Googleの「バックアップと同期」アプリを使用することで、Googleドライブ上のファイル/フォルダをPCと同期することができます。
しかし、バックアップと同期をインストールしても起動できなかったり、アイコンがタスクバー(メニューバー)に表示されないことがあります。
本記事では、PCでバックアップと同期が正常に起動しない時の対処法について詳しく紹介します。対処方法は、Windows10とMacの両方の環境を想定しています。
この記事の内容
対処1: バックアップと同期を再起動する
バックアップと同期が正常に起動しない場合、前回の終了時に正常に終了できていないためにバックグラウンドで動作したままになっていることがあります。
そのため、バックアップと同期のプロセスを完全に終了してから、再起動することで問題が解決する可能性があります。
バックアップと同期を完全に終了して再起動するには、以下の手順で操作してください。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」を右クリックして「タスクマネージャー」を選択して起動します。
- 詳細表示になっていることを確認して「プロセス」タブをクリックします。
- 簡易表示になっている場合は左下の「詳細表示」をクリックします。
- プロセス一覧で「googledrivesync.exe」を右クリックして「タスクの終了」をクリックします。
- プログラムが終了したことを確認したら、「Windowsマーク」をクリックして、アプリ一覧から「Backup and Sync from Google(バックアップと同期)」を選択して起動します。
- Macの場合:
- Finderを開いて「アプリケーション」→「ユーティリティ」フォルダを開きます。
- 「アクティビティモニタ.app」をダブルクリックで起動します。
- プロセスの一覧で、「Googleのバックアップと同期」をクリックして選択します。
- 上部の「×アイコン」をクリックして、プロセスを強制終了します。
- Finderで「アプリケーション」フォルダを開いて、「Googleのバックアップと同期」をダブルクリックして起動します。
上記の手順でバックアップと同期を再起動したら、正常にアプリが起動するか確認してください。正常に起動できた場合は、タスクバー(メニューバー)にアプリのアイコンが表示されます。
対処2: PCを再起動する
システムに一時的な問題が発生していることが原因で、バックアップと同期が正常に起動しないケースが考えられます。
そのため、PCを一度再起動してからバックアップと同期の起動を試してみてください。
正常に起動した場合は、システムの一時的なエラーだったと判断できます。PCを再起動してもバックアップと同期を起動できない場合は、次の対処方法に進んでください。
対処3: アプリの自動起動設定を有効にする
PCをシャットダウンしたり、再起動した後でバックアップと同期が起動しない場合は、自動起動の設定が無効になっていることが考えられます。
そのため、次の手順でバックアップと同期の自動起動の設定を確認して有効にしてください。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」をクリックして、アプリ一覧から「Backup and Sync from Google(バックアップと同期)」をクリックします。
- タスクバー右側の上矢印をクリックしてタスクトレイを展開して、「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」→「設定」の順にクリックします。
- 左ペインで「設定」を選択します。
- 右ペインで「システム起動時にバックアップと同期を開く」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
- Macの場合:
- Finderで「アプリケーション」フォルダを開きます。
- 「Googleのバックアップと同期」をダブルクリックで起動します。
- 上部のメニューバーで「バックアップと同期のアイコン」をクリックします。
- 左ペインで「設定」を選択します。
- 右ペインで「システム起動時にバックアップと同期を開く」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
以上の設定で、PC起動時にバックアップと同期が自動的に起動するようになります。
アプリで自動起動の設定を有効にしても自動起動しない場合は、続けて次のシステム側のスタートアップ設定を確認してください。
システムの設定で自動起動を有効にする
アプリの自動起動設定を有効にしても起動しない場合は、次の手順でシステム側でアプリの自動起動を有効にしてください。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 左ペインで「スタートアップ」をクリックします。
- 右ペインで「googledrivesync.exe(バックアップと同期)」のスイッチを「オン」に変更します。
- 上記の設定を行なっても自動起動しない場合は、続けて次の手順を行なってください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「shell:startup」と入力して「OK」をクリックして、スタートアップフォルダを開きます。
- 「Windowsマーク」をクリックして、アプリ一覧の「Backup and Sync from Google(バックアップと同期)」をスタートアップフォルダ内にドラッグして、ショートカットを作成します。
- 上記の設定を行なっても自動起動しない場合は、続けて次の手順を行なってください。
- Macの場合:
- 上部メニューバーで「Appleマーク」→「システム環境設定」の順にクリックします。
- 「ユーザとグループ」をクリックして、ログイン中のユーザーを選択します。
- 右ペインで「ログイン項目」タブをクリックします。
- 一覧で「Googleのバックアップと同期」の「非表示」にチェックが入っている場合は外します。
- 「Googleのバックアップと同期」が登録されていない場合は、「+」をクリックしてアプリを登録してください。
システム側のアプリの起動設定を変更できたら、PCを再起動してGoogleのバックアップと同期が起動するようになったか確認してください。
対処4: 設定ファイルをリセットする
バックアップと同期の設定ファイルが破損していることが原因で、起動時にエラーが出て起動できないケースがあります。
特に今までは正常に起動できていたのに突然起動できなくなった場合は、設定ファイルに問題が起きていることが考えられます。
上記の問題は、バックアップと同期の設定ファイルを削除してリセットすることで問題が解決する可能性が高いです。
バックアップと同期の設定ファイルを削除するには、以下の手順で操作してください。
- Windowsの場合:
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 以下のフォルダパスと入力して「OK」をクリックします。
%LOCALAPPDATA%\Google\Drive
- 「user_default」フォルダを右クリックして「削除」します。
- Macの場合:
- Finderを開いて、上部メニューで「移動」→「フォルダへ移動」の順にクリックします。
- 以下のディレクトリパスを入力して「移動」をクリックします。
~/Library/Application Support/Google/Drive
- 「user_default」フォルダを右クリックして「ゴミ箱に入れる」を選択します。
以上の手順で、バックアップと同期の設定ファイルをリセットすることができます。リセットが完了したら、PCを再起動してバックアップと同期の起動を試してみてください。
対処5: セキュリティ機能でアプリを許可する
PCのセキュリティ機能が原因で、バックアップと同期が正常に起動しないケースが考えられます。
特にMacの場合は、システムのアップデートによってセキュリティ設定が追加されたことが原因で、バックアップと同期が起動できなくなるトラブルが過去に報告されています。
そのため、セキュリティ機能の設定を確認して、バックアップと同期の起動を妨げる項目がある場合は設定を変更してください。
- Windowsの場合:
- サードパーティ製のセキュリティソフトを使用している場合は、機能を一時的に無効化した状態でバックアップと同期が起動できない試してみてください。
- 機能を無効化して起動できる場合は、セキュリティの例外設定に「バックアップと同期」アプリを追加してください。追加方法はソフトウェアによって異なるため、マニュアルを参考にしてください。
- Macの場合:
- 上部メニューバーで「Apple」→「システム環境設定」の順にクリックします。
- 「セキュリティとプライバシー」をクリックします。
- 「一般」タブを開いて、「ダウンロードしたアプリケーションの実行許可」のオプションで「App Storeと確認済みの開発元からのアプリケーションを許可」を選択します。
- 設定を変更する場合は、左下の「鍵アイコン」をクリックして、Macのパスワードを入力し「ロックを解除」をクリックしてください。
- 「プライバシー」タブを開いて、「フルディスクアクセス」をクリックします。
- 右ペインのアプリ一覧で、「Googleのバックアップと同期」にチェックを入れてます。
- 一覧に「Googleのバックアップと同期」がない場合は、「+」をクリックしてアプリを追加してください。
セキュリティ設定を変更できたら、バックアップと同期が正常に起動するようになったか確認してください。
対処6: C:\TEMPフォルダを作成する
Windowsの環境でバックアップと同期の起動時に「Failed to execute script pyi_rth_win32comgenpy」のエラーが出ている場合は、アプリが使用するTEMPフォルダが存在していないことが考えられます。
上記のエラーは、Cドライブ直下にTEMPフォルダを作成することで解決することができます。具体的な手順は、以下の通りです。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「エクスプローラー」を選択します。
- 左ペインで「PC」をクリックします。
- 右ペインで「ローカルディスク(C:)」をダブルクリックして開きます。
- フォルダ内に「TEMP」がない場合は、ウィンドウ内の何もない場所で右クリックして「新規作成」→「フォルダー」を選択します。
- 作成したフォルダ名を「TEMP」に変更してEnterキーを押します。
TEMPフォルダを作成できたら、バックアップと同期を再起動してエラーが解決したことを確認してください。
対処7: バックアップと同期を管理者として再インストールする
ここまでの対処法を試してもバックアップと同期が起動できなかったり、起動してもクラッシュする場合は、アプリケーションが破損していることが考えられます。
そのため、バックアップと同期を一旦アンインストールしてから、最新バージョンを再度インストールしてみてください。
バックアップと同期を再インストールする手順は以下のとおりです。
Windowsの場合
Windowsの場合は以下の手順で再インストールを行なってください。インストーラーを起動する際は、管理者として実行する点に注意してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインの一覧から「Backup and Sync from Google(バックアップと同期)」を選択して「アンインストール」をクリックします。
- 確認ポップアップが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- 案内に従ってアンインストールを完了します。
- アンインストールが完了したら、『Googleドライブの公式ダウンロードページ』から、最新のバックアップと同期のインストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードした「installbackupandsync.exe」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします。
- インストールウィザードにしたがってインストールを完了します。
- バックアップと同期を起動し、初期設定を行います。
Macの場合
Macの場合は、通常のアプリと同じ手順で再インストールを行なってください。
- Finderを開いて「アプリケーション」フォルダを開きます。
- 「Googleのバックアップと同期」を右クリックして「ゴミ箱に入れる」を選択します。
- 『Googleドライブの公式ダウンロードページ』から、最新のバックアップと同期のインストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードした「InstallBackupAndSync.dmg」をダブルクリックで起動します。
- インストールウィザードにしたがってインストールを完了します。
- バックアップと同期を起動し、初期設定を行います。
バックアップと同期の再インストールが完了したら、アプリを正常に起動できるようになったか確認してください。