PCやスマホのGoogleChromeでページのスクロールが滑らかにできず引っかかったりカクつくことがあります。
デバイスの空きメモリが不足した際に一時的にスクロールが遅延することがありますが、頻繁に発生する場合は対処が必要です。
本記事では、Chromeのスクロールが引っかかる/カクつく時の対処方法について詳しく紹介します。対処内容はWindows/Androidを想定しています。
この記事の内容
対処1: スムーズスクロールの設定を変更する
Chromeにはウェブページをスクロールする際に、従来のジャンプではなく、スムーズで滑らかなアニメーション効果を提供するスムーズスクロールの機能が実装されています。
スムーズスクロールの機能を有効にすることで、Chromeのスクロールが引っかかる問題が解決する可能性があります。また、逆にこの機能が原因でスクロールに問題が起きる場合もあります。
そのため、スムーズスクロールの設定を変更して問題が解決しないか確認してみてください。Chromeのスムーズスクロールの設定を変更するには、以下の手順で操作してください。
- 「Chrome」を起動します。
- アドレスバーに以下のアドレスを入力して移動します。
chrome://flags
- Experimentsの画面が表示されたら、検索ボックスに「smooth」と入力します。
- 検索結果の一覧で「Smooth Scrolling」の右にある「Default」をクリックして、「Enabled(有効)」または「Disabled(無効)」を選択します。
- 既に「Enabled」になっている場合は「Disabled」に、「Disabled」になっている場合は「Enabled」に切り替えてみてください。
- 画面下の「Relaunch」をクリックして設定を反映します。
Chromeのスムーズスクロールの有効/無効を切り替えれたら、ページをスクロールして問題が解決したか確認してください。スクロールの問題が解決しない場合は、スムーズスクロールの設定を「Default」に戻して次の対処に進んでください。
対処2: ハードウェアアクセラレーションの設定を変更する
Chromeのハードウェアアクセラレーションの機能が原因で、ページのスクロールが引っかかったりカクつくケースが考えられます。
そのため、Chromeのハードウェアアクセラレーションの機能のオン/オフを切り替えて、スクロールの問題が解決しないか確認してみてください。ハードウェアアクセラレーションの機能を切り替えるには、以下の手順で操作してください。
- 「Chrome」を起動します。
- 右上の「3点アイコン」をクリックして「設定」を選択します。
- メニューで「システム」をクリックします。
- 「ハードウェアアクセラレーションが使用可能な場合は使用する」のスイッチを「オフ」に切り替えます。
- 「オフ」の場合は「オン」に切り替えると問題が解決する場合があります。
- Chromeを再起動して設定を反映します。
ハードウェアアクセラレーションの設定を変更できたら、ページが正常にスクロールできるようになったか確認してください。
対処3: ANGLE graphics backendを変更する
ChromeのAlmost Native Graphics Layer Engineに使用するグラフィックスバックエンドを変更することで、パフォーマンスが向上してスクロールがスムーズになる可能性があります。
ChromeのANGLE graphics backendの設定を変更するには、以下の手順で操作してください。
- 「Chrome」を起動します。
- アドレスバーに以下のアドレスを入力して移動します。
chrome://flags
- Experimentsの画面が表示されたら、検索ボックスに「ANGLE」と入力します。
- 検索結果の一覧で、「Choose ANGLE graphics backend」の右側の「Default」をクリックして「OpenGL」を選択します。
- 画面下の「Relaunch」をクリックして設定を反映します。
ANGLE graphics backendの設定を変更できたら、ページのスクロールの引っかかりなどが解決したか確認してください。
対処4: Experimental QUIC protocolを無効にする
ChromeのExperimental QUIC protocolの機能が有効になっていることが原因で、ページのスクロールに問題が起きるケースが考えられます。
そのため、Experimental QUIC protocolの機能を無効にすることで、問題が解決する可能性があります。Experimental QUIC protocolを無効にするには、以下の手順で操作してください。
- 「Chrome」を起動します。
- アドレスバーに以下のアドレスを入力して移動します。
chrome://flags
- Experimentsの画面が表示されたら、検索ボックスに「QUIC」と入力します。
- 検索結果の一覧で、「Experimental QUIC protocol」の右側の「Default」をクリックして「Disabled」を選択します。
- 画面下の「Relaunch」をクリックして設定を反映します。
Experimental QUIC protocolの機能を無効にできたら、ページのスクロールの問題が解決したか確認してください。
対処5: 実験的オプションの設定をリセットする
Chromeの実験的なオプションの設定が変更されていることが原因で、ページのスクロールに問題が起きるケースが考えられます。
そのため、Chromeの実験的なオプションの設定をリセットすることで、スクロールに問題が解決する可能性があります。Chromeの実験的なオプションの設定をリセットするには、以下の手順で操作してください。
- 「Chrome」を起動します。
- アドレスバーに以下のアドレスを入力して移動します。
chrome://flags
- Experimentsの画面が表示されたら、右上の「Reset All」をクリックします。
- 画面下の「Relaunch」をクリックして設定を反映します。
Chromeの実験的なオプションの設定をリセットできたら、ページのスクロールが正常にできるようになったか確認してください。
対処6: グラフィックドライバーを更新する
WindowsのPCの場合は、グラフィックドライバーのバージョンが古く不具合があることが原因で、Chromeのスクロールが引っかかったりカクつくケースが考えられます。
そのため、グラフィックドライバーを最新バージョンにアップデートすることで、問題が解決する可能性があります。グラフィックドライバーを更新するには、以下の手順で操作してください。
- NVIDIAの場合:
- 「Windowsマーク」をクリックして、アプリ一覧から「GeForce Experience」を選択します。
- アプリケーションがインストールしていない場合は、『GeForce Experience公式ページ』からダウンロードしてインストールしてください。
- 左上の「ドライバー」をクリックします。
- ログインしていない場合は、ログインを行なってください。
- 「更新プログラムの確認」をクリックして、アップデートをチェックします。
- アップデートがあった場合は「ダウンロード」をクリックして、更新プログラムのダウンロードを開始します。
- 「カスタムインストール」をクリックします。
- インストールオプションが表示されたら、グラフィックドライバーのみチェックを入れて、他のオプションのチェックを外します。
- 「クリーンインストールの実行」にチェックを入れて、「インストール」をクリックします。
- インストールが完了したらPCを再起動します。
- AMDの場合:
- 「Windowsマーク」をクリックして、アプリ一覧から「AMD Radeon Settings」を選択します。
- アプリケーションがインストールしていない場合は、『AMDのドライバー&サポート』のページから「今すぐダウンロード」をクリックして、ファイルをダウンロードしてインストールしてください。
- 「更新(Updates)」をクリックします。
- 「新しいRadeonソフトの更新が可能です(New Radeon Software updates are available)」と表示されたら「New」をクリックします。
- 「今すぐ更新(Update Now)」を選択します。
- 「更新版のインストールをするために、AMDの設定を閉じますか?(Are you sure to want to exit AMD Radeon Settings?)」と表示されたら、「はい(Proceed)」をクリックします。
- 「自動で最新版をダウンロード(Autcomatically download the latest drivers)」にチェックを入れて、「アップグレード(Upgrade)」をクリックします。
- ダイアログが表示されたら「インストール(Install)」をクリックします。
- 「アップグレード(Upgrade)」をクリックします。
- 「AMD Display Driver」以外のチェックを外して「インストール(Install)」をクリックします。
- インストールが完了したらPCを再起動します。
- 「Windowsマーク」をクリックして、アプリ一覧から「AMD Radeon Settings」を選択します。
- 「Windowsマーク」をクリックして、アプリ一覧から「GeForce Experience」を選択します。
Intelの場合は、WindowsUpdateを実行するか、グラフィックカードの製品ページから最新のドライバーをダウンロードしてインストールしてください。
グラフィックドライバーを更新できたら、ページスクロールの動作が改善したか確認してください。
対処7: 拡張機能を無効にする
Chromeにインストールしている拡張機能が原因で、ページのスクロールに問題が起きているケースが考えられます。
そのため、拡張機能を全て無効にしてスクロールの問題が解決しないか確認してください。Chromeの拡張機能を無効にするには、以下の手順で操作してください。
- 「Chrome」を起動します。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」をクリックし、「拡張機能」→「拡張機能を管理」を選択します。
- 拡張機能の一覧が表示されたら、拡張機能名の右下にあるスイッチをクリックして「オフ」に切り替えます。
拡張機能をすべて無効にできたら、その状態でページのスクロールの問題が解決するか確認してください。
問題が解決した場合は拡張機能に原因があると判断できるため、原因として疑われる拡張機能を特定して無効にしておくか削除してください。
対処8: スクロールの拡張機能をインストールする
Chromeウェブストアにはスクロールを滑らかにするサードパーティの拡張機能が提供されています。この拡張機能をインストールすることで、Chromeのスクロールの問題を解決できる可能性があります。
例として無料の拡張機能「SmoothScroll」をインストールする方法を紹介します。
- 『SmoothScroll - chromeウェブストア』のページにアクセスします。
- 「Chromeに追加」をクリックします。
- 確認ポップアップが表示されたら「拡張機能を追加」をクリックします。
- SmoothScrollが有効になります。
以上の手順で、SmoothScrollの拡張機能をインストールできます。スクロールの設定を変更する場合は、右上の「拡張機能(パズルアイコン)」をクリックして「SmoothScroll」の右側の「3点アイコン」→「オプション」から行ってください。
対処9: Chromeをアップデートする
Chromeのアプリバージョンが古く不具合があることが原因で、スクロールが引っかかったりカクつくケースが考えられます。
そのため、Chromeを最新バージョンにアップデートすることで、問題が解決する可能性があります。Chromeをアップデートするには、以下の手順で操作してください。
- Windowsの場合:
- 「Google Chrome」を起動します。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」をクリックします。
- 「ヘルプ」→「Google Chromeについて」をクリックします。
- アップデートのチェックが自動で開始します。アップデートが見つかった場合は、インストールを実行してください。
- Androidの場合:
- 「Google Playストア」を開きます。
- 右上の「アカウントアイコン」をタップします。
- 「アプリとデバイスの管理(マイアプリ&ゲーム)」をタップします。
- 「Chrome」のアップデートが利用可能の場合は、「更新」をタップします。
Chromeをアップデートできたら、ページスクロールの問題が解決したか確認してください。
対処10: Chromeの設定をリセットする
Chromeの何らかの設定に問題があることが原因で、ページのスクロールが引っかかったりカクつくケースが考えられます。
そのため、Chromeの設定をリセットすることで、問題が解決する可能性があります。ただし、Chromeの設定をリセットすると、すべての設定が初期値に戻る点に注意してください。
Chromeの設定をリセットするには、以下の手順で操作してください。
- 「Chrome」を起動します。
- 右上の「メニュー(3点アイコン)」をクリックし、「設定」を選択します。
- 「設定のリセット」を選択します。
- 「設定を元の既定値に戻す」をクリックします。
- 「設定のリセット」をクリックします。
以上の手順で、Chromeの設定をリセットすることができます。設定をリセットできたら、必要な設定を行ってスクロールの問題が解決したか確認してください。
解決しない場合
ここまでのすべての対処方法を試してもChromeのスクロールの問題が解決しない場合は、マウスまたは物理メモリに問題がないか以下の項目について確認してください。
- マウスの問題:
マウスを使用している場合は、マウスホイールに問題がないか確認してください。また、マウスのユーティリティツールなどがインストールされている場合は、ユーティリティツールの機能がスクロールに影響を与えていないか確認してください。 - 物理メモリの不足:
使用しているデバイスの物理メモリが不足していることが原因で、Chromeのスクロールが引っかかったり、カクつくケースが考えられます。特に物理メモリが4GB以下の場合は、物理メモリを増設することを検討してください。