Windows10搭載のPCでなんらかのソフトウェアを利用しているときに、突然「アプリケーション(.exe)は動作を停止しました」というエラーが発生することがあります。
一度だけでなく何度も同じエラーが頻発したり、アプリの起動直後にクラッシュしてまともに利用できないケースもあります。
この記事では、Windows10で「プログラム名(.exe)は動作を停止しました」というエラーが発生する原因と対処法を紹介します。
特定のプログラムで頻繁にこのエラーが出たり、起動すらしない場合は、参考にしてみて下さい。
この記事の内容
エラー「動作を停止しました」の原因
アプリケーション名(.exe)は動作を停止しました。
問題が発生したため、プログラムが正しく動作しなくなりました。解決策がある場合は、Windowsから通知されます。
上記のエラーが発生する原因としては、主に次のような原因が考えられます。
- アプリ、もしくはWindowsの一時的なエラーや不具合
- PCのリソースが不足している
- Windowsのバージョンに互換性がない
- Windowsのシステムファイルが破損している
- テンポラリファイルに問題がある
- データ実行防止機能が影響している
- アプリを処理する権限が不足している
- ディスプレイドライバーが古い
- アプリケーションのファイルが破損している
上記のとおりアプリの動作が停止する原因を簡単に突き止めるのは難しいです。
解決できる可能性が高い対処から順に紹介するので、順番に試してみることをおすすめします。
対処1: アプリを再起動する
アプリの一時的なエラーやPCのリソースが一時的に不足したことにより、プログラムにエラーが発生してが突然動作を停止することがあります。
そのため、まずはエラーが起きてクラッシュしたアプリをもう一度起動してみて下さい。
ただし、バックグラウンドでクラッシュしたアプリが完全に終了できていない場合があります。
通常の手順で起動できない場合は、タスクマネージャーでクラッシュしたアプリを完全に終了してから再度起動してみて下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
- 簡易表示の場合は「詳細」をクリックします。
- 「プロセス」タブの一覧で「クラッシュしたアプリ」を選択して「強制終了」をクリックします。
- 通常の手順でアプリを起動します。
アプリが正常に起動したら、問題のエラーが出ないか確認して下さい。問題が解決しないは、アプリの一時的なトラブルではないため、次の対処に進みます。
対処2: PCを再起動する
アプリの再起動で解決しない場合は、Windowsに何らかの予期しないエラーが発生していることが考えられます。
Windowsの一時的なエラーは、PCを再起動すると解消されることが多いです。そのため、一度PCの再起動を試してみてください。
再起動後に正常に動作するようになっていればそのまま様子を見ます。再起動後もクラッシュする場合や、動作が不安定な場合は次の対処法に進んで下さい。
対処3: トラブルシューティングツールを実行する
古いアプリを利用している場合、アプリの互換性が原因でアプリが突然動作を停止してしまうケースがあります。
互換性の問題は、Windows10標準のトラブルシューティングツールで修復できる可能性があります。
特定のアプリがクラッシュする場合は、次の手順でトラブルシューティングツールを実行してください。
- Windowsキーを押してメニューを開きます。
- 「設定」を開きます。
- 「アップデートとセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインから「トラブルシューティング」をクリックします。
- 右ペインから「プログラムの互換性」を選択し、「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
- エラーが見つかったらウィザードにしたがって問題を修正します。
修正が完了したらトラブルシューティングツールを閉じ、アプリの動作状況を確認します。
トラブルシューティングツールを実行してもエラーが見つからない場合や、エラーを修復してもプログラムがクラッシュする場合は別の原因が考えられます。
対処4: 互換モードを設定する
Windows 10に正式対応していない古いアプリの互換性の問題は、互換モードを利用することでも解決できる可能性があります。
互換モードは、以前のWindowsバージョンでエミュレートしてアプリを起動することができます。
そのため、次の手順でアプリを互換モードで起動してみてください。
- 「クラッシュするアプリ」をインストールしているフォルダを開きます。
- フォルダが分からない場合は、「ショートカットアイコン」を右クリック→「プロパティ」→「ファイルの場所を開く」をクリックします。
- 「実行ファイル(.exe)」を右クリックします。
- 「プロパティ」を開きます。
- 「互換性」タブを選択します。
- 「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックを入れます。
- プルダウンから「正式に対応しているWindowsのバージョン」を選択します。
- 「OK」をクリックして終了です。
互換モードが設定できたら、再度アプリを起動して動作が停止する問題が解決できたか確認します。
対処5: 一時ファイルを削除する
Windowsを長期間利用していると、一時ファイルであるテンポラリファイルがどんどん溜まります。
テンポラリファイルが肥大化するとアプリケーションによっては動作が停止する原因になるため、一度削除しておくことをおすすめします。
テンポラリファイルは、次の手順で削除することができます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を開きます。
- 「システム」をクリックします。
- 左ペインから「ストレージ」を選択します。
- 右ペインからシステムドライブ(Cドライブ)を探します。
- システムドライブのリストに表示されている「一時ファイル」を選択してクリックします。
- 全ての項目にチェックをつけます。
- 上部にある「ファイルの削除」をクリックします。
- 一時ファイルが全て削除されたことを確認します。
テンポラリファイルの削除後は念のためPCを再起動して下さい。PCの再起動後にプログラムが正常に動作するか確認してください。
対処6: DISMコマンドとシステムファイルチェッカーを実行する
Windowsのシステムファイルが破損していることが原因で、アプリがクラッシュするケースがあります。
システムファイルの破損は、DISMコマンドとシステムファイルチェッカーを実行すると自動で修復することができます。具体的な修復手順は以下の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。
- DISMコマンドを入力してEnterを押します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- プロセスが終了するまで待機します。
- 続いてシステムファイルチェッカーコマンドを入力してEnterを押します。
sfc /scannow
- プロセスが完了したらWindows PowerShellを閉じます。
修復が完了したら、アプリを起動して動作を確認して下さい。実行後に正常に動作するようになった場合は、Windowsに問題があったと判断できます。
対処7: アプリのデータ実行防止機能を無効にする
Windowsにはセキュリティ対策の一環としてデータ実行防止機能(DEP)が搭載されています。
DEPはウイルス対策として役立つ一方で、プログラムがクラッシュする原因になる場合もあります。
そのため、DEPを一度無効化してアプリの動作チェックを行って下さい。DEPを無効化する手順は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「control」と入力して検索結果からコントロールパネルを開きます。
- 「システム」をクリックします。
- カテゴリ表示の場合は「システムとセキュリティ」を開いてから「システム」を選択します。
- 左ペインから「システムの詳細設定」を開きます。
- システムのプロパティが開くので、「詳細設定」タブをクリックします。
- この手順で開いた場合、通常は最初からタブが開いています。
- パフォーマンス欄の「設定」をクリックします。
- 「データ実行防止」タブを開きます。
- 「次に選択するものを除くすべてのプログラムおよびサービスについてDEPを有効にする」を選択します。
- 枠の右下にある「追加」をクリックします。
- クラッシュするプログラムがインストールされているフォルダを開きます。
- フォルダが分からない場合は、「ショートカットアイコン」を右クリック→「プロパティ」→「ファイルの場所を開く」をクリックします。
- 「実行ファイル(.exe)」を選択して追加します。
- PCを再起動して設定を反映します。
PCの再起動ができたら、再びプログラムを起動してクラッシュしないかどうかを確認します。クラッシュが改善した場合は、DEPが原因だったと判断できます。
対処8: 管理者権限でアプリを実行する
一部のアプリは管理者権限で実行しないと正常に動作せず、突然クラッシュするケースがあります。
そのため、アプリを管理者権限で実行してみて下さい。管理者で起動する具体的な手順は以下の通りです。
- 「クラッシュするプログラム」をインストールしているフォルダを開きます。
- フォルダが分からない場合は、「ショートカットアイコン」を右クリック→「プロパティ」→「ファイルの場所を開く」をクリックします。
- 「実行ファイル(.exe)」を右クリックします。
- 「プロパティ」を開きます。
- 「互換性」タブを選択します。
- 設定欄にある「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れます。
- 「OK」をクリックして設定完了です。
管理者権限が設定できたら、アプリを起動します。管理者権限の設定で解決しない場合は、設定を元に戻して下さい。
対処9: ディスプレイドライバーを更新する
アプリの動作が停止する原因として、ディスプレイドライバーが影響しているケースがあります。
特にゲームなどのGPUを使用するアプリケーションの動作が停止する場合は、ディスプレイドライバーの更新を試して下さい。
ディスプレイドライバーの更新は、最新のドライバーをメーカーページからダウンロードするか、次の方法で更新できます。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「ディスプレイアダプター」のツリーをクリックして展開します。
- 「ディスプレイドライバー名」を右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」をクリックします。
- 最新のドライバーが自動でインストールされます。
ディスプレイドライバーが更新できた場合は、再度アプリを起動して動作が停止しないか確認して下さい。
対処10: アプリを再インストールする
ここまでの全ての対処法を試しても正常に起動しない場合は、エラーが起きるアプリのプログラムやデータに問題が起きていることが考えられます。
そのため、エラーが発生するプログラムの再インストールを試して下さい。プログラムが破損している場合などは再インストールで直るケースが多いです。
アプリを再インストールするには、次の手順で一旦アプリをアンインストールしてから再度インストールして下さい。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインにアプリの一覧が表示されるので、エラーが発生するアプリを選択して、「アンインストール」→「アンインストール」の順にクリックします。
- 案内に従ってアンインストールを完了します。
- アプリを通常の手順で再度インストールします。
アプリが再インストールできたら、問題のエラーが表示されなくなったか確認して下さい。