Windows11ではSnipping Tool(Windows10の場合は切り取り領域とスケッチ)アプリを使用して、画面全体や範囲選択した領域のスクリーンショットを撮ることができます。
しかし、Snipping Toolを使用しようとしても「アプリを開けません」のエラーが発生したり、従来のショートカットキーを入力しても反応しない場合があります。
本記事では、Windows11でSnipping Toolが動かない/使えない時の対処法について詳しく紹介します。
この記事の内容
対処1: WindowsUpdateを実行してシステムを最新にする
Windows11のシステムに不具合があることが原因で、Snipping Toolが動かないケースが考えられます。
過去にもSnipping Toolの使用に不具合があった際は、KB5008295のアップデートで修正されています。
そのため、WindowsUpdateを実行して、システムが最新バージョンになっているかチェックしてください。WindowsUpdateを実行するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「設定」を選択します。
- 設定ウィンドウが開いたら、左ペインの「WindowsUpdate」を選択します。
- Windows10の場合は、「更新とセキュリティ」をクリックしてください。
- 右ペインの「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- 「ダウンロード」や「インストール」が表示されたら、クリックしてアップデートを進めます。
WindowsUpdateを実行してシステムを最新の状態にできたら、PCを再起動してからSnipping Toolが使用できるようになったか確認してください。システムが最新の状態にも関わらずSnipping Toolが使えない場合は、次の対処に進んで下さい。
対処2: Snipping Toolのアクセス権限を確認する
アプリのアクセス権限に問題があることが原因で、Snipping Toolが正しく動作しないケースが考えられます。
そのため、Snipping Toolのアクセス権限を確認して、問題がある場合は修正してください。Snipping Toolのアクセス権限を確認して変更するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で、「Snipping Tool」の右側にある「メニュー(3点アイコン)」をクリックして「詳細オプション」を選択します。
- アプリのアクセス許可で「ピクチャ」のスイッチが「オン」になっていることを確認します。
- バックグラウンドアプリのアクセス許可のセレクトボックスをクリックして「電力最適化(推奨)」または「常にオン」を選択します。
Snipping Toolのアプリのアクセスを許可できたら、Snipping Toolを再起動して正常に動作するようになったか確認してください。
対処3: 自動的に変更にコピーをオンにする
Snipping Toolを起動することができても撮ったスクリーンショットを貼り付けれない場合は、自動的に変更にコピーのオプションがオフになっていることが考えられます。
そのため、Snipping Toolの設定を開いて、自動的に変更にコピーのオプションがオンになっているか確認してください。具体的な手順は以下の通りです。
- 「Snipping Tool」を起動します。
- 右上の「もっと見る(3点アイコン)」をクリックして「設定」を選択します。
- 「自動的に変更にコピー」のスイッチを「オン」に切り替えます。
自動的に変更にコピーのオプションをオンにできたら、Snipping Toolでスクリーンショットを取り直して、ペイントなどに貼り付けできるようになったか確認してください。
対処4: ショートカットキーの設定を変更する
Windows+Shift+SのショートカットキーでSnipping Toolの画面切り取りを使用できない場合は、代わりにPrintScreenキーに機能を割り当てることを検討してください。
PrintScreenキーにSnipping Toolの画面切り取りを割り当てるには、以下の手順で操作します。
- 「Snipping Tool」を起動します。
- 右上の「もっと見る(3点アイコン)」をクリックして「設定」を選択します。
- PrintScreenキーのショートカットの項目の「Windowsの設定の変更」をクリックします。
- 「アプリを切り替えますか?」の確認ポップアップが表示されたら「はい」をクリックします。
- 「プリントスクリーンボタンを使用して画面切り取りを開く」のスイッチを「オン」に切り替えます。
PrintScreenキーにSnipping Toolの画面切り取りを割り当てれたら、PrintScreenキーを押してSnipping Toolが使用できるようになったか確認してください。
対処5: Snipping Toolアプリを修復・リセットする
Snipping Toolのアプリまたはアプリデータに問題が起きていることが原因で、Snipping Toolが正常に使用できないケースが考えられます。
そのため、Snipping Toolアプリを修復またはリセットすることで、問題が解決する可能性があります。Snipping Toolアプリを修復・リセットには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で、「Snipping Tool」の右側にある「メニュー(3点アイコン)」をクリックして「詳細オプション」を選択します。
- リセットの項目にある「修正」ボタンをクリックします。
- 修復が完了したら、Snipping Toolが使用できるようになったか確認します。
- Snipping Toolが使用できない場合は、同じリセットの項目にある「リセット」ボタン→「リセット」をクリックします。
Snipping Toolアプリの修復、リセットが完了したら、アプリの起動を試して正常に使えるようになったか確認してください。
対処6: Snipping Toolを再インストールする
Snipping Toolのアプリのバージョンが古かったり、修復できない問題が起きていることが原因で、アプリが正常に動作しないケースが考えられます。
そのため、Snipping Toolを一度アンインストールしてから再インストールすることで、問題が解決する可能性があります。Snipping Toolは、MicrosoftStoreからダウンロードしてインストールすることができます。
Snipping Toolを再インストールするには、以下の手順で操作してください。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「アプリと機能」を選択します。
- 右ペインのアプリ一覧で、「Snipping Tool」の右側にある「メニュー(3点アイコン)」をクリックして「アンインストール」を選択します。
- ポップアップが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
- アンインストールが完了したら、『切り取り領域とスケッチ - MicrosoftStoreアプリ』のページにアクセスします。
- 「Microsoft Storeアプリの取得」をクリックして「入手」をクリックします。
- ダウンロードとインストールが完了するまで待ちます。
再インストールが完了すると、自動的にSnipping Toolが起動します。Snipping Toolが起動したら、正常に使用できるようになったか確認してください。
対処7: 以前のバージョンのSnipping Toolを使用する
Windows11へのアップグレード直後にSnipping Toolが使用できなくなった場合は、前のバージョンのSnipping Toolを使用できないか試してみてください。
前のバージョンのSnipping Toolを使用するには、アップグレード以前のシステムの状態が残るWindows.oldフォルダからプログラムを実行します。以前のバージョンのSnipping Toolを使用するには、以下に手順で操作します。
- 「エクスプローラー」を開きます。
- 左ペインの「PC」をクリックします。
- 右ペインの「Windows(C:)」のドライブを開きます。
- 「Windows.old」フォルダを開きます。
- 右上の検索ボックスに「Snipping」と入力して検索します。
- 「SnippingTool.exe」を実行して使用できるか試します。
以前のバージョンのSnipping Toolが使用できる場合は、SnippingTool.exeをタスクバーにピン留めするか、デスクトップなどのフォルダにコピーして
対処8: 集中モードをオフにする
Windowsの集中モードがオンになっていることが原因で、Snipping Toolが正常に使えないケースが考えられます。
そのため、集中モードがオンになっている場合はオフにして、問題が解決しないか確認してください。集中モードをオフにするには、以下の手順で操作します。
- タスクバー右側の「インターネット・サウンド・電源アイコン」をクリックします。
- 「集中モードのパネル」をクリックして「オフ」に切り替えます。
集中モードをオフにできたら、その状態でSnipping Toolを使用できるか確認してください。
対処9: 日付と時刻を更新する
PCの日付と時刻の設定がズレていることが原因で、Snipping Toolが正しく動作しないケースが考えられます。
そのため、日付と時刻の設定を現在の日時に更新することで、問題が解決する可能性があります。日付と時刻を更新するには、以下の手順で操作します。
- タスクバー右側の「日付と時刻」を右クリックして「日時を調整する」を選択します。
- 右ペインの「時刻を自動的に設定する」のスイッチを「オン」に切り替えます。
- 既にオンの場合は、スイッチを一度「オフ」に切り替えてから「オン」にしてみてください。
PCの日付と時刻を更新できたら、Snipping Toolが正常に使えるようになったか確認してください。
対処10: グループポリシーの設定を変更する
グループポリシーの設定でSnipping Toolの使用を無効にしているケースが考えられます。
そのため、グループポリシーの設定を確認して、Snipping Toolの使用が無効になっていないか確認してみてください。グループポリシーの設定でSnipping Toolの使用を許可するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。
- グループポリシーエディタが起動したら、左ペインのフォルダツリーを以下の順に展開します。
「ローカルコンピューターポリシー」→「ユーザーの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「タブレットPC」→「アクセサリ」
- 左ペインの「アクセサリ」を選択した状態で、右ペインの「Snipping Toolの実行を許可しない」をダブルクリックして開きます。
- 「未構成」または「無効」を選択して「OK」をクリックします。
- PCを再起動してポリシー設定を反映します。
グループポリシーの設定を変更した場合は、PCを再起動してからSnipping Toolが使用できるようになったか確認してください。
対処11: レジストリの設定を変更する
Windowsのレジストリの設定に問題があることが原因で、Snipping Toolが正常に使えないケースが考えられます。
レジストリの設定は通常変更することはありませんが、サードパーティのアプリなどによって設定が書き変わっている場合があります。
Snipping Toolを使用できるようレジストリの設定を変更するには、以下の手順で操作します。
- 「Windowsマーク」を右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- 「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
- レジストリエディターが起動したら、左ペインのキーツリーを以下の順に展開します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\TabletPC
- 「TabletPC」キーを選択して、右ペインの「DisableSnippingTool」の値をダブルクリックして開きます。
- 「TabletPC」キーまたは「DisableSnippingTool」の値がない場合は、レジストリによって無効になっていないため別の対処方法を試してください。
- 値のデータが「1」になっている場合は「0」に変更して「OK」をクリックします。
- PCを再起動してレジストリを反映します。
レジストリを変更してPCを再起動できたら、Snipping Toolが正常に使えるようになったか確認してください。