Windows10のOutlookで過去のメールを見返そうと検索すると、あるはずのメールが一部検索にヒットしない現象が発生することがあります。
上記の現象が起きてもメールを消去していない限りは、対処を行うことで正常にメールが表示できる可能性があります。
この記事では、Outlookで過去の古いメールが検索できない時の対処法を紹介します。対処内容は、Outlook2016/2019を想定しています。
この記事の内容
Outlookでメールを検索できない原因
Outlookで過去の一部のメールを検索できない場合、主に次のような原因が考えられます。
- メールを誤操作で削除した
- Outlookの一時的なエラーや不具合
- Outlookの設定に問題がある
- 検索インデックス関連のトラブル
- メールデータ(.pstファイル)の破損
- レジストリの破損
- Windowsの不具合
- Windows Update適用後に発生することが多い
メールを誤って削除していない限りは、対処を実施することで正常にメールを検索できるようになるケースが多いです。
ただし、上記のとおり複数の原因が考えられるため、紹介する対処法を順番に試してみて下さい。
対処1: Outlookを再起動する
Outlookに一時的なエラーが発生しており、検索機能の動作に不具合が出ているケースがあります。
一時的なエラーであれば、Outlookを再起動するだけで検索の問題が解決できる可能性があります。
Outlookを再起動する際は、ウィンドウを閉じただけではバックグラウンドで起動していることがあります。
そのため、次の手順タスクマネージャからプロセスを終了させてから再起動しましょう。具体的な手順は次の通りです。
- タスクバーを右クリック→「タスクマネージャー」をクリックして起動します。
- 簡易表示になっている場合は左下の「詳細」をクリックします。
- 「プロセス」タブをクリックします。
- プロセスのリストから「Outlook」を探して右クリック→「タスクの終了」を選択します。
- Outlookが完全に終了します。
- 再びOutlookを起動して下さい。
Outlookの再起動ができたら、メールの検索ができるようになったかを確認して下さい。問題があれば次の対処法に進みます。
対処2: 検索結果表示数の制限を解除する
検索自体は利用できるものの古い過去のメールがヒットしない場合は、Outlookの検索結果表示数の制限が設定されていることが考えられます。
そのため、次の手順でOutlookの表示結果数の制限を解除してみて下さい。
- Outlookを起動します。
- 左上にある「ファイル」をクリックします。
- 左ペインで「オプション」をクリックします。
- 左ペインで「検索」をクリックします。
- 右ペインの「結果」にある「表示結果数を制限して検索速度を上げる」のチェックを外します。
- 「OK」をクリックして設定完了です。
以上で全てのメールが検索対象になるため、過去も含めた全てのメールもヒットするようになります。正常に検索できるか確認して下さい。
対処3: Outlookをアップデートする
Outlookのアプリケーションにバグがあり、メールの検索機能が正常に機能しないケースが考えられます。
Outlookのバグは、Microsoftから提供される修正プログラムをインストールすることで解決できる可能性があります。
そのため、次の手順でOutlookのアップデートを試してみて下さい。
- Outlookを起動します。
- 右上の「ファイル」をクリックします。
- 左ペイン下部にある「アカウント」をクリックします。
- 製品情報にある「Office更新プログラム」の横にある「更新オプション」ボタンをクリックします。
- 表示されるメニューから「今すぐ更新」をクリックします。
- ウィザードにしたがってアップデートを完了します。
アップデートが完了したら再びOutlookを起動して検索の挙動を確認します。
検索が正常に機能するようになっていれば不具合が修正されたと考えられるため、再発しないか様子を見ましょう。
対処4: 検索とインデックスのトラブルシューティングを実行する
Windowsの検索のトラブルシューティングを実行することで、Outlookの検索関連の不具合を修復できる可能性があります。
そのため、次の手順で検索のトラブルシューティングツールの実行を試してみて下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインから「トラブルシューティング」を選択します。
- 右ペインから「検索とインデックスの作成」を探してクリックします。
- 「トラブルシューティングの実行」をクリックします。
- ウィザードが表示されたら「検索結果にファイルが表示されません」と「検索結果に電子メールが表示されません」にチェックを入れて次に進みます。
- 「管理者としてトラブルシューティングを実行する」をクリックします。
- ウィザードにしたがってトラブルシューティングを進め、問題があれば修復します。
トラブルシューティングツールによって検索の問題が修復できたら、再度メールが検索できるか確認しましょう。
対処5: オンライン修復を実行する
トラブルシューティングを実行しても検索の動作が改善しない場合は、Outlookのオンライン修復を試してみて下さい。
オンライン修復は、Outlookの破損したファイルをチェックし、オンライン経由で正常なファイルに置き換えることができます。
Outlookのオンライン修復を実行するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- Windowsの設定で「アプリ」をクリックします。
- 右ペインのアプリケーション一覧から「Microsoft Outlook」を探してクリックします。
- ない場合は、「Microsoft Office」をクリックして下さい。
- 「変更」をクリックします。
- 「オンライン修復」を選択して「修復」をクリックします。
- ウィザードにしたがって修復を実行します。
- 途中Officeのプロダクトキーの入力が必要な場合があります。プロダクトキーの認証ができない場合は、『WindowsでOfficeのライセンス認証ができない原因と対処法【進まない・上限】』を参考にしてください。
修復が完了したらOutlookを開き、メールが正常に検索できるか確認して下さい。
対処6: インデックスを再構築する
Outlookのメールデータのインデックスが破損していることが原因で、メールを正常に検索できないケースが考えられます。
メールデータのインデックスの破損は、インデックスを再構築することで解決できる可能性があります。インデックスの再構築を行うには、次の手順にしたがって操作して下さい。
- Outlookを起動します。
- 左上の「ファイル」をクリックします。
- 左ペインから「オプション」を選択します。
- Outlookのオプションウィンドウが表示されたら、左ペインから「検索」をクリックします。
- 右ペインの「検索先」欄にある「インデックス処理のオプション」をクリックします。
- インデックスのオプションウィンドウが表示されるので、「Microsoft Outlook」を選択します。
- 「詳細設定」をクリックします。
- 詳細オプションが開いたら「ファイルの種類」タブを開きます。
- ファイルの種類で「eml・msg・pst」にチェックを入れます。
- チェックを付けるのを忘れると再構築ができないため、確認してから次に進めてください。
- 「インデックスの設定」タブを開きます。
- トラブルシューティング欄にある「再構築」ボタンをクリックします。
- 「OK」をクリックして完了です。
上記の手順でOutlookのインデックスが再構築できます。
インデックスの破損が原因だった場合は、再構築後にメールを正常に検索できるようになります。
対処7: PSTファイルを修復する
OutlookのデータファイルであるPSTファイルが破損していることが原因でメールを検索できないケースがあります。
そのため、検索ができないアカウントのPSTファイルを修復してみることをおすすめします。PSTファイルの修復は次の手順で行います。
- Outlookが起動している場合は一度終了します。
- 『対処1: Outlookを再起動する』と同様の手順でアプリケーションを完全に終了させて下さい。
- エクスプローラを開き、Outlookがインストールされているフォルダを開きます
- 通常は以下のフォルダのいずれかインストールされています
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16 #Outlook2016 32bitの場合 C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16 #Outlook2016 64bitの場合 C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office19 #Outlook2019 32bitの場合 C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office19 #Outlook2019 64bitの場合
- 通常は以下のフォルダのいずれかインストールされています
- 「Office16」フォルダ内にある「scanpst.exe」を探してダブルクリックします。
- 「参照」をクリックして「PSTファイル」を選択します。
- PSTファイルの場所は、Outlookを起動して「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」→「データファイル」タブから確認できます。
- 「開始」をクリックしてPSTファイルのスキャンを行います。
- エラーが検出されたら「修復」をクリックして修復プロセスを実行します。
- 修復プロセスが完了したらscanpst.exeを終了します。
PSTファイルの修復が完了したらOutlookの検索バーにテキストを入力して、メールが検索結果に表示されるか確認して下さい。
対処8: Windowsを最新の状態にアップデートする
WindowsOSの不具合が原因で、Outlookの動作に影響が出ているケースがあります。
Windowsに不具合がある場合は、Windows Updateで修正プログラムが配布されている可能性があります。
そのため、Windows Updateで最新の修正プログラムが提供されていないか確認して、アップデートを実行して下さい。Windows Updateを実行するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「WindowsUpdate」を選択していることを確認します。
- 右ペインで「更新プログラムのチェック」をクリックします。
対処9: 最新の更新プログラムをアンインストールする
Windows Updateを実行した直後に突然Outlookの検索が使えなくなった場合は、インストールした更新プログラムに不具合があることが考えられます。
上記の場合は、更新プログラムをアンインストールすると解消されることが多いです。更新プログラムのアンインストールは、次の手順で行います。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインで「Windows Update」を選択していることを確認します。
- 右ペインで「更新の履歴を表示する」をクリックします。
- 「更新プログラムをアンインストールする」をクリックします。
- インストール日を参考にして最後にインストールした更新プログラムを探して選択します。
- 「アンインストール」をクリックします。
- アンインストールが完了したらPCを再起動します。
以上の手順で更新プログラムをアンインストールすることができます。Outlookでメールを検索できるか確認して下さい。
解決した場合は、WindowsUpdateが原因と判断できるため、さらに新しい更新プログラムが提供されるまでアップデートは行わないようにして下さい。
対処10: レジストリを修正する
Outlookのレジストリ値に異常があり、Outlookの検索機能が正常に動作していないケースがあります。
レジストリに問題が起きている場合は、レジストリを再構築することで検索の問題が解決できる可能性があります。ただし、レジストリの修正は、Windowsの動作に影響が出る場合もあるため自己責任で行って下さい。
Outlookのレジストリをリセットするには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「regedit」と入力して「OK」をクリックします。レジストリエディタを開きます。
- 次のレジストリキーを開きます。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office.0 #Office2016の場合 HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office.0 #Office2019の場合
- 「Outlook」を右クリックして「削除」をクリックします。
- レジストリの削除が完了したらPCを再起動します。
再起動が完了すると自動でレジストリが再構築されます。Outlookを起動して検索が機能するか確認して下さい。
対処11: Outlookを再インストールする
ここまでのすべての対処方法を試してもメールを検索できない場合は、Outlookのアプリケーションに原因不明のエラーが発生していることが考えられます。
そのため、Outlookを一旦アンインストールして、再度インストールを検討して下さい。
Outlookのアンインストールを行うと、アカウント設定もリセットされるため再設定が必要になります。また、メールデータも必要に応じてバックアップを取っておくことをおすすめします。
Outlookをアンインストールには、次のページの手順を参考にして下さい。
アンインストールが完了したら、通常の手順でOutlookのインストールを行って下さい。