WindowsやMacでは標準のファイルエクスプローラやコマンドラインツール、アプリの保存機能、サードパーティアプリの変換機能などを使用することで、ファイル形式の拡張子を変更することができます。
ただし、ファイルの拡張子を変更する方法によっては、拡張子を変更するとファイルの使用に問題が起きる場合があります。
本記事では、WindowsまたはMacでPCでファイルの拡張子/種類を変更する方法について詳しく紹介します。
この記事の内容
ファイルの拡張子を変更するとどうなる?
WindowsやMacでは標準機能やアプリを使用してファイルの拡張子を変更し、別の形式のファイルとして使用できます。ただし、ファイルの拡張子を変更すると、変換方法によっては以下のような影響が生じることがあります。
- 互換性の変更:
- ファイルの拡張子を変更することで、そのファイルを開くために使用できるアプリケーションやプログラムが変わることがあります。新しい拡張子に対応するアプリケーションがインストールされていない場合、ファイルを開くことができなくなることがあります。
- 機能の損失:
- 異なるファイル形式にはそれぞれ独自の機能や特性があります。拡張子を変更することで、元のファイル形式でサポートされていた機能が利用できなくなることがあります。例えば、レイヤーやテキスト情報が保持される画像形式のPSDを画像情報のみのJPEGに変更すると、レイヤーやテキスト情報が失われます。
- 品質の変化:
- 拡張子を変更することで、ファイルの品質が変わることがあります。例えば、非圧縮の画像形式であるBMPから圧縮された画像形式のJPEGに変更すると、画像の品質が低下することがあります。
名前の変更などでファイルの拡張子を単に変更するだけでは、ファイルの内容は変わらないことに注意してください。ファイル形式を内容も含め変換するには、対応するアプリケーションやサービスを使用する必要があり、拡張子を適切に変更しないとファイルが開けなくなることがあります。
予期しない問題を避けるために、ファイルの拡張子を変更する前にはファイルをコピーするなどのバックアップを作成することをお勧めします。また、ファイル形式を変換する場合は、アプリやサービスが提供する適切な変換機能を使用してください。
方法1: ファイルエクスプローラで拡張子を変更する
WindowsやMacに標準で実装されているファイルエクスプローラ機能を使用してファイルの拡張子を変更することができます。
ただし、この方法でファイルの拡張子を変更してもファイル内容は変更されないため、拡張子によってはファイルが開けなくなったり、正常に動作しなくなることがある点に注意してください。
エクスプローラーまたはFinderで拡張子を変更するには以下の手順で操作してください。
- Windowsのエクスプローラーで拡張子を変更する手順:
- エクスプローラーで拡張子を変更したいファイルを含む「フォルダ」を開きます。
- 上部の「表示」タブをクリックします。
- 「表示」タブの中にある「ファイル名拡張子」のチェックを「オン」にして、ファイルの拡張子を表示します。
- 「拡張子を変更したいファイル」を右クリックし、「名前の変更」を選択します。
- ファイル名の「拡張子部分(例:.txt、.jpgなど)」を「新しい拡張子」に変更してEnterキーを押します。
- 拡張子の前のドット(.)も含めて正確に入力してください。
- 警告が表示されたら、「はい」をクリックして拡張子の変更を確定します。
- MacのFinderで拡張子を変更する手順:
- Finderで拡張子を変更したいファイルを含む「フォルダ」を開きます。
- 上部メニューの「Finder」→「環境設定」を選択します。
- 「詳細」タブを開いて、「すべてのファイル名拡張子を表示」にチェックを入れて環境設定を閉じます。
- 「拡張子を変更したいファイル」を右クリックし、「名前を変更」を選択します。
- ファイル名の「拡張子部分(例:.txt、.jpgなど)」を「新しい拡張子」に変更してEnterキーを押します。
- 拡張子の前のドット(.)も含めて正確に入力してください。
- 警告が表示されたら、「".拡張子"を使用」をクリックして拡張子の変更を確定します。
以上の手順で、標準のファイルエクスプローラ機能を使用してファイル拡張子を変更することができます。ファイルを開く際に問題が起きた場合は、同じ手順で元の拡張子に戻すか、バックアップしておいたファイルに置き換えてください。
方法2: アプリで別のファイル形式で保存する
アプリケーションでファイルを保存する際に別のファイル形式で保存することで、ファイル拡張子を変更することもできます。
ただし、異なるファイル形式で保存する方法は、使用するアプリケーションやファイルの種類によって異なります。アプリで別のファイル形式に変更して保存する一般的な方法をいくつか紹介します。
Wordで文書ファイルを別の形式で保存する
- Wordで「拡張子を変更したい文書ファイル」を開きます。
- 上部の「ファイル」をクリックし、メニューから「名前を付けて保存」→「参照」を選択します。
- 「ファイルの種類(またはファイルの形式)」のセレクトボックスで、「変更するファイル形式(.docx、.doc、.pdf、.rtfなど)」を選択します。
- 保存先のフォルダを選択し、「保存」をクリックします。
Excelでスプレッドシートを別の形式で保存する
- Excelで「拡張子を変更したいスプレッドシート」を開きます。
- 上部の「ファイル」をクリックし、メニューから「名前を付けて保存」→「参照」を選択します。
- 「ファイルの種類(またはファイルの形式)」のセレクトボックスで、「変更するファイル形式(.xlsx、.xls、.csv、.odsなど)」を選択します。
- 保存先のフォルダを選択し、「保存」をクリックします。
画像ファイルを別の形式で保存する
- 画像編集アプリ(ペイント、Adobe Photoshopなど)で「拡張子を変更したい画像ファイル」を開きます。
- 「ファイル」メニューから「名前を付けて保存(別名で保存)」または「エクスポート(書き出し)」を選択します。
- 「ファイルの種類(またはファイルの形式)」のセレクトボックスで、「変更するファイル形式(.png、.jpg、.gif、.bmpなど)」を選択します。
- 保存先のフォルダを選択し、「保存」または「エクスポート」をクリックします。
上記は一般的な画像編集アプリでファイル形式を変更して保存する手順であり、アプリによって手順が多少異なる場合があります。
画像の場合はファイル形式を変更すると、元のファイルと比較して画質が低下したり、特定の機能が利用できなくなることがあります。
オーディオファイルを別の形式で保存する
- オーディオ編集アプリ(Audacity、Adobe Auditionなど)で「拡張子を変更したいオーディオファイル」を開きます。
- 「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」または「エクスポート」を選択します。
- アプリケーションによっては「Save As」または「Export As」など表示が異なる場合があります
- 「ファイルの種類(またはファイルの形式)」のセレクトボックスで、「変更するファイル形式(.mp3、.wav、.ogg、.flacなど)」を選択します。
- ファイルの保存先を指定し、「保存」または「エクスポート」をクリックします。
上記は一般的なオーディオ編集アプリでファイル形式を変更して保存する手順であり、アプリによって手順が多少異なる場合があります。
オーディオファイルの場合は、形式を変更すると元のファイルと比較して音の品質が低下したり、特定の機能が利用できなくなることがあります。
方法3: サードパーティのオンラインツールを使用する
オンラインのファイルコンバータを使用して、さまざまな形式のファイルの拡張子を別の拡張子に変換することもできます。これらのオンラインサービスは簡単な変換機能を無料で利用でき、さまざまなファイルタイプ(ドキュメント、画像、音声、動画など)に対応しています。
ただし、オンラインコンバータを使用する際は、ファイルをインターネット上にアップデートするため、プライバシーやセキュリティのリスクがあることに注意してください。また、サービスによっては一部の変換機能が有料の場合があります。
オンラインコンバータを使用して拡張子を変更する手順はサービスによって異なりますが、一般的には次の手順で行うことができます。
- オンラインコンバータのウェブサイトにアクセスします。
- 以下は、一般的に利用されているオンラインファイルコンバータです。
- 以下は、一般的に利用されているオンラインファイルコンバータです。
- 「ファイルの選択(またはアップロード)」ボタンをクリックしてファイルを選択するか、「ファイルをドラッグ&ドロップ」などの方法で変換したいファイルをアップロードします。
- ファイルのアップロードが完了したら、変換して出力する「ファイル形式(拡張子)」を選択します。
- 変換時のオプション設定が表示される場合は、必要に応じて変換設定を変更します。
- 「変換(または開始、実行など)」のボタンをクリックして、ファイルの変換を開始します。
- 変換が完了したら、変換した新しい形式のファイルをダウンロードします。
方法4: サードパーティの変換アプリを使用する
サードパーティの変換アプリを使用して、ファイルの拡張子を変更することもできます。
ただし、サードパーティの変換アプリを使用する場合は、アプリをインストールする必要があります。また、アプリによっては変換機能が有料の場合があります。
サードパーティの変換アプリを使用してファイルの拡張子を変更する方法は、アプリケーションやファイルタイプによって異なります。ここでは、一般的な変換アプリを使用してファイル拡張子を変更する手順を説明します。
- 変換アプリの公式サイトからインストーラーをダウンロードして、インストールします。
- 変換アプリを起動します。
- 「ファイルを追加(またはファイルをインポート)」をクリックするか、「ファイルをドラッグ&ドロップ」などの方法で「拡張子を変換したいファイル」をアプリに追加します。
- 「出力形式(またはプロファイル、ターゲット形式など)」のセレクトボックスで出力ファイル形式を選択します。
- 変換設定が表示された場合は、必要に応じて変換設定(ビデオ/オーディオの品質、解像度、ビットレートなど)を変更します。
- 出力ファイルの保存先を指定します。
- 「変換開始(または変換、エンコードなど)」のボタンをクリックして、ファイルの変換を開始します。
ファイルの変換が完了したら、新しい拡張子のファイルが保存先に作成されていることを確認します。
方法5: コマンドで拡張子を変更する
WindowsまたはMacのコマンドラインツールを使用して、ファイルの拡張子を変更することもできます。
ただし、この方法はファイル名を変更する操作と同様にファイルの拡張子のみの変更となるため、拡張子によってはファイルが開けなくなったり、正常に動作しなくなることがあります。
WindowsまたはMacのコマンドラインツールを使用してファイルの拡張子を変更するには、以下の手順で操作してください。
- Windowsのコマンドプロンプトで拡張子を変更する手順:
- 「Windowsマーク」をクリックして「cmd」と検索し、コマンドプロンプトを起動します。
- 以下のcdコマンドを入力してEnterキーで実行し、拡張子を変更したいファイルがあるフォルダへ移動します。
cd #移動先ディレクトリ#、または#移動先ディレクトリの絶対パス#
- 例えば、cd C:\Users\Username\Documents\のように入力します。
- 以下の形式でrenameコマンドを入力してEnterキーで実行し、ファイルの拡張子を変更します。
rename #現在のファイル名# #新しいファイル名#
- 例えば、example.txtファイルの拡張子を.csvに変更したい場合は、rename example.txt example.csvと入力します。
- WindowsのPowerShellで拡張子を変更する手順:
- 「Windowsマーク」をクリックして「PowerShell」と検索し、Windows PowerShellを起動します。
- 以下のcdコマンドを入力してEnterキーで実行し、拡張子を変更したいファイルがあるフォルダへ移動します。
cd #移動先ディレクトリ、または絶対パス#
- 例えば、cd C:\Users\Username\Documents\のように入力します。
- 以下の形式でRename-Itemコマンドを入力してEnterキーで実行し、ファイルの拡張子を変更します。
Rename-Item -Path "#現在のファイル名#" -NewName "#新しいファイル名#"
- 例えば、example.txtファイルの拡張子を.csvに変更したい場合は、Rename-Item -Path "example.txt" -NewName "example.csv"と入力します。
- Macのターミナルで拡張子を変更する手順:
- Finderで「アプリケーション」フォルダ内の「ユーティリティ」フォルダを探し、「ターミナル」アプリを開きます。
- 以下の形式でcdコマンドを入力して、拡張子を変更したいファイルがあるフォルダへ移動します。
cd #移動先ディレクトリ、または絶対パス#
- 例えば、デスクトップに移動する場合は、cd ~/Desktopと入力します。
- 以下の形式でmvコマンドを入力してEnterキーで実行し、ファイルの拡張子を変更します。
mv #元のファイル名# #新しいファイル名#
- 例えば、example.txtファイルの拡張子を.csvに変更したい場合は、mv example.txt example.csvと入力します。
以上の手順で、WindowsまたはMacのコマンドラインツールを使用してファイルの拡張子を変更できます。ファイルを開く際に問題が起きた場合は、同じ手順で元の拡張子に戻すか、バックアップしておいたファイルに置き換えてください。