Windows10を利用している時に、PCに表示されている時計が現在時刻よりも遅れてずれて表示されるケースがあります。
また、時刻を正しく取得してもPCを再起動すると時刻がずれてしまうケースもあります。
そこで、今回はWindows 10のPCで時計/時刻がずれる場合の対処法を紹介します。
NTPサーバーと同期できない場合の対処法についても紹介するので、同期できない場合も参考にしてみてください。
この記事の内容
時計がずれる/時刻が同期できない原因
Windows10で時刻がずれる原因としては、主に次のことが考えられます。
- 時刻の自動同期設定がオフになっている
- 誤ったタイムゾーンが設定されている
- CMOSバッテリーが切れている
- CMOSの設定情報に問題がある
- NTPサーバーに問題が起きている
- セキュリティソフトによってNTPサーバーへの通信がブロックされている
単純に自動同期の設定をやり直すことで簡単に解決できる場合が多いです。ただし、解決しない場合はCMOSやBIOSに問題が起きていることが考えられるため対処が難しくなります。
上記の原因ごとの対処法を紹介していくので、順番に時刻のずれが解消しないか試してみてください。
対処1: 時刻の同期をオンにして手動で同期する
Windows 10では自動的にNTPサーバをPC内の時計を同期させる機能がついています。
自動同期をONにしておけば定期的に同期し、ズレがある場合は正しい時刻に修正されます。
時計がずれていることに気づいたら、まずは手動でNTPサーバと同期しましょう。同期する手順は次の通りです。
- タスクバー右側に表示されている「時刻」を右クリックして「日付と時刻の調整」をクリックします。
- 右ペインで、「時刻を自動的に設定する」のスイッチが「オン」になっていることを確認します。
- 「時刻を同期する」の「今すぐ同期」をクリックします。
- チェックマークが表示されれば時刻の同期は完了です。
タスクバーの時刻のずれが直ったかどうかを確認してください。ずれが直らない場合や、同期できない場合は次の対処に進んでください。
対処2: タイムゾーンを修正する
PCの時計が数時間単位でずれる場合はタイムゾーンの設定に問題があることが考えられます。
特にタイムゾーンが自動設定になっている場合に上記の問題が起きやすいです。
そのため、正しいタイムゾーンを手動で設定することで問題が解決する可能性があります。タイムゾーンの修正は次の手順で変更できます。
- タスクバー右側に表示されている「時刻」を右クリックして「日付と時刻の調整」をクリックします。
- 右ペインで、それぞれ以下の設定になっていることを確認します。
- 「タイムゾーンを自動的に設定する」: 「オフ」にします。
- 「タイムゾーン」: 正しい現在地を選択します。
- 日本の場合は「(UTC +9:00)大阪、札幌、東京」が選択されていることを確認してください。
- 「時刻を同期する」の「今すぐ同期」をクリックして時刻を再度同期します。
上記の操作が終わったら、時刻が一致していることを確認してください。
対処3: CMOSバッテリーを交換する
PCをシャットダウンすると時刻がおかしくなったり、大幅にずれる場合は、マザーボード上のCMOSバッテリーが消耗していることが考えられます。
CMOSバッテリーの寿命は3、4年程度です。CMOSバッテリーの電池切れが考えられる場合は、次の手順で交換を行ってください。
- PCをシャットダウンします。
- PCの電源ケーブルを抜きます。
- 電源ユニットにスイッチがある場合は、「オフ」にしてください。
- PCケースを開けてマザーボード上のCMOSバッテリーを見つけます。
- CMOSバッテリーは、ほとんどの場合ボタン電池(コイン電池)が使用されています。
- 電池スロットのツメを押して、CMOSバッテリーを取り外します。
- 同じ型の新しいCMOSバッテリーを取り付けます。
- CMOSバッテリーはCR2032のボタン電池であることが多いです。コンビニや家電量販店で購入できます。
- コイン電池には極性があるので、取り付ける向き間違えないように注意してください。
- PCケースを閉じて電源ケーブルを接続してPCを起動します。
CMOSバッテリーを交換してPCを起動できたら、時刻のずれが解消したか確認してください。
時刻がずれている場合は、一度だけ手動で同期を行ってください。手動で同期する方法は『対処1: 時刻の同期をオンにして手動で同期する』の方法と同様です。
対処4: CMOSクリアを実行する
CMOSバッテリーが交換済みの場合でも、CMOSで保持されている設定情報に問題があると時刻表示がおかしくなるケースがあります。
上記の問題は、CMOSクリアを行って設定情報をリセットすることで解決できる可能性があります。
CMOSクリアを行うにはCMOSバッテリーの交換と同様にPCケースを開ける必要があります。CMOSクリアの手順は次の通りです。
- PCをシャットダウンします。
- PCの電源ケーブルを抜きます。
- 電源ユニットにスイッチがある場合は、「オフ」にしてください。
- PCケースを開けて、マザーボード上でCMOSリセットのスイッチを10秒以上押し続けてから離します。
- CMOSリセットのスイッチは、「CLR_CMOS」等の表記のある小さいスイッチです。
- マザーボードによってはスイッチがない場合があります。ない場合は、次のいずれかの方法でリセットします。
- 方法1: CMOSバッテリーを取り外して1時間放置する(放電)
- 方法2: ピンのジャンパブロックを取り外すか、他のピンに入れ替える
- CMOSリセットの具体的な方法が分からない場合は、マザーボードのマニュアル等を参考にしてください。
- CMOSのリセットができたら、PCを元の状態に戻して電源を入れます。
PCが起動できたら、時刻の設定もリセットされているため、『対処1: 時刻の同期をオンにして手動で同期する』と同様の手順で時刻を同期してください。
対処5: 使用するNTPサーバを変更する
Windows10では、MicrosoftのNTPサーバー「time.windows.com」がデフォルトで指定されています。
上記のNTPサーバーの不具合や接続障害により、サーバーにうまく接続できず時刻が同期できないケースが稀にあります。
そのため、使用するNTPサーバーを変更して問題が解決できないか確認してください。具体的な手順は以下の通りです。
- タスクバー右側に表示されている「時刻」を右クリックして「日付と時刻の調整」をクリックします。
- 左ペインで「地域」をクリックします。
- 「日付と時刻」をクリックします。
- 「インターネット時刻」タブを選択して「設定の変更」をクリックします。
- 「インターネット時刻サーバと同期する」にチェックが入っていることを確認します。
- 「サーバー」横の入力欄で、以下のいずれかのNTPサーバーのアドレスを入力します。
- ntp.nict.jp ・・・独立行政法人情報通信研究機構 (NICT) のPublic NTPサーバー
- ntp.jst.mfeed.ad.jp ・・・インターネットマルチフィード株式会社のPublic NTPサーバー
- time.cloudflare.com ・・・海外のCloudflareのPublic NTPサーバー
- NTPサーバーを変更できたら「今すぐ更新」をクリックします。
- 「時刻は正常に(サーバーアドレス)と同期しました。」と表示されれば同期完了です。「OK」をクリックして設定を閉じます。
NTPサーバーを変更して時刻の同期ができたら、再度タスクバーの時刻が正しいか確認してください。
対処6: BIOSをアップデートする
マザーボードによってはBIOSに不具合があることが原因で、時刻がずれてしまうケースがあります。
BIOSの不具合はメーカーから、修正のアップデートが提供されていることが多いです。
そのため、使用しているPCのメーカーサイトで新しいバージョンのBIOSが提供されていないか確認してください。(*自作PCの場合はマザーボードメーカーのサイトを確認してください)
アップデート方法は、メーカーによって異なるためメーカーサイトのマニュアルページを参考にしてください。
BIOSのアップデートが完了したら、時刻が正常に同期されるようになったか確認してください。
対処7: セキュリティソフトを停止して同期する
セキュリティソフトの機能がNTPサーバーへの通信をが遮断しているケースがあります。
上記の問題が、主にサードパーティー製のセキュリティソフトを利用している際に発生します。
そのため、セキュリティソフトを一時的に停止した状態で時刻が同期できないか試してみてください、
セキュリティソフトを停止して同期できた場合は、セキュリティソフトの設定を変更してNTPサーバへの通信を許可します。設定方法はセキュリティソフトによって異なるため、製造元のWebサイトなどで確認してください。