Windows10のPCを使用していると、「停止コード: FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGE」のブルースクリーン(BSoD)のエラー画面が突然表示されることがあります。
このブルースクリーンは物理メモリに関連するエラーで、根本的な原因を対処しないと何度も頻繁に発生する恐れがあります。
本記事では、FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEエラーが頻発する原因と解決法について詳しく紹介します。対処内容はWindows10を想定しています。
この記事の内容
FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEが発生する原因
FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEの停止コードは、主に物理メモリのアクセスによってシングルビットエラーなどの問題が起きた際に発生します。
ブルースクリーンエラーが発生する具体的な原因としては、次のようなことが考えられます。
- デバイスドライバーの互換性に問題がある、破損している
- 物理メモリが破損している
- システムファイルが破損している
- ストレージのファイルシステムが破損している
物理メモリに関連するエラーですが、デバイスドライバーに何らかの問題が起きているケースが多いです。
上記の原因ごとの対処方法を紹介していくので、順にFAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEのエラーが解決しないか確認していってください。
対処1: 高速スタートアップを無効にする
Windowsには起動時間を高速化するための高速スタートアップ機能が実装されており、初期設定で有効になっています。
この機能によってデバイスドライバーの動作に問題が起きて、FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEエラーが発生することがあります。
そのため、高速スタートアップ機能を無効してブルースクリーンエラーが解決しないか確認してみてください。高速スタートアップを無効化するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」をクリックして「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウが開いたら、「システム」をクリックします。
- 左ペインの「電源とスリープ」を選択します。
- 右ペインで、「電源の追加設定」をクリックします。
- 左ペインの「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。
- シャットダウン設定内にある「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外して「変更の保存」をクリックします。
- 設定がグレーアウトしていて変更できない場合は、「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックしてください。
- PCを再起動して設定を反映します。
以上の手順で高速スタートアップが無効にすることができます。PCが再起動したら、ブルースクリーンエラーが発生しなくなったか検証してください。
対処2: WindowsUpdateでドライバーを更新する
デバイスドライバーに問題があることが原因で、FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEエラーが発生するケースがあります。
そのため、デバイスドライバーを最新バージョンにアップデートすることで問題が解決する可能性があります。
最新のデバイスドライバーはWindowsUpdateによって提供されている場合が多いため、以下の手順でWindowsUpdateを実行してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 右ペインで「オプションの更新プログラムの表示」をクリックします。
- 「ドライバーの更新プログラム」を展開して、使用可能なドライバーにチェックを入れます。
- 「ダウンロードしてインストール」をクリックして、ドライバーをインストールします。
WindowsUpdateでドライバーの更新プログラムをインストールできたら、ブルースクリーンエラーが発生しなくなったか確認してください。
対処3: デバイスドライバーを手動でアップデートする
WindowsUpdateでドライバーの更新プログラムが見つからない場合は、手動で最新のデバイスドライバーをインストールすることで、FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEエラーが解決する可能性があります。
そのため、PCのメーカーサイトの製品ページにアクセスして、公開されている全ての最新バージョンのドライバーをダウンロードして手動でインストールしてください。
PCを自作していたり、ハードウェアを増設している場合は、マザーボード、グラフィックボード、サウンドカードなどのメーカーサイトから最新のドライバーをダウンロードして手動でインストールを行ってください。
また、新しいバージョンのBIOS/UEFIが提供されている場合は、合わせてアップデートを行ってください。
最新のデバイスドライバーをインストールできたらPCを再起動して、ブルースクリーンエラーが発生しなくなったことを確認してください。
対処4: Intel Management Engine Interfaceをアップデートする
古いバージョンのIntel Management Engine Interfaceを使用していることが原因で、FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEエラーが発生するケースが報告されています。
そのため、Intel Management Engine Interfaceがインストールされている場合は、最新バージョンにアップデートすることでブルースクリーンエラーが解決される可能性があります。
Intel Management Engine Interfaceをアップデートするには、以下の手順で操作してください。
- 『インテル® マネジメント・エンジン・インターフェイス (インテル® MEI) 用のダウンロード』のページにアクセスします。
- 「Windows8.1 * および Windows10 * 向けインテル®マネジメント・エンジン・ドライバー」の最新バージョンをクリックします。
- 「ダウンロード」をクリックすると、ドライバーファイルのダウンロードが開始します。
- ダウンロードが完了したら、「Windowsマーク」を右クリックして「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスマネージャーが起動したら「システムデバイス」ツリーを展開します。
- 「Intel Management Engine Interface」を右クリックして「デバイスのアンインストール」をクリックします。
- 警告ダイアログが表示されたら、再度「アンインストール」をクリックします。
- アンインストールが完了したら、ダウンロードしたファイルを展開し、実行ファイルをダブルクリックします。
- インストールウィザードに従ってドライバーのインストールを完了します。
- インストールが完了したら、PCを再起動します。
最新版のIntel Management Engine Interfaceをインストールできたら、PCを再起動してブルースクリーンエラーが解消したか確認してください。
対処5: Windowsのシステムファイルを修復する
Windowsのシステムファイルが破損していることが原因で、FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEエラーが発生するケースがあります。
そのため、Windowsのシステムファイルを修復を実行することで、ブルースクリーンエラーが解決する可能性があります。システムファイルの修復を実行するには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellウィンドウが開いたら、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
- システムファイルの問題が検出され自動で修復されます。コマンドの処理が完了するまで待ちます。
- 続いて、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- 進捗のゲージが100%になったら、PowerShellウィンドウを閉じます。
以上の手順で、システムファイルを修復することができます。システムファイルの修復が完了したら、ブルースクリーンエラーが発生しなくなったか確認してください。
対処6: メモリの破損を確認する
PCに搭載している物理メモリ(RAM)が破損していることが原因で、FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEエラーが発生するケースがあります。
そのため、メモリの診断ツールを実行して、物理メモリに問題が起きていないかチェックしてみてください。
物理メモリの問題を診断するには、標準のWindowsメモリ診断、もしくはサードパーティ製のツールを使用します。具体的な手順は以下の通りです。
方法1: Windowsメモリ診断を実行する
Windows標準のメモリ診断ツールを使用して物理メモリをチェックするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」をクリックし、一覧から「Windows管理ツール」を探してクリックします。
- 「Windowsメモリ診断」をクリックして起動します。
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する」をクリックします。
- PCが作業の途中の場合は、「次回のコンピュータ起動時に問題の有無を確認する」をクリックして下さい。その後、ファイルの保存などを行って準備が完了したらPCを再起動しましょう。
- メモリ診断が開始します。診断が完了するまで数分待ちます。
- メモリ診断が完了すると、自動でPCが再起動します。
- タスクバーにWindowsメモリ診断の結果が表示されます。
方法2: Memtest86+を実行する
サードパーティ製のフリーソフト「Memtest86+」を使用して物理メモリの診断を実行する場合は、以下の手順で操作します。
- PCに空のUSBメモリを接続します。
- 『Memtest86+』の公式ページにアクセスして、最新版の「Auto-installer for USB Key (Win 7/8/10)」をダウンロードします。
- ダウンロードしたファイルを右クリックして「すべて展開」を選択し、展開先のフォルダを指定して展開します。
- 展開先のフォルダが開いたら、「Memtest86+ USB Installer.exe」をダブルクリックします。
- インストールウィザードにしたがってMemtest86+をインストールします。
- インストール先は、接続したUSBメモリを指定してください。
- インストールしたUSBメモリを接続した状態のままPCを再起動します。
- 起動直後の画面で、「ブートメニューの起動キー(F8など)」を連打します。
- ブートメニューの起動キーは、マザーボードによって異なるためマニュアル等で確認してください。
- ブートメニューが開いたら、「USBメモリ」を指定して起動します。
- Memtest86+が自動的に実行されます。メモリチェックが完了するまでしばらく待ちます。
- 物理メモリに問題があった場合は、エラー(赤色)が表示されます。
- エラーが発生しなかった場合は「Pass Complete, no errors, press Esc to exit」と表示されるので「Esc」キーを押して終了してください。
メモリ診断ツールによって物理メモリの問題が見つかった場合は、物理メモリの破損が疑われます。
物理メモリの破損が疑われる場合は、PCケースを空けて問題が発生した物理メモリを交換してください。物理メモリを交換できたら、ブルースクリーンエラーが発生しなくなったか確認してください。
複数のメモリを搭載している場合は、問題が起きたメモリだけを取り外した状態でブルースクリーンエラーの発生を確認することもできます。
対処7: チェックディスクを実行する
Windowsをインストールしているシステムドライブのファイルシステムが破損していることが原因で、FAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEエラーが発生するケースが少なからず考えられます。
そのため、システムドライブのファイルシステムを修復することでエラーが解決する可能性があります。
ファイルシステムを修復するには、以下の手順でチェックディスクコマンドを実行してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- PowerShellが起動したら、以下のコマンドを入力してEnterキーで実行します。
chkdsk /f
- 再起動時にチェックをスケジュールするか聞かれたら「y」を入力してEnterキーを押します。
- PCを再起動します。
- PCを再起動すると、起動時に自動的にスキャンと修復が実行されます。完了するまで待ちます。
チェックディスクを実行してファイルシステムのエラーを修復できたら、その後ブルースクリーンエラーが発生しなくなったことを確認してください。
ただし、エラーが解決してもハードディスクの不良セクタが増えている場合は再発する恐れもあります。ハードディスク自体が古い場合は、新しいハードディスクに交換するか、新しいPCに買い換えることも検討してください。
解決しない場合
ここまでの全ての対処方法を試してもFAULTY_HARDWARE_CORRUPTED_PAGEエラーが解決しない場合は、Windowsに修復できない問題が起きていることが考えられます。
そのため、PCを初期化してエラーが解決しないか試してください。PCを初期化する方法については、以下のページを参考にしてください。
PCを初期化する際は、個人データを引き継ぐオプションを選択することで、デスクトップなどのユーザーフォルダ内のファイルを消さずに初期化することもできます。
ただし、アプリケーションなどは全てアンインストールされてしまうため、必要なデータはバックアップしてから行うことをおすすめします。
PCを初期化してもブルースクリーンエラーが再発する場合は、ハードウェアが故障していることが考えられます。ハードウェアの故障は自身での対処は難しいため、メーカーサポートもしくは修理業者に診断と修理を依頼することをおすすめします。