Windows 10を利用していると突然PCの動作が重くなり、状況を確認するとWMI Provider Host(WmiPrvSE.exe)のCPU使用率が高い場合があります。
WMI Provider HostのプロセスがCPUを占有していると、PC全体の動作が遅くなるため、プロセスの動作を停止したくなる場合があると思います。
この記事では、WMI Provder HostがCPUを占有して重い場合の対処法を紹介します。
この記事の内容
WMI Provder Host(WmiPrvSE.exe)とは
WMI Provider Hostは、Windowsのシステム情報を管理するためのプログラムです。
Windowsの管理をするために使われているWMIが利用するプログラムの1つで、プロセスの実行やインストール済みのソフトウェアの管理を行うものといえます。
これが原因でPCの動作が重くなるときは、CPU使用率が異常に高くなっていることが多いでしょう。PCが突然重くなった場合はタスクマネージャを開き、WMI Provider HostのCPU使用率をチェックしてみてください。
停止はできる?
動作が重いときは一時的に停止しようと考えるかもしれません。結論から言うとWMI Provider Hostを停止することはできます。
ただし、WMI Provider Hostのプロセスは、Windowsの管理に用いられているため停止は推奨されていません。停止をするとWindowsの動作に問題が出る恐れがあります。
そのため、WMI Provider Hostが原因でPCの動作に支障が出る場合のみ停止するのがいいでしょう。
重い時の対処法
WMI Provider Hostが原因でPCの動作が重い場合は、単純な停止が非推奨のため、他の対処方法も検討する必要があります。
WMI Provider Hostの負担を改善できる対処法を停止方法も含めて紹介します。
対処1: PCをしばらく放置する
WMI Provider HostがCPUを占有している時間は数十分~1時間程度のことが多いです。
そのため、PCを早急に使用する必要がない場合はし、ばらくPCを放置するのがおすすめです。
しばらく放置したあとにタスクマネージャでCPU使用率を確認し、WMI Provider Hostが占有していなければ、普段どおりPCを利用できると思います。
対処2: WMI Provider Hostを再起動する
WMI Provider Hostのプロセスに一時的な問題が起きており、CPU使用率が高くなるケースがあります。
そのため、WMI Provider Hostのサービスを再起動することで動作が改善する可能性があります。
サービスを再起動するには、次の手順で操作してください。
- Windowsキーを押してメニューを開きます。
- プログラムリストから「Windows管理ツール」→「サービス」をクリックして開きます。
- 一覧から「Windows Management Instrumentation」を探して右クリック→「再起動」を選択します。
- 別のサービスの再起動の確認ダイアログが開くので「はい」をクリックします。
以上でWMI Provider Hostを再起動することができます。タスクマネージャーでWMI Provider HostのプロセスのCPU使用率が下がったか確認して下さい。
対処3: イベントビューアーでエラーの出ているプロセスを特定する
WMI Provider Hostを再起動して一時的にCPU使用率が改善しても、すぐに問題が再発してしまうことがあります。
このような場合は、WMIに関連するアプリまたはドライバーに何らかのエラーが発生していることが考えられます。
そのため、イベントビューアーを使ってエラーの詳細な情報を確認し、原因を調査してみてください。イベントビューアーを使って原因を調べるには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」をクリックし、アプリ一覧より「Windows管理ツール」→「イベントビューアー」を起動します。
- イベントビューアーが起動したら、ウィンドウ左側にあるフォルダツリーを以下の順に展開します。
- イベントビューアー(ローカル)→アプリケーションとサービスログ→Microsoft→Windows→WMI-Activity→Operational
- 「Operational」をクリックすると、中央上部にログが表示されます。この中から「エラー」と書かれた項目を探してクリックします。
- 複数エラーがある場合は、日付と時刻の情報をたよりにCPU使用率の問題と関係がありそうなものを選んでください。
- 中央下部にエラーの詳しい情報が表示されます。四角の枠の中を見て、「プロセスID=****」と書かれた部分の数字をメモします。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択し起動します。
- タスクマネージャーが起動したら上部の「詳細」タブを開きます。
- 「PID」の列を調べて、先程メモした「プロセスID」の数字と一致する行を探します。
- 列の1番上にある「PID」の部分をクリックすると昇順または降順に並び替わり、探しやすくなります。
- 「PID」と「プロセスID」が一致する行で、エラーの原因となっているプロセス名を確認します。
- プロセスの名前を右クリックし、「プロパティ」を選ぶとプロセスの詳しい情報が確認できます。
以上の手順で、WMI Provider Hostの負担を上げているプロセスを調査することができます。
原因のプロセスが分かったら、関連するアプリ(またはドライバー)のアップデート、再インストールを行って問題が解決しないか確認します。
対処4: クリーンブートで問題があるプログラムを発見する
WMI Provider Hostが動作する場合、インストールしているプログラムによって呼び出されているケースも考えられます。
したがって、一度クリーンブートを実行して原因となっているプログラムを探すのがおすすめです。
クリーンブートの方法については以下のページを参考にしてください。
クリーンブートを行うと最小構成でWindowsを起動できるため、常駐ソフトが原因でWMI Provider Hostが動作している場合は動作が改善します。
クリーンブートで動作状況が改善し、常駐ソフトが原因になっていることが考えられる場合は、次の手順にしたがってどのアプリケーションに問題があるのかを判断しましょう。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「msconfig」と入力して「OK」をクリックします。
- 「サービス」タブをクリックします。
- 「Microsoftのサービスを全て隠す」にチェックを入れます。
- 問題のありそうなサービスにチェックを入れて有効化します。
- 問題のあるサービスを見つけるために、1つずつ有効化することをおすすめします。
- 「OK」をクリックし、PCを再起動します。
- 再起動が完了したらWMI Provider Hostの動作状況を確認します。
- 問題のありそうなサービスが見つかるまで上記の手順を繰り返します。
特定のサービスを有効化した時にWMI Provider Hostの負担が大きく場合は、そのプログラムが原因であると判断できます。
不要なプログラムであれば無効化したままにするか、アンインストールを検討してください。
対処5: WMI Provider Hostを停止する
ここまでの対処方法を試してもCPU負担が改善しない場合は、WMI Provider Host自体を停止することもできます。
ただし、先にも触れたとおりWMI Provider HostはWindowsのサービスのため停止は非推奨です。他のプログラムの動作状況に支障が出る場合などは設定を元に戻して下さい。
WMI Provider Hostを停止する場合は以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」をクリックします。
- プログラムリストから「Windows管理ツール」→「サービス」をクリックして開きます。
- 一覧から「Windows Management Instrumentation」を探してダブルクリックします。
- 「スタートアップの種類」をクリックし、プルダウンから「無効」を選択します。
- 「OK」をクリックしてPCを再起動します。
以上の手順で、WMI Provider Hostを停止することができます。CPU使用状況が改善したか確認して下さい。
WMI Provider Hostを停止してWindowsの動作に問題が出た場合は、「スタートアップの種類」を「自動」に戻して下さい。
対処6: PC全体の動作を改善する
WMI Provider Hostだけが原因ではなく、PCのスペック不足やその他のプログラムが原因でPC全体の動作が重くなっているケースも考えられます。
特に5年以上前の古いPCを使っている場合は、PCの性能が単純に不足してることが考えられます。
新しいPCへの買い替えを検討するか、Windowsの動作を改善できないか確認して下さい。Windowsの動作を改善する方法は、次のページを参考にして下さい。