Google ChromeでWebページにアクセスすると、「ホストを解決しています」のメッセージが表示されることがあります。
通常であればこのメッセージはすぐに消えますが、異常に長く表示されてページを開くが遅くなるケースがあります。
本記事では、Chromeで「ホストを解決しています」の表示が長い、ページの表示が遅い時の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
「ホストを解決しています」が長い原因
ChromeでWebページへのアクセス中で出る「ホストを解決しています」の表示は、ブラウザがDNSの名前解決を行なっていること意味します。
「ホストを解決しています」の表示が異常に長く時間が掛かっている場合は、主に次の問題が考えられます。
- ネットワーク接続に一時的な問題が起きている
- DNSキャッシュに問題がある
- 接続しているDNSサーバーに障害が起きている
- VPNやプロキシの設定に問題がある
- Chromeの一時データに問題がある
- ルーターに問題が起きている
- Windowsのhostsファイルの設定に問題がある
上記の中でも、特にDNSキャッシュやDNSサーバーが原因となっているケースが多いです。DNSサーバー側に原因がある場合でも、設定変更によって対処することができます。
原因ごとの対処方法をそれぞれ紹介していくので、順にChromeの「ホストを解決しています」の問題が解決できないか試してみてください。
対処1: PCを再起動する
PCのネットワーク情報に一時的な問題が起きており、Chormeで「ホストを解決しています」の表示が出ることがあります。
そのため、まずはChromeを再起動してみてください。Chromeを再起動しても直らない場合は、PCを一度再起動してみてください。
PCを再起動することで、一時的なネットワーク情報がリセットされて問題が解決する可能性があります。
再起動をしてもChromeに「ホストを解決しています」の問題が発生する場合は、次の対処方法に進んでください。
対処2: ChromeのDNSキャッシュをクリアする
ChromeのDNSキャッシュに問題があることが原因で、名前解決に問題が起きて「ホストを解決しています」が表示されるケースがあります。
そのため、ChromeのDNSキャッシュを一旦クリアして問題が解決できないか確認してみてください。ChromeのDNSキャッシュをクリアする手順は、次の通りです。
- Chromeを起動します。
- アドレスバーに以下のテキストを入力してEnterを押します。
chrome://net-internals/#dns
- 「Clear host cache」をクリックします。
- クリックできたらDNSキャッシュのクリアは完了です。メッセージ等は表示されません。
ChromeのDNSキャッシュをクリアできたら、Chromeを再起動してページが正常に表示できるか確認してください。
再起動後も「ホストを解決しています」の表示が出る場合は、次の対処法に進んでください。
対処3: PCのDNSキャッシュをクリアしてIPを再取得する
ChormeのDNSキャッシュではなく、WindowsのDNSキャッシュに問題があることが「ホストを解決しています」の表示が出る場合があります。
そのため、WindowsのDNSキャッシュをクリアすることで問題が解決する可能性があります。
WindowsのDNSキャッシュクリアは以下の手順で行います。念の為IPアドレスの再取得とWinsockカタログのリセットも同時に行なってください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。
- 次のコマンドを順番に入力してEnterキーで実行します。
ipconfig /release ipconfig /flushdns ipconfig /renew netsh winsock reset
- Windows PowerShellを閉じて完了です。
「DNSリゾルバーキャッシュは正常にフラッシュされました」と表示されたら、DNSキャッシュのクリアは完了です。
DNSキャッシュがクリアできたら、Chromeを起動して「ホストを解決しています」の問題が解決できたか確認してください。
対処4: 使用するDNSサーバを変更する
使用しているDNSサーバーに問題が起きていることが原因で、Chromeで「ホストを解決しています」の表示が出るケースがあります。
上記の問題は、使用するDNSサーバーを変更することで回避できます。DNSサーバーを変更する手順は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ネットワーク接続」を選択します。
- ネットワーク詳細設定の項目にある「ネットワークと共有センター」をクリックします。
- 左ペインで「アダプター設定の変更」をクリックします。
- 「現在接続しているネットワーク」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 有線接続の場合はイーサネット、無線接続の場合はWi-Fiを右クリックしてください。
- 項目の一覧で「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択して「プロパティ」をクリックします。
- 「次のDNSサーバのアドレスを使う」を選択して、GoogleパブリックDNSのアドレスを入力します。
- GoogleパブリックDNSの値
- 優先DNSサーバ: 8.8.8.8
- 代替DNSサーバ: 8.8.4.4
- 既にDNSサーバーを指定している場合は、「DNSサーバのアドレスを自動的に取得する」を選択してください。
- GoogleパブリックDNSの値
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
使用するDNSサーバを変えた状態でChromeを起動し、Webページにアクセスできるか確認しましょう。
対処5: VPNとプロキシを無効にする
PCでVPNやプロキシを利用していることが原因で、Chromeに「ホストを解決しています」が表示されることがあります。
そのため、VPNもしくはプロキシを利用している場合は設定を無効にして問題が解決しないか確認してください。VPNとプロキシの設定を無効にする手順は、次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ネットワーク接続」を選択します。
- 左ペインで「VPN」を選択します。
- 右ペインで「接続しているVPN」を選択して「切断」をクリックします。
- 続いて左ペインで「プロキシ」をクリックします。
- 右ペインで「プロキシサーバーを使う」のスイッチを「オフ」に変更します。
VPNとプロキシの設定を無効にできたら、Chromeを開いて正常にWebページにアクセスできるか確認してください。
対処6: Chromeの履歴とキャッシュをクリアする
Chromeの履歴情報やキャッシュなどの一時データに問題があることが原因で、「ホストを解決しています」が表示されることがあります。
そのため、Chromeの履歴とキャッシュを一度クリアして問題が解決しないか試してみてください。Chromeの履歴とキャッシュを削除する手順は次の通りです。
- Chromeを起動します。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」→「その他のツール」→「閲覧履歴を消去」の順にクリックします。
- 期間を「全期間」に設定します。
- 「閲覧履歴」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れます。
- 「データを削除」をクリックします。
以上の手順で、Chromeの履歴とキャッシュをクリアすることができます。念の為Chromeを再起動してから、Webページへのアクセスを確認してください。
対処7: IPv6を無効化する
WindowsのIPv6の機能が原因でネットワーク接続に問題が起きて、Chromeに「ホストを解決しています」が表示されるケースが考えられます。
そのため、IPv6の機能を無効化してChromeの問題が解決しないか確認してください。iPv6の機能を無効化するには、次の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ネットワーク接続」を選択します。
- ネットワーク詳細設定の項目にある「ネットワークと共有センター」をクリックします。
- 左ペインで「アダプター設定の変更」をクリックします。
- 「現在接続しているネットワーク」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 有線接続の場合はイーサネット、無線接続の場合はWi-Fiを右クリックしてください。
- 項目の一覧で「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」のチェックを外します。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
IPv6の機能を無効化できたら、Chromeを起動して正常にページにアクセスできるようになったか確認してください。
対処8: ルーターを再起動する
ルーターのDHCP機能に問題が起きていることが原因で、Chromeに「ホストを解決しています」が表示されるケースが考えられます。
DHCP機能に問題が起きると、ローカルネットワーク内にIPアドレスが重複したデバイスが存在してしまい、ネットワークの接続が不安定になります。
そのため、一度ルーターを再起動してChromeのホスト解決の問題が解決できないか確認してみてください。ルーターを再起動するには、次の手順で行います。
- ルーターのACアダプターを抜きます。
- 10秒以上待ってから再度ACアダプターを繋ぎます・
- 回線用のルーター以外にWi-Fiルーターがある場合は、全ての機器を再起動します。
ルーターが再起動してPCがインターネットに接続できたら、Chromeを起動してWebページにアクセスできるか確認してください。
対処9: hostsファイルをリセットする
Windowsのhostsファイルを変更していることが原因で、Chromeに「ホストを解決しています」が表示されるケースが少なからず考えられます。
hostsファイルは通常変更することはありませんが、特定のアプリケーションなどによって書き換えられている場合があります。
そのため、hostsファイルを確認して変更がある場合は、設定をリセットしてください。リセットする手順は次の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を起動します。
- 次のファイルパスを開きます。
C:\Windows\System32\drivers\etc
- 「hosts」ファイルを右クリックして「プログラムから開く」を選択します。
- 一覧から「メモ帳」を選択して「OK」をクリックします・
- 先頭が「#」以外の行を全て削除して、設定をリセットします。
- 「8.8.8.8 google.com」等の行を削除します。
- 「#」以外の行が存在しない場合は、設定がないため他の対処方法を試してください。
- 上部メニューで「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択します。
- デスクトップなどの分かりやすい場所に「保存」します。
- 保存した「hosts.txt」を右クリックして「名前を変更」を選択します。
- 「.txt」が表示されていない場合は、エクスプローラーの「表示」→「ファイル名拡張子」にチェックを入れてください。
- ファイル名を「hosts」に変更します。拡張子の変更の確認ダイアログが表示されたら「はい」をクリックします。
- 変更した「hosts」ファイルを「C:\Windows\System32\drivers\etc」の場所にドラッグして、元の「hosts」ファイルと置き換えます。
- 管理者権限の確認が表示された場合は「続行」をクリックしてください。
- hostsファイルがコピーできたら、PCを再起動します。
PCが再起動するとhostsファイルの設定が反映されます。ChromeでWebページに正常にアクセスできるか確認してください。