PCにスピーカーやイヤホン、ヘッドホンを接続すると、「ジー」や「パチパチ」といったノイズや雑音が聞こえることがあります。
また、PCの稼働中にノイズが継続的に聞こえるケースもあり、煩わしく感じるかもしれません。
今回は、Windows10のPCでスピーカーやイヤホンなどのオーディオ機器からノイズや雑音が聞こえる場合の対処法を紹介します。
オーディオ機器自体の故障も考えられますが、簡単な対処で改善する場合もあるため、対処法を参考にしてください。
この記事の内容
ノイズ・雑音の主な種類と発生原因
PCのオーディオデバイスから発生するノイズ・雑音には、さまざまな種類が存在しています。主なノイズ・雑音の種類と対応する原因は以下の表の通りです。
種類 | 音 | 考えられる原因 |
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連続的な低音 |
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連続的な高音 |
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断続的な音 |
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断続的な高音 |
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必ずしも上記の表に当てはまるわけではありませんが、原因を判断する参考にして下さい。
続いて対処法を紹介していくので、ノイズの発生原因が分からない場合は順に対処を試してみて下さい。
対処1: PCとオーディオ機器を再接続する
スピーカーやイヤホンからのノイズ・雑音は、PCとの接続不良によって発生するケースが多いです。
特に連続的な低音のノイズが聞こえる場合は、オーディオ機器がPCと正しく接続できているか確認して下さい。
- 端子が奥まできちんと刺さっていない
- 刺す端子を間違っている
- スピーカーの一部のケーブルが抜けている
上記の点に注意して、一度PCと接続しているケーブルを抜いて再度接続してみて下さい。
また、再接続する際は、ケーブルが刺すべき端子にきちんと刺さっているか確認して下さい。
対処2: オーディオ端子を掃除する
オーディオ端子付近にホコリやゴミが付着していることによって、余計な電気信号が発生してノイズ・雑音が聞こえるケースがあります。
そのため、一度スピーカーを接続しているオーディオ端子を掃除してみてください。
また、PCのオーディオポート側の汚れも確認して、ホコリやゴミが付着している場合はエアーダスターなどを使って除去して下さい。
対処3: スピーカーを家電類から離して設置する
スピーカー本体や、PCとつないでいるケーブルがほかの家電類の近くにある場合、家電類が発生する電気信号が影響することがあります。
周辺の電気信号の影響を判断するには、家電類の電源を切ってノイズが発生しないか確認して下さい。
家電類が原因だった場合は、スピーカー本体や配線用ケーブルはできる限りほかの家電類から離して設置することをおすすめします。
無線タイプのオーディオ機器も注意
Bluetoothの無線タイプのスピーカーやイヤホンを使っている場合は、テレビやラジオなどの電波が干渉してノイズが発生することがあります。
有線接続のスピーカー/イヤホンのほうが電波干渉は少ないため、有線機器の利用も検討して下さい。
対処4: PCの音量を最大にする
アンプが内蔵されているスピーカーを使用している場合、スピーカー側で音量を増幅するとノイズが発生する原因になります。
そのため、PC側の音量を100%にした状態で、スピーカー側の音量を調整して下さい。
- PC側の音量は、タスクバーの「オーディオアイコン」をクリックして、スライダーを「100」にします。
- アプリケーションを使用している場合は、アプリケーションの設定で音量が「100%」になっているか確認して下さい。
対処5: オーディオドライバーを再インストールする
ハードウェアに問題がない場合でも、サウンドドライバに問題があり断続的なノイズが聞こえるケースがあります。
もし、これまでに紹介した方法を試しても直らない場合は、サウンドドライバを再インストールしてみましょう。
オーディオドライバーを再インストールする方法は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして、表示されるメニューから「デバイスマネージャー」を選択してクリックしてください。
- デバイスマネージャを開くと「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラ」と書かれている項目を探してください。見つけたらクリックして展開しましょう。
- オーディオデバイスの一覧が表示されます。「オーディオデバイス」を右クリックして、「デバイスのアンインストール」を選択してください。
- 確認ウィンドウが表示されます。デバイスが間違っていないことを確認したら、「アンインストール」ボタンをクリックしてください。
- アンインストールが完了したら、再度デバイスマネージャを開いてドライバが削除されているかを確認しましょう。
- PCを再起動します。再起動すると、自動でサウンドドライバーがインストールされます。
PCが再起動できたら、音楽などを再生してスピーカーのノイズが解消したか確認して下さい。ノイズが解消されていれば、サウンドドライバーに問題があったと判断できます。
対処6: ビットレートの設定を変更する
断続的なノイズが聞こえる場合、Windowsのオーディオのビットレートの設定を変更すると、ノイズが解消できる可能性があります。
Windows10でオーディオのビットレート設定を変更する手順は次の通りです。
- タスクバー右側の「オーディオ」アイコンを右クリックして「サウンドの設定を開く」を選択します。
- 「デバイスのプロパティ」をクリックしてください。
- 「追加のプロパティ」をクリックします。
- スピーカーのプロパティが開くので、「詳細」タブをクリックします。
- 規定の形式のビットレートを「24ビット」に変更して下さい。
ビットレートを変更したらテスト再生を行い、ノイズが聞こえるか確認して下さい。
対処7: オーディオ機能拡張を無効にする
オーディオデバイスのオーディオ機能拡張が有効になっていると、ノイズが発生する原因になる場合があります。
次の手順でオーディオ機能拡張が有効になっていないか確認して下さい。
- タスクバー右側の「オーディオ」アイコンを右クリックして「サウンドの設定を開く」を選択します。
- 「デバイスのプロパティ」をクリックしてください。
- 「追加のプロパティ」をクリックします。
- スピーカーのプロパティが開くので、「詳細」タブをクリックします。
- 「オーディオ機能拡張を有効にする」のチェックを外して「OK」をクリックします。
対処8: 別の端末にオーディオ機器を接続する
オーディオ機器自体の性能が低かったり、故障が原因でノイズが発生しているケースが考えられます。
特にオーディオ機器の音量の許容量が少ないと、音量が大きい際に音割れが発生します。
オーディオ機器のハードに問題があるか確認するには、オーディオ機器を別のPCやスマホに接続して判断できます。
- 別の端末でもノイズが発生する場合
- オーディオ機器の性能に問題があることが考えられます。買い替えを検討して下さい。
- ノイズが以前は発生しなかった場合は、オーディオ機器自体の故障が考えられます。買い替え、修理を検討して下さい。
- 別の端末でノイズが発生しない場合
- PCのオーディオポートやサウンドカードに問題があることが考えられます。他の対処法を試した上で、サウンドカードの交換・増設を検討して下さい。
対処9: サウンドカードを交換する
PCに搭載しているサウンドカードに問題があり、ノイズが発生しているケースがあります。
可能であれば別のサウンドカードに交換してノイズが改善しないか検証して下さい。
ただし、オンボードのサウンドカードの場合は交換をすることができないため、次のサウンドカードの増設を検討して下さい。
対処10: サウンドカードを増設する
オンボード型のサウンドカードの場合は、PC内部の電気信号の影響を受けやすく、ノイズが発生するケースが多いです。
そのため、オンボードのサウンドカードを使用している場合は、サウンドカードを増設することでノイズを低減することができます。ただし、ノイズの発生を完全に避けられるわけではないのでご注意下さい。
増設できるサウンドカードは、2種類のタイプがあります。
- PCI-Express接続のサウンドカード
- USB接続のサウンドカード
USB接続のサウンドカードは手軽に増設することができます。PCI-Express接続のサウンドカードは、マザーボードのスロットに接続する必要があります。
PCI-Expressのサウンドカードを増設する時の注意点
PCI-Expressのサウンドカードを増設する場合は、スロットに確実に接続するよう注意してください。接続が甘いとうまく音声が再生されなかったり、ノイズが発生する原因になります。
また、グラフィックボードを搭載したPCに増設する場合は、グラフィックボードの位置に近いとノイズの原因になるため、一番遠いPCI-Expressスロットに接続するようにして下さい。
対処11: コンセントから電源供給する
USBで電源供給するタイプのスピーカーは、PCのUSBから電源を取るとノイズが発生する原因になります。
そのため、コンセントから直接電源を供給するようにすることで、ノイズが低減できる可能性があります。
コンセントから電源を取るには、USBポートの付いた電源を使って下さい。
対処12: ケーブルの摩擦を防止する
イヤホンやヘッドホンの場合は、ケーブルが他のものに接触して摩擦が起きるとタッチノイズが発生します。
タッチノイズを低減するには、クリップなどを使ってケーブルを固定してみて下さい。
できるだけ周りのものと接触しないようにすることで、タッチノイズを防ぐことができます。
対処13: USBオーディオインターフェイスを導入する
ここまでの対処方法を試しても、ノイズの発生が押さえれない場合は、USBタイプのオーディオインターフェイスの導入を検討して下さい。
USBオーディオインターフェイスを導入してオーディオをデジタル信号に変換することで、ノイズが低減できる可能性があります。