Windows10のPCでBIOSが起動しない・ビープ音が鳴らない時の対処法

普段利用しているWindows10のパソコンが突然起動しなくなり、電源を投入しても画面が真っ暗な状態が続き、BIOSの画面や起動時のピッというビープ音すら鳴らない状態になってしまうケースがあります。

今回は、
Windows10のPCでビープ音が鳴らずBIOSが起動しない時の対処方法について解説します。

考えられる原因

BIOSが起動できない場合、Windows10のOSに障害が発生しているわけではなく、パソコン本体のハードウェアに何らかの異常が起きていることが考えられます。

マザーボードがBIOSを読み込んで、ハードウェアのチェックを行い、異常がある場合にビープ音が鳴ります。

ビープ音が鳴らずPCが起動しない場合は、次の3つの原因が考えられます。

  • 電源がそもそも入っていない
    • PCの電源が入っておらず起動できていないケースもあります。内部のマザーボードの電源ユニットの接触不良の場合もあります。
  • ビープスピーカーの接触不良
    • マザーボードに接続されているビープスピーカーの接触に問題があるとビープ音がならないケースがあります。ビープスピーカーが元々ない場合も、稀にあります。
  • マザーボードがBIOSを読み込めていない
    • BIOSはマザーボードが読み込み、CPUによって処理されるため、マザーボード・CPUの異常が考えられます。

以下では、考えられるそれぞれの原因とその対処法をパターンごとに紹介していきます。

パソコンの分解が必要な対処では分解によってメーカ保障の対象外となってしまうケースもありますのでご注意ください。

対処1: 電源・ケーブルの確認

BIOSが起動せずPCのファンの音が聞こえない場合、そもそもPCに電源供給ができていないケースが考えられます。

まずは、基本的なコンセントやケーブルの電源の確認を行なって下さい。

電源・ケーブルの確認

まず、パソコンの電源ケーブルが正しく接続されているかどうか、ケーブルのコネクタに緩みはないか、ケーブルのコネクタに劣化や変形が無いかなどを確認します。

パソコンを電源タップへ接続している場合、電源タップの電源供給用のスイッチがOFFになっていることや、電源タップ自体が故障してパソコンを起動できないことがあります。

通常、コンセントを利用せずにバッテリーから起動しているノートパソコンの場合も、バッテリー切れやバッテリーの故障が考えられるため、バッテリーが取り外しできる機種の場合は取り外してから、ACアダプタをコンセントに接続してください。

ディスプレイの確認


パソコン本体に問題が無くてもディスプレイが故障している場合は、パソコンの電源を押しても真っ暗な状態が続き、故障してしまった様に見えることがあります。

通常使っているディスプレイではなく、テレビや他のディスプレイに接続して状況が改善されるかを確認してください。ノートパソコンの場合も外部出力の端子を利用して他のディスプレイに接続を試してください。

マザーボードのコネクタの確認


PC内のマザーボードと電源ユニットを接続している24ピン(もしくは20ピン)のコネクタが緩んでいるケースがあります。

一度PCケースを開け、マザーボードに接続している電源コネクタがしっかり刺さっているか確認しましょう。

対処2: ビープスピーカーの接続を確認


ビープ音は、ビープスピーカーというマザーボードに接続されたパーツによって鳴ります。

普段はビープ音が鳴っていた場合は、PCのマザーボードのビープスピーカーの接続を確認して下さい。

ビープ音が鳴るようになれば、音の種類で故障場所を特定することができます。

対処3: 接続機器の取り外し

パソコンへ接続しているUSB機器やSDカード、LANケーブルなどが原因でパソコンの起動ができなくなってしまうことがあります。

電源ケーブルとディスプレイケーブル以外のすべての周辺機器を外してから電源を入れ直して状況が改善するかを確認してください。

対処4: 完全放電の実施

パソコンに溜まっている電気が原因で起動できなくなることがあります。溜まっている電気を完全に放電することで、待機電力をゼロの状態からパソコンを起動させることができます。

電源ケーブルをコンセントから抜いて5分程度待ってから再度電源を投入してください。ノートパソコンの場合はバッテリーを取り外してからコンセントを抜いてください。

バッテリーが取り外せない機種の場合はコンセントから抜くだけで大丈夫です。

対処4: パソコン内部の埃の掃除

パソコンケースの通気口やパソコン本体の内部にホコリが溜まるとパーツの冷却を正常に行うことができなくなります。

パソコン内部の温度やパーツの温度が上がるとパソコンを高温による故障や火災から保護するため、温度異常と判断して正常に起動できなくなることがあります。

エアダスターや掃除機を利用し、埃を除去して正常にパーツを冷却できるようにしてください。
                                  

対処6: パソコン内部のパーツの接続確認

長期間の利用による振動や衝撃の蓄積によりパソコン内部のパーツの接続に問題が発生している場合、必要なパーツを認識することができなくなるため、パソコンを起動することができなくなります。

パソコンを分解してパーツの接続に問題がないかどうかを確認します。

  • メモリ
  • グラフィックボード(増設している場合)
  • CPU
    • メモリ・グラフィックボードの脱着で解決しない場合

上記のパーツを電源の接続をマザーボードから一時的に外してから、再度同じ場所に接続し直します。パーツを触るときは静電気防止のために水道の蛇口を触るなどしてから作業を行ってください。

対処5: パソコンパーツを最小構成で起動

パソコンは電源・マザーボード・メモリ・CPUだけあれば起動させることが可能です。パソコンを分解して、この最小構成で起動させることが可能かどうかを確認します。

この構成で起動させることが出来た場合は、その他のパーツで不具合が発生しています。一つずつパーツを接続して、故障の原因となっているパーツを特定して交換します。

最小構成で起動が出来ない場合は、電源・マザーボード・メモリ・CPUのどれかに原因があります。一つずつ交換用のパーツを使って原因を特定して対処を行います。

対処6: CMOSの電池残量が無い(少ない)

マザーボードのCMOSの電池残量が少ない、もしくは切れていると場合も、BIOSが正常に起動しなくなってしまいます。CMOSとは、映像や音声などのデータを電気信号に変えて保存するための装置です。

パソコンの購入時、CMOSにはバックアップ用のボタン電池が組み込まれており、パソコンの電源を遮断する際にもバックアップがとれるようになっています。

しかし購入後、年数の経過と共に徐々に電池が劣化していくため、CMOSにバックアップを取るために必要な電力を維持できなります。CMOSの電池は、一般的に購入後5年前後で劣化してくる傾向にあります。

その結果、次回のパソコン起動時にBIOSがCMOSの正常なバックアップデータを読み込めなくなってしまうので、BIOSが立ち上がらなくてパソコンが起動しなくなってしまいます。

対策としては、CMOSの電池を新品に交換します。

CMOSの電池の交換方法

  1. PCのケースを開けて、マザーボードに設置されている「ボタン電池」の位置を確認します。
  2. マイナスドライバーなどを使って電池を固定しているノッチ(ツメ)部分を外側に向かって押します。
  3. ボタン電池が外れるので、新品のボタン電池と取り替えます。
    • ボタン電池は、ほとんどのマザーボードでCR2032の電池が使われています。コンビニ等でも購入できます。

交換方法に関しては、パソコンのメーカー毎に若干異なりますので、位置がよく分からない場合は、お使いのパソコンメーカーのサイトをご覧ください。

対処7: マザーボードのコンデンサを交換する


マザーボードには、コンデンサと呼ばれる蓄電器のパーツが付いています。

コンデンサは、充電池と同じように時間ととも劣化して、膨張や液漏れを起こし、マザーボードが機能しなくなってしまいます。

マザーボードのコンデンサを確認して、膨張や液漏れがある場合は、新品に交換することで正常に機能する場合があります。ただし、難易度的に高いので、PCの自作を経験していない方にはおすすめできません。

それでも解決しない時は

ここまでの対処方法を試しても解決しない場合は、PCのパーツの故障が考えられます。PCのメーカーや専門的な業者に修理を依頼するようにしましょう。

特にPC内部のパーツの脱着は、慣れていない人が下手に触ってしまうと余計に状態が悪化してしまうケースもあります。

自分の手に負えないと感じたら以下のようなサポートに相談するようにしてください。

  • パソコンメーカーのサポートダイヤル
  • お近くの家電量販店
  • その他PCショップ等

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