Windows10のパソコンでWi-Fiのワイヤレス接続でインターネットに繋がらなくなってしまうというトラブルが起きることがあります。
そんな時に便利なのがWindowsに標準搭載されているトラブルシューティングツールで、軽度な障害であれば自動修復もしてくれます。しかしツールの自動修復では解決できないケースもあります。
本記事では、無線接続時のトラブルシューティングツール実行後に「Wi-Fiには有効なIP構成がありません」と表示される時の対処法を紹介します。
この記事の内容
対処1: ルーターとパソコンを再起動する
まずはパソコンとすべてのネットワーク機器の再起動を試してみてください。その際、以下の点に気をつけてみてください。
- モデム・CTU・ONU・ハブなど、ルーター以外にも複数のネットワーク機器を使用している場合はすべてのネットワーク機器を再起動してください。
- 高速スタートアップが有効になっているとパソコンを再起動しても問題の解消ができない場合があります。
- PCを再起動する際は、高速スタートアップを無効にして再起動することをお勧めします。
- 高速スタートアップを無効にするには、「Shift」キーを押しながら「電源」→「シャットダウン」をクリックして完全なシャットダウンを実行してください。
- 高速スタートアップを無効にするには、「Shift」キーを押しながら「電源」→「シャットダウン」をクリックして完全なシャットダウンを実行してください。
- PCを再起動する際は、高速スタートアップを無効にして再起動することをお勧めします。
対処2: 接続設定・IPアドレスをリセットする
ネットワーク接続設定に異常がある場合、設定をリセットすることで問題を解決できる可能性があります。
次の手順でコマンドを実行し、TCP/IPのリセット・IPアドレスの再取得・DNSキャッシュのクリアを行ってみてください。
- タスクバーにある「スタート」ボタンを右クリックし、「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- ユーザーアカウント制御画面が表示された場合は「はい」を選択します。
- Windows PowerShellウィンドウが開きます。表示された画面に直接、次のコマンドを半角で入力し、エンターキーを押します。
netsh winsock reset
- 正しくコマンドを実行すると「Winsock カタログをリセットしました。」と表示されます。「コンピューターを再起動する必要があります」と表示されますが、まだ再起動は行いません。
- 先程と同様、Windows PowerShellに今度は次のコマンドを入力し、エンターキーでコマンドを実行します。このコマンドを実行するとTCP/IPの設定がリセットされます。
netsh int ip reset
- 続いて次のコマンドを入力し、エンターキーで実行します。このコマンドを実行するとIPアドレスが開放されます。
ipconfig /release
- 同様の手順で次のコマンドを入力します。このコマンドを実行するとDNSキャッシュがクリアされます。
ipconfig /flushdns
- 最後に次のコマンドを入力します。このコマンドを実行するとIPアドレスが再取得されます。
ipconfig /renew
- すべてのコマンドを実行したらWindows PowerShellウィンドウを閉じてからパソコンを再起動します。再起動後、ネットワークにつながらない問題が解決したか確認します。
対処3: ネットワークドライバーを再インストールする
無線LANアダプターのドライバーが破損しており、正常なIPアドレスを取得できていないケースがあります。
次の手順で無線のネットワークドライバーの再インストールを行ってみてください。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「デバイスマネージャー」ウィンドウが開きます。リスト内にある「ネットワークアダプター」をダブルクリックしてツリーを展開します。
- ツリー下に表示された無線LAN用のアダプター名を右クリックし、「削除」を選択します。
- アダプター名はパソコンの機種により異なりますが、名称に「Wireless」や「Wi-Fi」などの文字が含まれていることが多いです。
- 確認メッセージが表示されます。「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します」のチェックが外れていることを確認し、チェックを外したまま「アンインストール」をクリックします。
- ドライバーがアンインストールされたら、デバイスマネージャウィンドウを閉じ、パソコンを再起動します。
再起動が完了すると自動でドライバーが再インストールされるので、接続トラブルが解決したか確認します。
対処4: IPアドレスを自動取得にする
PCのIPアドレスを固定していることが原因で、DHCPサーバーからIPアドレスを正しく取得できていないケースが考えられます。
そのため、IPアドレスを固定している場合、IPアドレスを自動で取得することで問題を回避できる可能性があります。
IPアドレスの固定を確認して、自動取得に切り替える手順は次のとおりです。
- タスクバーの「Wi-Fi」マークを右クリックして「ネットワークと共有センター」を開きます。
- 右ペインで「アダプターのオプションを変更する」をクリックします。
- 「ワイヤレスネットワーク接続」、もしくは「Wi-Fi」を右クリックして「プロパティ」を開きます。
- 「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択して「プロパティ」を選択します。
- 「IPアドレスを自動的に取得する」と「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」のオプションを選択して「OK」をクリックします。
- 「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv4)」を選択して同様の操作を行います。
- 「OK」をクリックして設定を反映します。
対処5: Wi-Fiのチャンネル幅を自動にする
ワイヤレスアダプターのチャンネル幅が固定で設定されている場合、チャンネル幅を自動にすると問題が解決するケースがあります。
次の手順で、ワイヤレスアダプターの設定を確認して、チャンネル幅を「自動」に変更してみて下さい。
- タスクバーの「Wi-Fi」マークを右クリックして「ネットワークと共有センター」を開きます。
- 右ペインで「アダプターのオプションを変更する」をクリックします。
- 「ワイヤレスネットワーク接続」、もしくは「Wi-Fi」を右クリックして「プロパティ」を開きます。
- 「構成」をクリックします。
- 「詳細設定」タブをクリックします。
- 「802.11n Channel Width for band X.X」の項目をクリックします。
- 値に「固定のMHz」が設定されている場合は、「Auto」に変更します。
- 「OK」をクリックして設定を反映します。
対処6: セキュリティソフトを停止させる
セキュリティソフトのファイアウォール機能が原因で通信がブロックされてしまうことがあります。
特にサードパーティのセキュリティソフトをインストールしている場合は、セキュリティソフトを一時的に停止させ、問題が解決するか試してみてください。
対処7: DHCPサーバーが2つ以上ないか確認する
ネットワーク上にDHCPサーバーの機能を持ったルーターが複数あると、IPアドレスが正常に取得できず「有効なIP構成がありません」のエラーが出る場合があります。
DHCPサーバーの機能は、ルーター背面の「RT(Router)」、「AP/Bridge」などのモードの表示があるスイッチで切り替えれます。
そのため、設置しているルーターのスイッチを調べて、問題がある場合は正しいモードに切り替えてください。
- 「RT(Router)モード」のルーターが同一ネットワーク上に1つだけある状態か確認して下さい。
- 特にWi-Fi用のルーターを設置している場合は、誤って「RT(Router)モード」で設置してしまっているケースがあります。
- Wi-Fiルーター背面のスイッチを確認して「RT(Router)モード」になっている場合は、「AP/Bridge」もしくは「Auto」に切り替えて下さい。
対処8: ルーターのDHCPの割当数を増やす
複数のデバイスを同時にWi-Fi接続している場合、DCHPの割当数を増やすことで問題を解決できることがあります。
DHCPの割当数設定は、機種によっては上限数が10で設定されている場合があり、上限を超えた端末でWi-Fiを利用するとIPを取得できません。
そのため、ルーターの設定画面からDHCPの割当数上限を引き上げることで、正常にIP構成が取得できる可能性があります。
ただし、ルーターのメーカーや機種によって変更方法が異なるため、お使いのルーターの操作マニュアルを参考にして下さい。
解決しない場合は
ここまでの対処方法で解決しない場合は、ルーターにその他の問題が起きていることが考えられます。
ルーターが原因でインターネットに繋がらない時の対処方法は、次のページで詳しく紹介しているので併せて参考にして下さい。
突然すみません。この記事のおかげで新しいルーターを買わずに済みました。
本当にありがとうございます。
Wi-Fiが繋がらなくて困ってたのですが、無事繋がるようになりました!本当に助かりました、ありがとうございます!