Outlookの送受信時に「データファイルにアクセスできません」のエラーが表示されて送受信ができないケースがあります。
本記事では、Windows10のOutlookで「データファイルにアクセスできません」が出た時の対処方法を紹介します。
*対処方法はOutlook2013/2016/2019を想定しています。
エラーの詳細な内容は次のとおりです。
タスク [メールアドレス] - 送信/受信中でエラー(0x8004010F) が報告されました。データファイルにアクセスできません。0x8004010F
この記事の内容
「データファイルにアクセスできません」が出る原因
Outlookの送受信時にデータファイルにアクセスできないエラー(0x8004010F) が出る場合は、主に次の原因が考えられます。
- データファイル(pst/ost)が破損している
- Outlookのプロファイルに問題がある
- Outlookに不具合が起きている
- データファイルがアクセスできない状態になっている
多くの場合、データファイルやプロファイルの修復やOutlookの設定変更によって解決できます。
紹介する対処方法を順に試して、エラー(0x8004010F) が解決できないか確認してみて下さい。
対処1: Outlookのプロファイルを作成し直す
Outlookのプロファイルデータに問題があり、データファイルにアクセスできないケースがあります。
そのため、新しいプロファイルを作成して、メールアカウントの各種設定をリセットすることで問題が解決できる可能性があります。
Outlookの新しいプロファイルを作成するには、次の手順で操作します。
- Outlookを終了していることを確認します。
- 「Windowsマーク」ボタンをクリックして「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」の順にクリックします。
- 「ユーザーアカウント」→「Mail」とクリックして進みます。
- 「メール設定」ウィンドウが開いたら、「プロファイルの表示」をクリックします。
- 「追加」をクリックします。
- 「新しいプロファイルの作成」ウィンドウが表示されます。プロファイル名に「Outlook2」などの適当な名前を入力して、「OK」をクリックします。
- 「自分で電子メールやその他のサービスを使うための設定をする」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。
- アカウントタイプを選択し、「次へ」をクリックします。
- IMAPのメールサーバーの設定情報を入力します。
- 受信プロトコルにPOPを利用する場合は、データファイルを引き継ぐために次の操作が必要です。
- 「新しいメッセージの配信先」を「既存のOutlookデータファイル」に変更し、「参照」ボタンをクリックして、データファイル(pst)を指定してください。それ以外の情報は通常通り入力します。
- 受信プロトコルにPOPを利用する場合は、データファイルを引き継ぐために次の操作が必要です。
- 設定が完了すると「Microsoft Outlookの起動時に使用するプロファイル」に、「作成したプロファイル名」がリストに追加されます。
- 「常に使用するプロファイル」のセレクトボックスをクリックして「作成したプロファイル名」を選択します。
- 「適用」ボタンをクリックしてからコントロールパネルを閉じます。
以上でOutlookの新しいプロファイルに切り替えることができます。
Outlookを起動して、データファイルにアクセスできない問題が解決したか確認します。
対処2: データファイルを修復する
データファイルが破損していることが原因で、Outlookがデータを読み込めずエラーが出るケースがあります。
そのため、データファイル(pst/ost)の修復を行うことで解決できる可能性があります。
データファイルの修復は、pstとostのファイル形式で手順が異なるため、それぞれの手順を紹介します。
pstファイルの場合
pstファイルの場合は、Outlookに付属する専用の修復ツールを使って修正することができます。
- Outlookが起動している場合は一旦終了します。
- Outlookのインストールフォルダをエクスプローラで開きます。
- Outlookのインストールフォルダは、Outlook 2016以降であれば通常は次のパスになります。
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16
- 上記のパスになければ、Outlookの起動ショートカットアイコンを右クリックし、「ファイルの場所を開く」を選択するとインストールフォルダを表示することができます。
- Outlookのインストールフォルダは、Outlook 2016以降であれば通常は次のパスになります。
- インストールフォルダの中にある「SCANPST.EXE」を起動します。
- Microsoft Outlook受信トレイ修復ツールが起動します。「参照」ボタンをクリックし、「pstファイル」を選択します。
- 「開始」をクリックします。
- 問題が発見されたという旨のメッセージが表示された場合は、「修復」をクリックして修復を行います。
以上で破損したpstファイルを修復することができます。Outlookを起動してエラーが解決したか確認して下さい。
ostファイルの場合
ostファイルの場合は、ファイルを削除してからOutlookを起動するだけで正常なデータファイルが再作成されます。
- Outlookを終了します。
- エクスプローラで「ostファイル」の保存フォルダを開きます。
- 「ostファイル」を右クリックして「削除」を選択します。
- 削除する前に念のため別のフォルダに、「ostファイル」のコピーを作成しておくことをおすすめします。
ostファイルが削除できたらOutlookを起動して、エラーが発生しないか確認して下さい。
対処3: 新しいpstファイルを作成して切り替える
Outlookにの設定に不具合が起きており、メッセージを配信するデータファイルにアクセスできない状態になっているケースがあります。
上記の不具合は、新しいpstファイルを配信先として指定して元に戻すことで解決できます。
次の手順でpstファイルを新しく作って切り替えを行ってみて下さい。
- Outlookを起動して上部メニューの「ファイル」をクリックします。
- 右ペインで「アカウントの設定」→「アカウントの設定」の順にクリックします。
- 「データファイルにアクセスできないメールアカウント」を選択して「フォルダーの変更」をクリックします。
- 「新しいOutlookデータファイル」をクリックします。
- 新しいpstファイルの保存場所とファイル名を設定します。
- 既存のpstファイルと同じ名前は使用しないでください。
- 特にこだわりがなければデフォルトの状態のまま「OK」をクリックして問題ありません。
- 新しいデータファイルがツリーに追加されます。「+」ボタンを押してツリーして「受信トレイ」を選択して「OK」をクリックします。
- 新しいメッセージの配信場所が新しいpstファイルに変更されたことを確認します。
- 再度「フォルダの変更」をクリックします。
- 元のデータファイルの「受信トレイ」を選択して「OK」をクリックします。
- 「閉じる」をクリックして設定を終了します。
以上の手順で、Outlookのデータファイルの設定が更新されます。再度メールを送受信してエラー(0x8004010F)が発生しなくなったか確認して下さい。
対処4: データファイルの保存場所を元に戻す
アカウントのデータファイルの場所が利用できない状態になっているため、Outlookからデータファイルにアクセスできないケースが考えられます。
特にデータファイルの場所を変更して、共有フォルダやファイルサーバーに保存していると問題が起こりやすいです。
そのため、データファイルの場所をデフォルトの場所に戻してエラーが解決できないか試してみて下さい。
- pstファイルの場合: C:\Users\(ユーザー名)\ドキュメント\Outlook ファイル\pstファイル
- ostファイルの場合: C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Microsoft\Outlook\ostファイル
データファイルの場所の確認や変更方法については、次のページを参考にして下さい。
対処5: pst/ostファイルのアクセス権を変更する
ファイルのセキュリティ設定が原因で、Outlookからデータファイルへのアクセスが拒否されているケースがあります。
次の手順でpst/ostファイルのセキュリティ設定を変更してみてください。
- 「pst/ostファイル」のあるフォルダを開きます。
- 「pst/ostファイル」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「セキュリティ」タブを開きます。
- 「詳細設定」をクリックします。
- 「セキュリティの詳細設定」ウィンドウが開いたら、上部の「所有者」の右にある「変更」をクリックします。
- 「ユーザーまたはグループの選択」ウィンドウが開きます。「詳細設定」をクリックします。
- ウィンドウ中央右にある「検索」ボタンをクリックします。するとウィンドウ下部にユーザー名のリストが表示されるので、自分のログインユーザー名を探して選択し、「OK」をクリックします。
- もう一度「OK」をクリックして「ユーザーまたはグループの選択」ウィンドウを閉じます。「所有者」の設定が自分のユーザー名に変わったことを確認します。
- 「アクセス許可エントリ」リストにある自分のユーザー名を確認し、「フルコントロール」のアクセスがあることを確認します。
- ユーザーが存在しない場合は、名前を選択してから下の「編集」をクリックして、「フルコントロール」にチェックを入れてください。
- 「適用」ボタンをクリックして設定を終了し、Outlookを再起動します。
以上で、データファイルのアクセス権を変更することができます。Outlookが再起動できたら、エラー(0x8004010F)が解決したか確認して下さい。