43.dll」が見つからないエラーが出る時の対処方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
d3dx9_43.dllとは
d3dx9_43.dllは、MicrosoftのDirectXに含まれるDirect3Dのバージョン9の拡張ライブラリです。
DirectX自体はWindows10のパソコンであれば最初からインストールされています。しかし、一部の古い3Dゲームでは、必要なDirectXのランタイムが不足していると、DLLが見つからないエラーが出て動作しないことがあります。
DLLが見つからないエラーを解決するには、d3dx9_43.dllを含むランタイムをインストールする必要があります。
対処1: 必要なエンドユーザーランタイムをインストールする
d3dx9_43.dllは、DirectXエンドユーザーランタイム(June 2010)に含まれています。
そのため、上記のランタイムを手動でインストールすることで、d3dx9_43.dllが見つからないエラーを解決できる可能性が高いです。
DirectXエンドユーザーランタイム(June 2010)をインストールするには、次の手順で操作してください。
- 『DirectX End-User Runtimes (June 2010)』のページから追加ランタイムのダウンロードページを開きます。
- Downloadボタンをクリックしてファイルをダウンロードします。
- ダウンロードした「directx_Jun2010_redist.exe」をダブルクリックして起動します。
- 使用許諾契約内容が表示されます。「Yes」をクリックして先へ進みます。
- 「Browse」ボタンをクリックしてファイルの展開先フォルダを指定して「OK」をクリックして展開を実行します。
- 指定するフォルダは、「デスクトップ」や「Cドライブ直下」等の場所に空フォルダを作り、そこに展開すると後で確認しやすくなります。
- 展開が完了したら指定したフォルダを開いて、「DXSETUP.exe」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- Direct Xセットアップが起動し、使用許諾契約内容が表示されます。「同意します」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。
- インストールが開始します。完了したらセットアップ画面を閉じてください。
DirectXエンドユーザーランタイム(June 2010)のインストールが完了したら、アプリケーションを起動してエラーが解消したか確認します。
対処2: ランタイムのWebインストーラーを実行する
DirectXエンドユーザーランタイム(June 2010)をインストールしても問題が解決しない場合は、Webインストーラーを実行することでエラーが解決する可能性があります。
DirectXエンドユーザーランタイムのWebインストーラーを実行するには、次の手順で操作します。
- 『DirectXエンドユーザーランタイムWebインストーラ』のページにアクセスします。
- 「ダウンロード」ボタンをクリックしてファイルをダウンロードします。
- ダウンロードした「dxwebsetup.exe」を起動します。
- ライセンス条項が表示されます。「同意します」を選択した状態で「次へ」をクリックして進みます。
- Bingバーのインストールオプションが表示されます。不要な場合は「Bingバーをインストールする」のチェックを外して「次へ」をクリックします。
- DirectXコンポーネントのインストールの画面が表示されたら「次へ」をクリックします。
- コンポーネントが自動でダウンロードされて、インストールされます。
- インストールが完了したらセットアップ画面を閉じます。
Webインストーラーを実行してランタイムがインストールできたら、アプリケーションを起動してd3dx9_43.dllのエラーが解決したか確認してください。
対処3: d3dx9_43.dllを手動でコピーする
エンドユーザーランタイムをインストールしてもエラーが出る場合は、d3dx9_43.dllファイルを直接ゲームのインストールフォルダにコピーしてみてください。
d3dx9_43.dllファイルをランタイムからコピーするには、次の手順で操作します。
- DirectXエンドユーザーランタイム(June 2010)をダウンロードして、ファイルを展開します。
- ランタイムのダウンロードから展開までの手順は、『対処1: 必要なエンドユーザーランタイムをインストールする』と同じです。
- フォルダの中から「Jun2010_d3dx9_43_x64.cab」のファイルをダブルクリックして開きます。
- Windowsが32ビット版の場合は「Jun2010_d3dx9_43_x86.cab」のファイルをダブルクリックで開きます。
- 開いたフォルダの中にある「d3dx9_43.dll」を右クリックして「コピー」を選択します。
- エクスプローラーを開いて、「C:\Windows\System32」に移動します。
- System32フォルダ内の何もない場所を右クリックして「貼り付け」を選択して「d3dx9_43.dll」をコピーします。
- パソコンを再起動します。
PCを再起動できたら、アプリケーションを起動してd3dx9_43.dllが見つからないエラーが解決したか確認してください。
対処4: 最新のWindowsUpdateを適用する
インストールされているDirectXのバージョンが古いことが原因で、アプリケーションの起動に問題が起きてd3dx9_43.dllが見つからないエラーが発生するケースが考えられます。
DirectXは、WindowsUpdate経由でアップデートできるため、保留中の更新プログラムがある場合はアップデートを実行してください。
Windows Updateを実行してシステムを最新の状態にするには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- Windowsが最新の状態になったことを確認します。
- 「再起動」や「ダウンロード」のボタンが表示されている場合は、クリックして更新プログラムを適用してください。
WindowsUpdateを実行してシステムを最新の状態にできたら、再度アプリケーションを起動できるか試してみてください。
対処5: アプリケーションを再インストールする
アプリケーションに関連するファイルが破損していることが原因で、d3dx9_43.dllが見つからないエラーが発生しているケースが考えられます。
そのため、アプリケーションの再インストールを試していない場合は、次の手順でアプリケーションの再インストールを試してみてください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で「エラーの出るアプリケーション」をクリックします。
- 「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
- ウィザードが起動したら、案内に従ってアンインストールを完了します。
- アプリケーションの公式サイトから最新のインストーラーをダウンロードします。
- インストーラーを起動して案内に従ってインストーラーを完了します。
アプリケーションを再インストールできたら、正常に起動できるか確認してください。
対処6: システムファイルを修復する
d3dx9_43.dllが破損または欠損している場合は、Windowsのシステムファイルチェッカーを実行することで問題が解決する可能性があります。
システムファイルチェッカーを実行して、システムファイルを修復するには以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- Windows11の場合は、「Windowsターミナル(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが開いたら、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
- システムファイルの問題が検出され自動で修復されます。コマンドの処理が完了するまで待ちます。
システムファイルを修復できたら、アプリケーションを起動してd3dx9_43.dllエラーが解決したことを確認してください。
対処7: ドライバーを再インストールする
ディスプレイドライバーやサウンドドライバーの不具合が原因で、DirectXの動作に問題が起きてd3dx9_43.dllが見つからないエラーが出るケースが少なからず考えられます。
そのため、ここまでの対処でエラーが解決しない場合は、グラフィックドライバーとサウンドドライバーをアンインストールして、最新のドライバーをインストールしてみてください。
最新のグラフィックドライバーとサウンドドライバーをインストールするには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーウィンドウが開いたら、「ディスプレイアダプター」ツリーをダブルクリックで展開します。
- ツリーの下に表示された「グラフィックドライバー名」を右クリックして、「アンインストール」を選択します。
- NVIDIA/AMDのグラフィックボードを使用している場合は、『GeForce/Radeonのグラフィックドライバーを完全アンインストールする方法』のページを参考にアンインストールを行なってください。
- 確認ダイアログが表示されるので「アンインストール」をクリックしてアンインストールを実行します。
- 続いてサウンドドライバーをアンインストールします。「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」のツリーを展開し、「サウンドドライバー名」を右クリックして「アンインストール」を選択します。
- 確認ダイアログが表示されるので「アンインストール」をクリックしてアンインストールを実行します。
- アンインストールが完了したら、デバイスマネージャーウィンドウを閉じてパソコンを再起動します。
- メーカーサイトから最新版のドライバーを入手してインストールします。
- NVIDIA製またはAMD製グラフィックボードを使用している場合は、以下のページからダウンロードできます。
- グラフィックボードやサウンドカードを拡張していない場合は、パソコン本体またはマザーボードのメーカーサイトからグラフィックドライバーとサウンドドライバーを入手してください。
- ドライバーが見つからない場合は、検索エンジンで「(メーカー名) ドライバー ダウンロード」で検索すると該当ページが見つかることが多いです。
- NVIDIA製またはAMD製グラフィックボードを使用している場合は、以下のページからダウンロードできます。
最新のグラフィックドライバーとサウンドドライバーがインストールできたら、再度アプリケーションが正常に起動するか確認してください。