Windows11/10のPCでは、WindowsHello顔認証の機能を使うことでカメラに顔を映してサインインすることができるようになります。
しかし、「WindowsHello 顔認証と互換性のあるカメラが見つかりませんでした」のエラーが表示されてセットアップできず、顔認証の機能を使用できないケースがあります。
本記事では、「顔認証と互換性のあるカメラが見つかりませんでした」エラーの対処法について詳しく紹介します。対処内容はWindows11/10を想定しています。
この記事の内容
対処1: HelloFaceドライバーを再インストールする
WindowsHelloの顔認証用のHelloFaceドライバーに問題が起きていることが原因で、「顔認証と互換性のあるカメラが見つかりませんでした」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、HelloFaceドライバーを再インストールすることで、エラーが解決する可能性があります。HelloFaceドライバーを再インストールするには、以下の手順で操作してください。
- エクスプローラーを起動して、以下のパスのフォルダを開きます。
- C:\Windows\System32\WinBioPlugIns\FaceDriver
- FaceDriverフォルダ内の「HelloFace.inf」を右クリックして「インストール」を選択します。
- 同様に「HelloFaceMigration.inf」を右クリックして「インストール」を選択します。
- インストールが完了したら、PCを再起動します。
以上の手順で、HelloFaceドライバーを再インストールすることができます。ドライバーを再インストールしてPCを再起動できたら、エラーが解決して顔認証ができるようになったか確認してください。
対処2: カメラドライバーをアップデートする
PCに搭載している顔認証を行うカメラのデバイスドライバーのバージョンが古いことが原因で、「顔認証と互換性のあるカメラが見つかりませんでした」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、カメラのデバイスドライバーを最新バージョンにアップデートすることで、エラーが解決する可能性があります。カメラドライバーをアップデートするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「カメラ」のツリーをダブルクリックして展開します。
- 「顔認証を行うカメラ名」を右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーを自動的に検索」をクリックします。
- 新しいグラフィックドライバーが見つかった場合は、自動でインストールが実行されます。
- 既に最新のドライバーがインストールされていた場合は、「Windows Updateで更新されたドライバーを検索する」をクリックしてWindowsUpdateを実行してください。
カメラドライバーを最新バージョンにアップデートできたら、エラーが解決して顔認証ができるようになったか確認してください。
対処3: WindowsHello顔認証の機能をインストールする
WindowsHello顔認証の機能がインストールされていないことが原因で、「顔認証と互換性のあるカメラが見つかりませんでした」のエラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、Windowsのオプション機能でWindowsHello顔認証がインストールされていることを確認してください。WindowsHello顔認証の機能をインストールするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「アプリ」をクリックします。
- 「オプション機能」をクリックします。
- インストールされている機能に「WindowsHello顔認証」があるか確認します。
- 機能が見つからない場合は、「オプション機能を追加する」の「機能を表示」をクリックします。
- Windows10の場合は、「機能の追加」をクリックしてください。
- 「WindowsHello顔認証」にチェックを入れて「次へ」をクリックして「インストール」をクリックします。
以上の手順で、WindowsHello顔認証の機能をインストールすることができます。インストールが完了したら、顔認証をセットアップして使用できるようになったか確認してください。
対処4: Windows Biometric Serviceをリセットする
Windows Biometric Serviceの関連ファイルに問題が起きていることが原因で、「顔認証と互換性のあるカメラが見つかりませんでした」のエラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、Windows Biometric Serviceを停止して関連ファイルを削除してリセットすることで、エラーが解決する可能性があります。Windows Biometric Serviceをリセットするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「services.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- サービス一覧で「Windows Biometric Service」をダブルクリックします。
- 「停止」をクリックしてサービスを停止します。
- ウィンドウはそのまま閉じないでください。
- エクスプローラーを開いて、以下のパスのフォルダを開きます。
- C:\Windows\System32\WinBioDatabase
- WinBioDatabaseフォルダ内のファイルを全て選択して、右クリックして「削除」します。
- Windows Biometric Serviceのサービスウィンドウに戻って、「開始」をクリックします。
以上の手順で、Windows Biometric Serviceをリセットすることができます。リセットが完了したら、エラーが解決して顔認証のセットアップができるようになったか確認してください。
対処5: WindowsHelloのサインインオプションを再設定する
WindowsHelloのサインインオプションの設定に問題が起きていることが原因で、「顔認証と互換性のあるカメラが見つかりませんでした」のエラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、WindowsHelloのサインインオプションの設定を一度削除してから再設定することでエラーが解決する可能性があります。WindowsHelloのサインインオプションの設定を削除するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」をクリックして「設定」を選択します。
- 「アカウント」をクリックします。
- 「サインインオプション」をクリックします。
- 「顔認証(Windows Hello)」をクリックして「削除」をクリックします。
- 「PIN(Windows Hello)」をクリックして「削除」をクリックします。
サインインオプションの設定を削除できたら、顔認証とPINの「セットアップ」をそれぞれクリックして設定を行なってください。
対処6: トラブルシューティングツールを実行する
顔認証に使用するカメラの認識に問題が起きていることが原因で、「顔認証と互換性のあるカメラが見つかりませんでした」のエラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、Windowsに実装されているハードウェアのトラブルシューティングツールを実行することで、カメラの問題が修復されてエラーが解決する可能性があります。
ハードウェアのトラブルシューティングツールを実行するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows ターミナル(管理者)」を選択して起動します。
- Windows10の場合は、「Windows PowerShell(管理者)」を選択してください。
- 以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
msdt.exe -id DeviceDiagnostic
- トラブルシューティングツールが起動したら、「次へ」をクリックします。
- 修正を提案された場合は、案内に従って設定を修正してください。。
- トラブルシューティングツールの実行が完了したら「閉じる」をクリックします。
ハードウェアのトラブルシューティングツールを実行できたら、顔認証のエラーが解決してセットアップできるようになったか確認してください。
対処7: UEFI/BIOSのカメラ設定を確認する
UEFI/BIOSの設定でカメラ機能が無効になっていることが原因で、カメラが使用できずに「顔認証と互換性のあるカメラが見つかりませんでした」のエラーが表示されるケースが考えられます。
そのため、UEFI/BIOSの設定でカメラの機能が無効になっていないか確認してください。UEFI/BIOSの設定を変更するには、以下の手順で操作してください。
- PCを再起動して、起動直後の画面で「BIOS/UEFI起動キー(F2やDelなど)」を連打します。
- マザーボードによって起動キーは異なるため、不明な場合はメーカーのマニュアルを参考にしてください。
- または、Windowsが起動した状態から以下の手順で、BIOS/UEFIを起動することもできます。
- 「Windowsマーク」→「設定」→「回復」→PCの起動をカスタマイズするの「今すぐ再起動する」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「UEFIファームウェアの設定」→「再起動」の順に選択します。
- BIOS/UEFIの設定画面が表示されたら、「Devices(デバイス)」をクリックして「Camera(カメラ)」の設定を探して「Unabled(有効)」に変更します。
- 設定項目が見つからない場合は、「Load BIOS/UEFI Defaults(初期値に戻す)」の項目を選択して実行してください。
- 「Save and Exit(保存して終了)」を選択して設定を保存し、設定画面を終了します。
UEFI/BIOSでカメラの設定を変更できたら、PC起動後に顔認証を設定して使用できるようになったか確認してください。
対処8: グループポリシーで生体認証を許可する
グループポリシーの設定で生体認証の使用が許可されていないことが原因で、「顔認証と互換性のあるカメラが見つかりませんでした」のエラーが発生するケースが考えられます。
そのため、グループポリシーの設定を確認して、生体認証が許可されていることを確認してください。なお、グループポリシーの設定は、Windows10/11のProエディション以上でないと変更できません。
グループポリシーで生体認証の使用を許可するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- グループポリシーエディタが起動したら、左ペインのツリーを以下の順に展開します。
- 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「生体認証」
- 左ペインで「生体認証」を選択して、右ペインの「生体認証の使用を許可する」をダブルクリックします。
- 左上のオプションで「有効」を選択して「OK」をクリックします。
- PCを再起動して設定を反映します。
以上の手順で、グループポリシーで生体認証を許可することができます。設定を変更してPCが再起動したら、エラーが解決して顔認証が使用できるようになったか確認してください。
対処9: システムファイルを修復する
Windowsのシステムファイルが破損していることが原因で、顔認証のカメラを含めたハードウェアの使用に問題が起きるケースが少なからず考えられます。
そのため、システムファイルを修復することでエラーが解決する可能性があります。システムファイルを修復するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- Windows11の場合は、「Windowsターミナル(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが開いたら、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
- システムファイルの問題が検出され自動で修復されます。コマンドの処理が完了するまで待ちます。
システムファイルを修復できたら、顔認証の設定をやり直してエラーが解決したことを確認してください。
解決しない場合
ここまでの対処方法を試してもエラーが解決しない場合は、搭載しているカメラがWindowsHelloの顔認証をサポートしていないことが考えられます。
特に古いPCを使用している場合は、使用しようとしているカメラが顔認証の機能と互換性があるか確認してください。
カメラが顔認証をサポートしているにも関わらずエラーが発生する場合はカメラの故障も考えられるため、メーカーに診断と修理について一度問い合わせてみることをおすすめします。